2024年3月9日

和食、米、日本酒、SAKE…⑤


03月09日 13時52分 NHK新潟
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20240309/1030028658.html

>およそ500種類の新潟の日本酒を楽しむことができる「にいがた酒の陣」が新潟市で始まり、訪れた人たちが好みの地酒を味わいました。

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2024年2月29日 17時33分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240229/k10014374691000.html

去年、生産されたコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が公表され、43の銘柄が最高の「特A」の評価を受けました。高温に強いとされる銘柄が増えたことなどから「特A」の銘柄は5年ぶりに増加しました。

コメの食味ランキングは、農産物などの品質や安全性を評価している日本穀物検定協会が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査し、5段階で評価しています。

ことしは、全国144銘柄のコメが審査の対象となり、前の年より3つ多い43銘柄が最高の「特A」と評価されました。

温暖化が進むなか、「特A」と評価された銘柄のおよそ6割が「にこまる」や「きぬむすめ」など高温に強い品種です。

こうした品種で「特A」に評価された銘柄が増えたことから、全体でも「特A」の銘柄は5年ぶりの増加となりました。

一方、今回、27の銘柄がランキングを落としていますが、このうち14銘柄が記録的な猛暑による生育不良に見舞われた新潟県など北陸地方や東北地方の銘柄でした。

新潟県の「コシヒカリ」は、「上越」が「特A」から「A」に評価を落とし、今回「
特A」の評価を受けたのは「魚沼」のみとなりました。

記者会見でこの団体の井出道雄会長は「猛暑が続くなかで、高温に強い新しい品種にチャレンジしたところが評価された」と話しています。

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(書きかけ)





(№624 2024年2月29日)

30 件のコメント:

  1. 青天の霹靂「特A」逃す コメ食味ランキング
    2/29(木) 17:00配信 Web東奥

     日本穀物検定協会(東京)は29日、2023年産のコメの食味ランキングを発表した。青森県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」は初めて最高評価の「特A」を逃し、1段階下の「A」評価だった。新品種「はれわたり」は参考品種だった22年産に続き「特A」を獲得。「まっしぐら」は前年から一つ下げ、「Aダッシュ」だった。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/215d3029e2f691ec9821a7794e1ecb894b7bc8ae

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    1. 青森 NEWS WEB
      「はれわたり」が「特A」獲得 「青天の霹靂」初の「A」に
      02月29日 18時14分

      去年生産されたコメの味などを評価する「食味ランキング」の結果が発表され、県内では去年、全国での販売が始まった新品種「はれわたり」が最高の「特A」を獲得しました。
      一方、8年連続で「特A」だった「青天の霹靂」は初めて「A」となりました。

      「日本穀物検定協会」は全国で生産されたコメの味や香りなどを審査し5段階で評価していて、去年生産された144銘柄の評価を29日発表しました。

      この中で去年、全国での販売が始まった青森県の新品種「はれわたり」は、最も評価の高い「特A」を獲得しました。

      「はれわたり」が「特A」の評価を受けるのは初めてで、参考品種として出品された令和4年産を含めると2年連続です。

      一方、青森県のブランド米で、8年連続で「特A」を獲得してきた「青天の霹靂」は初めて「A」の評価にとどまりました。

      また、前回、再び「A」に返り咲いた「まっしぐら」は1段階評価を落として「A’」になりました。

      全国で「特A」の評価を受けたのは43銘柄で、このうちおよそ6割が高温に強い品種でした。

      この団体の井出道雄会長は「猛暑が続くなかで、高温に強い新しい品種にチャレンジしたところが評価された」と話しています。

      【宮下知事】

      コメの味などを評価する「食味ランキング」の結果が発表されたことをうけて宮下知事は29日夕方、報道陣の取材に応じました。

      8年連続で「特A」だった「青天の霹靂」が初めて「A」となったことについては「去年は作付けしているエリアで高温が続いて難しい状況だったのでやむを得なかった部分もある。再スタートの気持ちで生産者と一丸となって取り組み『特A』復活に向けて頑張っていきたい」と述べ、去年の記録的な暑さが影響したとの考えを示しました。

      一方、新品種「はれわたり」が最高の「特A」を獲得したことについては「暑さや気候変動にも対応できるよう開発された品種でもあり、これから青森県のコメの主力になれることを改めて証明したと思う。開発にあたった県や生産者の取り組みの結果だ」と述べ、今後さらに全国での販売を進めていくことに意欲を示しました。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20240229/6080021972.html

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    2. 秋田 NEWS WEB
      「サキホコレ」と県南地区生産の「あきたこまち」が「特A」
      02月29日 17時53分

      去年生産されたコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が公表され、秋田県で生産された「サキホコレ」と県南地区で生産された「あきたこまち」が最高の「特A」の評価を受けました。

      コメの食味ランキングは、農産物などの品質や安全性を評価している日本穀物検定協会が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査し、5段階で評価しています。

      ことしは全国144銘柄のコメが審査の対象となり、前の年より3つ多い43銘柄が最高の「特A」と評価されました。

      このうち、おととし本格デビューした「サキホコレ」は今回、初めて正式な審査対象となり、「特A」の評価を得ました。

      また、去年のランキングで2番目に高い「A」の評価にとどまった県南地区の「あきたこまち」は今回の審査で評価が上がり「特A」となりました。

      一方、去年のランキングで最高の「特A」と評価された中央地区の「ひとめぼれ」は「A」と評価を1つ下げました。

      このほか、県北地区の「あきたこまち」は去年の評価と同じく「A」となったほか、中央地区の「あきたこまち」は評価を1つ下げ3番目に高い「A’」の評価となりました。

      記者会見で評価した団体の井出道雄会長は「猛暑が続く中で、高温に強い新しい品種にチャレンジしたところが評価された」と話しています。

      【佐竹知事】

      コメの「食味ランキング」の結果について佐竹知事は「稲作にとって厳しい気象条件となる中、最高評価を獲得したことは、生産者にとって励みになる。特に、デビュー2年目となった「サキホコレ」は、全国のトップブランドと肩を並べる上で、大きな後ろ盾になり、秋田のコメ全体の訴求力が高まると期待している。関係団体とともに要因を分析し質の高いコメの生産に向けて栽培技術を広く普及していく」とするコメントを発表しました。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20240229/6010020459.html

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    3. 山形 NEWS WEB
      山形県は「つや姫」「雪若丸」が特A 食味ランキング結果公表
      02月29日 17時16分

      去年、生産されたコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が公表され、山形県では村山産と置賜産の「つや姫」と置賜産の「雪若丸」が最高の「特A」の評価を受けました。

      一方、庄内産の「雪若丸」は初めて「特A」から「A」に評価を落とし、県は、去年夏の猛暑の影響を受けた可能性があるとしています。

      コメの食味ランキングは農産物などの品質や安全性を評価している日本穀物検定協会が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査して5段階で評価しています。

      去年、生産された全国144銘柄のコメの評価が29日公表され、このうち、山形県では村山産と置賜産の「つや姫」と置賜産の「雪若丸」が最高の「特A」の評価を受けました。

      これにより、ブランド米の「つや姫」は14年連続、「雪若丸」はデビューから6年連続で「特A」となりました。

      吉村知事は「夏の高温の影響で1等米比率は大幅に低下したが、おいしさについては最高の評価が得られた。厳しい気象条件の中でも、生産者のみなさんがおいしい米づくりに励んでいただいたたまものだと考えている」とコメントしています。

      一方、庄内産の「雪若丸」は初めて「特A」から「A」に評価を落としました。

      県農業技術環境課は「去年、夏の猛暑の影響を受けた可能性もあるが、今後、詳しい要因を分析していきたい」と話しています。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240229/6020019882.html

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    4. 新潟 NEWS WEB
      新去年のコメの食味 魚沼産「特A」も上越産は「A」に
      02月29日 18時12分

      去年生産されたコメの味や香りを審査する「食味ランキング」の結果が公表され、県内の「コシヒカリ」のうち、最高の「特A」の評価を受けたのは魚沼産のみで、10年連続で「特A」だった上越産は「A」に評価を落としました。

      コメの食味ランキングは、農産物などの品質や安全性を評価している一般財団法人の「日本穀物検定協会」が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査して5段階で評価を行っています。
      協会は去年生産された全国144銘柄のコメの評価を29日公表し、このなかでは43銘柄が最高の「特A」と評価されました。
      このうち県内からは、魚沼産コシヒカリが「特A」の評価を受けましたが、前回まで10年連続で「特A」だった上越産コシヒカリが「A」の評価となり、県内で「特A」は1つの銘柄にとどまりました。
      今回ランキングを落とした27の銘柄のうち14の銘柄が、記録的な猛暑による生育不良に見舞われた新潟県を含む北陸地方や東北地方のもので占めました。
      記者会見でこの団体の井出道雄会長は「猛暑とフェーン現象の影響で食味への影響があったのでないかと考えている」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20240229/1030028557.html

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    5. 岩手 NEWS WEB
      銀河のしずくが6年連続「特A」ひとめぼれは返り咲きならず
      02月29日 17時38分

      去年生産されたコメの味や香りを審査する「食味ランキング」の結果が発表され、岩手県産のブランド米「銀河のしずく」が6年連続で最上位となる「特A」の評価を受けました。
      一方で、主力の「ひとめぼれ」は「A」で「特A」への返り咲きはなりませんでした。

      コメの食味ランキングは農産物などの品質や安全性を評価している「日本穀物検定協会」が毎年、全国で生産されたコメの味や香りなどを審査して5段階で評価を行っています。

      このうち、岩手県産のコメはブランド米の「銀河のしずく」が最高の「特A」と評価されました。

      「特A」は6年連続です。

      一方で、主力となる県南部の「ひとめぼれ」は去年に続いて上から2番目の「A」で平成30年産以来の「特A」返り咲きはなりませんでした。

      このほか、県中部の「ひとめぼれ」が「A」「あきたこまち」は上から3番目の「A’」でした。

      日本穀物検定協会によりますと、今回のランキングから各県の作付面積上位3品種が審査の対象になるため、「いわてっこ」やブランド米の「金色の風」はは評価されませんでした。

      岩手県農産園芸課は、「銀河のしずくが6年連続で特Aと評価されたことは喜ばしいが、ひとめぼれが選ばれなかったことは残念。来年は特Aに返り咲いてほしい」としています。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20240229/6040020824.html

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    6. 宮城 NEWS WEB
      コメの食味ランキング 県産つや姫 初めて「特A」逃す
      02月29日 18時30分

      去年、生産されたコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が29日、公表され、宮城県産の「ひとめぼれ」は前回と同じ、2番目に高い評価の「A」を獲得しました。
      一方、これまで最高の「特A」の評価を受けてきた「つや姫」は、初めてランクを1つ下げ「A」となりました。

      コメの食味ランキングは、農作物などの品質や安全性を評価している「日本穀物検定協会」が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査し、5段階で評価しています。
      最上位の「特A」の評価を受けると味の良さなどを消費者にアピールしやすくなることから、全国の産地が力を入れていて、宮城県からは「ひとめぼれ」「つや姫」「ササニシキ」の3銘柄が出品されました。
      その結果、宮城県内で最も生産量が多い「ひとめぼれ」は、前回と同じ2番目に評価の高い「A」を獲得しました。
      また、「ササニシキ」も「A’」と、前回と変わらない評価となりました。
      一方、「つや姫」は、出品を始めた2013年度以来、最上位の「特A」の評価を獲得し続けてきましたが、今回初めてランクを1つ下げて「A」となりました。

      【JA全農みやぎ “技術見直しや高温対策で奪還”】
      今回の結果を受けてJA全農みやぎは、「ことしは夏の猛暑の影響で1等米の割合が去年より下がってしまった。今後は『特A』の奪還に向けて県と連携しながら土づくりや適正な水の管理などといった技術面を見直し、高温対策などを講じていきたい」としています。
      https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20240229/6000026710.html

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    7. 福島 NEWS WEB
      コメの食味ランキング 福島県産は20年ぶりに「特A」なし
      02月29日 17時21分

      去年生産されたコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が公表され、福島県産で最高の「特A」の評価を受けた銘柄はありませんでした。

      コメの食味ランキングは、農産物などの品質や安全性を評価している日本穀物検定協会が全国で生産されたコメの味や香りなどを審査し5段階で評価しています。

      福島県産のコメは会津、中通り、浜通りの「コシヒカリ」「天のつぶ」「ひとめぼれ」の5つが審査の対象となり、最高の「特A」の評価を受けた銘柄はありませんでした。

      それぞれの評価は、会津の「コシヒカリ」が2番目の「A」で、前回まで10年連続で「特A」だった評価が1つ下がりました。

      中通りの「コシヒカリ」は3番目の「A’」で、前回より1つ下がりました。

      浜通りの「コシヒカリ」は「A」で、1つ上がりました。

      「天のつぶ」は1つ下がって「A’」、「ひとめぼれ」は前回と同じ「A」でした。

      全国では144銘柄のコメが対象となり、およそ3割の43銘柄が「特A」と評価され、東北では山形県の「つや姫」や秋田県の「サキホコレ」など7つの銘柄が「特A」でした。

      福島県は令和2年産まで4年連続で「特A」の銘柄が全国の都道府県で最も多く、「特A」の銘柄がないのは平成15年産以来、20年ぶりです。
      https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20240229/6050025449.html

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    8. コメ食味ランキング「はれわたり」は特A
      2/29(木) 22:24配信 Web東奥

      食味ランキングの結果について報道陣の取材に応じる宮下知事

       日本穀物検定協会(東京)は29日、2023年産のコメの食味ランキングを発表した。参考品種を含め10回目の出品となった青森県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」は初めて最高評価の「特A」を逃し、1段階下の「A」評価だった。昨夏の記録的猛暑が食味に悪影響を及ぼしたとみられる。新品種「はれわたり」は参考品種だった22年産に続き、正式出品でも特Aを獲得。「まっしぐら」は一つ下げ「Aダッシュ」だった。

       ランキングは複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準に、協会が選抜した評価員が白米の外観や香り、味、粘りなどの6項目で採点。特AからBダッシュまでの5段階で評価する。

       青天の霹靂は、青森産技センター農林総合研究所(黒石市)が開発し、15年秋に市場デビュー。参考品種だった14年産から22年産まで9年連続で特Aを獲得していた。

       県農産園芸課によると、一般的には登熟期(もみの中の実が成長する時期)に異常高温が続くと、エネルギーを消耗して実に甘みやうまみがたまりづらく、食味が落ちやすいとされる。青天の霹靂が作付けされる津軽地域では特に猛暑の影響が大きかった。

       日本穀物検定協会の井出道雄会長は「津軽の生産者が心血を注ぎ細かいところまで注意して米作りをしていることは知っているが、昨夏の気象条件はそういうレベルを超えていた。この経験を踏まえ今後も努力してほしい」と述べた。

       ランキング対象となったのは全国144銘柄(参考品種除く)。特Aは43銘柄で、22年産から3銘柄増加した。Aは78銘柄、Aダッシュは23銘柄で、BとBダッシュはなかった。関東以西では高温耐性のある品種のランク上昇が目立った。

       04~22年産まで19年連続でA評価だった「つがるロマン」は、はれわたりへの切り替えに伴い23年産は出品しなかった。

       県庁で取材に応じた宮下宗一郎知事は「霹靂は高温でやむを得なかった部分がある。来年度は再スタートの気持ちで生産者と一丸となり、指導を徹底して特A復活に向けて頑張っていきたい」とコメント。一方、「はれわたりは気候変動に対応するために開発された品種でもあり、力を発揮できた。これからも自信を持って販売し、私自身も素晴らしいお米だとPRしていきたい」と話した。
      https://news.yahoo.co.jp/articles/98b56916847a35891eb47717bdae4a1660fe0f9e

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    9. 米の食味ランキング、特Aは43銘柄…猛暑で新潟県の銘柄でランクダウン目立つ
      2024/03/04 17:43

       日本穀物検定協会が発表した2023年産米の「食味ランキング」は、猛暑の影響で米どころの東北地方や新潟県の銘柄のランクダウンが目立った。

       最上位の特AからAにランクを下げたのは青森県産「青天の 霹靂へきれき 」や宮城県産「つや姫」など12銘柄。新潟県産コシヒカリは前回の22年産米では、上越産と魚沼産の2銘柄が特Aを獲得したが、今回は魚沼産のみだった。新潟県産コシヒカリの特Aが1銘柄にとどまるのは、1994年産以来。

       フェーン現象による記録的な高温乾燥などが影響したという。コシヒカリは暑さに弱いとされ、米粒が白く濁ったり小さくなったりする被害が広がった。

       Aから特Aに昇格したのは、滋賀の「みずかがみ」や島根の「つや姫」など12銘柄で西日本の産地が中心だった。東北では、青森県産「はれわたり」と秋田県産「サキホコレ」の2銘柄が初めて特Aに選ばれた。

       審査対象144銘柄のうち特Aを獲得したのは43銘柄で、前回より3銘柄多く、5年ぶりに増加した。特A43銘柄のうち25銘柄が「きぬむすめ」「にこまる」など高温に強い品種だった。

       北海道産「ななつぼし」と佐賀県産「さがびより」は14年連続で特Aだった。

       食味ランキングは、専門の評価員100人が外観、香り、味など6項目を審査して5段階でランク付けする。1971年年産米から始まり、今回で53回目。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240304-OYT1T50107/

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  2. 360年の伝統継承した菊正宗酒造社長、大手ならではの革新…酒どころ「灘五郷」再興に挑む
    2024/03/03 09:22

    菊正宗酒造社長 嘉納治郎右衛門氏 48

     全国有数の酒の産地、兵庫県南部の「灘五郷」で360年以上の歴史を持つ菊正宗酒造。伝統の名跡を45年ぶりに継ぎ、老舗のかじ取りをする嘉納治郎右衛門社長に展望を聞いた。(聞き手・丸谷一郎 写真・前田尚紀)

    「百黙」を手にする嘉納治郎右衛門社長

    <社長就任の際に襲名した「治郎右衛門」は嘉納家当主の名跡。復活するのは1972年以来だ>

     先々代と先代の社長を務めた祖父と父は継がなかったため、3代ぶりの襲名です。祖父に直接聞いたことはないのですが、高度経済成長期の経営者として最先端の設備を導入した工場をつくり、「家業から企業」へ移行する中では、過去から脱却するために名跡は不要と考えたのではないでしょうか。父も、その流れを踏襲しました。

     しかし、効率化が進みきった今だからこそ、360年以上の歴史と伝統を見直し、新しいことと結び付ける「伝統と革新」が重要だと考えます。日本酒の伝統文化を引き継いでいく者として社内外に覚悟を表明したいと思い、襲名は一つの手段でした。

    〈大学卒業後は、総合スーパーのイトーヨーカ堂に就職した〉

     幼い頃から「跡を継げ」と言われて育ったわけではありません。父は酒があまり強くないため、自宅で利き酒をしても日常的に晩酌することはありませんでした。私も酒を意識した生活は送っていませんでした。

     大学時代、所属していた運動部で、無理やり酒を飲まされたことがありました。当時は荒っぽい飲み方がまだ残っており、酒に対する最初のイメージは否定的でした。

     ところが、就職活動を控えた3年生のころ、友人と入った居酒屋でゆっくりと料理を楽しみながら、菊正宗のかん酒を頼んでみたのです。色々な話をしながらしみじみ飲む酒は実にうまい。その時はじめて、酒について誤解していたと気づきました。

     酒造会社の家で育った自分ですら酒を否定していた。一般の人はなおさらだろうと思いました。日本酒の本当の楽しみ方、うまさを伝える仕事に人生を懸けようと、この時決めました。将来、家業を継ぎたいと父に伝えました。

     イトーヨーカ堂に入社したのは、まず社会勉強をしたいと考えたからです。業務は店舗の鮮魚担当。朝早く起きて市場に行って魚を仕入れてさばき、店頭に並べる仕事を5年弱、続けました。魚には詳しくなりました。
    https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240220-OYT1T50129/

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    1.  当時の社長はカリスマ経営者と呼ばれた鈴木敏文さんです。今も記憶に残っているのは年頭の訓示が毎年、「変化への対応と基本の徹底」だったことです。なぜ毎年、同じなのか不思議でしたが、経営者となった今、ぶれずに同じことを貫くことが企業の強さにつながるのだとお手本にさせてもらっています。

      〈2000年代半ば、地酒がブームとなったが、主役は、少量生産の酒造会社だった〉

       酒類の販売免許の交付は既存の店舗からの距離や人口などによって制限され、酒販店が守られていました。それが03年に規制緩和されると、スーパーやコンビニも参入できるようになりました。

       かつては、得意先の酒屋の主人やおかみさんが地域の人たちに「菊正宗がいいよ」と薦めてくれたのですが、スーパーでは誰もそんなことはしてくれない。各店が安売りで競う中、厳しい値下げ交渉も迫られるようになりました。

       その頃始まった地酒ブームで注目されたのは、地方の中小メーカーが作る吟醸酒でした。人気となった酒の多くは芳醇(ほうじゅん)な味わいが特徴の吟醸酒で、今では全国的に有名になり、輸出もされている「獺祭(だっさい)」を作る旭酒造(山口県岩国市)などです。こうした酒は大量生産できないが、味の良さで評価が上がっていました。一方、酒造会社としては大きく、大量生産している弊社は、営業先の小売店から「ああ、大手さんね」と言われ、格下に見られる気がしたものです。

      〈副社長だった16年4月、吟醸酒「百黙」を発売した。130年ぶりとなる新ブランドの登場だった〉

       和食とワインの組み合わせが注目されるなど、定番に当てはまらない飲み方も増えていました。酒を取り巻く環境が大きく変化する中、危機感が募りました。

       キレの良い辛口が特徴の酒を造る我々が、本気で吟醸酒の開発に取り組んだのが百黙でした。若手社員を集めて新たなプロジェクトを始めたのは、副社長になった13年。酒に関わる微生物や酵母、こうじなどの研究組織を持つ大手だからこそ、吟醸酒でもうまい酒が造れることを証明しようと考えました。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240220-OYT1T50129/2/

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    2.  大吟醸は、低温でじっくりと発酵させて華やかな香りと甘みを引き出す必要があります。開発は初めての連続で、失敗を重ねて適切な温度や時間を見極めるのに数年を要しました。低温で保管するための貯蔵タンクも新設しました。

       ブランド名は「百黙一言」という言葉が由来です。寡黙な人が発する一言は的確で、人に感銘を与えるという意味です。味に自信はありますが、あえて大々的にはPRせず、当初は販売先を地元の兵庫県内に限定し、少しずつ拡大していく戦略です。次の100年へと続くブランドとして育てています。

      <16年9月にはパック酒の新商品「しぼりたてギンパック」を発売した。世界的なワイン品評会のコストパフォーマンスに優れた日本酒部門で唯一、最高位に2回選ばれている>

       人気の日本酒の多くは瓶入りの吟醸酒や純米酒ですが、清酒の消費量の6~7割をパック酒が占めています。日常的な需要に支えられているのですが、残念ながら縮小傾向にあります。

       スーパーの中でなかなか注目されないパック酒売り場に目を向けてもらえないか。そんな思いで投入したのがギンパックです。

       日本酒は原料のコメの表面を削る割合が高いほど、華やかな香りになり、大吟醸などと銘打てますが、その分、高価になります。ギンパックは、削る割合を抑えながら、独自に開発した酵母を使って吟醸酒のような香りを普通酒で実現しました。一部には百黙の技術も生かされており、総合力を発揮した成果です。

       伝統的な菊正宗の酒は料理の味を邪魔しない、おかずに対するお米のような存在なのに対し、ギンパックは華やかな仕上がりです。日本でワインが普及したのは様々なシーンに適した品がそろっているからです。我々も、こうした品ぞろえの充実を図ります。

       灘五郷は昔から、酒造りの盛んな地域です。ワインは産地別にブランド化が進んでいますが、日本酒は今のところそうではない。今後は酒造会社同士で一層、連携を強めて、この地域の日本酒をアピールしていきたいと思います。

      〈NUMBERS〉1659年
       菊正宗は、江戸幕府4代目の徳川家綱が将軍だった万治2年(1659年)に創業。江戸に送る「下り酒」は品質が高く、大人気となった。一方、当時は現地で出回る品は出来が悪いとされ、「くだらない」(つまらない)の語源になったと言われている。兵庫県西宮市の井戸からわき出るミネラル分豊富な「宮水」を使い、すっきりした辛口の味わいを保ち続けている。

      海外の街を愛用シューズで走る
       趣味はランニングで、「考えごとは走っている時に一番、集中できる」と話す。シューズは海外出張時にも持っていき、街を走る。昨年は米国、英国、豪州に出張した。「街の風景から地域性を感じられるのが魅力」という。海外市場の開拓に向け、今後、出張の機会をさらに増やすつもりだ。

        ◇嘉納治郎右衛門(かのう・じろえもん)  1975年兵庫県生まれ。97年甲南大法卒、イトーヨーカ堂入社。2001年菊正宗酒造入社、04年に取締役、13年に副社長に就任。17年6月から現職。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240220-OYT1T50129/3/

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  3. EU禁輸対象 日本酒は除外
    2024/03/06 05:00

     【ブリュッセル=酒井圭吾】欧州連合(EU)は4日、瓶や缶などの再利用を義務づける「包装・包装廃棄物規制案」の最終案をまとめた。EU理事会の議長国ベルギーの報道官によると、検討段階で規制対象に含まれていた日本酒は対象外となった。日本政府の外交攻勢が奏功し、日本酒はEU域内への禁輸措置を土壇場で免れた。

     規制案は環境への負荷軽減を目的とし、瓶の飲み物では瓶の中身を詰め替える再利用や再資源化を業者に義務づけている。これまでのEUの検討では、欧州に製造業者が多いワインやウイスキーなどの蒸留酒は規制対象外となったが、輸入品の日本酒は対象とされた。規制対象となった場合、瓶の再利用は困難で事実上の禁輸となっていた。

     最終案は加盟国で作るEU理事会と欧州議会、執行機関・欧州委員会の3者協議で合意された。EU理事会と欧州議会が今後、最終案をそれぞれ承認して成立する。
    https://www.yomiuri.co.jp/shimen/20240306-OYT9T50015/

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    1. 日本酒、EU域内への禁輸措置を土壇場で免れる…瓶の再利用義務化から除外
      2024/03/06 10:00

       【ブリュッセル=酒井圭吾】欧州連合(EU)は4日、瓶や缶などの再利用を義務づける「包装・包装廃棄物規制案」の最終案をまとめた。EU理事会の議長国ベルギーの報道官によると、検討段階で規制対象に含まれていた日本酒は対象外となった。日本政府の外交攻勢が奏功し、日本酒はEU域内への禁輸措置を土壇場で免れた。

       規制案は環境への負荷軽減を目的とし、瓶の飲み物では瓶の中身を詰め替える再利用や再資源化を業者に義務づけている。これまでのEUの検討では、欧州に製造業者が多いワインやウイスキーなどの蒸留酒は規制対象外となったが、輸入品の日本酒は対象とされた。規制対象となった場合、瓶の再利用は困難で事実上の禁輸となっていた。

       最終案は加盟国で作るEU理事会と欧州議会、執行機関・欧州委員会の3者協議で合意された。EU理事会と欧州議会が今後、最終案をそれぞれ承認して成立する。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240306-OYT1T50019/

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  4. 噴火湾で養殖のホタテ 水揚げ最盛期迎える 北海道 長万部町
    2024年3月7日 4時20分

    北海道南部の長万部町で、噴火湾で養殖しているホタテの水揚げが最盛期を迎えています。

    噴火湾沿いにある長万部町の大中漁港では、未明に出港した船が6日午前5時半すぎに港に戻り始め、次々とホタテが水揚げされました。

    噴火湾では稚貝に穴をあけてロープにつるす「耳づり」と呼ばれる方法で養殖しています。

    ホタテは8センチほどの大きさで卵が付いていて、地元の漁協によりますと長万部町では6日、およそ200トンが水揚げされたということです。

    町で去年水揚げされたホタテ1万5000トンのうち、およそ半分が中国に輸出されましたが、日本産水産物の輸入停止が続いていることから中国への販路を失っています。

    国内での販売では、中国向けの殻付きではなく殻をむく加工作業などが必要になり、取り扱える量に限界があることから、一日当たりの水揚げ量の制限も視野に入れているということです。

    一方で、ホタテをブランド化し、国内や台湾などでの販路拡大に力を入れています。

    漁師の松井勝利さんは「生産者としては多く出荷したいが加工が間に合うか心配です。ここのホタテは身が大きく甘みとうまみが強いことが特徴です。愛情を込めて育てたので国を問わず皆さんに食べてもらえればうれしいです」と話していました。

    ホタテの水揚げの最盛期は5月末ごろまで続くということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240307/k10014381021000.html

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  5. 新潟 NEWS WEB
    「にいがた酒の陣」始まる 新潟
    03月09日 13時52分

    およそ500種類の新潟の日本酒を楽しむことができる「にいがた酒の陣」が新潟市で始まり、訪れた人たちが好みの地酒を味わいました。

    この催しは地元の日本酒の魅力を広く知ってもらおうと県酒造組合などが開いていて、コロナ禍で一時、中止が続いたものの、去年から再開されました。
    会場の「朱鷺メッセ」では県内のおよそ80の蔵元が提供したおよそ500種類の日本酒を楽しむことができます。
    訪れた人たちを専用のおちょこを持って蔵元のブースを回り、酒の説明を受けたり、好みの銘柄を味わったりしていました。
    三条市から来た50代の男性は「全部の蔵が楽しみです。きょうとあすの4回分のチケットをとったので、日本酒を楽しみたいと思います」と話していました。
    この催しは予約制で、10日まで行われますが、実行委員会によりますと10日までの予約はほぼ即日で完売したということです。
    実行委員長を務める齋藤俊太郎さんは「これだけ多くの蔵が一堂に会するイベントはほかにないと思うので、思う存分、新潟のお酒を楽しんでほしいです」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20240309/1030028658.html

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    1. 78の酒蔵集結!“酒の陣”で地酒堪能「楽しい時代帰ってきた」 飲み比べや蔵元との会話楽しむ【新潟】
      3/11(月) 19:03配信 新潟ニュースNST

      3月9日・10日、新潟市中央区の朱鷺メッセで開かれた「にいがた酒の陣」。

      今年で20周年を迎え、今回は県内78の酒蔵から400種類以上の日本酒が集まりました。

      新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった去年は感染症対策として使い捨てカップでの試飲でしたが、今年はおちょこでの試飲が再開し、2日間で約1万6000人が新潟の地酒を堪能しました。

      【訪れた人】
      「新型コロナがようやく明けて、マスクを外して飲んでいるが、楽しい時代が帰ってきたなという感じ」

      【訪れた人】
      「毎日飲んでいるが、日本酒は久しぶりなのでおいしい」

      【訪れた人】
      「色々と各社味が違ってすごくおもしろい」

      また、酒の陣ならではのこんな楽しみ方も。

      【訪れた人】
      「蔵の人たちに直接会うことはない。蔵の人とお話しながら『このお酒こういう感じですよね』と、ダイレクトにレスポンスが返ってくるとことか、そういうところがすごくいい」

      訪れた人は蔵元との会話や地酒の飲み比べを楽しんでいました。
      https://news.yahoo.co.jp/articles/68e71cb78e566003ec4dfe16cd98416a9ce00ce2

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    2. にいがた酒の陣 日本酒ファンで大盛況 おちょこによる試飲も再開【新潟】
      3/11(月) 19:06配信 UX新潟テレビ21

      9日・10日の2日間、恒例の「にいがた酒の陣」が開催されました。20周年の今年も、多くの日本酒ファンが新潟の地酒を堪能しました。

      会場の朱鷺メッセには、県内78の酒蔵から400種類を超える地酒が揃いました。3時間ごとの入れ替え制で、各回の定員は去年より1000人多い4000人。感染症対策の緩和で、おちょこによる試飲が再開されました。

      ■新潟市内から
      「生まれてからずっと新潟市なんですけど、知らないところの酒蔵とかあって面白いなと思います。」
      ■新潟市内から
      「(毎年)ここで知った酒蔵さんで味を知って買いにいったりしてます。」
      ■岐阜から
      「新潟県の酒蔵が一斉にあつまってやってるイベントなので、来る価値はあるかな。」
      ■新潟市内から
      「日本酒は奥が深いなって思ってます。ぶっちゃけよくわかってないです。全部美味しい!」

      酒を造る蔵人と日本酒ファンのにぎやかな会話も。
      来場者「すごい!」
      蔵人「生酒なんで飲みやすい、口当たりはいいんですよ。」
      来場者「口当たりいい!」「うま!あ~いいね」「辛口のやつ大好き、これめっちゃいいじゃん!」

      実行委員会は蔵人と来場客が対話しやすいブース作りに力を入れました。

      ■にいがた酒の陣 齋藤俊太郎実行委員長
      「去年より新しいお酒だったり技術ができているので、(対話を通じて)是非感じていただけたらと思っている。」

      酒蔵の関係者も対話を歓迎しています。
      ■代々菊醸造 中澤房尚代表取締役
      「こんなに一度にたくさんの人と話すってことはないですね。」
      ■新潟銘醸 吉澤貞雄社長
      「どの辺のお酒がどういう方に受けがいいかとか、来場客とお話ししている間に吸収して、また次につなげていきたい。」

      実行委員会は来年も同じ規模での開催を予定しています。
      https://news.yahoo.co.jp/articles/6c9591e2c0a3a334964f9e92f1f1beb422bb773f

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  6. 雪の中で約2か月熟成させた日本酒原酒 掘り出し 北海道 美瑛町
    2024年3月19日 4時04分

    冬の間に雪の中でおよそ2か月熟成させた日本酒の原酒を掘り出す作業が、北海道の美瑛町で行われました。

    旭川市の酒造会社、高砂酒造は、毎年、美瑛町の郊外に設置した雪に埋めたタンクの中でしぼりたての日本酒の原酒をおよそ2か月熟成させています。

    18日は、ことし1月5日に雪の中に埋めた5000リットルの純米と純米吟醸の原酒が入ったタンク2つを社員6人で掘り出しました。

    タンクはいずれも高さがおよそ3メートルあり、半分ほど掘り出したあと、杜氏(とうじ)がふたを開けて早速味見していました。

    酒造会社によりますと、タンクが雪に覆われることで温度がマイナス2度から0度に保たれることから、安定して熟成が進み、まろやかな味に仕上がるということです。

    杜氏の森本良久さんは「雪が多くて作業は大変ですが、無事にできあがり、ほっとしています。辛口ですっきりとした中にもまろやかさがある仕上がりになっているので、多くの人に味わってほしい」と話していました。

    雪の中で熟成させた日本酒は来月以降、全国各地に出荷される予定です。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240319/k10014394511000.html

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  7. 地方でも「おにぎり店」ブーム、参入障壁低く異業種からの挑戦も…店主「客は値段より味を重視」
    2024/03/25 17:00

     首都圏でブームとなっているおにぎりが、山形県内でも専門店が続々と誕生するなど人気を集め始めている。コンビニおにぎりよりも価格設定は高めだが、具材などに工夫を凝らし、固定ファンを獲得。中には飲食業以外からの参入もある。(森田純矢)

    想像以上の売れ行き

     キッチンカー「お結び 処どころ 」が山形市中桜田のラーメン店「 麺辰めんたつ 」の駐車場で営業を開始すると、市内外から客が訪れる。同市の会社員(69)は「手軽で昼食にちょうどいい。作りたてで温かく、具の量が多い」と魅力を語る。

    「お結び処」のおにぎり。キッチンカーで販売する(山形市中桜田で)

     店は昨年7月にラーメン店主の娘・鈴木愛実さん(24)が始めた。米は粒立ちの良い山形県産コシヒカリを使ってふんわり握り、口の中でほろっと崩れる。具材は米に合うようにラーメン店のものより濃いめに味付けされたチャーシューやメンマなど11種類から選べる。

     うち税込み380円以上が8種類。コンビニの商品より値が張るが、40、50歳代を中心に人気を集め、多い時は1日で400個程度売れる。休日にはスーパーやスポーツの試合会場などにも出店。鈴木さんは「想像以上の売れ行きで、おにぎりの人気の高まりを感じている」と話す。

    支出額が過去最大

     総務省の家計調査によると、1世帯(2人以上)あたりの「おにぎり・その他」について、山形市の2023年の支出額は6009円(全国平均5909円)で過去最大となった。新型コロナウイルスの影響で一時落ち込んだものの、22年から上昇し、最も多かった16年の4914円を大きく上回った。持ち帰り需要の増加などが要因とされる。

     約15年前から手製のおにぎりを販売する、同市長町のスーパー「エンドー」では、看板商品の「げそ天」人気と相まっておにぎりの売り上げがこの2、3年で3倍程度に増えた。
    https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240325-OYT1T50082/

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    1.  こだわりはのりで、歯切れが良く、香りの高い有明産のものを使用。昨年12月により上質なのりに変更したことから、100円以上値上げをしたが、逆に客足は伸びたという。山形県内外から客が訪れ、平日で約100個、休日では約300個が売れる。店主の遠藤英則さん(44)は「客は値段よりも味を重視しているのではないか」と分析する。

      異業種も出店

       山形県内では昨年、少なくとも4店舗のおにぎり店が誕生した。参入障壁が低いことから、異業種からの挑戦もあった。

       白鷹町鮎貝の建設会社「黒沢建設」が運営する、「エリート 思米しまい 」は昨年12月に開店。元々パン屋を始めていた同社は、東京でおにぎりが流行していることを知り、敷地内に専門店のオープンを決めた。

       地元産のつや姫を使い、具材は約30種類用意。卵黄や野沢菜、明太子などが一緒に入ったものなど独自性を打ち出す。黒沢誠社長(44)は「必要な設備が少なく、出店しやすかった。異業種だからこそ、先入観にとらわれずに色んな組み合わせを出せる」と自信を見せる。

      ブームの土壌は地方でも
       おにぎりの歴史に詳しい法政大の増淵敏之教授(文化地理学)は「コンビニによっておにぎりは家庭で作るものから買うものに変化した。ご当地おにぎりが20年ほど前に登場し、ブームの土壌は地方でもできていた」と背景を説明する。

       今後については「人口減少が続く地方では、県産食材を使った目を引くおにぎりを県外に売り出していかないといずれ市場は頭打ちになる」と指摘した。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240325-OYT1T50082/2/

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  8. 春の味覚 タケノコの収穫始まる 京都府南部の山城地域
    2024年3月25日 19時11分

    春の味覚、タケノコの収穫が、京都府南部の山城地域で始まっています。

    京都府南部の山城地域は古くからタケノコの生産が盛んで、例年この時期に出荷が始まります。

    このうち、井手町の木村文夫さんの竹林でも収穫が始まっていて、25日も朝早くから土の中のタケノコを金属の棒で次々に掘り起こしていました。

    収穫されたタケノコは、先端が地面から出る前に掘り出すため色が白く、「白子(しろこ)」と呼ばれていて、軟らかく甘みが強いのが特長です。

    ことしは2月に気温の低い日が続いたため生育はやや遅れているものの、収穫量は期待できそうだということで、木村さんは「手間をかけて育ててきたので、よいタケノコがとれたときや、おいしいと言ってもらえたときは、とてもうれしいです」と話していました。

    タケノコの収穫は5月まで続き、地元のほか、東京方面にも「京たけのこ」として出荷されます。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240325/k10014401791000.html

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  9. 米で醸造「獺祭ブルー」、日本を酔わす…国内初の販売「ライバルはワインやシャンパン」
    2024/04/05 07:48

     「 獺祭だっさい 」で知られる日本酒メーカーの旭酒造(山口県岩国市)は、米国の酒蔵でつくった純米大吟醸「DASSAI BLUE(獺祭ブルー)」=写真=を23日に発売する。日本から持ち込んだ酒米と現地の水で醸造した製品で、国内販売は初めて。

     旭酒造は販路拡大の一環で2023年、海外初となる酒蔵を米ニューヨーク州に完成させた。獺祭ブルーは酒米「山田錦」を使い、アルコール度数を日本国内の商品より1、2度低い14度とワイン並みに抑えた。軽やかで甘みのある味わいに仕上がったという。ブランド名は「青は藍より 出い でて藍より青し」のことわざに由来し、国産の獺祭を超えるという思いを込めた。

     現地では昨年9月から飲食店や酒店で販売されている。福岡市内で読売新聞のインタビューに応じた桜井一宏社長は「日本とは違う食材と合わせてもおいしいと感じる酒づくりを追求した。ワインやシャンパンがライバルだ」と話した。

     今回は精米歩合50%(720ミリ・リットル、税抜き希望小売価格3800円)と、同23%(同1万円)の2種類を、獺祭の取扱店で計約2万6000本販売する。
    https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240405-OYT1T50023/

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  10. 秋田 NEWS WEB
    東京で「秋田の酒を楽しむ会」 大勢の人でにぎわう
    04月06日 16時41分

    首都圏の人たちに秋田の日本酒の魅力を伝えようと、6日、東京で「秋田の酒を楽しむ会」が開かれ、多くの人でにぎわいました。

    このイベントは秋田県酒造協同組合が6日と7日、東京の恵比寿ガーデンプレイスで開いているもので、県内の28の酒蔵がそれぞれ自慢の日本酒を用意したということです。

    6日は、イベントの開始とともに1300人以上が会場を訪れ、この日のために出荷された特別な新酒などを味わい、酒蔵の人たちとの会話も楽しんでいました。

    埼玉県から夫婦で訪れた30代の女性は「華やかな香りが口いっぱいに広がって、とてもおいしいです。秋田県は水もおいしいし、米もおいしいので、これからも質の高い日本酒を作っていってほしいです」と話していました。

    参加した酒蔵の社長で、秋田県酒造協同組合の渡邉康衛さんは「イベントを通じて、首都圏のお客さんから秋田の酒についてさまざまな反応が寄せられると思う。そうした意見をもとに、さらに質の高い酒を提供していけるようこれからもがんばっていきたい」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20240406/6010020768.html

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  11. がれきの下から見つかった希望の「酒米」、ボランティアや同業者の支援で日本酒醸造
    2024/04/10 14:00

     能登半島地震で酒蔵が全壊した石川県輪島市の「中島酒造店」が今月、がれきの下から見つかった酒米で醸造した日本酒を発売した。災害ボランティアが酒米を探し、県内の酒造会社が生産設備を提供した。蔵元の中島遼太郎さん(35)は、多くの支援で完成した一杯に再起を誓っている。(本田紗ら)

    完成した酒で乾杯する中島さん(右)とボランティアら(3月30日、石川県輪島市で)=本田紗ら撮影

     「乾杯!」「今までよく頑張った」。地震発生から3か月を目前にした3月30日、中島酒造店の作業場に大きな声が響いた。中島さんと7人の災害ボランティアが、完成した日本酒を一足先に味わった。中島さんが「皆さんのおかげで、ここまで来ることができました」と感謝を伝えると、拍手が起こった。

     1868年(明治元年)には酒を醸造していた老舗。2007年の地震で酒蔵が全壊し、その後に新築した蔵が元日の地震で倒壊した。8代目蔵元で 杜氏とうじ の中島さんは、酒造りに必要な道具が使えなくなり、崩れた蔵や散乱する割れた酒瓶などを前に、立ち尽くすしかなかった。

     中島さんは自宅も全壊した。通帳や携帯電話などを探してもらっていた災害ボランティアから「気になっていることがないですか」と聞かれ、酒米4・5トンが崩れた蔵の下に埋まっていると明かした。1月11日、ボランティアが約7時間かけてノコギリやスコップなどで折り重なったがれきを取り除き、米袋に入った酒米を見つけた。

    がれきから発見された酒米(1月11日)=中島さん提供

     コメは4日間かけて取り出され、このうち3・4トンは米袋が破けることも、雨にぬれることもなく無事だった。「うれしかった。これならお酒が造れると思った」。中島さんは希望を見つけた。

     生産設備については、あいさつを交わす程度の付き合いでしかなかった同県小松市の「東酒造」が手をさしのべてくれた。杜氏が奥能登の 珠洲すず 市出身で、家族は無事だったものの実家が倒壊。「能登を応援したい」と中島さんに連絡してきた。

     2月に東酒造の設備を借りて醸造を始め、3月26日に新酒の「初搾り」を行い、「能登 末廣すえひろ  しぼりたて純米酒」が完成した。「多くの人の思いが詰まったコメだからこそ、何としてもお酒にしたかった」と中島さんは胸をなで下ろした。

    「能登末廣 しぼりたて純米酒」

     東酒造の東祐輔社長(52)は「末廣らしいうまみとコクのある辛口。良い酒ができたなと、うれしく思う」と喜んだ。

     中島さんは当面、東酒造で醸造を続ける。輪島での酒造り再開の見通しは立たないが、「生まれ育った能登に誇りがある。地元住民が以前のような生活を取り戻すきっかけとなるよう、自分のできる限りの方法でアプローチしていきたい」と話している。
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20240410-OYT1T50075/

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  12. [醸す 酒と文化]<1>酒蔵 地域文化の拠点
    2024/04/30 05:00

    能登と広島、双方の蔵による共同銘柄の酒を醸すため、蒸し上がった酒米を釜から出す蔵人(広島県竹原市の藤井酒造で)

    「いちのせき文学の蔵」で、井上ひさしの写真など一関市ゆかりの文学者の展示について語る佐藤さん

     日本の酒造りが、今冬にも国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録が決まると期待されている。1月の能登半島地震では酒蔵も被災し、復興への支援が広がる。酒は古来、文化の醸成に大きな役割を果たしてきた。文学、漫画、学問など文化の諸相と酒の関わりを、5回にわたり探る。

    資本力生かし芸術支援、名建築 

     「いきまーす」「はーい」

     広島県竹原市。1863年創業の日本酒蔵「藤井酒造」で4月中旬、早朝から蔵人たちが、巨大なタンクに入った白い液体を 櫂かい でかき混ぜたり、蒸し上がった酒米を釜から取り出したりと、忙しく立ち働いていた。発酵させて搾ると原酒になる、 醪もろみ を作っている。

     仕込んでいるのは、能登半島地震で酒蔵が倒壊した石川県輪島市の日吉酒造店の銘柄酒「おれの酒」や、両酒蔵の原料を使った共同銘柄の酒だ。日吉酒造店から米や種 麹こうじ を送ってもらい、配合や発酵時間などのレシピを教わった。

     醸造の代行は、日本酒の普及事業を行う企業「camo」(東京都)が「再建の希望になれば」と企画したプロジェクト「能登の酒を止めるな!」の一環だ。支援を表明する酒蔵は20を超え、クラウドファンディングでは、約3か月間で約4000万円が集まった。第1弾として被災した能登地方の五つの蔵の酒を、全国の五つの蔵が代わりに醸造している。

     酒蔵を建て直し、醸造を再開するまでには、年単位の時間と膨大な費用がかかる。長い道のりだが、日吉酒造店の 杜氏とうじ 、日吉 智あきら さん(49)は、「うちの銘柄の酒造りができていることは、思った以上に再建に向き合うための力になっている」と話す。

     できあがった酒は、6月7日に金沢21世紀美術館(金沢市)でお披露目される予定だ。一部は先行して5月17~19日、東京・渋谷のミヤシタパークでの日本酒イベントで販売される。

     藤井酒造の6代目蔵元、藤井義大さん(40)は、「地元に根ざした酒蔵をなくすことは、地域の文化を守るためにも避けなければならない」と話す。今回醸す酒には、酒蔵を守ることで能登の文化を守ろうという思いがこもる。



     歴史を振り返れば、多くの酒造家が、名士としての顔を持ち、資本力を生かして、芸術家を支援し、名建築を建て、学校を開いた。櫻正宗(神戸市)を営んできた 山邑やまむら 家が、近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの設計で建てた別邸(現・ヨドコウ迎賓館)は、国の重要文化財に指定されている。山邑家など、灘五郷と呼ばれた地域の酒造家が代表例だが、他の地域でも酒造家は地元の文化を支えた。

     岩手県一関市の「 世嬉せき の一酒造」は、かつての仕込み蔵を、酒の文化を伝える博物館として公開している。その一角にあるのが、同市ゆかりの文学者の資料などを収めた「いちのせき文学の蔵」だ。わずか10坪ほどの文学館だが、明治時代に家庭教師として一関に滞在した島崎藤村や、この地で急逝した無頼派作家・色川武大ら、地元ゆかりの作家の資料が展示されている。

     市内に文学館を求める運動を地元有志が始めた1989年、作家の井上ひさしが一関を訪れた。「ぜひ私も会員にしてください」。井上は、家族が一関で土木工事に関わったことから、同酒造の空いた蔵を利用した宿舎で、中学生時代の一時期を過ごした。

     翌年から何度も講演し、作文教室を開いて、生徒たちの大量の作品に徹夜で手を入れた。「いただくなら、1億円でも1円でも同じ」と、謝礼は受け取らなかったという。

     息の長い活動の末、2006年に「文学の蔵」はオープンした。蔵の建物は国の登録文化財となり、今も地域の文化を支える拠点となっている。

     同酒造の相談役で、文学館の館長を務める佐藤 晄僖こうき さん(82)は穏やかに語る。「色んな方のご縁でできあがった、この蔵は地域の共有財産。一関に文学を育む土壌があったことを、次の世代につなげることができればいい」

    (文化部 森田睦、川村律文)

    日本酒や焼酎の技術無形遺産登録に期待 

     日本各地の気候風土に合わせて造られてきた日本酒、焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録は、今年11月頃にユネスコの評価機関によって登録可否の勧告がなされ、12月の政府間委員会で正式に決まる見通しだ。

     伝統的な麹菌を用い、杜氏や蔵人が手作業で行う酒造りの技術は、国の登録無形文化財になっている。ユネスコへの提案では、きれいな水や上質な酒米を確保する環境保全の取り組み、酒 粕かす も無駄にせず料理に使用するなど、SDGs(持続可能な開発目標)にかなう点も強調した。

     日本酒造組合中央会によると、2023年の日本酒輸出額は約411億円で、13年の約105億円の4倍近いが、過去最高額(約475億円)を記録した22年からは、中国の景気減速の影響などで落ち込んだという。世界での認知度向上に向け、無形遺産登録への関係者の期待は大きい。(文化部 多可政史)
    https://www.yomiuri.co.jp/shimen/20240429-OYT9T50167/

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    1. [醸す 酒と文化]<2>漫画が縁 32年続く主力商品
      2024/05/01 05:00

      「るみ子の酒」を手にする森喜るみ子さん

      ポテトサラダのこだわりを語る宗達(「酒のほそ道」より)(C)ラズウェル細木/日本文芸社

      至福の一息をつくワカコ(『ワカコ酒』より)(C)新久千映/コアミックス

      『夏子の酒』を手に「酒蔵ごとにポリシーがある」と語る尾瀬さん

       三重県伊賀市の「 森喜もりき 酒造場」は明治時代から続く造り酒屋だ。専務の森喜るみ子さん(64)が手にした瓶のラベルには、柔らかくほほえむ女性のイラストと、「るみ子の酒」の文字。ラベルは『夏子の酒』(講談社)で知られる漫画家、尾瀬あきらさん(76)が手がけた。「酒造りを続けられるか、という状況で『夏子の酒』が背中を押してくれた」と、森喜さんは言う。

       1988年から91年に連載された『夏子の酒』は、主人公の佐伯夏子がコピーライターを辞めて実家の酒蔵に入り、亡き兄から生前託された「まぼろしの米」で酒を造る物語だ。尾瀬さんは、「酒蔵を新しい視点で描きたかった」と話す。本を読みあさり、酒蔵を取材し、「原料にも関心が向かった」。夏子の酒造りは米作りから始まる。台風など自然との闘いや、収穫した米を 杜氏とうじ や蔵人の手で発酵させ、酒にする過程が描かれる。蔵の温度、湿度、発酵の音まで伝わるかのようだ。

       森喜さんは製薬会社に勤めていたが、父が倒れたため酒蔵を継いだ。売り上げの多くを占めていた取引先から打ち切りを告げられ、「廃業するかもしれなかった」時期もあったという。知人に勧められた『夏子の酒』を読み、「酒蔵への取材力と表現力に感動した」。尾瀬さんに手紙を出すと、返事があり、やがてできた酒に、尾瀬さんが「るみ子の酒」と名付けた。今では32年続く主力商品だ。

       良い酒とは何か。尾瀬さんは、「皆で語らい、和やかにひとときを過ごせるお酒。やけ酒はいけないが、例外は、愛する者を失ったとき」と語る。「お酒には、そういう優しさがひそんでいると思うんです」

       ◇

       <グーーッ><たまらんなあ この瞬間!>

       主人公がビールや日本酒をグイッと飲む場面が印象的な『酒のほそ道』(日本文芸社)は今年で連載30年。主人公の岩間 宗達そうたつ は仕事帰りや休日に仲間と飲むのが趣味のサラリーマン。酒場での振る舞いや四季折々のつまみに、うんちくを語る。作者のラズウェル細木さん(67)は「酒と酒場のうんちくはネタが尽きない。酒飲みは皆こだわりがあり、それがある種のバカバカしさ、おかしみを持っているのが漫画向きなのでは」と語る。

       会計時は「おあいそ」ではなく「お勘定」と言うべき、そばの「天ヌキ」とは何か(そばを抜いた天ぷらそば)、ポテトサラダへのこだわり……などを柔らかなタッチでつづる。週刊連載で、大事にしてきたのは季節感だ。サンマは、秋になると何度も取りあげる。「飲んべえが何度も同じことを言うように。マンネリと言われるかもしれないけど、いいんですよ」

       連載30年で酒場も変わった。駅前開発が進み、コの字カウンターの老舗が消えていく。かつての味や風情を、ページの中に見つけることができるのも、漫画ならではだ。酒の種類が増え、女性の一人飲みが普通の光景になるといった変化もあった。「知らない人たちと同じ時間、空間を共有できる一体感が、酒場の良さではないでしょうか」

       ◇

       女性の一人酒を描いたのが、 新久しんきゅう 千映さん(43)の『ワカコ酒』(コアミックス)だ。26歳の会社員、村崎ワカコの毎夜の楽しみは、酒場で一人、酒とつまみに舌鼓を打つこと。新久さんも大の酒好きだ。「お酒と漫画という好きなもの同士なら、自分の内面から描けそうだとピンときました」。登場する店や料理は、現在暮らす広島市で実際に取材したものが多い。

       ワカコは肩肘張らないメニューとお酒を選んで、グラスやおちょこを傾け「ぷしゅー」と、至福の表情で一息つくのがお決まりだ。「その日の気分に合わせてお酒と料理を選び、『おいしい!』と味わうだけでいい」という新久さんの思いだ。

       ワカコの素朴な姿は、左党にも一人酒の初心者にも、酒のある豊かな時間を教えてくれる。店員から飲み方を学んだり、ほかの客の会話に心の中でツッコミを入れたり、我が身を省みたり。日常に酒がゆったりと寄り添う。新久さんは「お酒も漫画も、リラックスした時にたしなむもの」と話す。

       酒と漫画の相性がいいのは、どちらもオンとオフを分けてくれるからなのかもしれない。(文化部 高梨しのぶ、池田創、小杉千尋)
      https://www.yomiuri.co.jp/shimen/20240430-OYT9T50143/

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    2. [醸す 酒と文化]<3>知性が出会う文壇バー
      2024/05/07 05:00

      銀座「ルパン」の入り口

      銀座「ルパン」店内。太宰治が座った席はカウンターの左端(4月27日、東京都中央区で)=和田康司撮影

      ルパンのカウンターを愛した太宰治(額縁内の写真は林忠彦撮影)

      「風花」の移転後初日は、なじみの作家らが訪れ、にぎやかな夜になった

       ブティックや宝石店が並ぶ東京・銀座の繁華な通りを曲がり、薄暗い路地裏に入ると、シルクハットをかぶった大怪盗の看板があった。バー「ルパン」は坂口安吾ら昭和の文豪が通った1928年創業の老舗だ。ドアを開け、地下へと続く階段を下りれば、店内は木調のカウンターが往時の雰囲気をそのまま残している。

       「これはゴールデン・フィズ。先代のバーテンダーが、元気がなさそうな安吾さんに出したら、何杯もお飲みになったらしいです」。四半世紀にわたってカウンターに立つバーテンダー・開幾夫さん(73)が、当時から使っているグラスにカクテルを注いでくれた。ジンフィズに卵黄を混ぜた滑らかで甘い味わいが、気を落とした無頼派の心を慰めたようだ。

           ◇

       銀座では昭和初期、「カフェー」と呼ばれた女性従業員が同席する飲食店が流行していた。その一つ「タイガー」で働いていた高崎雪子さん(1995年死去)が、常連だった菊池寛や泉鏡花らの支援を受け、独り立ちして開店した。安吾のほか、織田作之助や太宰治も訪れた。カウンター席に足を乗せる酔いどれの太宰の有名な写真がこの店で撮られ、店の壁に今も飾られている。

       昭和文壇で「最後の常連」だった野坂昭如は、この店を舞台にしたミステリー「ルパン殺人事件」で、どこか雪子さんを思わせる女主人を登場させた。作家が通う店は、作品も生んだ。

       カウンターは世相を映す。雪子さんの孫、尚彦さん(52)は「今でこそ女性や海外からの観光客が一人でいらっしゃることもありますが、かつては画家や作家、写真家など男性客ばかり、男の世界だったようです」と話す。「今のように通信も発達していなかった時代。新聞社や出版社が近くにあり、待ち合わせや打ち合わせに使われた。ここに来れば誰かいる。バーは知的な出会いの場、ハブの役割も果たしていたのでは」

       作家や編集者らが愛顧する「文壇バー」は昭和期に、銀座や新宿の周辺に根を張った。銀座のバー「おそめ」「エスポワール」のマダムによる客を巡る女の闘いは、川口松太郎「夜の 蝶ちょう 」の題材になり、映画化もされた。

       だが近年は、廃業が少なくない。自著『聖子』で、檀一雄や井伏鱒二らが集った新宿のバー「風紋」(2018年閉店)の女性店主を取材した作家の森まゆみさんは「(風紋の)最後の頃は太宰ファンが来て、太宰を知る人に会い、太宰の匂いを嗅いでいた。今は人間の匂いがデオドラント(脱臭)される時代だけど、文壇バーには失われた人間の香りがあった」と懐かしむ。

       「風紋」では、評論家や作家による勉強会が開かれていた。森さんは自著のあとがきで、同店を〈作家をもてなすための業界のていのいい受け皿〉としての文壇バーでなく、〈文化活動、思想運動の結節点〉と位置づけた。「文士に女の人が仕える場ではなくて、文化の媒介というか」と語る。

           ◇

       文壇バーは今でも、文化の磁場であり続ける。「風紋」から一字取って店名に冠す1980年創業のバー「風花」では、作家らによる朗読会が開催されていた。店は今年、入居するビルの老朽化で、新宿から四谷に移動した。当初は廃業も考えたが、常連客の懇願で再開店に至った。

       カウンターなどは新宿時代のものを新店舗に移した。ボトル棚の一角には、生前の中上健次が愛飲したウイスキーが今も堂々と置かれている。

       店主の滝澤紀久子さん(83)によると、劇作家が血の流れるけんかを繰り広げ、作家らによる文学談議が朝まで続くこともあった。「『文壇バー』を開いたつもりはないのよ。いつからそう呼ばれるようになったのかしら。自然に変な人ばかりが集まるようになって」

       どれだけ便利な時代になっても、酒場の耳学問は、本やネットからは得がたい。文壇バーは、陰の文学史の語り部でもあり、だからこそ、明日も夜な夜な誰かがドアを 叩たた くのだろう。(文化部 真崎隆文)
      https://www.yomiuri.co.jp/shimen/20240506-OYT9T50152/

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    3. [醸す 酒と文化]<4>酒造会社 息の長い支援と発信
      2024/05/08 05:00

      「酒も文化も実を結ぶまで時間」

      サントリー学芸賞の贈呈式で乾杯するサントリー文化財団副理事長の鷲田清一・大阪大名誉教授=財団提供(昨年12月11日、東京都内)

       「学芸賞は専門知を社会につないでいくもので、贈呈式は研究者や編集者らの間に橋をかける場だ」

       東京都内で昨年12月に開かれた、サントリー学芸賞贈呈式。パーティーの冒頭、同賞を主催するサントリー文化財団の創設に深く関わり、2020年に亡くなった劇作家・山崎正和さんの言葉が紹介された。

       山崎さんは生涯のテーマとして「社交」に取り組んでいた。財団の理事を務める政治学者で東大名誉教授の御厨貴さん(73)が補う。「人がつながっていく社交の先に、学問や芸術、地域文化がある。酒は社交そのもので、文化とは切っても切れないもの。山崎さんはそう考えていた」

       財団は、サントリーの佐治敬三社長(当時)が山崎さんらと1979年に作った。これまでに政治・経済など4分野で計379人を表彰し、その多くが論壇で活躍した。財団は、地域文化に貢献した団体や個人にも、地域文化賞を贈ってきた。

       なぜ続けられたのか。御厨さんは、酒造会社でオーナー企業の財団であることが大きかったとみる。「酒は造るのに時間がかかり、利益がすぐに出ない。実を結ぶまで時間がかかり、酒と似たところがある文化を育てたいと、佐治社長は思っていた」



      桝田さんが改修して陶芸家が住むことになった古民家=桝田酒造店提供

       酒造会社による文化支援は、大企業に限らない。富山市の桝田酒造店社長の桝田隆一郎さん(57)は、25年以上前から地元・岩瀬地区の古い空き家を購入して改修し、ガラス作家や陶芸家、料理人らに引き渡してきた。その数は30棟を超え、かつて北前船で栄えた街には、作品や料理を求めて人が訪ねるようになった。桝田さんは「世界に誇れる街にしたかった。代々続く造り酒屋として、地域への責任感もあった」と話す。

       同様の事例は昔から多く、江戸時代、伊丹(兵庫県)の酒造業者たちは、自分たちも楽しみつつ俳人を支援し、伊丹風俳諧を生んだ。小布施(長野県)で酒造業などを営んだ高井鴻山は、葛飾北斎を江戸から招き、画業を支えた。



       酒造会社は文化を「スポンサー」として支援するだけでなく、発信もしてきた。その一つが広告だ。

      多田北烏による美人画ポスター(1928年)=キリンホールディングス提供

      多田北烏による美人画ポスター(1926年)=キリンホールディングス提供

       ビール会社などは明治期から戦前にかけ、色鮮やかな美人画ポスターを量産し、芸術的な関心を集めた。戦後もテレビなどで盛んに広告を発信した。キリンホールディングスアーカイブ室の山田弥生さん(44)はその理由を、激しい占有率争いと差異化の難しさだと説明する。「自社ブランドを好きになってもらうしかないため、広告作りに力が入った」という。競争の結果として、豊かな広告文化が花開いた。

      人気を博した「洋酒天国」の表紙=サントリー提供

       酒造会社発の雑誌も生まれた。中でも、サントリー(創刊時は寿屋)のPR誌「洋酒天国」(1956~64年)は今も語り継がれている。知的でエスプリの効いた誌面が評判となり、当初数千部の部数は20万部超に増えた。関わった社員は、開高健や山口瞳、柳原良平といった、後に大活躍する面々。編集に携わった文筆家の小玉武さん(86)は振り返る。「『酒は文化』という意識が社員に染み渡り、一ひねりあるものを生み出したいと思っていた」

       酒も文化も、生活や時間に余裕があるからこそ生まれる。その楽しみの先に、ふくよかな社会が広がる。(文化部 小林佑基)
      https://www.yomiuri.co.jp/culture/20240507-OYT8T50127/

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