( 気象庁「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」 の続き)
いったいぜんたい、あの「南海トラフ地震臨時情報~巨大地震に注意~」騒動は何だったのだろう…
2024年11月8日 20時27分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241108/k10014633341000.html
南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする評価結果をまとめました。
専門家でつくる検討会は8日、気象庁で定例の会合を開き、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。
このうち「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されるきっかけとなったことし8月の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震のあと、宮崎県南部を中心にゆっくりとした東向きの変動が観測されていますが、このクラスの地震で通常みられる変動の範囲内だということです。
また巨大地震の震源とされる陸側と海側のプレートの境界付近では「深部低周波地震」と呼ばれるごく小規模な地震が、四国東部で先月10日から19日にかけて、四国西部で先月末から観測されていて、ほぼ同じ時期に周辺の複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動も観測されています。
いずれも想定震源域のプレート境界が数日から1週間程度かけてゆっくりとずれ動く「短期的スロースリップ」が原因とみられ、過去、繰り返し観測されているということです。
また衛星からの観測で2019年の春ごろから四国中部で、2022年初頭以降に静岡県西部から愛知県東部にかけてそれぞれ観測されているこれまでとは傾向が異なる地殻変動は、プレート境界の深い場所が年単位でゆっくりとずれ動く「長期的スロースリップ」が原因とみられ、これまでも繰り返し観測されているということです。
このほか静岡県の御前崎と和歌山県の潮岬、高知県の室戸岬で長期的にみられる沈降は海側のプレートの沈み込みに伴うもので、大きな変化はないとしています。
これらを踏まえ検討会は「プレート境界の状況に特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていない」とする評価結果をまとめました。
検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は「毎年のようにどこかで大きな震災は起きているので、自分が住む場所でも起きると考えて備えてほしい」と話していました。
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(書きかけ)
(№643 2024年11月8日)
“南海トラフ巨大地震想定”全市民対象の防災訓練 和歌山 海南
返信削除2024年11月10日 12時41分
南海トラフ巨大地震で大きな被害が想定されている和歌山県海南市で、すべての市民を対象にした防災訓練が行われました。
この訓練は、海南市が毎年、およそ4万7000人の市民に参加を呼びかけて行っているものです。
海南市では、南海トラフ巨大地震が発生すると沿岸部に最大およそ8メートルの津波が押し寄せ、1万1000棟余りの建物が全壊すると想定されています。
防災行政無線などで大津波警報の発令が伝えられると海沿いの塩津地区では、市民が声を掛け合いながら、一次避難場所になっている海抜26メートルの高台にある寺へと足早に移動していました。
名簿を見ながら、避難した人の数や安否などを確認したあと、地区の代表者らは、さらに高台にある公民館へ向かい段ボールを並べて作る簡易ベッドを組み立てるなど、避難所の設営の手順を確かめていました。
塩津地区の防災会の会長、南方嘉門さんは「いざというときに慌てず、迷わず、避難してもらうことが重要です。1人の命も失われずにすむよう訓練を続け、防災意識を高めていきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241110/k10014634291000.html
南海トラフ巨大地震 高知から宮崎の沖合 新たに観測網が整備
返信削除2024年11月15日 5時29分
南海トラフ巨大地震の想定震源域のうち、これまで「空白域」とされていた高知県から宮崎県の沖合で新たに観測網が整備され、気象庁がデータの活用を今月21日から始めることになりました。観測点周辺で津波が発生した場合、最大でおよそ20分早く検知できるとしています。
高知県の室戸岬の沖から宮崎県沖の「日向灘」にかけては、津波の観測点が陸域の周辺に限られていて、沖合は「観測網の空白域」とされていました。
そのため防災科学技術研究所が「N-net」と呼ばれる海底地震計や津波計の整備を進め、これまで計画の半数にあたる18か所に設置されています。
7月から試験運用されていましたが、データの品質が確認されたため、今月21日から気象庁の津波観測に活用されることになりました。
気象庁によりますと、観測点周辺で津波が発生した場合、これまでと比べ最大でおよそ20分早く検知できるということです。
沖合で津波が観測された場合は、情報が発表されます。
また、津波警報を大津波警報に切り上げたり、大津波警報から津波警報に切り替えたりといった作業が早まることも期待されています。
気象庁地震津波監視課は「津波は沿岸に近づくほど高くなる特徴があるので、沖合の津波観測の情報をより危機感をもった避難行動につなげてもらいたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241115/k10014638831000.html
南海トラフ臨時情報に便乗、Xに広告報酬狙いの大量スパム…「まともな情報得られず」「大事な情報の邪魔」
返信削除2024/11/16 05:00
<これから気をつけることは?>。南海トラフ地震の臨時情報が出た8月、そんな文句で防災サイトへ案内するかのように装った画像付きのスパム(迷惑)投稿が、X(旧ツイッター)上に大量に流れた。画像をクリックすると表示されるのは、アダルトサイトなど無関係なものばかり。読売新聞などが投稿者の情報を分析すると、浮かび上がってきたのは、企業の代わりに商品やサービスを宣伝し報酬を得る「アフィリエイター」と呼ばれる存在だった。(スタッブ・シンシア由美子、鈴木貴暁)
数十万件
<まともな情報が得られず、腹立たしい><大事な情報の邪魔になる>
南海トラフ地震の臨時情報発表時に大量に流れたスパム投稿。画像をクリックするとアダルトサイトが表示された
臨時情報が出た8月8日以降、こうした不満を訴える投稿がX上に相次いだ。検索結果がスパム投稿ばかりになるからだ。
当時、Xで「地震」「臨時情報」などと検索すると、取るべき防災行動を描いた図や、テレビのニュース映像を切り取った画像などを添付した投稿が、検索結果の上位を占めた。これらは、複数アカウントから数~数十秒おきに投稿されていた。<これから気をつけることは?>のパターンの投稿は、8~12日に少なくとも計数十万件に上った。
だが、画像から誘導されるのはアダルトサイトや投資関連サイト。南海トラフ地震の発生が懸念される中、防災情報を探し求める利用者の妨げとなった。
同様のスパム投稿は、7月下旬に山形県を襲った大雨や8月下旬の台風10号、岸田前首相が同月14日に自民党総裁選への不出馬を表明した際にもあふれた。
誘導先は、アダルトサイトや投資関連サイトだけではない。楽天グループの通販ページ、携帯大手KDDIの有料会員サービス、大手旅行会社の宿泊予約ページなどが表示されるケースもあった。
海外からか
投稿者は誰なのか――。読売新聞が7、8月に確認された100超の投稿元を調べると、アカウントは4~7月に作成され、外国人とみられるアカウント名ばかりだった。さらに広告不正対策を手がける企業「スパイダーラボズ」(東京)の協力を得て、複数の広告のリンク情報を分析した結果、「アフィリエイト広告」のプログラムが使われていたことも判明した。
アフィリエイト広告は、仲介業者を介して広告主と提携した「アフィリエイター」(主に個人)が自身のブログやSNSに広告を掲載し、商品やサービスを紹介する仕組みだ。広告を見た消費者が一定期間内に購入・利用すると、広告主からアフィリエイターに成功報酬が支払われる。
今回のスパム投稿のように、利用者の意図しない形で広告に誘導する行為は、多くの仲介業者がアフィリエイターに対し、利用規約で禁じている。X側も利用者の誤解を招くスパム投稿を禁止している。
スパイダーラボズの宮本雄大氏は「海外のアフィリエイターがバイトなどを雇って組織的に発信した可能性がある。あまりに大量の投稿だったため、広告主側もX側も対処しきれなかったのだろう」とみる。
広告主の責任
今回の事態を受け、一部の広告主も対応に乗り出している。楽天グループは読売新聞の取材に、スパム投稿を行っていたアフィリエイターとの契約を解除したことを明らかにした。「災害に乗じた不適切な投稿による誘導はユーザーに混乱をきたすだけでなく、当社のブランドイメージを 毀損きそん するもので、重大な問題だ。引き続き、対策の強化を行う」としている。
今回のスパム投稿はすでに削除され、9月以降は投稿も少なくなっているが、アフィリエイト広告に詳しい広告会社「クロスワーク」(神奈川県)の笠井北斗代表は「X側や、広告主、仲介業者がパトロールを徹底していれば未然に防げたはず。ネット広告を出す事業者は、自社が悪質業者の資金源にならないよう、責任感と倫理観をもって対策を講じる必要がある」と指摘する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241115-OYT1T50274/
[科想空間]「地震予知」看板掲げる難しさ
返信削除2024/11/16 05:00
臨時情報(巨大地震注意)の発表後に開かれた気象庁の記者会見(8月8日)
8月7日に気象庁で開かれた南海トラフ周辺での地震活動や地殻変動を評価する定例の検討会。担当者は「特段の変化は観測されていない」と説明していたが、翌8日に宮崎県沖の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。南海トラフ地震に備えるための「臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表された。
思い出したのは2011年3月11日の東日本大震災だ。三陸沖では同9日にマグニチュード(M)7級、同10日にM6級の地震が続いていた。気象庁は10日、この日の地震は9日の「余震」だとみていたが、11日には「これまでの活動は『前震』で、今回が『本震』かもしれない」と説明を修正したのだ。
地震の分析や予測は難しいと痛感した取材経験だったが、気象庁には当時、東海地震の予知を目指す「地震予知情報課」という部署があった。同庁は静岡県を中心に機器で監視しており、異常を捉えたらトップの長官が首相に地震予知情報を報告、首相が被害軽減のため国民生活を制限する「警戒宣言」を呼びかける体制を整備していた。だが17年にこの体制を中止し、20年には部署の看板も下ろした。きっかけは東日本大震災だ。
「敗戦処理だった」。震災翌月から3年間、地震予知情報課長を務めた土井恵治さん(63)は振り返る。なぜM9の超巨大地震を予知できなかったのかと批判が吹き荒れ、想定すらしていなかった地震学者らは「総ざんげ状態」になったという。「地震予知はそう簡単じゃない。身の丈に合った情報発信をしようとなった」
反省と議論の末、中央防災会議の有識者会議は13年、東海地震を含む南海トラフで起こる地震について「現在の科学的知見からは確度の高い地震の予測は難しい」と明言した。土井さんは「この時、地震予知情報を出すことを事実上封印した。社会経済を止めるきっかけとなる確度の高い情報を出すことは、おそらく今後も難しい」と話す。
一方、地震予知を掲げる組織は今もある。東京大学地震研究所の「地震予知研究センター」はその代表格だ。地震学だけでなく、電磁気学、熱学、地質学、測地学、歴史学などの研究者が在籍するが、センター長の上嶋誠教授(62)は「今の研究内容で本当に予知を目指していると言えるのかという葛藤がある。内部で改称も議論している」と明かす。
地震予知を目指す研究の歩みは止めてほしくないが、現状では予知は難しく、臨時情報も予知情報ではない。日頃の備えこそ大切だと改めて肝に銘じたい。(今井正俊)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20241115-OYT8T50063/