2023年6月11日

読売社説「生殖医療の進歩により、出産前にわかる胎児の病気はさらに増える」

「着床前スクリーニング」男女産み分けは、本来の目的から逸脱した検査 の続き)

「医療の進歩で病気がさらに増える」というロジックになるのも、よく考えてみればマカ不思議な事象ではあるけれど、まずは「生殖医療」という、まことしやかな幻惑幻術のマヤカシに、まんまとからめ取られてしまってもイケナイなんとかマジック…

新型出生前検査 妊婦の不安をどう解消するか
2019年7月3日 読売新聞「社説」

 胎児の病気が血液検査で分かる時代になった。急速に進む生殖医療にどう向き合うか、根本的な議論が求められる。

 胎児に染色体の病気があるかどうかを調べる新型出生前検査(NIPT)について、厚生労働省が今秋にも検討会を発足させる。検査の拡大の是非や、妊婦への情報提供のあり方などを議論する見通しだ。

 検査は妊婦の血液を採り、ダウン症など三つの病気を見つける。日本産科婦人科学会(日産婦)の指針により、遺伝医療に詳しい小児科医や産婦人科医が常勤する92の認定病院で行われている。

 対象は原則、35歳以上の妊婦だ。ダウン症は高齢出産でリスクが高まる。検査を受ける人が増えているのは、晩婚化の影響がある。

 留意すべきは、胎児の病気がわかった時、妊婦が重い決断を迫られる点だ。障害を受け入れて出産し、大切に育てる親がいる。一方、2013年の検査開始以来、認定病院で胎児の病気が見つかった人の9割超が人工中絶を選んだ。

 妊婦が納得できる判断をするには、病気や検査に関する正しい理解と丁寧な説明が欠かせない。問題は、最近、相談態勢が必ずしも整っていない認定外の施設で検査する人が急増していることだ。

 日産婦は対策として、研修を受けた産婦人科医が1人いれば検査できるよう、条件を緩和する方針を打ち出した。これに対し、日本小児科学会や日本人類遺伝学会は「不十分な体制で安易に行われるべきではない」と反対した。

 今回、厚労省が検討に乗り出したのは、学会に対応を任せておくには限界があると感じたからだろう。検査のあり方は従来、関係学会が決めてきたが、学会の意見が割れたままでは、妊婦の間に不安が広がりかねない。

 今後の焦点は、適切な検査を行う施設の要件をどのように定め、医療機関に徹底するかである。

 妊婦の不安を解消するには、出産後の支援態勢に関する情報提供や、本人や夫の心理的な葛藤に耳を傾ける取り組みが大切だ。現状ではカウンセリング専門家が不足している。医療現場で、研修の充実を図らなければならない。

 障害を持って生まれた子が生きづらさを感じることのないよう、福祉制度を充実させ、社会の理解を深めていく必要もある。

 生殖医療の進歩により、出産前にわかる胎児の病気はさらに増えるのは間違いない。それをどこまで知るべきなのか、といった論点にも踏み込んでもらいたい。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190702-OYT1T50330/



インチキだろうが医科様だろうが、そんなことはどうだっていい、とかくこの世はショーバイショーバイ、稼ぎにつながればなんだって正義だ、そういう商法。見方考え方しだいでは、一妊婦で何度もおいしいことにだってなりうる…





(書きかけ)





(№412 2019年7月3日)

54 件のコメント:

  1. 出生前診断 規制できぬ無認可
    7/12(金) 20:14
    https://news.yahoo.co.jp/pickup/6329878

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    1. 【特集】陽性確定で9割が「中絶」…『新型出生前診断』重い決断伴う検査に…“無認可“での実施も横行
      7/12(金) 16:02配信 関西テレビ
      https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-00010001-kantele-soci

      胎児の染色体の異常を調べる「出生前診断」。
      今では妊婦の血液を調べるだけで精度の高い結果が出るようになっていますが、中絶という重い決断にもつながるこの診断を、無認可で行う病院も多くあるのです。

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  2. 新型出生前検査 実態調査へ…厚労省 件数やカウンセリング状況
    2019/07/31 05:00

     妊婦の血液から胎児に染色体の病気があるかどうかを調べる新型出生前検査(NIPT)の実施状況について、厚生労働省が実態調査をすることがわかった。実施件数やカウンセリングの状況などを調べ、今秋に設置する有識者の検討会で議論に役立てる。

     新型検査は、ダウン症など3種類の病気を高い精度で調べる。日本産科婦人科学会(日産婦)や日本医学会が、検査前後のカウンセリングなどを条件に認定した病院で、2013年から始まった。

     これまでに大学病院など92病院が認定され、5年半で少なくとも約6万5000人が受けた。だが近年、認定を受けずに実施する医療機関が急増し、全体像はわかっていなかった。

     調査は、血液などの検体が適切に採取されているかをチェックする全国929か所の衛生検査所が対象。新型検査用の検体数から各医療機関の実施件数を調べる。海外の検査会社に直接送っている可能性もあるため、実施する医療機関に出向くことも検討する。検査費用なども調べる。
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20190731-OYT1T50047/

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  3. 「妊婦の血液」で「胎児」の「染色体の病気」がわかる、は本当か?

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  4. 「着床前」対象 目のがん検討…日産婦審査へ 命の病気から拡大
    2019/07/15 05:00

    「選別」拍車 懸念も

     受精卵の段階で、遺伝性の病気の有無を調べる着床前診断について、日本産科婦人科学会(日産婦)が、実施を認める対象を拡大するかどうか検討している。これまで命にかかわる重篤な病気に限っていたが、失明のおそれがある病気でも認めるよう申請があった。日産婦は近く審査を始めるが、認められれば「命の選別」の広がりに拍車がかかるとの懸念もあり、論議を呼びそうだ。

     着床前診断は、体外受精させた受精卵の染色体や遺伝子を調べる技術。重い遺伝性の病気などを避け、異常のない受精卵を選ぶために活用できるが、病気や障害のある人の排除につながりかねないとの批判もある。

     このため日産婦は、医療機関の申請を受けて1例ごとに審査し、限定的に実施を認めてきた。遺伝性の病気で2004~15年度に認められたのは計120例。いずれも成人になる前に亡くなるか、人工呼吸器が必要など生命の維持が極めて難しい病気だった。

     今回のケースは、遺伝性のがん「網膜芽細胞腫」。この病気で右目を摘出した大阪市の野口麻衣子さん(37)が、同市のクリニックを通じて申請した。

     子どもに遺伝する確率は5割。遺伝しても症状には個人差があり、失明する人もいるが、視力に大きな問題がない人もいる。命にかかわるケースはまれだ。

     野口さんは、2人の子どものうち長男(4)には遺伝しなかったが、次男の七誠ななせちゃん(3)は両目にがんが見つかった。治療後は弱視となり、ほとんど見えない状態という。現在、3人目の出産を望んでいる。

     申請は一度退けられたが、「議論の過程が不透明」として所属する患者団体から質問状を提出。そのうえで今年4月に再申請したところ、改めて検討されることになった。

     野口さんは「自分のせいで七誠に苦しい思いをさせてしまい、親として罪悪感があった。今、認められれば、七誠が将来、家庭を作る時に選択肢になるのでは」と話す。

     日産婦には容認論もあるが、「重篤とはやはり命にかかわることで、失明が受け入れられるかどうかは慎重に考えるべきだ」とする意見も出ている。

     東大医科学研究所の神里彩子准教授(生命倫理)は、「今回の申請が認められれば、ほかの様々な病気も認められるきっかけになり、社会的な影響も大きい。本来は、医師や患者に任せず、広く議論すべき重要な問題だ」と話している。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190715-OYT1T50042/

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  5. 「着床前」対象 大幅に拡大…日産婦が計画 年齢制限は撤廃
    2019/08/04 05:00

    「命の選別」進む懸念も

     受精卵の染色体をすべて調べて異常がないものを選ぶ着床前スクリーニングの臨床研究について、日本産科婦人科学会(日産婦)が対象条件を大幅に緩和する計画案をまとめたことがわかった。流産の予防が目的だが、これまでの研究では効果が確認できず、対象を一気に増やしてデータを集める狙い。「科学的根拠もなく『命の選別』が広がるのは倫理的に問題」と懸念する関係者もいる。

     この検査は「PGT―A」とも呼ばれ、体外受精した受精卵の染色体異常をスクリーニング(ふるい分け)して正常と判定したものを子宮に戻す。倫理的な問題から、日産婦は実施を認めない「見解」を出しているものの、出産率の向上が期待されるとして、2016年に4医療機関による臨床研究が始まった。

     対象はこれまで、35~42歳の女性で、体外受精を3回以上失敗したか、流産を2回以上し、胎児の染色体異常がわかった人。計約80人のデータを検査しない人と比較した結果が4月に発表されたが、効果は確認できなかった。

     日産婦は「人数が少ないため」として、データを集めやすくする目的で対象条件を見直すことにし、6月に見解の細則を改定。一定の条件を満たす医療機関の研究なら認めることを明記したうえで、対象を拡大することにした。

     新たな条件は、年齢制限をなくし、〈1〉体外受精を2回以上失敗〈2〉原因を問わず流産2回以上〈3〉流産や体外受精の経験を問わず夫婦どちらかに染色体異常――のいずれかに当てはまる人。3000人以上を集める計画で、10~20医療機関の参加が見込まれている。

     これには日産婦関係者からも「体外受精を受ける患者の相当多くに対象が広がる。『命の選別』がこのような形で進んでよいのか」と疑問の声が出ている。

     斎藤有紀子・北里大准教授(生命倫理学)は「受精卵の選別がエビデンス(科学的根拠)なく拡大するのは科学的にも倫理的にも問題で、学会の説明責任が問われる」としている。

    ◆着床前スクリーニング=染色体異常があると流産する場合があり、流産を防ぐ効果が期待されている。異常があっても生まれる命まで排除することから、「優生思想につながる」と批判もある。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190804-OYT1T50047/

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  6. [スキャナー]着床前診断 拡大を検討…国指針なく学会任せ
    2019/08/06 05:00

     受精卵の段階で遺伝性の病気の有無を調べる着床前診断が、対象の拡大をめぐり揺れている。命にかかわる病気に限定してきたが、失明のおそれがある病気を理由にした実施の是非が6日、日本産科婦人科学会(日産婦)の倫理委員会で審議される見通しだ。「判断には幅広い議論が必要」との声が上がっている。 (医療部 中島久美子、鈴木希)
     

     重篤な病気

     「こんな小さなところで決められへん」

     7月23日夜、着床前診断の審査小委員会から出てきた木村正・日産婦理事長(大阪大教授)はそう漏らした。遺伝性の目のがん「網膜芽細胞腫」の患者で、大阪市に住む野口麻衣子さん(37)のケースが審査の俎上そじょうにあった。通常はその場で結論が出るが、この件の審議は上部組織の倫理委員会に委ねられた。

     着床前診断は、体外受精させた受精卵に特定の病気に関する遺伝子や染色体の異常がないか調べるもの。病気や障害を持つ人の排除につながりかねないとの批判がある。

     日産婦は、医療機関からの申請を1例ごとに審査し、「重篤な病気」に限って認めるルールを設けている。過去に認められた120例は、成人するまでに死亡する可能性が高いか、人工呼吸器の装着など生きていくための負担が特に深刻な病気。結果として命にかかわるケースばかりだった。

     ところが、網膜芽細胞腫は失明のおそれはあるが、命にかかわることは少ない。審査小委員会が結論を先送りする異例の対応をしたのはそのためだ。倫理委でも議論がまとまるかどうかは未知数だ。

     野口さんは右目が義眼で、第1子には遺伝しなかったが、第2子は両目ともほとんど見えない。「自分の病気より、子どもに遺伝させてしまったことのほうが苦しい」と話し、3人目の妊娠を希望して着床前診断を望む。昨年も申請したが承認されず、不服として再申請した。

     
     不透明

     日産婦が着床前診断の容認を決めたのは1998年。しかし、障害者団体などの反発が強く、第1例の承認は2004年だった。承認後の記者会見では、当時の学会幹部が「これは生命を選別する技術。私たちだけで決めてよいのか」と問いかけ、国による指針作りを求める一幕もあった。

     その後も国が動くことはなく、学会が独自に判断する状態が続く。審査にかかわる複数の医師によると、「重篤な病気」だけ認めるルールとはいえ、重篤かどうかの線引きは難しい。ある遺伝医療の関係者は「委員が新しくなると、判断の基準が変わるとも聞く」と話し、不透明な審議に疑問を抱く。

     欧州諸国では、着床前診断の是非や運用は法律で定められている。

     例えば、英国は法に基づいて、許可された医療機関が実施できる病気を決める。網膜芽細胞腫も対象だ。フランスも法整備され、政府が認めた診断施設で、治らない遺伝性の重い病気に限り認めている。

     生命倫理と法に詳しい建石真公子ひろこ・法政大教授は「日本には生殖医療に関する法律がなく、重要な判断が学会の閉鎖的な議論に任されている。知らないうちに『命の選別』が広がりかねない危うさがある」と話している。

     
    染色体・遺伝子を検査

     着床前診断は、体外受精させた受精卵の染色体や遺伝子を調べる技術。倫理的な配慮から、特定の病気を調べる場合に活用されている。これとは別に、流産を繰り返す原因になる異常を調べる目的でも使われる。

     受精卵の検査には着床前スクリーニング(ふるい分け)もあり、全染色体を見て異常のないものを選ぶ。流産の減少などの効果を検証する臨床研究が行われており、現在、対象の大幅拡大が検討されている。

     このほか、妊娠後に胎児の病気を調べる出生前検査がある。妊婦の血液に混じった胎児のDNAを調べる新型出生前検査(NIPT)は、日産婦が検査できる医療機関を拡大しようとしたが反発を受け、国が設置する検討会で実施条件などを協議することが今年6月に決まった。
     

    関係者 割れる賛否

     野口さんら患者の中には「この申請を突破口にしたい」という思いもある。命にかかわらなくても認められる先例となれば、他の患者にも道が開けるかもしれない、という発想だ。

     さいたま市の石倉みどりさん(49)は、長女(18)が腎臓の機能が低下する難病。夫婦とも症状はないが、原因となる遺伝子変異があった。第2子を希望したが、着床前診断は難しいと聞き断念した。今回の申請が認められれば、「他の病気の患者からも申請が続くのではないか」とみている。

     対象の拡大には、慎重な考えの人もいる。

     「特定の病気を排除することにどれだけ意味があるのか」と話すのは、骨がもろく変形する難病を患う川崎市の伊是名いぜな夏子さん(37)。身長100センチで車いすが必要だが、結婚して2児を出産。今のところ子どもに症状はない。

     伊是名さんは「生まれてからわかる病気もあるし、突然、病気になって障害が残ることもあるのに」と疑問を投げかける。

     難病の人たちでつくる「神経筋疾患ネットワーク」の見形信子代表は「命に優劣をつけることに通じるので反対。当事者の声を反映するとともに、障害がある人も歓迎される社会になってほしい」と訴えている。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190805-OYT1T50328/

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  7. 目のがんで「着床前」診断、可否の結論出せず
    12 時間前

     日本産科婦人科学会(日産婦)は6日の倫理委員会で、受精卵の段階で特定の遺伝性の病気を調べる着床前診断の実施を目のがんに認めるかどうか審議した。可否の結論は出せず、判断は保留となった。木村正・理事長は「別の機会に話し合う」としている。

     審議されたのは、「網膜芽細胞腫」を患う大阪市の女性患者のケース。これまで認められてきたのは命にかかわる重い病気だけだが、この病気は失明のおそれはあっても死に至る患者は少ない。認められれば、命にかかわらない場合にも広がるきっかけとなるのではないかと注目されていた。

     この技術は、異常のある受精卵を排除することから、「命の選別」につながる倫理的な課題がある。このため審議の中で、学会が判断するこれまでのやり方に、「限界があるのではないか」との意見も出たという。

     倫理委では、受精卵の全染色体を調べる「着床前スクリーニング」の臨床研究の対象を大幅に拡大する計画案についても議題に上った。今月末に予定される理事会で最終決定する。

     柘植あづみ明治学院大教授(医療人類学)は「受精卵の検査は今後、対象が拡大する可能性が高い。学会は新たな判断をする場合、その理由と議論の過程を公表し、障害者への差別につながらないよう幅広い立場の人が話し合うべきだ」と指摘する。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190807-OYT1T50070/

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  8. 雌雄産み分け、簡単に=精子の「違い」判別-広島大など
    2019年08月14日03時18分

     広島大の研究チームは、受精後に雌になる精子と、雄になる精子の「違い」を発見し、マウス実験で雌雄の産み分けに成功した。大分県との協力でウシやブタの産み分けを簡便に行う技術も開発。論文は14日、米科学誌プロス・バイオロジー電子版に掲載された。

     畜産業では、家畜の種類や用途により雌雄で市場価値が異なることがあり、産み分け技術への需要が高い。しかし、同一の細胞(精子幹細胞)から分裂し、X染色体を持ち雌になる「X精子」と、Y染色体を持ち雄になる「Y精子」は機能的な違いはないとされ、効率的な選別は難しかった。
     広島大の島田昌之教授らは、X染色体の遺伝子が作るたんぱく質の中から、TLR7とTLR8という受容体に着目。この受容体はX精子の尾部にあり、刺激を受けると精子の運動が止まることが知られていた。
     そこで、試験管に入れたマウスの精子に培養液と受容体を刺激する薬剤を加えて約1時間待つと、運動を止めたX精子は下層に沈殿し、影響を受けないY精子が上層に集まった。
     上層と下層からそれぞれ採取した精子を体外受精してマウスに移植すると、上層の約8割から雄が、下層の約8割から雌が生まれた。
     研究チームは、大分県農林水産研究指導センターと協力し、ブタとウシでも実験を行った。上層の精子からは、ウシが受精卵の段階で約9割、ブタも人工授精で生まれた子の約7割が雄になった。
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2019081400081

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    1. 雌雄産み分け 簡便、安価に 新手法 牛、豚で成功 広島大と大分県
      8/14(水) 11:02配信 日本農業新聞

       広島大学と大分県農林水産研究指導センター畜産研究部は、簡単で安価な雌雄産み分け方法の開発に成功したと発表した。ほとんどの哺乳類に使え、同じ技術で牛と豚の両方で雌雄産み分けができる。雌雄の精子の仕分けが早く大量にできるため、研究チームは「実用化すれば、畜産業界に簡便で安い新たな雌雄選別が可能となるのではないか」としている。

       研究チームは世界で初めて、雌を作るX精子と雄を作るY精子の間で、機能に差があることを実証。これを利用し、X精子とY精子を仕分け、雌雄産み分けにつなげた。

       一般のワクチンに使われている免疫性を高める薬品が、X精子のしっぽにだけ特異的に結び付き、精子の泳ぎを抑えることが分かった。ヒトも含め、ほとんどの哺乳類のX精子は同じ反応を見せる。樹脂製の試験管に入れた精液にこの薬品を混ぜると、X精子は沈み、Y精子はそのまま泳ぎ続けて精液の上に集まる。これを利用してXとYを仕分けた。

       牛の凍結精液を融解して培養、薬品を混ぜてX精子の精液とY精子の精液を分離した。Y精子の精液で雄が生まれる体外受精卵を作り、受精卵移植をしたところ、狙い通り雄子牛が生まれた。

       豚でも同じ手法で精液を雌雄に分離。Y精子の液状精液で人工授精をしたところ、11頭の産子のうち雄が8頭生まれた。70%以上の確率で狙った性が生まれれば実用的と考えている。

       現在、牛で普及してきた性選別精液は、精子の比重で雌雄を分ける。米国製の専用機械を使い、ライセンス契約が必要。処理時間がかかるため、精子数が多い豚では雌雄の仕分けができない。

       開発した技術は、大量に短時間に精液の仕分けができる。X精子と反応させる薬品は一般のワクチンに利用される安価な物質。牛の凍結精液なら30分、豚の液状精液だと2時間ほど反応させると仕分けられる。

       研究チームは当面、牛では人工授精より体外受精卵の生産に利用していく考え。特別な機械や米国のライセンスを持たずに雌雄別の受精卵が生産できる。民間の人工授精所や県での利用を想定する。

       豚では液状精液での利用を考えている。狙った性別の豚が生産しやすいため、種豚生産が効率的になる。また快適性に配慮した家畜の飼養管理(アニマルウェルフェア)の観点から去勢がしにくくなっているため、肉豚生産を雌に特化すれば対応できるという。

       研究内容は13日付(現地時間)の米国科学誌「プロス」に掲載された。
      https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190814-00010000-agrinews-ind

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    2. 「産み分け」のニュース
      https://www.2nn.jp/word/%E7%94%A3%E3%81%BF%E5%88%86%E3%81%91

      【畜産】雌雄産み分け 簡便、安価に 新手法 牛、豚で成功 広島大と大分県
      https://egg.5ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1565912883/

      【研究】性別産み分け、ウシでは9割成功 技術的にはヒトにも応用可能 広島大学
      https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1565742036/

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  9. 着床前診断 遺伝性の目の病気で認められるか 判断を保留
    2019年8月31日 21時28分

    体外受精させた受精卵の特定の遺伝子などを調べ、異常がないものを子宮に戻す「着床前診断」について、日本産科婦人科学会は、失明する可能性がある目の病気など、生活に著しい影響が出る遺伝性の病気についても認められるかどうか、審査してきましたが、現時点では判断できないとして、いったん保留し、審査の方法から見直すことを決めました。

    「着床前診断」について、日本産科婦人科学会はこれまで、成人になるまでに死亡する可能性がある病気の子どもを出産する可能性がある場合や特定の習慣流産に限って認めてきました。

    しかし、失明する可能性がある遺伝性の目のがん「網膜芽細胞腫」について、命に危険はないものの、生活に著しい影響が出る可能性があるとして、着床前診断を行いたいという申請が出され、認められるかどうか、学会で審査してきました。

    これについて、学会は31日に開いた理事会で、現時点で産科医だけで認められるかどうか判断するのは難しいとして、いったん保留し、審査の方法から見直すことを決めました。

    学会では今後、法律家や患者団体など、さまざまな立場の人たちから意見を聞いて審査の方法を決めるとしています。

    日本産科婦人科学会の三上幹男倫理委員長は「日常生活を強く損なう病気かどうかという判断は、医者、患者など、立場によって意見が異なるので広く議論して、審査のあり方を決めていきたい」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190831/k10012058641000.html

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  10. 着床前診断、実施基準・審査見直し…識者・患者交え検討
    2019/09/01 09:21

     受精卵の段階で重い遺伝性の病気の有無を調べる着床前診断について、日本産科婦人科学会(日産婦)は31日、理事会後に記者会見を開き、実施を認める判断基準や審査体制の見直しを発表した。他の診療科の医師や法律家ら外部の有識者と患者を交えた倫理審議会に諮問して検討する。諮問は18年ぶりで、審議は原則公開で行う。

     問題になっているのは、子どもへの遺伝を防ぐために遺伝性の病気がない受精卵を選ぶ着床前診断。「命の選別」につながりかねない倫理的な課題がある。

     日産婦は1998年に容認して以降、遺伝により重い病気の子を産む可能性のある場合に限り、申請に応じて1例ごとに審査している。過去に認められたのは、成人するまでに死亡する恐れのあるケースだった。

     今回の見直しは、目のがん「網膜芽細胞腫」の女性(37)からの申請がきっかけ。失明の恐れがあっても命にかかわることは少ないため最初の申請は認められず、女性は不服として今春、再申請した。

     日産婦は改めて検討してきたが、どういう場合に対象とすべきかを学会内部で決めるのは限界があると判断。この日の理事会で、様々な立場の意見を求めることに決めた。

     倫理審議会では、現在の審査体制の問題点を幅広く議論する。まず小児科や遺伝医学など関連する医学系の学会メンバーで検討した後、法律や倫理など他の分野の有識者に意見を聴取。その上で、病気を持つ人や家族も交えて話し合う。三上幹男・日産婦倫理委員長は、「立場によって考えが違うのは当然。オープンな形で、多様な意見を聞いていく」と話している。

     三上委員長はこのほか、受精卵の全染色体を調べる「着床前スクリーニング」の臨床研究を拡大する計画案を倫理委で再審査することも明かした。「文言の修正が必要なため」という。

    「患者の声届く仕組みにして」

     申請した女性は、「一日も早く認めてもらいたい気持ちはあるが、この機会に、病気の経験者や、その病気に詳しい専門家へのヒアリングを審査に取り入れるなど、患者の声が届く仕組みをつくってほしい。審査過程の透明化も求めたい」と話している。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190901-OYT1T50051/

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  11. 新型出生前検査 “無認可検査の施設も” 実態把握へ
    2019年10月21日 21時09分

    妊婦の血液を調べて、赤ちゃんの染色体に異常があるかないかを調べる新型出生前検査で、適切なカウンセリングが行われていないケースが増えているとみられることから、厚生労働省は、実態の把握と対策に向けた検討を始めました。

    おなかの中の赤ちゃんに、障害の原因となる染色体の異常があるかないかを調べる新型出生前検査は、日本産科婦人科学会が、妊婦に十分なカウンセリングを行うことなどの条件を定め、それを満たした全国90余りの病院が認可を受けて実施しています。

    しかし、認可を受けなくても法律上の罰則はないため、無認可で、十分なカウンセリングを行わずに検査を行う施設が増えていると指摘されています。

    このため、厚生労働省は、実態の把握と対策に向けて専門家による検討会を設け、21日、初めての会合を開きました。

    会議では、事務局から無認可の施設での検査体制を調べることや、検査を受けた人にアンケートを行う案が示され、今後、調査を行って年度内をめどにとりまとめることになりました。

    厚生労働省は、無認可での検査の広がりや課題を把握したうえで、専門家の意見を踏まえて必要な対策を検討することにしています。

    専門家「適切に検査受けられる体制作りを」

    国立成育医療研究センターの左合治彦医師は「新型出生前検査では、結果を伝えるというだけなく、妊婦が個別にどう解釈し、何に悩んでいるのか、それに答えていくカウンセリングが必要だ。多くの無認可の施設では産婦人科の専門医がおらず、検査の結果、どう対応するのかなど、十分なカウンセリングが行われていないのが大きな問題だ」と指摘しています。

    そのうえで左合医師は「どのくらいの検査が行われ、結果がどうだったのかを集計し、現状を把握したうえで、どのような施設であれば、きちんとしたカウンセリングが行えるのかなど、適切に検査が受けられる体制作りを議論していく必要がある」と話しています。

    認可施設で検査した女性は

    無認可の施設で検査を受けた人の中には、カウンセリングなどがほとんど受けられず不安が増してしまったという人もいます。

    都内に住む36歳の女性は、去年、妊娠がわかり、SNSのLINEで予約を受け付けていた都内のクリニックを受診しました。

    来院して初めて、産科の専門医がいない美容形成外科だと気付いたということで、スタッフに検査の内容について尋ねても「インターネットで調べたほうが早いかもしれません」などと言われ、30分程度で検査を終えるとそのまま帰されたということです。

    女性は、「年齢も年齢だったし、仕事のこととかいろいろ悩んでいたので、予約したときはどんな病院がいいとか悪いとかそこまで深く考えていませんでした。この人たちに自分の血液を渡して大丈夫なのかなと不安に思いましたが、来てしまったからにはやるしかないという思いで検査を受けました」と話していました。

    その後、結果が郵送で送られてきて、染色体に異常がないことを示す「陰性」と伝えられましたが、その後のフォローも全くなかったということです。

    女性は、その後かかりつけの産婦人科で検査をする施設に認可と無認可の違いがあったことや、わずかながら誤った検査結果が出る可能性があったことを知らされました。

    ことし5月に出産しましたが、当時のことを思い出し、「検査が簡単にできてしまったので、軽くみていたところはあったと思います。大事な子どもの命を預けることになるので、恐ろしいことをしてしまったのかもしれないと思いました」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191021/k10012142591000.html

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    1. >わずかながら誤った検査結果が出る可能性

      「誤った検査結果」、「ない」のに「ある」のか、「ある」のに「ない」のか、それが大問題。

      しかも、そもそも、ほんとうに正確に判別可能なのか、「ない」を前提にして、基本的に「ない」しか出ない検査設定になっているものが、たまに「誤った検査結果」として「ある」になってしまうなら、もはやそれは詐欺のようなものである。

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    2. 新型出生前検査 無認可の施設 ことしは去年の3倍以上に
      2019年10月23日 21時26分

      妊婦の血液を調べて赤ちゃんの染色体に異常があるかないかを調べる新型出生前検査で、適切なカウンセリングを行っていない可能性のある無認可の施設がどのくらいあるか専門家が調べたところ、ことしは去年の3倍以上に増えたことがわかりました。

      これは厚生労働省が設置した専門家会議で報告されたものです。

      新型出生前検査は日本産科婦人科学会が妊婦に十分なカウンセリングを行うことなどの条件を定め、それを満たした全国90余りの病院が認可を受けて実施していますが、法律上の罰則はないため、無認可で十分なカウンセリングを行わずに検査を行う施設が増えていると指摘されています。

      これについて専門家でつくる団体が無認可の施設がどのくらいあるかインターネットのサイトや広告を調べたところ、4年前には1件しか確認できませんでしたが、去年は15件、ことしは55件確認され、急増していたということです。

      こうした施設では低価格や短時間で検査ができることなど手軽さを売りにしているケースも多いとしています。

      また学会が認可した病院には無認可施設で検査を受けたあと、相談に来る人が相次いでいるということです。

      中には染色体に異常があることを示す「陽性」という結果が出たにもかかわらず確定診断のための羊水検査を「必要ない」と言われたケースや、検査結果について問い合わせの電話をしたら「詳細はインターネットで調べてください」と言われたケースなどが報告されているということです。

      国はこうした無認可施設について実態を調査し、必要な対策を検討することにしています。

      専門家によるカウンセリングを

      専門家でつくる団体のまとめによりますと検査が始まった平成25年以降、ことし3月までに検査で陽性と判定された妊婦のうち8割近くが人工妊娠中絶をしたことがわかっています。

      また、まれに誤った結果が出ることもあるため、陽性と判定されても羊水検査などを受けなければ確定診断は得られないことや、陰性と判定されても不安が続く可能性があることを理解してもらう必要があります。

      こうしたことから検査にあたっては専門家によるカウンセリングを行い、検査の限界を知ってもらったうえで検査を受けるかどうかを妊婦自身に判断してもらうことや、陽性と判定された場合の継続的なサポートが必要だと指摘されています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191023/k10012145761000.html

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  12. 【独自】着床前検査 拡大を申請
    2019/12/07 05:00

     受精卵の全染色体を調べて異常がないものを選ぶ「着床前スクリーニング」の臨床研究を大幅に拡大する計画案が徳島大病院と名古屋市大病院の倫理委員会に申請されていたことがわかった。研究は日本産科婦人科学会(日産婦)が計画したもので、これを手始めに他の医療機関でも実施への動きが加速するとみられる。

     着床前スクリーニングは、障害を持って生まれる可能性のある受精卵を排除することになり倫理的な課題がある。ただ、不妊や流産の治療に効果が期待される面もあり、臨床研究でのみ例外的に行われてきた。

     2017~18年に実施された当初の臨床研究では、4医療機関で計約80人に実施されたが、効果を示すデータは確認できなかった。そこで日産婦は、年齢制限をなくし、体外受精の失敗や流産の回数が少なくても対象に含めるなど、当初より条件を緩和して3000人規模のデータを集めることにした。今年9月、研究代表者が所属する徳島大病院で最初に申請された。今月に入り名古屋市大病院でも審査が始まった。実施する医療機関は数十か所に拡大する見込みだ。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20191207-OYT1T50102/

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  13. 「着床前」検査拡大、初承認…徳島大で来月にも実施
    2019/12/08 20:01

     受精卵の染色体を調べて異常のないものを選ぶ着床前スクリーニングの臨床研究を進めてきた日本産科婦人科学会(日産婦)は7日、対象条件を大幅に緩和した新たな臨床研究の計画が徳島大病院の倫理委員会で承認されたと発表した。実施には参加医療機関の倫理審査を通す必要があり、承認が出たのは初めて。来年1月にも始まる。

     研究対象の検査は、体外受精でできた受精卵の全染色体に異常がないかスクリーニング(ふるい分け)する。不妊や流産につながる染色体異常を除いて出産の成功率を上げることが期待されている。

     記者会見で日産婦は、9月に学会として計画を承認した後、まず研究責任者が所属する徳島大病院の倫理委に申請が行われたと説明。今後、同病院以外でも順次手続きを進める。参加する医療機関は最終的に数十か所になるとみられる。対象条件を大幅に緩和し、少なくとも3500人のデータを集める予定だ。具体的には、年齢制限をなくし、体外受精の失敗を「3回以上」から「2回以上」とするなどの変更を行う。

     記者会見では、2017~18年に先行して実施した4医療機関による臨床研究では出産率向上や流産率低下につながらなかったとの結果をまとめた論文が同日、欧州生殖医学会誌に掲載されたことも発表した。

     この結果について、日産婦は「対象人数(約80人)が少なかったため」としており、臨床研究の拡大に踏み切った経緯がある。

     日産婦倫理委員長の三上幹男・東海大教授は「有効かどうか確認するために研究を進める必要がある」と説明した。

     効果が確認できないままの対象拡大には慎重論もある。東大医科学研究所の神里彩子准教授(生命倫理)は「検査を希望する人には有効性が確認されていないことを正確に伝えることが必要だ」と指摘する。

    【解説】根拠不十分 倫理議論まだ

     着床前スクリーニングの新たな臨床研究が来月にも始まる。先行研究より一気に対象が広がり、「事実上の解禁」との指摘もある。

     不妊や流産に悩むカップルにとって朗報に聞こえるかもしれない。不妊治療クリニックでは、この検査に期待する声も多いという。

     しかし、先行研究で望んだ結果が得られなかったことを忘れてはならない。現時点では科学的根拠があるとは言えず、安易に期待をあおるべきではない。

     もとより「命の選別」につながりかねない技術でもある。2015年に学会が先行研究の計画を承認した際には「有用性が認められれば、倫理的な問題を改めて検討する」とした。その議論は先送りされたままだ。仮に効果があっても、治療として認められるには大きな課題が残されている。(医療部 森井雄一)
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20191208-OYT1T50072/

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  14. 胎児の病気などにどう向き合うか 父親やきょうだい向けの冊子
    2019年12月11日 5時51分

    おなかの中の赤ちゃんに病気や障害がある可能性が指摘された時、赤ちゃんの父親やきょうだいに向けたアドバイスをまとめた冊子が作られることになりました。

    作成に当たっているのは医師や障害がある子どもの親などで作るNPO法人「親子の未来を支える会」です。

    支える会では先月、おなかの中の赤ちゃんに病気や障害がある可能性が指摘された親に向けて知っておいてほしい情報をまとめた冊子「おなかの赤ちゃんと家族のために」を完成させ、配布を始めています。

    この冊子に続いて、支える会では妊婦とともに赤ちゃんと向き合っていくお父さんへの冊子と、赤ちゃんのきょうだいに向けた冊子を作成することになりました。

    お父さんに向けた冊子では、妊婦をどう支えて一緒に向き合っていけばいいかなど、アドバイスがまとめられているほか、きょうだいに向けた冊子には親として妊娠に関わることを子どもにどう伝えていけばいいのかなどをまとめていくということです。

    冊子は来年2月ごろまでに完成するほか、希望する人たちがホームページから無料でダウンロードできるよう準備を進めるということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191211/k10012210151000.html

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  15. 新型出生前検査 “小規模診療所などでも” 学会の指針改定
    2020年6月20日 21時21分

    生まれる前の赤ちゃんに染色体の異常がないか妊婦の血液を分析して調べる新型出生前検査について、日本産科婦人科学会は小規模な診療所などでも実施できるよう、一部を改定した指針を承認しました。

    新型出生前検査は妊婦の血液を分析して胎児にダウン症など3つの染色体異常があるか判定する検査で、十分なカウンセリングが行える施設を学会が認定することになっていますが、無認可で行う診療所などが増えています。

    これについて、日本産科婦人科学会は去年、一定の条件を満たせば小規模な医療機関でも検査ができるよう、条件を緩和する指針を示しましたが、日本小児科学会などが妊婦の支援体制などへの懸念を示したことから、指針の運用はいったん見合わされていました。

    これについて、日本産科婦人科学会は20日に開かれた総会で、検査を受ける妊婦に対する説明文書を学会が共同で作成することや、妊婦の相談窓口を作ることなどを新たに加え、一部を改定した指針を承認しました。

    記者会見で学会は「内容は受け入れ可能で、適切に支援したい」とする日本小児科学会などからの声明を受け取ったと説明しており、今後、新たな指針に基づいた検査の実施に向けて、厚生労働省と協議するとしています。

    三上幹男倫理委員長は「議論が停滞している状態のなか、妊婦が少しでも困らないような仕組みを作ろうと、学会の間で合意した」と話しています。

    「意思決定の際のケア充実を」医療倫理の専門家らが提言

    新型出生前検査をめぐっては、医療倫理や社会学の専門家などでつくる有志のグループが今月17日、検査の在り方に関する提言をまとめています。

    提言では、新型出生前検査の議論が停滞することや、検査の在り方について拙速な結論が出されかねない状況に危惧を示しています。

    そのうえで、国や関係する学会に対して、
    ▽検査の実施についての指針を決めるための議論への女性や実際に検査を受けた人など当事者の参加
    ▽検査を受ける人に対するカウンセリングや相談の質を高めるため、医療者への研修を充実させること
    ▽検査で異常が見つかった場合に出産するかどうか、意思決定する際のケアを充実させることなどを求めています。

    提言の呼びかけ人の1人で、北里大学の齋藤有紀子准教授は、日本産科婦人科学会の新たな指針について、「検査を受けた妊婦さんの悩みや葛藤を受け止めることができる体制を作らなければならない。医学の専門的な説明を行うだけではなく、簡単に言い表せないような不安など、妊婦の心に寄り添うという部分が、しっかり確保されているのか、疑問だ」と指摘しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200620/k10012478511000.html

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  16. 新型出生前検査 「相談や支援の体制充実を」専門家が会見
    2020年6月24日 21時19分

    生まれる前の赤ちゃんに染色体の異常がないかを調べる、新型出生前検査について、日本産科婦人科学会が小規模な診療所などでも実施できるようにする指針を承認したのに対し、生命倫理の専門家などが24日、記者会見を開き、検査を受ける妊婦に対する相談や支援の体制充実を訴えました。

    新型出生前検査は、妊婦の血液を調べて胎児に3つの染色体異常があるか判定する検査で、十分なカウンセリングが行える施設が認定を受けることになっていますが、日本産科婦人科学会は今月20日、日本小児科学会などと合意したとして、小規模な診療所などでも実施できるよう、一部を改定した指針を承認しました。

    これを受けて、生命倫理などの専門家でつくるグループが記者会見を開き、検査を受ける妊婦に対する相談や、支援の体制充実を訴えました。

    グループでは国や関係する学会に対して、検査を受ける人に対するカウンセリングなどの質を高めるため、医療者への研修を充実させることや、検査で異常があると判定された場合、出産するかどうかの意思決定に際して、ケアの充実などを求める提言を出しています。

    記者会見した明治学院大学の柘植あづみ教授は「さまざまな思いを抱えた女性たちの声を聞いて、相談体制や検査を受けた後の支援体制を作っていく必要がある」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200624/k10012482831000.html

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  17. 【独自】「新型出生前」認定外54施設で検査…半数が専門外の美容外科や皮膚科
    2020/07/21 16:09

     妊婦の血液から、胎児にダウン症などがあるかどうかを調べる新型出生前検査(NIPT)について、学会の認定を受けずに検査を行っている施設が少なくとも54か所あり、その約半数が専門外の美容外科や皮膚科だったことが、厚生労働省による初の実態調査でわかった。22日の同省の検討部会で公表される。

     新型検査は、日本産科婦人科学会の指針に沿って専門家のカウンセリングなどができる体制のある医療機関に限り認められている。病気がわかれば、人工妊娠中絶という重い選択をする妊婦も少なくないためだ。

     検査が国内に導入された2013年4月以降、日本医学会に認定されたのは大学病院など109医療機関にとどまる。だが、この指針に拘束力はなく、認定外の施設が急増し、トラブルも報告されている。

     これを受けて、同省の検討部会は昨年秋から準備を進め、今年3月までにインターネットや聞き取りなどによる調査を行った。その結果、認定外の54施設のうち、24施設が美容外科や皮膚科だった。また、7割を超える40施設がカウンセリングを行っていなかった。

     認定医療機関で検査を受けた妊婦36人への調査では、4割以上が認定制度自体を知らなかった。1割が制度を知っていても、自分が通う医療機関が認定されているかどうかを認識していなかった。認定外施設で検査を受けた妊婦にも調査したが、回答はなかった。
    https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200721-OYT1T50184/

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    1. 人の不安につけこむアコギな商法…

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    2. しかも真偽のあやふやな怪しげな「遺伝子」「検査」「診断」手法にもとづいた…

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  18. 新型出生前検査 学会非認定の医療機関は体制不十分 厚労省調査
    2020年7月22日 19時56分

    妊婦の血液を分析して赤ちゃんの染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」をめぐっては学会の認定を受けずに検査を行う医療機関が増えているとされています。その実態について厚生労働省が調査したところカウンセリングなどの体制が十分でないことが分かりました。

    「新型出生前検査」は妊婦の血液を分析して胎児にダウン症などの3つの染色体異常があるか判定する検査で、専門的なカウンセリングを妊婦に行うなど一定の条件を満たした病院が日本医学会の認定を受けて実施していますが、認定を受けずに検査を行う医療機関=「非認定施設」も増えているとされています。

    厚生労働省はその実態調査を行い、22日、開かれた専門家会議で調査結果を報告しました。

    それによりますと「非認定施設」は54か所確認され、美容外科など美容系の診療科が多かったということです。

    ところが、「非認定施設」で行われた検査の件数については、ほとんどの施設から調査への協力が得られず、判明しませんでした。

    アンケート調査に協力した「非認定施設」は9か所にとどまり、このうち専門的なカウンセリングを実施していないところが4か所、希望者にしか実施していないところが1か所ありました。

    事前に十分なカウンセリングを行っている「認定施設」では、検査を辞退する妊婦が一定数いますが、これらの施設では辞退する妊婦はほとんどいなかったということです。

    さらに検査結果については「認定施設」のほとんどが対面で伝えていたのに対し、「非認定施設」では、郵送や電子メール、電話も利用していて、結果が与える影響に比べると不十分な体制だったということです。

    厚生労働省は、ことし秋にも新たな検討の場を設置して必要な対策を議論することにしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200722/k10012528261000.html

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  19. “十分なカウンセリングなし” も 新型出生前検査 検討始まる
    2020年10月28日 12時33分

    妊婦の血液を分析して赤ちゃんの染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」では、学会の認定を受けない医療機関で妊婦に十分なカウンセリングが行われずに検査が実施されるケースが相次いでいます。厚生労働省は専門家で作る委員会の初会合を28日開き、検査の在り方などについて検討を進めることを確認しました。

    「新型出生前検査」は妊婦の血液を分析して胎児にダウン症などの3つの染色体異常があるか判定する検査で、専門的なカウンセリングを妊婦に行うなど、一定の条件を満たした医療機関が日本医学会の認定を受けて実施しています。

    しかし、厚生労働省の調査では認定を受けずに検査を行う医療機関、「非認定施設」が少なくとも54か所確認され、妊婦に十分なカウンセリングが行われずに検査が実施されるケースが相次いでいます。

    このため厚生労働省は専門家で作る委員会の初めての会合を28日開き、対策について検討を進めることを確認しました。

    会合では日本産科婦人科学会が先月から今月にかけて、妊婦およそ890人にインターネットで調査を行った結果、「非認定施設」で検査を受けた人のうち、75%が▽検査の説明がなかったり、▽説明の時間が15分に満たなかったと回答したことが報告されました。

    調査では、検査の精度などの観点から「認定施設」では行われていない▽35歳未満の妊婦の検査や、▽3つの染色体以外の検査が「非認定施設」で実施されていることもわかったということです。

    委員会では「新型出生前検査」の在り方や、妊婦への支援、福祉施策との連携などについて検討を進め、来年2月をめどに報告書をまとめることにしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201028/k10012684291000.html

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  20. だれかがついたウソがいつのまにか一人歩きしてしまって、もういまさらひっこめるわけにはいかなくなってしまったらしい…

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  21. 妊婦の「新型出生前検査」 十分なカウンセリングなく実施も
    2020年10月29日 10時51分

    妊婦の血液を分析して赤ちゃんの染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」では、学会の認定を受けない医療機関、「非認定施設」で、妊婦に十分なカウンセリングが行われずに検査が実施されるケースが相次いでいます。
    日本産科婦人科学会が妊産婦向けの情報発信をしている、スマートフォンのアプリの利用者を対象にアンケート調査を実施した結果、51%が「非認定施設」で検査を受けていたとみられることがわかりました。
    厚生労働省は専門家で作る委員会の初会合を28日開き、検査の在り方などについて検討を進めることを確認しました。

    「新型出生前検査」とは

    「新型出生前検査」は妊婦の血液を分析して胎児にダウン症などの3つの染色体異常があるか判定する検査で、専門的なカウンセリングを妊婦に行うなど、一定の条件を満たした医療機関が日本医学会の認定を受けて実施しています。

    十分なカウンセリングなく検査実施も

    しかし、厚生労働省の調査では認定を受けずに検査を行う医療機関、「非認定施設」が少なくとも54か所確認され、妊婦に十分なカウンセリングが行われずに検査が実施されるケースが相次いでいます。
    半数が「非認定施設」で検査~日本産科婦人科学会の調査~
    日本産科婦人科学会は妊産婦向けの情報発信をしている、スマートフォンのアプリの利用者を対象に、先月から今月にかけて新型出生前検査に関するアンケート調査を実施し、寄せられた891人の回答を分析しました。

    その結果、半数を上回る454人、51%が、学会の認定を受けていない「非認定施設」で検査を受けていたとみられることがわかりました。とくに「認定施設」がない自治体ではそうした傾向が大きいということです。34歳以下でみるとおよそ70%が「非認定施設」で検査を受けていました。
    また、検査結果の説明方法についてたずねたところ、「陽性」または「判定保留」となった場合、▽「認定施設」では口頭で説明されていましたが、▽「非認定施設」では半数が郵送やFAX、メールなどで説明されていて、相談できる施設を紹介するなど、その後の対応が、何もなかったケースもあったということです。
    一方、妊婦が「非認定施設」を選んだ理由として、
    ▽受診当日に検査を受けられるとか、
    ▽精度などの観点から「認定施設」では検査していない、3つの染色体以外の検査ができることのほか、
    ▽検査費用の安さや、
    ▽インターネット上の口コミ
    などがあげられました。

    「非認定施設」の実態は~厚生労働省の調査~

    妊婦の血液を分析して赤ちゃんの染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」をめぐっては学会の認定を受けずに検査を行う医療機関=「非認定施設」が増えているとされています。

    厚生労働省はその実態調査を行い、7月に開かれた専門家会議で調査結果を報告しました。

    それによりますと「非認定施設」は54か所確認され、美容外科など美容系の診療科が多かったということです。

    ところが、「非認定施設」で行われた検査の件数については、ほとんどの施設から調査への協力が得られず、判明しませんでした。

    アンケート調査に協力した「非認定施設」は9か所にとどまり、このうち専門的なカウンセリングを▽実施していないところが4か所、▽希望者にしか実施していないところが1か所ありました。
    事前に十分なカウンセリングを行っている「認定施設」では、検査を辞退する妊婦が一定数いますが、これらの施設では辞退する妊婦はほとんどいなかったということです。
    さらに、検査結果については、「認定施設」のほとんどが対面で伝えていたのに対し、「非認定施設」では、郵送や電子メール、電話も利用していて、結果が与える影響に比べると不十分な体制だったということです。

    厚労省 「非認定施設」の対策検討で初会合

    こうした中、厚生労働省は専門家で作る委員会の初めての会合を28日開き、対策について検討を進めることを確認しました。

    会合では日本産科婦人科学会が先月から今月にかけて、妊婦およそ890人にインターネットで調査を行った結果、「非認定施設」で検査を受けた人のうち、75%が▽検査の説明がなかったり、▽説明の時間が15分に満たなかったと回答したことが報告されました。

    調査では、検査の精度などの観点から「認定施設」では行われていない▽35歳未満の妊婦の検査や、▽3つの染色体以外の検査が「非認定施設」で実施されていることもわかったということです。

    委員会では「新型出生前検査」の在り方や、妊婦への支援、福祉施策との連携などについて検討を進め、来年2月をめどに報告書をまとめることにしています。

    出生前検査 これまでの経緯

    新型出生前検査は、妊婦の血液を分析して胎児にダウン症など3つの染色体異常があるかを判定する検査で、国内では2013年から始まりました。

    この検査は従来の同様の検査に比べて精度が高いとされ、仮に異常が見つかった場合、中絶を決断する妊婦も出てくることから、実施には十分なサポート体制が必要だとされてきました。

    このため、日本産科婦人科学会では指針を作り、カウンセリング体制が十分に整っていることなどの要件を満たしたと日本医学会が認定した医療機関に限って実施することとし、これまでに全国で100あまりの医療機関が認定されています。

    ただ、認定を受けた医療機関がまだ少ないことや法的な規制が無いことなどから認定を受けずに検査を実施する診療所なども多く、ことし7月の時点で、こうした医療機関は少なくとも135にのぼるという調査結果もあります。

    このため日本産科婦人科学会では認可施設を増やす必要があるとして、ことし6月、条件を緩和してより小規模な医療機関でも検査ができるよう指針の改定を承認しました。

    ただ、学会では、新たな指針を実際に運用するかどうかは、厚生労働省と協議するとしていてこれまでのところ運用は始まっていません。

    新型出生前検査をめぐっては、生命倫理の専門家などから妊婦への支援体制について十分確保できているのかを懸念する声も出ていて、国が新型出生前検査に対する何らかの見解を示すべきだという声も上がっていました。

    出生前検査 国の見解は

    胎児に病気がないか調べる出生前の検査は、一部の医療技術が障害のある子どもの生きる権利を否定することにつながる懸念があると指摘されています。

    このうち、血液中の成分で調べる「母体血清マーカー検査」について国は、1999年に見解をまとめました。

    この中では妊婦や胎児への負担が少なく、簡単に検査ができることから、病気の発見を目的に不特定多数の妊婦を対象に広く行われてしまう可能性があるなどの問題点を指摘しています。

    そのうえで専門的なカウンセリングの体制が十分でないことを踏まえ、医師から妊婦に、この検査についての情報を「積極的に知らせる必要はない」としています。

    また、検査を実施する場合には、▼検査前に▽障害は子どもの個性のひとつの側面でしかなく、さまざまな成長や発達をすること、▽検査結果を確定させるためには流産の可能性もある「羊水検査」をしなければならないことなどについて、個別に口頭で説明した上で、妊婦が検査を受けるかどうか選べるようにすること。

    そして、▼検査の後に衝撃を受けたり、不安を抱いたりすることがあるため、妊婦や家族に対する十分な支援を行うべきだとしています。

    厚生労働省によりますとそれ以降、国は、出生前の検査について新たな見解を示しておらず、学会の指針などを守るよう、関係機関に要請するなどの対応をとっているということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201028/k10012684291000.html

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  22. 出生前検査受ける人のケア充実を 助産師ら対象のセミナー
    2021年2月6日 5時19分

    おなかの中の赤ちゃんの病気や障害について調べる出生前検査を受ける人たちのケアを充実させようと、助産師や保健師それにピアサポートの相談員などを対象としたオンラインセミナーが開かれ、親の葛藤に寄り添う継続的な支援の重要性などが話し合われました。

    セミナーを開いているのは、出生前検査を受ける人たちのサポートなどを行っているNPO法人「親子の未来を支える会」です。

    対象は出生前検査を受ける人たちの支援に当たっている助産師、保健師それにピアサポートの相談員などで、国内外の専門家を講師が務めて、ケアのポイントを紹介しています。

    このうち、30年以上にわたり支援に当たってきたイギリスの団体の代表者は「障害などの可能性が指摘された際、正しい情報が少ないと動揺する場合もある。検査を検討する段階から必要な情報提供することが重要だ」と話し、早い段階からの支援の必要性を指摘しました。

    また信州大学医学部の教授で助産師の中込さと子さんは、出産を選ぶのか選ばないのかなど親は葛藤があり、疎外感や孤立感を感じる。寄り添って継続的に支援をしていくことが重要だと話したうえで、出産することを決めたとき、どのような支援が受けられるか、十分な情報を提供していくことが求められると話し、継続的な支援と情報の重要性を訴えました。

    セミナーを主催した会の代表の林伸彦医師は「赤ちゃんの診断の技術が発達する一方で、ケアの在り方は追いついていない。セミナーを活用して悩んでいる人たちを支えられるようになってほしい」と話しています。

    セミナーの内容は、3月末までは妊娠葛藤相談ウェビナーのホームページで動画が無料で公開されています。

    https://peraichi.com/landing_pages/view/fabtaijihotlinesupporter/

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210206/k10012852561000.html

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  23. 「新型出生前検査」国の方針 転換へ 医療機関認定に国も関与
    2021年3月31日 20時05分

    妊婦の血液を分析して胎児の染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」について、国の方針が変わる見通しとなりました。
    今後は、検査を行う医療機関の認定に国も関わり、妊婦向けの情報提供も行っていくとした報告書を、厚生労働省の専門委員会がまとめました。

    「新型出生前検査」=「NIPT」は、妊婦の血液を分析して胎児の染色体に異常があるか調べる検査で、専門的なカウンセリングを行うなど一定の条件を満たした医療機関が日本医学会の認定を受けて実施しています。

    国は、いわゆる「命の選別」につながりかねないとの指摘もあることから、これまで医療機関の認定には関与せず、妊婦に対する情報提供も控えてきました。

    ところが、学会の認定を受けずに検査を行う医療機関が増えていて、厚生労働省の調査では皮膚科や美容外科など産婦人科以外のクリニックが参入し、十分なカウンセリングが行われていないケースもありました。

    このため、厚生労働省の専門委員会は対策について議論を進め、31日、報告書の概要を取りまとめました。

    それによりますと、今後は検査を行う医療機関の認定に国も関与するとしていて、専門的なカウンセリングができる医療機関と連携する地域の産婦人科などでも検査が受けられるようにするとしています。

    また、妊婦向けに正しい情報を提供するため、ホームページでの情報発信を行うほか、保健所などに設けられた「女性健康支援センター」で検査に関する相談窓口の整備を進めるなどとしています。

    ただし、情報提供は検査を受けるよう呼びかけるものではないとして、中立的で誘導にならない形での相談を受けられるよう自治体で体制整備を進め、障害のある子どもの子育てや暮らしに関する情報も発信していくとしています。

    座長「正確な情報提供が重要」

    厚生労働省の専門委員会の座長を務めた聖路加国際病院の福井次矢院長は「十分なカウンセリングのない施設で多くの妊婦が検査を受けていたのは、倫理的にも医学的にも非常に大きな問題だったため、議論を進めてきました。これまで積極的に情報を伝えなかったことで、妊婦が質の悪い情報を見ることにつながってしまっていたため、今後は正確な情報を提供していくことが大変重要になります」と話しています。

    そのうえで「かなり幅広い知識がないと妊婦や家族が倫理的に適切な判断をすることは難しく、必要な情報も一律ではなく1人1人のニーズに配慮していかなければなりません。今後、妊娠初期に説明にあたる担当者の教育や研修を実施して体制を構築していく必要があります」と話していました。

    赤ちゃんの染色体に異常と判定された女性 どう考えた

    去年、新型出生前検査を受けて赤ちゃんの染色体に異常があると判定された40代の妊娠中の女性が、どんな悩みに直面し、どんなサポートを必要としたか語ってくれました。

    女性は不妊治療の末に妊娠し、高齢出産だったため検査を受けることを検討しました。

    まずはインターネットで情報を集め「認定施設」と「非認定施設」があることを知り、非認定施設は検査費用が安かったことから、どちらで受けるか悩んだと言います。

    女性は当時を振り返り「不妊治療でかなり出費がかさんでいたので、費用を抑えられるのであれば抑えたいと思っていました。ただ、通っていた産婦人科のクリニックに相談したところ、検査後のサポートがしっかりしている施設で受けたほうがいいと言われ、認定施設で受けることを決めました」と話していました。

    そして、産婦人科のクリニックから紹介してもらった「認定施設」の医療機関で検査前のカウンセリングを受け、染色体異常のことや、検査で分かることなどについて理解を深めてから、改めて検査を受ける決断をし、採血をしました。

    検査結果については夫婦で医師から説明を受けました。

    クリニックで目にした検査結果の用紙に、ダウン症の可能性を示す「21トリソミー」「陽性」の文字が目に入った時は、大きな衝撃を受けたということです。

    女性は「頭がもう真っ白になりました。夫の顔も見ることができず、ただ結果が書かれた用紙をじっと見ていました。その時は全く知識もなかったので、育てられるのかなという気持ちのほうが大きかったです」と話していました。

    女性は「育てられるかどうか判断するため、いろいろな情報を知りたい」と医師に伝えて、ダウン症協会の人を紹介してもらいました。

    ダウン症の3歳の子どもがいる家族と成人している子どもがいる家族の2組と会って話をしたということです。

    子どもや家族の笑顔に触れただけでなく、治療費についても聞けたことから、夫婦の家計と照らし合わせて具体的にイメージできたと言います。

    さらに、小児科の医師にも話を聞き、生まれたあとにどういう治療をすればいいのか、小学校に進むときにはどういう選択肢があるのかなど説明を受けました。

    一方、妊婦や家族を支援している団体から、中絶をした家族を紹介してもらって話を聞き、さまざまな情報をもとに夫婦で話し合いを重ねました。

    将来の不安はありましたが、2人で選んだ答えは「育てよう」というものでした。

    女性は「私たちの20年後も見えないのに、この子の20年後を私たちが勝手にイメージして想像して、悲観しているのはおかしいよねと、だったらこの子を愛情たっぷり育てて、楽しく過ごそうと、ハードルを1つずつ越えて家族になろうと、2人で納得しました。いろんな人の話を聞いて少しずつ覚悟を持てたことはよかったです」と話していました。

    一方で、自身の経験を振り返り「もし検査で異常が分かった時にどうするかということをきちんと考えてから受けたほうがいいですし、障害のことももっと詳しく知ってほしい」と話していました。
    女性は出産を今年5月に控えています。

    検査に必要な「専門的カウンセリング」

    検査に必要な、専門的なカウンセリングとは、どのようなものなのか。

    学会の認定を受けて新型出生前検査を行っている施設の1つ、大阪大学医学部付属病院では、産婦人科医だけでなく複数の分野のスタッフが連携して対応しています。

    この病院では検査の希望者に対してまずはおよそ1時間、遺伝診療部のスタッフによる専門のカウンセリングを行います。

    検査で分かるのは先天性疾患の一部であること、可能性を調べる検査のため、陽性だった場合はおなかに針を刺す羊水検査などで確認する必要があることなどについて理解してもらいます。

    そのうえで検査を受けることを決めたら予約をとってもらいますが、検査当日にも改めて意思確認を行ってから採血を実施します。

    そして、検査結果を伝える際にも最大1時間、専門のカウンセリングを行います。

    その後も希望に応じて小児科医に話を聞く機会をつくるなど、さまざまな専門分野のスタッフが連携して妊婦や家族をサポートしているということです。

    大阪大学医学部付属病院の産婦人科医、遠藤誠之さんは「医療者と違う立場のカウンセラーが長い時間をかけて話をしていく中で、ご夫婦にとって何が大切なのか見いだしていくプロセスは非常に重要です。妊娠中のことだけではなく、生まれたあとのことを知りたいときには、実際にお子さんと接している小児科の先生が話をすることも大切です。出生前検査では、多職種で連携することが特に大切なことだと思っています」と話していました。

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    1. 医療機関以外のサポートも

      検査をめぐっては医療機関のほかにも当事者をサポートする取り組みが必要とされています。

      このうちNPO法人の「親子の未来を支える会」では、妊婦や家族がインターネット上で情報を共有したり相談したりするオンラインピアサポートを実施しています。

      検査を受けるか悩んでいる人、結果が出るまで不安を抱えている人、結果を受けてどうするか悩んでいる人など、さまざまな相談が寄せられているということです。

      出生前検査をめぐっては、安心して話せる相談先が限られていて、妊婦や家族が孤立してしまうケースが多いということで、4月から中立的な立場で相談を受け付ける「胎児ホットライン」を開設することにしています。

      NPOの代表理事で産婦人科医の林伸彦さんは「検査について情報提供が進むことで、これからはより広く知られるようになるので、不安になってしまう人が増える可能性があります。『胎児ホットライン』でも、その不安を整理したり、どんなサポートがあるか伝えていく必要があると思っています」と話しています。

      そのうえで「検査をめぐる悩みや葛藤は短期間で終わる話ではなく、産むにしても産まないにしても、その後10年20年、悩んだり後悔したり、いろいろな気持ちがあるので、必要に応じて長期的に関われる場所をつくっていきたいです」と話していました。

      日本ダウン症協会がメッセージ

      「新型出生前検査」ではダウン症などの3つの染色体異常があるかが判定されます。

      日本ダウン症協会は、ダウン症のある人に向けたメッセージを発表しています。

      メッセージでは「テレビや新聞で『ダウン症』といっしょに『中絶』という言葉も出てくることが多いですね」と語りかけ「『ぼくは(わたしは)生まれてこないほうがよかったの?』とわたしたちに聞いた人もいます」としています。

      そのうえで「けっしてそんなことはありません!わたしたちは、みなさんが生まれてきたことに心から『おめでとう』と言います。みなさんがわたしたちの家族や友だちとしてそばにいてくれることに心から『ありがとう』と言います」「みなさんは、毎日、自信をもって生活してください。みなさんがいてくれるのでわたしたちは元気になれます」「だから、なにも心配しないでくださいね」と呼びかけています。

      また、日本ダウン症協会は今回の議論をふまえて、29日、厚生労働省の専門委員会に要望書を提出しました。

      この中では、検査や情報提供の在り方が、ダウン症の人たちや家族に対する差別を助長したり、これらの人たちを傷つけたりすることのないよう、十分な検討と配慮を求めています。

      また、情報提供の内容や方法によっては、ダウン症は検査して産むか産まないか選択しなければならないような障害であるという、誤った理解を広めてしまうなどの懸念がぬぐえないとして、十分な議論を尽くしてほしいとしています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210331/k10012948451000.html

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  24. 「着床前診断」対象拡大へ 成人後発症の病気も条件付きで
    2021年6月27日 13時11分

    体外受精させた受精卵の特定の遺伝子などを調べ異常がないものを子宮に戻す「着床前診断」について、日本産科婦人科学会は、成人までに死亡する可能性がある遺伝性の病気の子どもを出産する場合などに限って認めてきましたが、成人後に発症する病気にも条件付きで対象を広げるとする最終報告書を発表しました。

    「着床前診断」について、日本産科婦人科学会は、実施を認める対象を生活に著しい影響が出る遺伝性の病気などにも対象を広げるべきかどうか、去年から医療や倫理の専門家などでつくる審議会で議論を進め、26日、学会としての最終報告書を発表しました。

    この中では、実施を認めるかどうかの審査を行う対象について、原則、成人までに生活に著しい影響が出るか死亡する可能性のある病気で▽現在、有効な治療法がないか、▽高度で負担が大きい治療が必要になる場合とし、成人後に発症する病気も条件付きで対象に含めるとしました。

    学会ではこれまでに審査を行った経験のない病気に関しては、その病気の専門学会の意見を踏まえて対応するとしています。

    着床前診断を実施する対象について、これまでに失明する可能性のある遺伝性の目のがんや、成人したあとに自力歩行が難しくなる神経の病気などの患者家族から対象に含めるよう要望が出されています。

    学会では今後、審査の方法などを含めた、規則の改定について具体的な議論を進めるとしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210627/k10013106331000.html

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  25. 稼ぎになる方向へ誘導していくためには、多少の方便や犠牲は受容し寛容する姿勢が大事ということなのだろう。

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    1. っていうか、裏を返せば、人工授精生殖技術では、自然の生殖方法と違って、おかしなことが普通に起こるということなのかもしれない。

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  26. 着床前診断“実施広げる対象を限定”産科婦人科学会が方針変更
    2021年6月4日 5時35分

    体外受精させた受精卵の特定の遺伝子などを調べ、異常がないものを子宮に戻す「着床前診断」は、現在、成人までに死亡する可能性がある遺伝性の病気の子どもを出産する場合などに限って実施が認められています。日本産科婦人科学会は実施を認める対象を広げる最終案をまとめていましたが、慎重な対応を求める別の学会からの意見を受け、広げる対象を限定するよう方針を変更したことが分かりました。

    「着床前診断」を認める対象の病気について、日本産科婦人科学会は去年から医療関係者や倫理の専門家などでつくる審議会で議論を進め、ことし2月には「成人までに生活に著しい影響が出るか死亡する可能性のある」病気としていた条件のうち、「成人までに」という部分を削除し、対象を広げる最終案をまとめ、発表しました。

    これについて、学会は先月29日にまとめた最終報告書で内容を変更したことが分かりました。

    報告書では、実施を認める対象について「成人までに」という記述を戻し「原則、成人までに生活に著しい影響が出るか死亡する可能性のある病気で現在有効な治療法がないか、高度で負担が大きい治療が必要になる場合」としています。

    この背景には、日本神経学会が慎重な検討を求めたことがあり、患者家族から要望が出されていた失明する可能性がある遺伝性の目のがんや、成人したあとに自力歩行が難しくなる神経の病気などが対象になるかどうか、今後、議論が行われます。

    日本産科婦人科学会の木村正理事長は「遺伝性の病気を診療している学会からの意見を重く受け止め最終報告書をまとめた。当事者の意見なども踏まえ、さらに協議したうえで、ルールを決定したい」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210604/k10013066611000.html

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  27. 「遺伝子診断」という、きわめていかがわしい「診断術」で、新たに広がる「マーケット」開発に余念のない、あくなき欲望と野心をふくらませた「勢力」がたしかに存在するらしい。

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  28. 着床前検査「流産減らせる可能性あるが、出産率高まるかは検証必要」…日産婦が中間解析結果
    2021/09/23 22:05

     体外受精でできた受精卵の全染色体の異常を調べる「着床前検査」の大規模な臨床研究について、日本産科婦人科学会(日産婦)は23日、検査で流産率が減ったとする中間解析結果を公表した。一方、検査結果が出た夫婦の6割が正常な受精卵がなく子宮に移植できなかったため、全体の出産率が高まるかは検証が必要とした。

     この検査は、流産や不妊につながる染色体の異常がない受精卵を選び、子宮に移植する。妊娠や出産がしやすくなると期待される一方、障害を持って生まれる可能性がある受精卵の排除につながる倫理的な課題がある。

     このため、日産婦は臨床研究に限り実施を認め、全国109施設が参加している。研究の対象は〈1〉体外受精を2回以上続けて失敗〈2〉流産を2回以上経験〈3〉夫か妻に染色体の構造異常がある――のいずれかに該当する夫婦。今年7月までに30~50歳代の夫婦4348組が参加した。

     検査を行い、異常がない受精卵を子宮に移植できた人の妊娠率は66%、妊娠12週時点の流産率は10%だった。年齢による大きな差はなかった。一般的な体外受精のデータ(妊娠率35%前後、流産率2~3割)と比べて、成績は良かった。

     一方で、検査を受けても正常な受精卵がない夫婦が63・4%と多く、出産率は向上しない可能性があるとした。結果をまとめた桑原章医師は「流産を避けたい人には意義があるが、効果については未解明の部分が多く、さらに慎重な検討が必要だ」と話している。
    https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210923-OYT1T50154/

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    1. “異常ない受精卵戻す”臨床研究で流産の割合減少
      2021年9月23日 19時52分

      受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す新たな技術を使うと、出産する確率が上がるかどうか、臨床研究が行われています。
      この技術について、日本産科婦人科学会は流産は減った一方で、出産に至る割合を上げる効果はみられなかったとする中間報告を発表しました。

      日本産科婦人科学会は、体外受精を繰り返し行っても妊娠しなかったり、流産を繰り返したりする人を対象に、受精卵の染色体を調べ、異常がないものを子宮に戻す「PGTーA」という新たな技術について、実際に効果が見られるか、おととしから臨床研究を行ってきました。

      この臨床研究に参加した4000人余りについての結果が、23日、学会のオンラインのシンポジウムで報告されました。

      それによりますと染色体に異常がなく、受精卵を子宮に戻せた場合、妊娠した割合は、▽体外受精しても妊娠しなかった人で63.1%、▽流産を繰り返す人では72.4%と、この技術を使わない場合の35%程度より、高くなっていました。

      また、流産した割合も10%ほどと低かったということです。

      一方で、全体のおよそ60%の人では染色体に異常が見つかったため子宮に戻せず、全体として出産に至ったのは、この技術を使わなかった場合と差がなかったということです。

      学会では、この技術は流産を避けるのには有効な可能性があるとしていて、木村正理事長は「流産を減らし、女性の体への負担を減らす効果は期待できる。倫理的な問題も含めて議論し、実用化に向け検討していきたい」と話しています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210923/k10013273701000.html

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  29. シノギのネタづくりに邁進する医科様学会…

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  30. 着床前検査、流産・死産2回以上などに限定…産科婦人科学会が一般診療で容認方針
    2021/11/10 23:49

     体外受精でできた受精卵の全染色体の異常を調べる「着床前検査」について、日本産科婦人科学会(日産婦)の倫理委員会は10日、一般診療で実施を認める対象を、「流産や死産を繰り返した」など三つのケースに限定する案を発表した。今後、広く意見を募集し、日産婦総会での承認を経て、年明けにも運用を始める方針だ。

     案は9日に開かれた倫理委で承認した。

     案によると、検査の対象は、〈1〉流産や死産を2回以上経験〈2〉体外受精で2回以上続けて妊娠しない〈3〉夫か妻に染色体の構造異常がある――夫婦。実施する医療機関は、日産婦が認定する。不妊治療の専門医と、夫婦に適切な情報提供ができる遺伝の専門家がいることなどが条件となる。

     この検査は、妊娠・出産率の向上が期待される一方、障害を持って生まれてくる可能性がある受精卵の排除につながる倫理的な課題がある。日産婦はこれまで、研究でのみ認めてきたが、10月、「研究解析で、流産率の改善などに一定の効果が認められた」として、条件付きで一般診療を認める方針を明らかにしていた。
    https://www.yomiuri.co.jp/medical/20211110-OYT1T50199/

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  31. 着床前検査の新技術「PGT-A」 学会が実施案を公表
    2021年11月11日 6時41分

    受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す「着床前検査」の新たな技術について、日本産科婦人科学会は流産を減らす効果が期待されるとして、2回以上流産した経験がある夫婦などを対象に、年齢制限を設けず学会の認定施設で行うとする案を公表しました。

    この案は、日本産科婦人科学会が10日、学会のウェブサイトで公表しました。

    それによりますと受精卵の染色体を調べ、異常がないものを子宮に戻す「PGT-A」と呼ばれる着床前検査の新たな技術について、体外受精を2回以上連続して行っても妊娠に至らない夫婦や、流産や死産の経験が2回以上ある夫婦を対象に年齢制限は設けず学会の認定施設で不妊治療の一環として行うとしています。

    この技術については、学会が4000人余りを対象におととしから臨床研究を行っていて、これまでに流産を減らす効果があった一方で、およそ60%のケースでは染色体に異常が見つかったため受精卵を子宮に戻せず、全体として出産に至る確率は技術を使わなかった場合と差がなかったことが明らかになっています。

    日本産科婦人科学会は、パブリックコメントを募ったうえで最終的な実施条件を年明けにも決めたいとしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211111/k10013343101000.html

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  32. 着床前検査 来年4月にも 日産婦…条件付き、不妊治療の一環
    2021/12/12 05:00

     日本産科婦人科学会(日産婦)は11日、体外受精でできた受精卵の全染色体の異常を調べる「着床前検査」について、来年4月にも、条件付きで不妊治療の一環として実施する方針を決めた。この日の理事会で承認した。来年1月の臨時総会で正式に決定する。

     着床前検査は、流産や不妊につながる染色体異常のない受精卵を選び、子宮に移植する。妊娠率の向上などが期待される一方、障害を持って生まれる可能性がある受精卵の排除につながる倫理的な課題がある。

     これまで日産婦は臨床研究として実施してきたが、流産率の低下など一定の効果が確認できたとして、学会の施設要件を満たした約100施設に実施を認める。ただし、〈1〉流産や死産を2回以上経験〈2〉体外受精で2回以上続けて妊娠しない〈3〉夫か妻に染色体の構造異常がある――のいずれかに該当する夫婦に限定する。年齢制限は設けない。

     また、受精卵の段階で遺伝性の病気の有無を調べる「着床前診断」についても、来年4月から対象を広げる方針を決めた。

     これまで、成人前に命が危ぶまれる病気などに限られていたが、成人後に発症する病気でも、重篤で有効な治療法がないなどの条件に合えば認める。重い遺伝病の子が生まれる可能性がある夫婦が受けられる。
    https://www.yomiuri.co.jp/medical/20211212-OYT1T50076/

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  33. 「新型出生前検査」の新たな指針を公表 日本医学会 運営委
    2022年2月19日 7時26分

    妊婦の血液を分析して胎児の染色体の異常を調べる「新型出生前検査」について、日本医学会の運営委員会が新たな指針を公表しました。
    検査を実施する医療機関が連携体制を作ることで、妊婦が十分な支援体制を受けられるようにするなどとしています。

    「新型出生前検査」=「NIPT」は妊婦の血液を分析して胎児の染色体に異常があるかを調べる検査で、いわゆる「命の選別」につながりかねないなどの指摘があることから、これまで学会が一定の条件を満たした医療機関を認定してきました。

    しかし、認定を受けずに検査を行う医療機関が増え、十分なカウンセリングがないケースもあることなどから、日本医学会が国や専門学会などで作る運営委員会を設置し、新たな進め方を検討してきました。

    公表された指針では、検査を実施する医療機関について地域の基幹施設として、豊富な経験がある産婦人科と小児科の医師が常勤していることや遺伝に関する専門外来が設置されていることなどの要件を満たした施設を認定し、専門医が常駐しているクリニックなども基幹施設と連携して妊婦への支援体制を整えることで検査が実施できるとしました。

    また、検査の対象となる染色体の異常は、これまでと変わらず、ダウン症など3つにかぎり、対象の妊婦についてこれまでは原則、35歳以上としていたのを35歳未満で遺伝カウンセリングを実施しても不安が解消されない場合は、十分な情報提供などを行ったうえで本人の意思決定が尊重されるべきであるとしました。

    運営委員会では今後、妊婦が検査について正しく理解できるようにホームページなどで情報提供をしていく予定だということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220219/k10013491971000.html

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  34. 「着床前検査」めぐり学会が国に注意喚起求める要望書 提出へ
    2022年6月25日 21時24分

    受精卵の染色体を調べ異常がないものを子宮に戻す「着床前検査」の新たな技術は流産を減らすことが期待される一方、出産に至る確率が上がるかは明らかでないなどとして対象となる人を限って実施されています。

    この技術について都内のクリニックが希望する人すべてに実施するとしているとして、日本産科婦人科学会は国が注意喚起するよう求める要望書を出すことを明らかにしました。

    受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す「PGT-A」と呼ばれる着床前検査の新たな技術は2回以上流産した経験がある夫婦などを対象に、ことし4月から日本産科婦人科学会が認可したおよそ200の医療機関で行われています。

    しかし、学会によりますと不妊治療の分野に新たに参入したクリニックが今月都内で開院し、希望する人全員にこの検査を実施すると公表しているということです。

    学会は検査で出産に至る確率を上げる効果が世界的にはっきりしていないことや、受精卵を選別するという倫理的な問題もはらんでいることから、検査対象となる人を限定しています。

    学会は国に対して、学会のルールを守るよう関係機関に注意喚起することや問題を審議する公的機関を設置するよう求める要望書を近く提出することを決めました。

    日本産科婦人科学会の木村正理事長は記者会見で「学会としてできることには限界があり、国に対応を求めたい」と述べました。

    一方、クリニックは「学会のルールは把握しているが、不妊に悩むカップルのニーズに応えていきたい」としています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220625/k10013688721000.html

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  35. 医科様学会ぐるみの職域拡大雇用安定ミッション増殖肥大スキーム…

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  36. 「新型出生前検査」日本医学会が妊婦向けの情報サイト開設
    2023年1月28日 6時45分

    妊婦の血液を分析して胎児の染色体に異常があるかを調べる「新型出生前検査」について、一部の医療機関で検査の目的や結果について十分なカウンセリングがないまま、行われていることが問題になっています。

    日本医学会の委員会は認証を受けた医療機関などの情報をまとめたウェブサイトを作り、検査を受けるか考える際の参考にしてほしいとしています。

    「新型出生前検査」=「NIPT」は産婦人科以外のクリニックの参入が相次ぎ、検査で異常が分かっても十分なカウンセリングが行われないケースなどが問題となっていました。

    この検査について日本医学会の「出生前検査認証制度等運営委員会」は今月、検査を検討する妊婦などに、認証を受けた医療機関や相談窓口などを紹介するウェブサイトを設けました。

    サイトでは検査で分かる障害や病気についての解説や、専門的なカウンセリングが受けられる医療機関、それに障害や病気がある子どもや家族が受けられる福祉のサポートが年代ごとに示されています。

    また、検査を受けた人や受けなかった人の体験談なども掲載されていて、サイトを作った1人で、大阪医科薬科大学の玉井浩名誉教授は「検査の前に専門的なカウンセリングを受け、検査で異常が見つかった時にどういう行動をとればいいか考えておくことが大切で、サイトを役立ててもらいたい」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230128/k10013963391000.html

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  37. 流産減が期待 受精卵の「着床前検査」先進医療で実施へ 阪大
    2023年3月6日 5時18分

    受精卵の染色体を調べ、異常がないものを子宮に戻す「着床前検査」について、保険が適用される治療と併用できる「先進医療」として実施するよう求めた大阪大学の申請が厚生労働省の専門家会議で了承され、早ければ来月にも実施される見込みとなりました。
    ほかの大学も実施を申請していて今後、広がる可能性があるとみられています。

    受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す「PGT-A」と呼ばれる着床前検査の新たな技術は流産を減らす効果が期待され、日本産科婦人科学会が認可したおよそ200の医療機関で行われていますが、公的保険が適用されていないため検査をすると不妊治療にかかる一連の費用が患者の自己負担となり、負担が大きいことが課題となっています。

    この技術について、着床前検査の新たな技術を保険が適用される治療と併用できる「先進医療」として実施できるよう求めた大阪大学の申請が今月2日、厚生労働省の専門家会議で了承されました。

    大阪大学の計画によりますと、大阪府内の3つの医療機関と協力して、今後2年間、繰り返し流産をした女性など153人を対象に検査を行い、妊娠12週の時点で妊娠が継続しているかなどを調べるとしていて、早ければ来月にも検査を実施する見込みです。

    同様の申請は徳島大学も行っていて、今後広がる可能性があるとみられています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230306/k10013999271000.html

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  38. “世界で6人に1人が不妊を経験” WHOが報告書を発表
    2023年4月4日 22時39分

    WHO=世界保健機関は4日、世界で6人に1人が不妊を経験しているとする報告書を発表し、不妊治療を利用しやすい環境整備を急ぐ必要があると訴えています。WHOは不妊は1年以上にわたって定期的な性交渉を続けていても妊娠に至らない状態と定義しています。

    WHOは1990年から2021年までの間に各国で行われた研究を分析し、世界全体や地域ごとに不妊を経験している人の割合の推定値をまとめて発表しました。

    それによりますと、世界の成人のおよそ17.5%、6人に1人が、不妊を経験しているとしています。

    また、高所得の国々と、低所得や中所得の国々との間で不妊を経験している人の割合に大きな差は見られないとして、「世界的な健康上の課題だ」と指摘しています。

    そのうえで、不妊の診断や体外受精を含む不妊治療は高額で利用しづらく、費用はほとんどの国で自己負担で経済的な負担が大きいなどとして、公費による支援が重要だとしています。

    報告書をまとめたWHOの担当者は、「各国に不妊の問題の政策的な優先度を高め、治療方法へのアクセスをより容易にするよう呼びかけている」と述べ、不妊治療を利用しやすい環境整備を急ぐ必要があると訴えています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230404/k10014029121000.html

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    1. 人口爆発を「抑制」(制御)する計画を省けるなら大助かりではないのか?

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    2. んなもんほっとけよ、どなたかわからないフーなヒトビトよ。

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    3. WHO、不妊は成人の6人に1人…地域や所得による差なく「世界的な健康問題」
      2023/04/04 11:49

       【ジュネーブ=森井雄一】世界保健機関(WHO)は4日、世界の成人の6人に1人(約17・5%)が不妊を経験しているとする報告書を公表した。不妊治療を必要とする人々が、安価で質の高い治療を受けられるようにすることが急務だと指摘している。

       WHOによると、不妊症は男女ともに起こりうる生殖器系の疾患で、避妊していないにもかかわらず、定期的な性交渉を1年以上続けても妊娠しない状態と定義されている。

       報告書によると、不妊症の割合に地域差はなく、「世界的な健康問題」と指摘している。所得による差もほとんどなく、高所得国で17・8%、低中所得国で16・5%だったという。

       不妊治療は多くの国で自己負担で、患者に大きな経済的負担を強いているとして、政策の転換や公的資金の投入を求めている。

       報告書は、1990~2021年の関連研究を分析し、133の研究から得られた結果から不妊の割合などを推定した。
      https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230404-OYT1T50117/

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  39. 「不妊」は、ほんらい治療すべき疾患疾病の一つと言えるだろうか?

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  40. 遺伝性の重い病気調べる着床前診断の対象 目のがんなど初承認
    2024年8月28日 19時45分

    受精卵の段階で遺伝性の重い病気がないか調べる「着床前診断」について、実施する対象を審査している日本産科婦人科学会は最新の状況を公表し、去年、目のがんなど成人になるまで命に関わることが少ない病気が初めて承認されたことが分かりました。

    「着床前診断」は遺伝性の重い病気がないか体外受精させた受精卵の遺伝子などを調べる医療行為で、日本産科婦人科学会は医療機関から申請を受けて個別に審査しています。

    学会は2年前、実施を認める対象を成人までに亡くなることが多い病気などだけでなく、生活に著しい影響が出るものの命に関わることが少なかったり成人後に発症したりする病気などに広げていて、28日最新の審査の状況を公表しました。

    去年は過去最多となる72例の審査が行われ、このうち58例を承認していて、網膜芽細胞腫という失明のおそれがある目のがんなどが初めて承認されたということです。

    また、承認されなかったものが3例、審査が継続中のものが9例、取り下げが2例ありました。

    症状の重さや実施を希望する夫婦の状況などを踏まえ、同じ病気で判断がわかれたケースもあったということです。

    日本産科婦人科学会の加藤聖子理事長は「対象の拡大をきっかけにこれまで諦めていた人も申請するようになったとみられ、今後もさまざまな病気で申請が行われる可能性がある。着床前診断のあり方について議論を進めたい」と話していました。

    6年前から申請してきた女性「ようやく考え始めることができる」
    大阪市に住む野口麻衣子さん(42)は、目の網膜にがんができる「網膜芽細胞腫」になり、右目を摘出しました。

    この病気は遺伝することがあり、次男も生後3週間で同じがんであることが分かりました。

    3人目の子どもを望んでいた野口さんは、6年前着床前診断を希望して申請しましたが、当時は対象が成人までに亡くなる病気などに限られていたため承認されませんでした。

    野口さんはそのあとも再申請していましたが、学会が対象を拡大したことから去年ようやく承認されたということです。

    野口さんは「承認されるまで長かったというのが正直な気持ちです。最初の申請から6年たち状況も変わってしまったので、今すぐ3人目をということは考えられませんが、今後どうしたいのか、ようやく考え始めることができる気持ちになりました。子どもが大きくなり着床前診断をしたいと思ったときにできるような社会になってほしいという思いでやってきました。制度は1歩前に進んだと思います。着床前診断を望んだ人ができる社会になってほしいです」と話していました。

    専門家「産む選択肢もあると家族が思える治療やサポート環境を」
    生命倫理に詳しい明治学院大学社会学部の柘植あづみ教授は、「産まれてくる子どもが苦労するのを避けたいという気持ちは分かる一方で、着床前診断が広がれば特定の病気の人は生まれてこない方が本人にとっても親にとってもいいと認めていくことにもつながりかねない。社会が病気や障害を受け入れられなくなるのではないかと危惧している」と指摘しました。

    そのうえで、「着床前診断を選ぶ人の意思を尊重するとともに、産む選択肢もあるのだと家族が思えるように治療やサポートの環境を整えていく必要がある。検査では病気を発見できないこともあり、そうした人たちを含め社会でどう対応していくか考えなくてはならない」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240828/k10014562671000.html

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  41. 生後初の便、消化管や心臓の病気の診断に活用期待…たんぱく質の種類や量に違い
    2024/09/02 08:17

     新生児が初めて出した便を解析した結果、先天性の消化管や心臓などの病気の有無で含まれるたんぱく質の種類や量が異なったとの調査報告を東京大などの研究チームがまとめた。病気を早期に診断する新たな検査法の開発につながる成果として期待できるという。論文が科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。

     生後最初の便は「胎便」と呼ばれ、母親のおなかの中にいる時につくられる。粘り気のある黒っぽい便で、多くは出生から24時間以内に排出される。

     チームは、東大病院で2019年10月~21年3月に生まれた259人の胎便を解析。消化管、心臓、染色体異常、感染症で先天性の病気を持つ新生児と、病気ではない新生児の胎便を比べたところ、たんぱく質の種類や量に違いが出た。

     解析対象とした病気は、現在、主に採血で診断や原因の特定を行っている。研究責任者の渡辺栄一郎・群馬県立小児医療センター外科部長は「採血よりストレスのない便検査で病気を早期に発見する診断法につなげたい」話す。

      須田 亙わたる ・理化学研究所共生微生物 叢そう 研究チームチームリーダーの話 「国内で初となる胎便の本格的な研究成果で、赤ちゃんの成長に伴う腸内環境の変化の解明にも役立つだろう」
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20240902-OYT1T50008/

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