ラピュータ人の科学みたいにならなきゃよいが…
2025年9月7日 5時09分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250907/k10014915391000.html
温暖化対策の一環として、二酸化炭素を資源に転換するなどして燃料などを生成する「人工光合成」を早期に実用化しようと、環境省は2040年には人工光合成による原料の量産化を目指すとする工程表を公表しました。
「人工光合成」は、太陽の光をエネルギーとして利用し、水や二酸化炭素から燃料などを生成する技術です。
化石燃料を使わないことや、温室効果ガスである二酸化炭素を資源に転換することから、温暖化対策につながると期待されています。
国内でも研究や開発が進められる中、環境省は早期に実用化し産業として普及させる道筋を示した工程表をまとめました。
工程表では、2030年に一部の技術の先行利用を始め、2040年には燃料などの原料を量産化させるとしています。
環境省によりますと、「人工光合成」によって最終製品として二酸化炭素の排出が少ない航空機の代替燃料の「SAF」や、肥料などを作ることが想定されています。
一方、実用化に向けては、コストがかかることが課題で、環境省は、来年度予算の概算要求で、設備導入にかかる費用の補助などとしておよそ8億円を計上しました。
浅尾環境大臣は「人工光合成は脱炭素社会を築く強力な柱であり、日本の技術力を生かした新産業の創出や国際競争力の強化にも直結する。目標の前倒しも視野に環境省が先頭に立って、施策を進めていきたい」と話していました。
【Q&A】「人工光合成」とは?
Q.「人工光合成」とはそもそも何?
A.植物の光合成は「太陽光」をエネルギーとして「二酸化炭素」と「水」からデンプンなどの有機物を作ります。
「人工光合成」は植物の光合成をまねて太陽光をエネルギーとして利用し、二酸化炭素や水から燃料などを生成する技術です。
さらに工業的なプロセスを加えることで、別の最終製品を作ることができるとされています。
Q.「人工光合成」は何が期待されている?
A.地球温暖化対策です。
「人工光合成」では、例えば工場や発電所から排出される二酸化炭素などを「資源」として活用することも想定されています。
二酸化炭素は温室効果ガスのひとつなので、資源として活用することで大気中の二酸化炭素が削減されれば、温暖化対策につながると期待されています。
Q.現状はどのような段階にあるのか?
A.環境省によりますと、まだ研究や開発段階の技術が多いといいます。
環境省は、今回の工程表を元に普及を後押しするとしています。
コスト面の課題などがある中で、日本がどれだけ早く実用化できるか世界的に注目されているとしています。
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(関連記事)
https://koibito2.blogspot.com/2017/02/blog-post_6.html
https://koibito2.blogspot.com/2015/12/blog-post_17.html
(№669 2025年9月7日)
「光合成」水分子から酸素分子が作り出されるプロセス観測成功
返信削除2024年2月1日 6時45分
植物などが行う「光合成」で、水の分子から酸素の分子が作り出されるときのプロセスの一部を特殊なX線を使って捉えることに成功したと岡山大学などの研究グループが発表しました。光合成の反応の詳しいメカニズムの解明につながり、クリーンなエネルギー源として注目が集まる「人工光合成」の研究への応用が期待されるとしています。
これは岡山大学の沈建仁教授らの研究グループが国際的な科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
光合成で水から酸素が作り出される反応が起きる際にはマンガンなどの原子が「ゆがんだイス」のような形に結合した物質が触媒となって水を取り込むことが知られていますが、今回、研究グループは特殊なX線を使ってこの触媒に水の分子が取り込まれる様子を1億分の2秒から1000分の5秒までという極めて短時間で観測しました。
その結果、光を当ててから100万分の1秒後に触媒の構造が変化し始め、徐々に水の分子を取り込んでいく様子を立体的に捉えることに成功したということです。
太陽光を利用して水と二酸化炭素から水素や酸素を作り出す「人工光合成」の研究開発はクリーンなエネルギー源として世界で注目されていますが、研究グループでは今回の成果は「人工光合成」の触媒の開発に貢献することが期待されるとしています。
沈教授は「5年間かけてやっとたどりついた研究成果だ。今後は最後のステップである酸素が生成されるメカニズムを解明していきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240201/k10014342461000.html
光合成にまつわる100年以上の「謎」、水から酸素ができる瞬間の観察に成功…岡山大など研究チーム
削除2024/02/01 01:00
植物の光合成のうち解明が最も難しかった、水から酸素ができる反応の一端を捉えることに成功したと、岡山大などの研究チームが発表した。X線自由電子レーザー施設「 SACLAサクラ 」(兵庫県佐用町)の強力なX線をごく短時間照射し、分子の動きを連続的に観察した。人工光合成の実現に向けた一歩となる成果で、論文は1日、科学誌ネイチャーに掲載される。
研究内容について発表する沈教授(岡山市北区で)
光合成は植物が光のエネルギーを利用し、水と二酸化炭素から酸素と炭水化物を作る化学反応。100年以上研究されているが、水が分解されて酸素ができるメカニズムは不明だった。
岡山大の 沈建仁しんけんじん 教授(生化学)らは、植物の葉にある「PS2」というたんぱく質の複合体が、水を分解する反応の触媒となっていることに着目。PS2の結晶を作って解析し、複合体の内部にあるマンガンとカルシウム、酸素の原子からできた「ゆがんだイス」のような形の分子が反応の中心となっていることを突き止め、2011年に発表していた。
今回はPS2の結晶に光を当てて光合成の反応を開始させた後、100兆分の1秒という極めて短い時間、X線を照射して分子の動きをコマ送りで観察した。
すると光を当てた100万分の1秒後、イスの角の部分にあるカルシウムに水分子が結合。5000分の1秒後に水分子が消えて酸素原子が出現し、200分の1秒後には酸素原子がイスの内側へ移動していた。この間、イスと周囲を取り巻くたんぱく質は柔軟に形を変え、反応を支えていることもわかった。
沈教授は「今後は酸素が分子となって外へ出て行く過程を突き止めたい」と話す。
天尾豊・大阪公立大教授(生体触媒化学)の話 「水が分解されて酸素ができる機構の解明に向けた大きな前進だ。今後、水分解機構の全容が解明できることを期待したい」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20240131-OYT1T50233/
https://koibito2.blogspot.com/2014/07/blog-post.html?showComment=1706738375343#c3307615202349390443
藻を培養 世界最大規模の施設がマレーシアに完成 日本企業運営
返信削除2023年4月4日 18時49分
気候変動や食料問題などの解決に向けて、資源として活用できる藻を培養する世界最大規模の施設が、日本企業の運営のもと、マレーシアで完成しました。今後、藻を使った燃料やプラスチックなどの生産の商業化を目指し、研究を進めることになりました。
藻の培養施設はマレーシアのボルネオ島につくられ、経済産業省が所管するNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受けて、日本のバイオ企業が運営します。
4日、現地に関係者およそ70人が集まり、テープカットを行って施設の開所を祝いました。
藻は光合成の際に二酸化炭素を吸収するため、脱炭素化への貢献が期待されていて、この施設では、隣にある石炭火力発電所から排出される二酸化炭素をパイプを通して運び、藻に供給します。
施設では、年間およそ350トンの藻を生産することで、年間およそ700トンの二酸化炭素を吸収できるとしています。
その上で、藻を使って食料や飼料、それに燃料やプラスチックなどもつくる計画です。
バイオ企業は今後の商業化を目指して研究を進めることにしていて、生産コストを下げられるかが今後の課題となります。
バイオ企業の藤田朋宏CEO=最高経営責任者は「2030年までに2000ヘクタールの施設を完成させ、世界で初めて藻で燃料などをつくるビジネスを成立させたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230404/k10014028841000.html
https://koibito2.blogspot.com/2014/07/blog-post.html?showComment=1680622548923#c8430837148160826854
藻を活用したバイオ燃料の開発で連携
返信削除2019年2月20日 20時48分
ミドリムシの培養技術を手がける東京のベンチャー企業、ユーグレナと、自動車部品大手のデンソーは、藻を活用したバイオ燃料の開発などで提携すると発表しました。
発表によりますと、両社は、ミドリムシなど藻に関する研究の成果を持ち寄って、藻を活用したバイオ燃料の事業化などを目指し、提携することで合意しました。
ユーグレナは、藻の一種のミドリムシを絞った油と使用済みの食用油を原料に、航空機や車で使用できるバイオ燃料を生産しています。
今後、藻を使ったバイオ燃料を事業化するには、大規模な生産設備と効率的な工場の運営といったノウハウが必要となることから、すでにバイオ燃料の研究開発に取り組んでいるデンソーと提携することになったということです。
藻を使ったバイオ燃料は、藻の生育のスピードが速いため、ほかの植物由来のバイオ燃料と比べると生産効率が高く、次世代の燃料として注目を集めています。
両社は、2025年に年間25万キロリットルの量産化を実現させ、現在1リットル当たり1万円もかかるコストを100円程度にまで引き下げたいとしています。
ユーグレナの出雲充社長は「最高のパートナーと組むことができたので、環境にやさしいバイオ燃料を必ず実用化したい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190220/k10011821931000.html
https://koibito2.blogspot.com/2014/07/blog-post.html?showComment=1550678332213#c7411085836734662947
[リサーチフロント 研究者から]人工光合成…興味ある分野へ進もう 堂免一成さん 63 東京大教授
返信削除2017年4月13日15時0分
水を分解して水素を作る「人工光合成」の研究を始めたのは、東大大学院の博士課程の時。今でこそ社会に求められる分野ですが、その頃はまだ地球温暖化などが問題になる前で、「単純に面白そう」という理由でこの道に入りました。
水がうまく分解してくれず、同僚や先生たちから「まだやってるの?」と言われた時代が20年ぐらい続きました。でも「絶対にできるはず」と確信していました。同じ思いで研究室に来てくれた仲間や学生がいたのも心強かったですね。
研究の道への入り方は、「宇宙の神秘を探りたい」「社会で必要だから」など、いろんなタイプがあります。化石資源はいつか必ず尽きるので、人工光合成は将来的に間違いなく必要ですが、今後も浮き沈みはあるでしょう。研究者になって後悔したくないなら、自分が一番興味のある分野に進むべきだと思います。
若い人たちには、大学入試を一生懸命やるのと同じくらい、大学の4年間も頑張って、基礎をしっかり身につけてほしい。後で研究する時に役立ちます。そういう学生が増えれば、日本の科学技術力はぐっと上がるはずです。私は、学生時代にもう少し勉強しておけば良かったと、今まで何度も思ってきました。空手ばかりやっていて、あまり講義を聴かなかったので。
研究室は今、私を含めて30人弱。学生には、自分で新しいことを考えさせます。皆、意外と粘り強い。教授の言うことをすぐには聞かないくらい頑固な学生の方が、将来的には大きく飛躍する可能性を秘めていると思います。(聞き手 小林史)
次回は東京理科大の工藤昭彦さんの予定です。
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170413-118-OYTPT50191
https://koibito2.blogspot.com/2014/07/blog-post.html?showComment=1492106093560#c8708853831740207039
脱炭素の燃料使用量 “世界で4倍以上に” 大阪で初の国際会議
返信削除2025年9月15日 15時57分
バイオ燃料や水素をはじめ、脱炭素につながる燃料の活用を促す国際会議が大阪で初めて開かれ、主催する日本とブラジルは、2035年までに世界全体でこれらの燃料の年間使用量をこれまでの4倍以上に拡大させていく目標を示しました。
この「持続可能燃料閣僚会議」は日本・ブラジル両政府が初めて開き、大阪市の会場にはヨーロッパやアジアなど30あまりの国や国際機関が出席しました。
はじめに共同議長を務める武藤経済産業大臣が「持続可能燃料を普及させていくために各国での取り組みはもちろん、国際的な協力や官民連携が欠かせない。ぜひ、かったつな議論をお願いしたい」と述べました。
会議では、バイオ燃料や水素をはじめ脱炭素につながる燃料の活用を促すため、ハイブリッドエンジンなど自動車分野で利用を図ることの重要性や各国が実情に応じて普及を図っていくことを確認しました。
そのうえで会議を主催する日本とブラジルは、今から10年後の2035年までに世界全体でこれらの燃料の年間使用量を去年の4倍以上に拡大させ、化石燃料の利用を抑えていく目標を示しました。
今回の成果は、ことし11月にブラジルで開かれる気候変動に関する国連の会議、「COP30」でも示される見込みです。
また、会議にあわせて、川崎重工業やトヨタ自動車、それにドイツのダイムラー・トラックなど5社が覚書を交わし、日本とドイツで水素の大規模な供給網の構築を目指すことになりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250915/k10014923041000.html
航空燃料「SAF」普及へ 都が使用済み油の回収キャンペーン
返信削除2025年9月19日 6時16分
家庭の食用油などを原料として、二酸化炭素の排出を大幅に削減する航空燃料、「SAF」の普及を進めようと東京都は、都内各地で使用済みの油を回収するキャンペーンを始めました。
「SAF」は家庭の食用油などを原料とした循環型の航空燃料で、従来のジェット燃料と比べて二酸化炭素の排出量を大幅に削減できることから、航空業界の気候変動対策として注目されています。
東京都は、環境に優しいSAFの普及を進めようと家庭から出た使用済みの油を回収するキャンペーンを始めました。
回収の対象となるのはサラダ油など植物性の油でペットボトルなどの蓋の閉まる容器に入れて回収所に持ち込みます。
都によりますと回収された油は、大阪にあるSAFの製造所で精製され羽田空港や関西空港など国内の主要な空港で航空機の燃料として使用されるということです。
キャンペーンは来月末まで行われ、期間中は都庁第一庁舎や一部の区市町村の庁舎、公民館などおよそ80か所で行われます。
都資源循環推進部は、「家庭から出る油が飛行機の燃料となることを知ってもらうとともに環境のためにもぜひ回収に協力いただきたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250919/k10014926921000.html
来月開催「COP30」削減目標を提出した国や地域 3割にとどまる
返信削除2025年10月10日午後3時34分
環境
来月、ブラジルで開催される国連の気候変動対策の会議「COP30」に向けて、国連への提出が求められている温室効果ガスの排出削減目標を提出したのは、締約した国や地域の3割にとどまっていることがわかりました。
国連の気候変動対策の会議、「COP30」は、ことしは来月10日からアマゾン地域のブラジルのベレンで開催されます。
開催に向け2015年の「パリ協定」に締約した195の国や地域は、ことしは先月までに、温室効果ガスの5年ごとの排出削減目標を国連に提出することが求められていました。
環境省によりますと9日時点で提出しているのは締約した国や地域の3割の60か国にとどまっているということです。
日本はことし2月に、2013年度比で温室効果ガスを、2035年度に60%、そして2040年度には73%削減する目標を提出したということです。
浅尾環境大臣は10日の閣議後の記者会見で「各国に対して早期の提出を呼びかけてきたが十分とは言えない状況だ。未提出の国も速やかに提出することを期待し、COP30ではパリ協定が目指す目標の達成に向けた進展が得られるよう議論に貢献していく」と述べました。
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014946671000
“政府の気候変動対策は不十分” 全国の450人余が国を提訴
返信削除2025年12月18日午後7時14分
地球温暖化が進む中、政府の気候変動対策は不十分だとして、全国に住む450人余りが国に対して賠償を求める訴えを起こしました。
東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、全国各地に住む452人です。
訴えによりますと、地球温暖化の影響で熱中症の死者数が増え続け、ゲリラ豪雨による土砂災害も増加する中、政府の掲げる温室効果ガスの削減目標は対策として不十分で、市民生活が脅かされているなどとして、国に対し、1人当たり1000円の賠償を求めています。
原告の1人で東京大学大学院の斎藤幸平准教授は会見で「私たちは非常に深刻な気候変動に直面していて、このままでは取り返しのつかない事態になってしまいます。こうした問題提起によって世論の流れや脱炭素に関する規制をしっかりと作っていきたい」と話していました。
弁護団によりますと、引き続き原告を募っているということで、来年2月にも追加で訴えを起こす予定だということです。
一方、国は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としています。
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015007691000
地球温暖化おカルト教信者につけるクスリはない。
削除生活保護の受給者に賞味期限切れ食品配布、「体調が悪くなった場合は自己責任」と署名させる…徳島市
返信削除2025/12/22 20:03
徳島市は22日、生活保護費の受給者ら59人に、2023年5月~今月1日、賞味期限切れの備蓄食品計約1100点を配布していたと発表した。期限切れであることを事前に説明し、「体調が悪くなった場合は自己責任」との同意書に署名させていた。体調不良を訴えた人はいないという。
食事に困って市の窓口を訪れた人に、災害用に備蓄し、期限が切れたアルファ米や缶に入ったパン、水を提供していた。最長で1年2か月期限が切れていた。市は、生活費がなく、命の危険を感じるような場合に限っていたとしている。
外部から問い合わせがあり、配布をやめた。市は「職員の経験から、食品や飲料の安全性に問題がないと認識していたが、不適切な対応だった」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20251222-GYT1T00339/
徳島市 生活保護申請者らに賞味期限切れ食品支給 同意書求める
削除2025年12月22日午前11時50分
(2025年12月25日午後4時44分更新)
生活保護の申請者や受給者のうちその日の食料に困るなど緊急支援が必要な人に対し、徳島市が、賞味期限切れの備蓄食品を支給し、その際、「体調が悪くなった場合、自己責任」とする同意書にサインさせていたことがわかりました。
徳島市はNHKの取材を受けて「不適切だった」として、こうした対応を取りやめたとしています。
関係者や徳島市によりますと、市ではおととしから、生活保護の申請者や受給者のうちその日の食料に困るなど緊急支援が必要な人に対し、賞味期限が切れたパンやアルファ化米などの災害用の備蓄食品を支給し、その際、「支給された食料の飲食によって体調が悪くなった場合、自己責任であることを理解しています」とする同意書にサインさせていたということです。
支給した備蓄食品の中には賞味期限を1年2か月過ぎていたものもあったということです。
賞味期限切れの食品については国の食品寄付のガイドラインで「直ちに安全性を欠き、食べられなくなることを意味するわけではない」とした上で、食べられる期限の目安について科学的な根拠がある場合に限り提供されるべきで、食中毒などの事故発生に備えて連絡体制を整備することが望ましいなどとされていますが徳島市はこうした対応をとっていなかったということです。
また、市によりますと、防災訓練などで災害用の備蓄食品を市民に配付する際には、賞味期限の切れていないものを渡していたということで、生活保護に詳しい専門家は、「一般には渡さないものを生活困窮の人に渡していたことは、困っているからいいだろうという判断があった可能性もあり、線を引いていることになる」と指摘しています。
これについて徳島市は、生活保護の決定を急ぐ対応を基本としているとした上で「『あすの食べ物がない』という人に対して賞味期限切れの食品を支給していた。生活保護の申請者などとそれ以外の市民で対応を分けていたという認識はない」と話しています。
その上で「万が一の事故の想定をしていなかったことや『自己責任』とした同意書をとっていたことは不適切だった」などとして、NHKの取材を受けてこうした対応を取りやめたとしています。
徳島市 賞味期限切れの食品などの配布状況を発表
徳島市は22日、おととし5月から今月1日までに生活保護の申請者や受給者に対して配った賞味期限切れの食品などの配布状況を発表しました。
それによりますと、市はこの期間に、生活保護の申請者や受給者のうちその日の食料に困るなど緊急支援が必要な人のべ85人にパンやアルファ化米などの災害用の備蓄食品を支給し、このうち、およそ7割にあたる延べ59人に賞味期限切れの食品などを配布していたということです。
配布した賞味期限切れの食品は
▽アルファ化米が534袋
▽パンが468個
▽ペットボトルの水が100本となっていて、このうち、最も長いもので賞味期限を1年2か月過ぎたパンが23個あったとしています。
生活保護決定までの申請者への対応 自治体によってばらつき
生活保護法では、申請を受けてから原則14日間以内に、資産や収入を調査して保護するかどうかを決定するとしていますが、決定までの間、生活に困窮した申請者に対し、どういった対応をとるべきかは法律や国の実施要領に言及がありません。
徳島市では同意書をとって賞味期限切れの食品を支給していたことがわかっていますが、それぞれの自治体がどのような対応をとっているのかNHKは県庁所在地の市と都内23区、あわせて69の自治体に取材しました。
その結果、46の自治体では一時的に現金を支給し、ほとんどは生活保護費が支給された後に返還を求めていました。
支給する現金の額は、生活保護費の1か月分として10万円程度など、ある程度まとまった額を支給しているところもあれば、1日1000円程度など必要最低限の金額を支給している自治体もあり、ばらつきがありました。
また、45の自治体では食料を支給し、自治体が配付用に独自に食料をストックしていたり、フードバンクなどの団体と連携して対応したりしていましたが、賞味期限切れの食料を渡していると答えた自治体はありませんでした。
一方、8自治体は「支援していない」としていて、このうちの4自治体は理由について「法律や国の実施要領に支援の記載がないため」と回答しました。
このほか「どのような支援をしたら十分だといえるのか、基準がないため判断が難しい」など、国による一定の基準を求める意見もありました。
自治体間で対応にばらつきが生じていることについて、専門家は「地域の実情に応じて自治体の対応にばらつきが生じるのは仕方のないことだが生活保護は最低限度の生活を保障する制度であり、申請から受給までの間、公平に実施されることが望ましく、国が何らかの指針を示すべきではないか」などと指摘しています。
国の食品提供のガイドラインは
※記事の一部の内容をより詳しく差し替えました。
食品表示法では、食品には 「消費期限」 と 「賞味期限」 のどちらか一方の表示を義務づけています。
それぞれの定義についてはいずれも定められた方法で保存した場合において、消費期限は、腐敗などの品質の劣化により安全性を失う可能性がある期限を示し、賞味期限は期待されるすべての品質を保つことが十分に可能である期限を示すことになっています。
その上で食品提供のあり方については消費者庁が去年12月「食品寄附ガイドライン」を作成し、注意点をまとめています。
その中で、賞味期限について「期限を過ぎたとしても直ちに安全性を欠き、食べられなくなることを意味するわけではない」とした上で、食べられる期限の目安について科学的な根拠がある場合に限り提供されるべきで、食中毒などの事故発生に備えて連絡体制を整備することが望ましいなどとされています。
国ではフードロスを減らすため、賞味期限まで2か月を切った災害用の備蓄食品をフードバンクに提供する取り組みを進めていて、フードロスの取り組みについての取りまとめを行っている消費者庁では、パックのご飯については食べられる期限の目安を賞味期限が切れてから3か月に設定して提供しているということです。
消費者庁のホームページでは、災害用の備蓄食品の表示は賞味期限であり「期限を過ぎたら食べない方がよい消費期限とは異なる」と説明しています。
さらに、水については、賞味期限を過ぎていても「品質の変化は極めて少ない」として、災害時などは柔軟に対応してほしいとしています。
徳島市が体調が悪くなった場合は自己責任だとする同意書をとって賞味期限切れの災害用の備蓄食品を生活保護の申請者や受給者に渡していたことについて、消費者庁の担当者は「賞味期限切れの食品を渡していること自体は直ちに問題だとは考えていないが、早めに食べることや食べきる期限を伝えるなどの配慮が必要だったのではないか」と話しています。
専門家「複数の選択肢など国が方針示すべきではないか」
徳島市が生活保護申請中の人などに同意書を取り賞味期限切れの食品を渡していた問題で、日本女子大学の岩田正美名誉教授は「フードロスを減らすために自分自身が賞味期限切れの食品を食べることはありますが、公的機関が、提供された側の自己責任とする同意書にサインをさせたことは責任の放棄でもある」としています。
また、市が防災訓練などで市民に備蓄品を配る際は、賞味期限が切れていない食品を渡していたことについて、岩田名誉教授は「一般の市民には渡さないものを生活困窮の人に渡していたことは、困っているからいいだろうという判断があった可能性もあり、線を引いていることになる」と指摘しています。
一方で、生活保護の申請から決定までの間の対応をめぐり、自治体ごとにばらつきがあることについては「地域ごとに歴史的な問題や産業構造、高齢化率などの違いから貧困対策も異なるので、地域の実情に合わせて各自治体が考えた取り組みを尊重してもいいのではないか」とした上で「生活保護は最低限度の生活を保障する国の制度であり、申請から受給までの間、公平に実施されることが望ましい。自治体が柔軟に対応できるように複数の選択肢を用意するなど、国が方針を示すべきではないか」としています。
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015010251000