2020年10月6日

【毎年恒例】医科様生物学ノベル大賞決定(笑)。

( 【毎年恒例】ノーベル生物学医科様ショー(笑)。 の続き)

その「9割のウソ」の一部にも、ずいぶんとノーベル賞の箔付けを施してるように思うけどなあ…

>研究は、何か知りたいという好奇心がないといけない。そして、簡単に信じない。よくマスコミの人はネイチャー、サイエンスに出ているからどうだという話をするけれど、9割は嘘で、10年たって残っているのは1割。まず、論文とか、書いてあることを信じない。自分の目で確信を持てるまでやる。自分の頭で考えて納得いくまでやる、というのがわたしのスタンス

ノーベル医学・生理学賞に本庶佑さん 京大特別教授
2018年10月1日 18時46分 NHKニュース

ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見し、がんに対して免疫が働くようにする新たな治療薬の開発などに貢献した京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、医学・生理学賞では、おととしの大隅良典さんに続いて5人目となります。

本庶さんは京都市生まれの76歳。

京都大学医学部を卒業後、昭和46年にアメリカに渡り、カーネギー研究所や国立衛生研究所で免疫学の研究に当たりました。

そして大阪大学医学部の教授をへて昭和57年からは京都大学の教授となり、医学部長などを務めたほか、現在は京都大学高等研究院の特別教授として副院長を務めています。

本庶さんは免疫をつかさどる細胞にある「PD-1」という新たな物質を発見し、その後、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることを突き止めました。

この発見によって再び免疫が働くようにして、人の体が本来持っている免疫でがん細胞を攻撃させる新しいタイプの治療薬、「オプジーボ」という薬の開発につながりました。

この薬は、がんの免疫療法を医療として確立し、本庶さんは同じくがんの免疫療法で貢献したアメリカのジェームズ・アリソン博士とともに共同で受賞しました。

本庶さんは平成24年にドイツの権威ある「コッホ賞」を受賞し、よくとしには文化勲章を受章しています。

日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、医学・生理学賞では3年前の大村智さん、おととしの大隅良典さんに続き5人目となります。

ノーベル財団のホームページ 写真公開

ノーベル財団のホームページに掲載されたツイッターには、本庶佑さんが受賞の連絡を聞いた直後に京都大学の研究室のメンバーに囲まれて喜びを表現している様子が写真で公開されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653631000.html


「ノーベル医学・生理学賞」
https://www3.nhk.or.jp/news/word/0000710.html

「ノーベル賞」
https://www3.nhk.or.jp/news/word/0000190.html




(書きかけ)




もはや「がん」ネタは何でもありの世界。

本庶せんせの場合、本当は、こっちのほうが優れた業績のはずなんだけどなあ…

「免疫グロブリン クラススイッチ(ぐぐる先生)




(№353 2018年10月1日)

205 件のコメント:

  1. ノーベル賞 本庶さん がん免疫療法を確立
    2018年10月1日 20時01分

    本庶佑さんは免疫の仕組みを明らかにする研究に長年取り組んできて、以前からノーベル賞の有力な候補者と言われてきました。

    本庶さんは京都大学医学部を卒業後、いずれもアメリカにあるカーネギー研究所やNIH=国立衛生研究所で研究したあと、37歳の若さで大阪大学の教授に就任するなどして免疫の仕組みを研究してきました。

    本庶さんは平成4年に、免疫細胞の表面に「PD-1」というこれまで知られていない新しい物質があることを発見します。

    当初はどのような働きがあるのか全く分かっていませんでしたが、「PD-1」の働きを止めると免疫反応が過剰に働くことがわかり、発見から7年後の平成11年、この物質が免疫が働くのを抑える、いわば「ブレーキ」の役割を果たしていることを突き止めました。

    さらに、がん細胞がこのメカニズムを利用してヒトの免疫を逃れていることもわかります。

    そこで、がん患者の体内で「PD-1」が働かないようにすることで、再び免疫ががん細胞を攻撃するようにして治療するというそれまでの抗がん剤とはメカニズムが全く違う新しいがん治療薬の開発につながり、「オプジーボ」という名前で売られるようになりました。

    この薬は日本で皮膚がんの治療薬として承認され、続いて肺がんの治療薬としても承認されるなど、今では世界中の医療現場で使われています。

    免疫の力を利用してがんを治療しようというがんの免疫療法を医療として確立し、手術、抗がん剤、放射線治療に続く第4の治療法となるきっかけを開いたとして高く評価されていました。

    「オプジーボ」 がん細胞を免疫に攻撃させて治療する薬
    オプジーボは、免疫のブレーキとなる「PD-1」と呼ばれるタンパク質の働きを妨げることで、がん細胞を免疫に攻撃させて治療する薬です。

    平成26年に皮膚がんの一種の「メラノーマ」の治療薬として販売され、現在では、肺がんや胃がんなどの7つのがんで治療薬として使われ、これまでに国内で2万5000人以上に使われています。

    オプジーボは従来の抗がん剤では治療が難しい患者にも効果が期待できるとして注目されています。
    一方、すべての患者に治療の効果があるわけではなく、どのような患者に効果が高いか、現在も研究が続いています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653731000.html

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    1. 「本庶さんは分子生物学のレジェンド」阪大 岸本忠三特任教授
      2018年10月1日 19時48分

      免疫学の分野の大家で大阪大学の岸本忠三特任教授は「本庶さんは分子生物学のレジェンドのような存在で、受賞して非常によかった。日本の科学界、免疫学の世界で皆の刺激になるのではないか。本庶さんがいちばん最初に、PD-1を見つけて、アリソン博士が臨床に応用した。2人の受賞はいい組み合わせだと思う」と話していました。

      阪大 坂口特任教授「若い研究者にとっても刺激になる」

      同じ免疫学の世界的研究者で京都大学でも教授を務めた大阪大学の坂口志文特任教授は「私とは研究分野が違いますが、がんを免疫で治す新しい方法を確立しようと基礎研究から応用まで行ってきたパイオニアで、すばらしい研究者だと思います。日本の免疫学のレベルの高さが世界に認められたということなので、とても喜ばしく、若い研究者にとっても刺激になると思います」と祝福しました。

      慶大 吉村教授「非常に厳しい人」

      本庶さんと同じ免疫学の研究を進めている慶応大学医学部の吉村昭彦教授は「同じ分野で研究をしているわれわれとして本当に誇りに思いますし、心からお祝い申し上げたいです。先生の研究は全く新しい発想で生まれ、世界をあっといわせたもので、がん治療の世界を大きく変えることにつながっていると思います」と話していました。

      また本庶さんの人柄について「こんなことをいうと怒られてしまうかもしれませんが、先生は研究に対して非常に厳しい方で、私たち後輩の研究者にとっては怖い存在の方でもあります。ただ、だからこそこうして大きな成果をあげられているのだと思います」と話しました。

      そのうえで吉村教授は「本庶先生は『がんを治る病気にする』といつもおっしゃっていて、世界中で免疫治療の研究が進んでいます。受賞をきっかけに私たちもさらに研究にまい進していきたい」と話していました。

      京大生「改めて基礎研究の大切さも感じた」

      本庶さんが勤務する京都大学高等研究院の前に集まっていた学生のうち医学部1年生の男子学生は「本庶先生がついにノーベル賞をとられたと聞いてとてもうれしい。僕もこれから医学を学んでいきたい」と話していました。

      京都大学理学部4年生の男子学生(21)は「取ったのですか!」と驚いたあと、「ここ数年は京都大学からノーベル賞が出ず、ことしもダメかと思っていました。『受賞した』と聞いてすごいと思うし、同じ京大生の先輩として大いに称賛したい。改めて基礎研究の大切さも感じました。学習への意欲がわき、やる気が出てきました」と興奮した様子で話していました。

      「オプジーボ」製造 小野薬品工業「偉大さは揺るぎのないもの」

      がん治療薬の「オプジーボ」を製造販売する小野薬品工業の相良暁代表取締役社長は「本庶先生の業績に対して、かねてより多大なる敬意を表しており、共同研究を実施することができた巡りあわせに感謝しています。先生の業績の偉大さは揺るぎのないものですが、ノーベル賞という形で世の中に評価され、喜ばしい限りです。抗がん剤として医薬品化した私たちの使命は、できるかぎり早く、より多くの患者さんにお届けすることです。今後とも、その使命を全うすることに努めていきたいと思います」というコメントを出しました。

      神戸市長「先生の研究成果が広く普及することを」

      本庶佑さんは神戸市が出資する神戸医療産業都市推進機構の理事長を務めています。

      神戸市の久元喜造市長は「免疫を抑えるたんぱく質『PD-1』の発見で、がん免疫療法の開発に大きく貢献したことが、世界的に高い評価を受けた結果だと受け止めております。今後、より一層のご活躍を心からお祈り申し上げますとともに、先生の研究成果が、がんで苦しむ世界中の患者さんの治療法としてより広く普及することを期待します」とコメントしています。

      兵庫県知事「県民の大きな誇り」

      兵庫県の井戸知事は「がん細胞への免疫抑制に重要な役割を果たす『PD-1』を発見し、全く新しい『がん免疫療法』の道を切り開いてこられた先生の受賞を、県民を代表して心からお祝い申し上げます。兵庫県民の大きな誇りであり、次世代を担う青少年の夢を大きく育んでくれることでしょう。先生の今後のご活躍を心からお祈りします」とコメントしています。

      京都府知事「『大学のまち京都』世界に示せた」

      京都府の西脇知事は「京都府民を代表して心からお祝い申し上げます。『大学のまち京都』の素晴らしさを改めて世界に示すことができたと感じており、京都府の誇りとして感謝したいと思います」というコメントを発表しました。

      京都市長「医療の進歩のためさらなるご活躍を」

      京都市の門川市長は、「治療が困難な病気に苦しんでおられる方々に大きな希望の光を与えられた成果が結実したものと敬意を表します。本庶先生は日本が世界に誇る至宝であり、今後も医療の進歩のためさらなるご活躍を祈念します」というコメントを発表しました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653761000.html

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    2. 京大 山中教授「本庶先生の業績 私たち研究者の目標」
      2018年10月1日 19時57分

      京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は「本庶先生、ご受賞おめでとうございます。先生のご受賞を毎年、待ちわびていた1人として、跳びあがるほどの気持ちです。先生のご発見は、人類の敵、がんに対する、免疫システムを利用した画期的な治療法を生み出しました。世界中の患者さんに希望の光をともし、人々の健康に多大なる貢献をされました。基礎研究が医療応用へと発展した本庶先生のご業績は、私たち医学研究者の目標であり、心から敬意を表します。私どもも本庶先生を鑑に、医療応用に向けて精進して参る所存です」というコメントを発表しました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653861000.html

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    3. ノーベル賞 本庶さんに日本各地から祝福の声
      2018年10月1日 20時11分

      本庶佑さんのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まったことについて、日本各地で喜びの声が聞かれました。

      東京 渋谷駅前では驚きと喜びの声が聞かれました。

      10代の女子高校生は「すごいです。日本人が世界で評価されると日本人でよかったなと誇りに思います」と話していました。

      60代の女性は「2人に1人ががんになると言われている時代なので新しい治療法がつくられるのは大事なことだと思います。日本は研究費が少ないと言われていますが、必要な研究は後押しして次の受賞者も育ててほしいです」と話していました。

      また、60代の男性は「私の周りにもがんの人がたくさんいるのでとてもすごい成果だと思います。日本の研究がすばらしいことを世界に伝えるきっかけになればと思います」と話していました。

      JR大阪駅前では若い人たちから祝福の声があがっていました。

      男子大学生は「ノーベル賞はすごい。自分も大学の理系で勉強していますが、研究を続けている人が受賞するのはうれしい」と話していました。

      また、女子大学生は「おめでとうございます。すばらしいことだと思います。医学の進歩を感じられ、きょうは会社の内定式もあったので、忘れられない、いい1日になりました」と話していました。

      さらに、工業高校を卒業したという若い男性は「研究というのはすばらしいと思います。受賞をきっかけに、がんの研究分野がもっと発展してくれたらいい」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653891000.html

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    4. ノーベル賞 本庶さん会見「多くの人に感謝」(随時更新)
      2018年10月1日 20時01分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんは、1日午後7時20分から京都大学で記者会見に臨んでいます。

      大変名誉なこと

      この中で、本庶さんは「このたびは大変名誉なことと喜んでいます。苦労してきた共同研究者、学生諸君、応援してくれた方々、また、長い間、支えてくれた家族と多くの人に感謝します」と述べました。
      また、本庶さんは「極めて基礎的な研究が新しいがん免疫療法となった。この治療法によって重い病気から回復して『あなたのおかげだ』と言われることがあると自分の研究の意味があったと実感し、何よりも嬉しく思います」と心境を語りました。

      患者を救うため研究続けたい

      本庶さんは「このような賞をいただき、大変、幸運な男だと思っています。免疫療法が多くのがん患者を救うことになるよう、もうしばらく研究を続けたいし、世界中の研究者が努力を重ねているので、この治療法がさらに発展するよう願っています」と述べました。

      多くの研究者 勇気づけられれば

      また、受賞を受けて「基礎医学分野の発展が一層加速し、基礎研究に関わる多くの研究者を勇気づけることになれば私としては望外の喜びです」と語りました。

      午後5時前後に連絡 大変驚いた

      会見の質疑応答の中で、本庶さんは「午後5時前後に電話でノーベル財団の先生から電話がありました。突然でしたので、大変、驚きました。ちょうど私の部屋で、若い人たちと論文の構成について議論していたところだったのでまさに思いがけない電話でした。大変うれしく思いましたが、大変、驚きました」と述べました。

      若い人にたくさんチャンス与えるべき

      質疑応答の中で、本庶さんは、基礎研究への予算配分のあり方について、「生命科学については、わたしたちはどういうデザインなのか理解していない。AIとかロケットはデザインがあって目標に向かってプロジェクトを組めるが、生命科学はほとんどわかっていないので、デザインを組むのが難しい。その中で、応用だけやると大きな問題が生じると思う。つまり、何が正しいか分からないところで山をみんなで攻めようというのはナンセンスだ。多くの人にできるだけ多くの山を踏破してもらって、そこに何があるか理解した上で、どの山が本当に重要な山かを調べる。そういう段階だ。だから、もっと予算をばらまくべき。ばらまき方にもやり方があるが、特に若い人など、もっとたくさんの人にチャンスを与えるべきだと思う」と述べました。

      簡単に信じない 考えて納得いくまでやる

      また、本庶さんは「研究は、何か知りたいという好奇心がないといけない。そして、簡単に信じない。よくマスコミの人はネイチャー、サイエンスに出ているからどうだという話をするけれど、9割は嘘で、10年たって残っているのは1割。まず、論文とか、書いてあることを信じない。自分の目で確信を持てるまでやる。自分の頭で考えて納得いくまでやる、というのがわたしのスタンス。賞というのは人が決めるもので、出すところによって考え方が違う。一言で言うと、わたしは幸運な人間だ。PDー1を見つけたときにがんにつながるとは思わなかった。たくさんの幸運があって、こういう受賞につながったと思っています」と述べました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653831000.html

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    5. 「本庶さんは分子生物学のレジェンド」阪大 岸本忠三特任教授
      2018年10月1日 20時46分

      免疫学の分野の大家で大阪大学の岸本忠三特任教授は「本庶さんは分子生物学のレジェンドのような存在で、受賞して非常によかった。日本の科学界、免疫学の世界で皆の刺激になるのではないか。本庶さんがいちばん最初に、PD-1を見つけて、アリソン博士が臨床に応用した。2人の受賞はいい組み合わせだと思う」と話していました。

      京大 森和俊教授「基礎研究積み重ね のちの大きな発見に」

      本庶さんと同じ京都大学でタンパク質などの研究に取り組んでいる森和俊教授は「きょう、本庶先生とメールのやり取りをしていましたが、午後4時にメールが来たあと急に返信がこなくなったので、『ひょっとしたら』と思っていました。本当におめでとうございます」と受賞をたたえました。

      そのうえで、「基礎研究は実るまでにすごく時間がかかります。本庶さんの研究も、最初からがん治療につながると思って発見したのではなく、偶然の結果でした。基礎研究を積み重ねることがのちのちの大きな発見になります。本庶先生には声を大にして基礎科学の大事さを提言してほしいです」と話していました。

      阪大 坂口特任教授「若い研究者にとっても刺激になる」

      同じ免疫学の世界的研究者で京都大学でも教授を務めた大阪大学の坂口志文特任教授は「私とは研究分野が違いますが、がんを免疫で治す新しい方法を確立しようと基礎研究から応用まで行ってきたパイオニアで、すばらしい研究者だと思います。日本の免疫学のレベルの高さが世界に認められたということなので、とても喜ばしく、若い研究者にとっても刺激になると思います」と祝福しました。

      慶大 吉村教授「非常に厳しい人」

      本庶さんと同じ免疫学の研究を進めている慶応大学医学部の吉村昭彦教授は「同じ分野で研究をしているわれわれとして本当に誇りに思いますし、心からお祝い申し上げたいです。先生の研究は全く新しい発想で生まれ、世界をあっといわせたもので、がん治療の世界を大きく変えることにつながっていると思います」と話していました。

      また本庶さんの人柄について「こんなことをいうと怒られてしまうかもしれませんが、先生は研究に対して非常に厳しい方で、私たち後輩の研究者にとっては怖い存在の方でもあります。ただ、だからこそこうして大きな成果をあげられているのだと思います」と話しました。

      そのうえで吉村教授は「本庶先生は『がんを治る病気にする』といつもおっしゃっていて、世界中で免疫治療の研究が進んでいます。受賞をきっかけに私たちもさらに研究にまい進していきたい」と話していました。

      京大生「改めて基礎研究の大切さも感じた」

      本庶さんが勤務する京都大学高等研究院の前に集まっていた学生のうち医学部1年生の男子学生は「本庶先生がついにノーベル賞をとられたと聞いてとてもうれしい。僕もこれから医学を学んでいきたい」と話していました。

      京都大学理学部4年生の男子学生(21)は「取ったのですか!」と驚いたあと、「ここ数年は京都大学からノーベル賞が出ず、ことしもダメかと思っていました。『受賞した』と聞いてすごいと思うし、同じ京大生の先輩として大いに称賛したい。改めて基礎研究の大切さも感じました。学習への意欲がわき、やる気が出てきました」と興奮した様子で話していました。

      「オプジーボ」製造 小野薬品工業「偉大さは揺るぎのないもの」

      がん治療薬の「オプジーボ」を製造販売する小野薬品工業の相良暁代表取締役社長は「本庶先生の業績に対して、かねてより多大なる敬意を表しており、共同研究を実施することができた巡りあわせに感謝しています。先生の業績の偉大さは揺るぎのないものですが、ノーベル賞という形で世の中に評価され、喜ばしい限りです。抗がん剤として医薬品化した私たちの使命は、できるかぎり早く、より多くの患者さんにお届けすることです。今後とも、その使命を全うすることに努めていきたいと思います」というコメントを出しました。

      神戸市長「先生の研究成果が広く普及することを」

      本庶佑さんは神戸市が出資する神戸医療産業都市推進機構の理事長を務めています。

      神戸市の久元喜造市長は「免疫を抑えるたんぱく質『PD-1』の発見で、がん免疫療法の開発に大きく貢献したことが、世界的に高い評価を受けた結果だと受け止めております。今後、より一層のご活躍を心からお祈り申し上げますとともに、先生の研究成果が、がんで苦しむ世界中の患者さんの治療法としてより広く普及することを期待します」とコメントしています。

      兵庫県知事「県民の大きな誇り」

      兵庫県の井戸知事は「がん細胞への免疫抑制に重要な役割を果たす『PD-1』を発見し、全く新しい『がん免疫療法』の道を切り開いてこられた先生の受賞を、県民を代表して心からお祝い申し上げます。兵庫県民の大きな誇りであり、次世代を担う青少年の夢を大きく育んでくれることでしょう。先生の今後のご活躍を心からお祈りします」とコメントしています。

      京都府知事「『大学のまち京都』世界に示せた」

      京都府の西脇知事は「京都府民を代表して心からお祝い申し上げます。『大学のまち京都』の素晴らしさを改めて世界に示すことができたと感じており、京都府の誇りとして感謝したいと思います」というコメントを発表しました。

      京都市長「医療の進歩のためさらなるご活躍を」

      京都市の門川市長は、「治療が困難な病気に苦しんでおられる方々に大きな希望の光を与えられた成果が結実したものと敬意を表します。本庶先生は日本が世界に誇る至宝であり、今後も医療の進歩のためさらなるご活躍を祈念します」というコメントを発表しました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653761000.html

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    6. 本庶さん 宇部高同級生「“たくさんの人助ける”と医学選択」
      2018年10月1日 21時29分

      本庶佑さんが卒業した山口県立宇部高校の同級生で、長くつきあいのある礒部輝雄さん(77)は「同級生としてこんなにうれしいことはありません。『努力が実ったね』と声をかけてあげたいです」と祝福していました。

      礒部さんは、NHKの取材に対し、5年前の平成25年に本庶さんが同窓会に宛てて送った手紙を紹介しました。

      手紙には「多感な青春時代を皆様とともに過ごさせていただいた事が今日の私のバックボーンとなっております」とメッセージが書かれています。

      そのうえで磯部さんは、本庶さんの高校時代の様子について、「とても勤勉で成績は学年で1番か2番でした。彼は英語サークルに入っていて一生懸命、英語の勉強をしていました」と振り返りました。

      礒部さんはさらに、本庶さんが医学と弁護士の道のどちらに進むか迷っていたエピソードも紹介し、「『弁護士は複数の人間しか喜びを与えない。しかし、医者は何かをなしたら、非常にたくさんの人を助けることができる』として医学の道を選択したいう話を聞いた」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011654011000.html

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    7. ノーベル賞 本庶さん会見「多くの人に感謝」
      2018年10月1日 22時05分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんは、1日午後7時20分から京都大学で記者会見に臨んでいます。

      大変名誉なこと

      この中で、本庶さんは「このたびは大変名誉なことと喜んでいます。苦労してきた共同研究者、学生諸君、応援してくれた方々、また、長い間、支えてくれた家族と多くの人に感謝します」と述べました。
      また、本庶さんは「極めて基礎的な研究が新しいがん免疫療法となった。この治療法によって重い病気から回復して『あなたのおかげだ』と言われることがあると自分の研究の意味があったと実感し、何よりもうれしく思います」と心境を語りました。

      患者を救うため研究続けたい

      本庶さんは「このような賞をいただき、大変、幸運な男だと思っています。免疫療法が多くのがん患者を救うことになるよう、もうしばらく研究を続けたいし、世界中の研究者が努力を重ねているので、この治療法がさらに発展するよう願っています」と述べました。

      多くの研究者 勇気づけられれば

      また、受賞を受けて「基礎医学分野の発展が一層加速し、基礎研究に関わる多くの研究者を勇気づけることになれば私としては望外の喜びです」と語りました。

      午後5時前後に連絡 大変驚いた

      会見の質疑応答の中で、本庶さんは「午後5時前後に電話でノーベル財団の先生から電話がありました。突然でしたので、大変、驚きました。ちょうど私の部屋で、若い人たちと論文の構成について議論していたところだったのでまさに思いがけない電話でした。大変うれしく思いましたが、大変、驚きました」と述べました。

      若い人にたくさんチャンス与えるべき

      質疑応答の中で、本庶さんは、基礎研究への予算配分の在り方について、「生命科学については、わたしたちはどういうデザインなのか理解していない。AIとかロケットはデザインがあって目標に向かってプロジェクトを組めるが、生命科学はほとんどわかっていないので、デザインを組むのが難しい。その中で、応用だけやると大きな問題が生じると思う。つまり、何が正しいか分からないところで山をみんなで攻めようというのはナンセンスだ。多くの人にできるだけ多くの山を踏破してもらって、そこに何があるか理解したうえで、どの山が本当に重要な山かを調べる。そういう段階だ。だから、もっと予算をばらまくべき。ばらまき方にもやり方があるが、特に若い人など、もっとたくさんの人にチャンスを与えるべきだと思う」と述べました。

      簡単に信じない 考えて納得いくまでやる

      また、本庶さんは「研究は、何か知りたいという好奇心がないといけない。そして、簡単に信じない。よくマスコミの人はネイチャー、サイエンスに出ているからどうだという話をするけれど、9割はうそで、10年たって残っているのは1割。まず、論文とか、書いてあることを信じない。自分の目で確信を持てるまでやる。自分の頭で考えて納得いくまでやる、というのが私のスタンス。賞というのは人が決めるもので、出すところによって考え方が違う。ひと言で言うと、私は幸運な人間だ。PDー1を見つけたときにがんにつながるとは思わなかった。たくさんの幸運があって、こういう受賞につながったと思っています」と述べました。

      日本の製薬企業に大きな問題

      さらに本庶さんは「日本の製薬企業は非常に大きな問題を抱えていると思います。まず数が多すぎます。世界でメジャーという大規模な企業は20とか30くらいですが、日本では1つの国だけで創薬をやっているという企業だけで30以上ある。これはどう考えても資本規模、あらゆる国際的なマネジメント、研究で、非常に劣ることになります。なおかつ、日本のアカデミアには、結構、よいシーズ=研究の種があるのに、日本の製薬会社は、日本のアカデミアより外国の研究所にお金をたくさん出しています。これは全く見る目がないと言わざるをえないと思います」と述べました。

      教科書を信じず

      研究者を目指す子どもたちへのメッセージを聞かれ、本庶さんは「研究者にとっていちばん重要なのは何を知りたいかと思うこと、不思議だと思う心を大切にすることだ。そして、教科書に書いてあることを信じないで、常に疑いを持ち、本当はどうなっているのかという心を大切にする。自分の目でものを見て納得するまであきらめない、そんな小中学生がぜひ研究の道を志してほしい」と話していました。

      いちばんやりたいことは…

      質疑応答の中で、これからいちばんなにがしたいか尋ねられると、本庶さんは「いちばんやりたいのはゴルフの『エイジシュート』です。私は76歳ですからゴルフでスコア76を出したい」と、ゴルフで自分の年齢以下のスコアでラウンドをしたいと述べました。そして、「そのために筋力トレーニングと毎週、欠かさずゴルフをして、家でもパターの練習をしています」と笑顔で答えました。

      賞よりもうれしいこと

      また、「私はゴルフが好きなので、ゴルフ場にしょっちゅう行きますが、ゴルフ場に来ているあまり知らない人がある日、突然やって来て、『自分は肺がんで、これが最後のラウンドだと思っていたのが、あなたの薬のおかげでよくなってまたゴルフできる』と。そういう話をされると、これ以上の幸せはない。自分の生きた存在として、これほどうれしいことはない。これは僕は正直いって、どんな賞をもらうということよりも、それで十分だと思っています」と述べました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653831000.html

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    8. 「本庶さんは分子生物学のレジェンド」阪大 岸本忠三特任教授
      2018年10月1日 22時12分

      免疫学の分野の大家で大阪大学の岸本忠三特任教授は「本庶さんは分子生物学のレジェンドのような存在で、受賞して非常によかった。日本の科学界、免疫学の世界で皆の刺激になるのではないか。本庶さんがいちばん最初に、PD-1を見つけて、アリソン博士が臨床に応用した。2人の受賞はいい組み合わせだと思う」と話していました。

      京大 森和俊教授「基礎研究積み重ね のちの大きな発見に」

      本庶さんと同じ京都大学でタンパク質などの研究に取り組んでいる森和俊教授は「きょう、本庶先生とメールのやり取りをしていましたが、午後4時にメールが来たあと急に返信がこなくなったので、『ひょっとしたら』と思っていました。本当におめでとうございます」と受賞をたたえました。

      そのうえで、「基礎研究は実るまでにすごく時間がかかります。本庶さんの研究も、最初からがん治療につながると思って発見したのではなく、偶然の結果でした。基礎研究を積み重ねることがのちのちの大きな発見になります。本庶先生には声を大にして基礎科学の大事さを提言してほしいです」と話していました。

      京大 中西名誉教授「自分の道を貫いたのは本当に偉い」

      京都大学医学部の同級生で京都大学の名誉教授の中西重忠さん(76)は「選ばれるべくして選ばれたと思うし、私自身もうれしい。私たちが学生のころは、がんを治すことは不可能だったが、ある種のがんを治せるという画期的な業績を残したことは本当にすばらしい」と話し、60年来の友人の受賞をたたえていました。

      そして「時代の流れとは関係なくその時に分かっていないことを研究する彼の姿勢はスケールが大きく、刺激を受ける。自分の道を貫いたのは本当に偉いと思う」と述べました。

      阪大 坂口特任教授「若い研究者にとっても刺激になる」

      同じ免疫学の世界的研究者で京都大学でも教授を務めた大阪大学の坂口志文特任教授は「私とは研究分野が違いますが、がんを免疫で治す新しい方法を確立しようと基礎研究から応用まで行ってきたパイオニアで、すばらしい研究者だと思います。日本の免疫学のレベルの高さが世界に認められたということなので、とても喜ばしく、若い研究者にとっても刺激になると思います」と祝福しました。

      慶大 吉村教授「非常に厳しい人」

      本庶さんと同じ免疫学の研究を進めている慶応大学医学部の吉村昭彦教授は「同じ分野で研究をしているわれわれとして本当に誇りに思いますし、心からお祝い申し上げたいです。先生の研究は全く新しい発想で生まれ、世界をあっといわせたもので、がん治療の世界を大きく変えることにつながっていると思います」と話していました。

      また本庶さんの人柄について「こんなことをいうと怒られてしまうかもしれませんが、先生は研究に対して非常に厳しい方で、私たち後輩の研究者にとっては怖い存在の方でもあります。ただ、だからこそこうして大きな成果をあげられているのだと思います」と話しました。

      そのうえで吉村教授は「本庶先生は『がんを治る病気にする』といつもおっしゃっていて、世界中で免疫治療の研究が進んでいます。受賞をきっかけに私たちもさらに研究にまい進していきたい」と話していました。

      京都大学 湊理事「とてもうれしかった」

      本庶さんと30年以上の知り合いで共同研究を行ったこともある京都大学理事の湊長博さんは「本庶さんは、目の前にわからないことがあると放っておけず、わからない事実に徹底的に切り込んでいく本当のサイエンティスト。ノーベル賞を受賞したと聞いてやっとわかってもらえたと、とてもうれしかった」と話していました。

      京大生「改めて基礎研究の大切さも感じた」

      本庶さんが勤務する京都大学高等研究院の前に集まっていた学生のうち医学部1年生の男子学生は「本庶先生がついにノーベル賞をとられたと聞いてとてもうれしい。僕もこれから医学を学んでいきたい」と話していました。

      京都大学理学部4年生の男子学生(21)は「取ったのですか!」と驚いたあと、「ここ数年は京都大学からノーベル賞が出ず、ことしもダメかと思っていました。『受賞した』と聞いてすごいと思うし、同じ京大生の先輩として大いに称賛したい。改めて基礎研究の大切さも感じました。学習への意欲がわき、やる気が出てきました」と興奮した様子で話していました。

      「オプジーボ」製造 小野薬品工業「偉大さは揺るぎのないもの」

      がん治療薬の「オプジーボ」を製造販売する小野薬品工業の相良暁代表取締役社長は「本庶先生の業績に対して、かねてより多大なる敬意を表しており、共同研究を実施することができた巡りあわせに感謝しています。先生の業績の偉大さは揺るぎのないものですが、ノーベル賞という形で世の中に評価され、喜ばしい限りです。抗がん剤として医薬品化した私たちの使命は、できるかぎり早く、より多くの患者さんにお届けすることです。今後とも、その使命を全うすることに努めていきたいと思います」というコメントを出しました。

      神戸市長「先生の研究成果が広く普及することを」

      本庶佑さんは神戸市が出資する神戸医療産業都市推進機構の理事長を務めています。

      神戸市の久元喜造市長は「免疫を抑えるたんぱく質『PD-1』の発見で、がん免疫療法の開発に大きく貢献したことが、世界的に高い評価を受けた結果だと受け止めております。今後、より一層のご活躍を心からお祈り申し上げますとともに、先生の研究成果が、がんで苦しむ世界中の患者さんの治療法としてより広く普及することを期待します」とコメントしています。

      兵庫県知事「県民の大きな誇り」

      兵庫県の井戸知事は「がん細胞への免疫抑制に重要な役割を果たす『PD-1』を発見し、全く新しい『がん免疫療法』の道を切り開いてこられた先生の受賞を、県民を代表して心からお祝い申し上げます。兵庫県民の大きな誇りであり、次世代を担う青少年の夢を大きく育んでくれることでしょう。先生の今後のご活躍を心からお祈りします」とコメントしています。

      京都府知事「『大学のまち京都』世界に示せた」

      京都府の西脇知事は「京都府民を代表して心からお祝い申し上げます。『大学のまち京都』の素晴らしさを改めて世界に示すことができたと感じており、京都府の誇りとして感謝したいと思います」というコメントを発表しました。

      京都市長「医療の進歩のためさらなるご活躍を」

      京都市の門川市長は、「治療が困難な病気に苦しんでおられる方々に大きな希望の光を与えられた成果が結実したものと敬意を表します。本庶先生は日本が世界に誇る至宝であり、今後も医療の進歩のためさらなるご活躍を祈念します」というコメントを発表しました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653761000.html

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    9. ノーベル賞の本庶さん「知りたいこと問いかけながら研究」
      2018年10月1日 22時50分

      本庶さんは、NHKのインタビューに対して、これまでの研究を振り返り、「自分が何を知りたいか、はっきりしていないと研究というものはぶれてしまう。何ができるかでなく、何が知りたいかであって、できることばかりやっていると目標を見失う。常に何が知りたいか問いかけながら研究をやってきた」と述べました。

      また、受賞に結びついた信念として「教科書がすべて正しかったら科学の進歩はないわけで、教科書に書いてあることが間違っていることはたくさんある。人が行っていることや教科書に書いてあることをすべて信じないといけない。『なぜか』と疑っていくことが大事だと思っている」と話していました。

      そのうえで、基礎研究を積み重ねてきたみずからの成果を踏まえて「基礎研究というのは一般的に地味で、直接患者さんを治療をするわけではありません。ただ、医者として治療できる人数は何百人か何千人ですが、基礎研究で、このような結果が出たときは何百万人という人を救えるし、自分が死んだ後も続くわけですから、そういう意味では基礎研究はすばらしいと思う」と述べ、その意義を強調していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011654101000.html

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    10. ノーベル医学・生理学賞に本庶佑さん 京大特別教授
      2018年10月1日 22時54分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見し、がんに対して免疫が働くようにする新たな治療薬の開発などに貢献した京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、医学・生理学賞では、おととしの大隅良典さんに続いて5人目となります。

      本庶さんは京都市生まれの76歳。

      京都大学医学部を卒業後、昭和46年にアメリカに渡り、カーネギー研究所や国立衛生研究所で免疫学の研究に当たりました。

      そして大阪大学医学部の教授をへて昭和57年からは京都大学の教授となり、医学部長などを務めたほか、現在は京都大学高等研究院の特別教授として副院長を務めています。

      本庶さんは免疫をつかさどる細胞にある「PD-1」という新たな物質を発見し、その後、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることを突き止めました。

      この発見によって再び免疫が働くようにして、人の体が本来持っている免疫でがん細胞を攻撃させる新しいタイプの治療薬、「オプジーボ」という薬の開発につながりました。

      この薬は、がんの免疫療法を医療として確立し、本庶さんは同じくがんの免疫療法で貢献したアメリカのジェームズ・アリソン博士とともに共同で受賞しました。

      本庶さんは平成24年にドイツの権威ある「コッホ賞」を受賞し、よくとしには文化勲章を受章しています。

      日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、医学・生理学賞では3年前の大村智さん、おととしの大隅良典さんに続き5人目となります。

      選考理由「新しいがん治療方法を発見」

      受賞理由として、選考にあたったスウェーデンのカロリンスカ研究所は「新しいがん治療の方法を発見したこと」を挙げています。

      カロリンスカ研究所は会見の中で「これまでがん治療の手段は、外科手術や放射線治療、抗がん剤があった。しかし本庶氏とアリソン氏は、がんそのものを対象とするのではなく、わたしたちの体に備わった免疫細胞を利用して、特定の腫瘍だけでなくあらゆるタイプの腫瘍の治療に応用できる新しい治療法を開発した。がんとの戦いに新しい道を切り開いた画期的な発見だ」と指摘しました。

      共同受賞者 米 ジェームズ・アリソン博士とは

      本庶佑さんとともにノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれたアメリカのジェームズ・アリソン博士は、本庶さんと同様にヒトの免疫細胞を使った新たながんの治療法につながる研究成果が評価されました。

      アリソン博士は、ヒトの免疫細胞の表面にある「CTLA-4」というたんぱく質が免疫細胞の活動を抑える、いわば「ブレーキ役」を担っていることを突き止め、このたんぱく質が働くとがんを攻撃する働きが弱まることを初めて発見しました。

      「CTLA-4」は本庶さんが発見した「PD-1」と同様に、このたんぱく質が働かないようにすることで、免疫細胞に再びがんを攻撃させるようにする「免疫チェックポイント阻害剤」という新たな薬の開発につながり、2011年から皮膚がんの一種である「悪性黒色腫」の治療薬としてアメリカなどで広く使われるようになりました。

      「免疫チェックポイント阻害剤」は手術や放射線など従来の治療法に続く新たながんの治療法として世界的に注目を集め、現在は他のがんでも開発が進んでいます。

      こうした業績が評価されアリソン博士は、2015年にはアメリカで最も権威のある医学賞とされる「ラスカー賞」を、去年はイスラエルの「ウルフ賞」を受賞しています。

      ノーベル賞の選考委員会は「この治療法はがんの治療に革命を起こしがんをどのように克服するかという考え方を根本的に変えた」と評価しています。

      ノーベル財団のホームページ 写真公開

      ノーベル財団のホームページに掲載されたツイッターには、本庶佑さんが受賞の連絡を聞いた直後に京都大学の研究室のメンバーに囲まれて喜びを表現している様子が写真で公開されています。

      授賞時の研究室「感動した」

      3年前から本庶さんの研究室に所属している京都大学大学院医学研究科の茶本健司特定准教授は、受賞の連絡が来た際に同じ部屋にいました。

      茶本特定准教授は、当時の様子について「午後5時ごろ論文について議論していた際に電話がかかってきて、本庶先生が電話で話しているのを5人くらいで見守っていました。電話が終わって私たちが先生に『ノーベル賞ですか』と聞くと、先生は『うーん』と一言うなってから『ノーベル財団から電話があった』と言いました。30年ほど前から研究室にいる秘書さんが特に大喜びで先生と握手をしていて感動しました」と振り返りました。

      そのうえで「免疫学の研究は最近は欧米にリードされているので、今回の受賞をきっかけに若い日本の研究者に関心を持ってほしい。本庶先生には、これを機会にますますサイエンス全体をけん引してほしいです」と話していました。

      妻 滋子さん「うれしい驚き」

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授、本庶佑さんの妻、滋子さんは「ニュースより早く、主人から、『受賞の電話を受けた』という電話をもらい、『おめでとうございます』と話しました。けさは朝食を食べながら、『発表はきょうだね』と話していましたが、同じようなことが数年続き、現実になるとは予想してなかったので、うれしい驚きでした」と話しました。

      そして本庶さんの性格について、感情をあまり表に出さず、常に冷静で強い意志で中途半端にやめない、必ず何かを突き詰める行動力のある人だとしたうえで、「研究熱心だけれど、最近ではストレス発散に毎週ゴルフをしていて、家ではゴルフのテレビ番組を見て、時間があれば欠かさずパターの練習をしています」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653631000.html

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    11. ノーベル賞の本庶さん「知りたいこと問いかけながら研究」
      2018年10月1日 23時03分

      本庶さんは、NHKのインタビューに対して、これまでの研究を振り返り、「自分が何を知りたいか、はっきりしていないと研究というものはぶれてしまう。何ができるかでなく、何が知りたいかであって、できることばかりやっていると目標を見失う。常に何が知りたいか問いかけながら研究をやってきた」と述べました。

      また、受賞に結びついた信念として「教科書がすべて正しかったら科学の進歩はないわけで、教科書に書いてあることが間違っていることはたくさんある。人が言っていることや教科書に書いてあることをすべて信じてはいけない。『なぜか』と疑っていくことが大事だと思っている」と話していました。

      そのうえで、基礎研究を積み重ねてきたみずからの成果を踏まえて「基礎研究というのは一般的に地味で、直接患者さんを治療をするわけではありません。ただ、医者として治療できる人数は何百人か何千人ですが、基礎研究で、このような結果が出たときは何百万人という人を救えるし、自分が死んだ後も続くわけですから、そういう意味では基礎研究はすばらしいと思う」と述べ、その意義を強調していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011654101000.html

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    12. ノーベル賞 本庶佑さん 記者会見の要旨
      2018年10月2日 0時01分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの記者会見の詳しい内容です。

      冒頭あいさつ

      このたびはノーベル医学生理学賞を頂くことになりまして大変名誉なことだと喜んでおります。これはひとえに長いこと苦労してきた共同研究者、学生諸君、さまざまな形で応援して下さった方々、また、長い間、支えてくれた家族。本当に言い尽くせない多くの人に感謝しています。

      1992年の「PDー1」の発見と、それに続く極めて基礎的な研究が新しいがん免疫療法として臨床に応用され、そして、たまにではありますが、この治療法によって重い病気から回復して元気になった、あなたのおかげだと言われるときがあると、本当に私としては自分の研究が本当に意味があったということを実感し、何よりもうれしく思っております。

      そのうえに、このような賞を頂き、大変、私は幸運な人間だというふうに思っております。今後、この免疫療法がこれまで以上に多くのがん患者を救うことになるように、一層、私自身も、もうしばらく研究を続けたいと思いますし、世界中の多くの研究者がそういう目標に向かって努力を重ねておりますので、この治療法がさらに発展するようになると期待しています。

      また、今回の、基礎的な研究から臨床につながるような発展ということで受賞できたことによって、基礎医学分野の発展が一層加速し、基礎研究に関わる多くの研究者を勇気づけるということになれば、私としてはまさに望外の喜びです。

      質疑応答

      Q:受賞の連絡は何時ごろ、どんな形で届いたか?そのときの率直な思いは?

      「確か午後5時前後だったかと思いますが、電話でノーベル財団の私の知っている先生から電話がありました。ちょっと突然でしたので、大変驚きました。ちょうど私の部屋で若い人たちと論文の構成について議論しているときでしたので、まさに思いがけない電話でありました。もちろん大変うれしく思いましたけども。また、大変驚きました」

      Q:今後、このがん免疫療法をどのような治療の選択肢として発展させていきたいか?

      「この治療は、例え話としては、感染症におけるペニシリンというふうな段階でありますから、ますます、これが、効果が広い人に及び、また、効かない人はなぜ効かないのかという研究が必要です。世界中の人がやっていますから、やがてそういうことが、いずれは解決されて、感染症がほぼ大きな脅威でなくなったのと同じような日が、遅くとも今世紀中には訪れるという風に思っています」

      Q:自分が心がけていること、モットーは?

      「私自身は、研究に関して、何か知りたいという好奇心がある。もう1つは、簡単に信じない。それから、よくマスコミの人は、ネイチャー、サイエンスに出ているからどうだ、という話をするが、僕はいつもネイチャー、サイエンスに出ているものの9割はうそで、10年たったら、残って1割だと思っています。まず、論文とか、書いてあることを信じない。自分の目で、確信ができるまでやる。それが僕のサイエンスに対する基本的なやり方。つまり、自分の頭で考えて、納得できるまでやると言うことです」

      「賞というのは人が決めることで、それは賞を出すところによっては考え方がいろいろ違う。ひと言で言うと、私は非常に幸運な人間で、『PD-1』を見つけた時も、これが、がんにつながるとは思えなかったし、それを研究していく過程で、近くに、がん免疫の専門家がいて、私のような免疫も素人、がんも素人という人間を、非常に正しい方向へ導いていただいたということもあります。それ以外にもたくさんの幸運があって、こういう受賞につながったと思っています」

      Q:がん研究の転機となるような経験は?

      「『PDー1』の研究でいうならば、最初のこれが、がんに効くということを確信できる実験というのは、『PDー1』遺伝子が欠失したネズミを使って、がんの増殖が、正常のねずみと差が出るかどうかということをやった。それが私はよかったと思います。というのは抗体で実験していて効かなかったら、ひょっとしたら諦めていたかもしれない。抗体にはいい抗体と悪い抗体とたくさんあり、それはやってみないとわからない。しかし、遺伝子がない場合はそういうことは関係ないので、これは必ず効くということを確信できたので、それがやはり大きな転機になったと思います」

      Q:日本の研究の方向性についてどう思うか? また、日本の製薬企業についてどう感じているか?

      「生命科学というのは、まだ私たちはどういう風なデザインになっているかを十分理解していない。AIとか、ロケットをあげるというのはそれなりのデザインがあり、ある目標に向かって明確なプロジェクトを組むことができる。しかし、生命科学は、ほとんど何も分かってないところで、デザインを組むこと自身が非常に難しい。その中で応用だけやると、大きな問題が生じると私は思っています。つまり、何が正しいのか。何が重要なのかわからないところで、『この山に向かってみんなで攻めよう』ということはナンセンスで、多くの人にできるだけ、たくさんの山を踏破して、そこに何があるかをまず理解したうえで、どの山が本当に重要な山か、ということを調べる。まだそういう段階だと思います。あまり応用をやるのでなくて、なるべくたくさん、僕はもうちょっとばらまくべきだと思います。ただばらまき方も限度があってね、1億円を1億人にばらまくと全てむだになりますが、1億円を1人の人にあげるのではなくて、せめて10人にやって、10くらいの可能性を追求した方が、1つに賭けるよりは、ライフサイエンスというのは非常に期待を持てると思います。もっともっと、たくさんの人にチャンスを与えるべきだと思います。特に若い人に」

      「製薬企業に関しては、日本の製薬企業は非常に大きな問題を抱えていると思います。まず、数が多すぎます。世界中、メジャーという大企業は20とか30くらいですが、日本は1つの国だけで、創薬をやっているという企業だけで30以上ある。これはどう考えても資本規模、あらゆる国際的なマネジメント、研究で、非常に劣ることになる。なおかつ、日本のアカデミアには、結構いいシーズ=研究の種があるのに、日本のアカデミアよりは外国の研究所にお金をたくさん出している。これは全く見る目がないと言わざるをえないと思います」

      Q:研究者を目指す子どもに思ってほしいことは?

      「研究者になるということにおいていちばん重要なのは、何か知りたいと思うこと、不思議だなと思う心を大切にすること。教科書に書いてあることを信じない。常に疑いを持って、本当はどうなってるんだ、という心を大切にする。つまり、自分の目でものを見る。そして納得する。そういう若い小中学生にぜひ、研究の道を志してほしい思います」

      Q:基礎研究を臨床につなげるためのコツは?

      「基礎研究をやってますが、私自身は医学を志しています。ですから、常に何かの可能性として、これが病気の治療とか、診断とかにつながらないかと言うことは常に考えています。自分の好奇心と、さらに、その発展として、社会への貢献ということは、私の研究の過程では常に考えてきました。ですから、そういう意味で、新しい発見を特許化したり、そういう応用への手順は非常に早い段階からいろんな局面でやってきました。突然、『PDー1』は臨床につながりましたが、私の研究マインドとしては、基礎研究をしっかりやって、もし可能性があれば、社会に還元したいという思いは常にありました」

      Qノーベル賞の受賞は待ちに待ったものか?

      「賞というはそれぞれの団体とか、それぞれが独自の価値基準で決められることなので、長いとか待ちに待ったとか、そういうことは僕自身はあまり感じていません。僕はゴルフが好きなので、ゴルフ場にしょっちゅう行きますが、ゴルフ場に来ている、顔は知っているけど、あまり知らない人が、ある日、突然やって来て、『あんたの薬のおかげで、自分は肺がんで、これが最後のラウンドだと思っていたのがよくなって、またゴルフできるんや』って、そういう話をされると、これ以上の幸せはない。つまり、それはもう自分の人生として、生きてきてやってきて、自分の生きた存在として、これほどうれしいことはない。僕は正直いって、なんの賞をもらうよりも、それで十分だと思っています」

      Q:ジェームズ・アリソン博士との共同受賞についての受け止めは?

      「極めて妥当だと思う。彼とは非常に古い交流がありますし、彼の研究と僕の研究とは、非常に違う局面で、お互いに2つの抗体を組み合わせることで、より強い効果が出るということが知られています。ノーベル財団の評価でもそのことをかなり詳しく説明していたので、僕自身としては、ベストな組み合わせではないかと思っています」

      Q:製薬企業があげた利益を大学などに還元することについて?

      「今回の研究に関して製薬企業は全く貢献していません。それはもう非常にはっきりしています。企業側は特許に関して、ライセンスを受けているわけですから、それに関して十分なリターンを大学に入れてもらいたいと思っています。そのことによって、私の希望としては、京都大学で次世代の研究者がそのリターンを元にした基金に支えられて育っていく。その中から、また新しいシーズ=研究の種が生まれる。そして、それが日本の製薬企業に再び帰ってくる。そういうよいウィン=ウィンの関係が望ましいと、製薬企業にも長くお願いしている」

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    13. Q:「PDー1」はがんだけではなくさまざまな疾患にも応用が期待されるが、今後の発展についてどう考えるか?

      「『PD-1』は免疫のブレーキ役です。現在は免疫を活性化するためにブレーキを外すという形で医薬品として使われているわけですが、逆にブレーキをかけるようにする。『PDー1』の本来の役割を強化するという方法で使うことも十分に考えられます」。

      Q:がん研究を志した理由は?

      「がんで、在学中に同級生が、いわゆるスキルス性の胃がんで、非常に若くして、あっという間に死んでしまった。非常に優秀な男だったけども、とても気の毒だった。僕だけでなく、多くの同級生がそれを非常に残念に感じて、なかなか忘れられない思い出です。がんというのは非常に大変な病気だと。それから、そういうことに少しでも貢献できればいいなと、当時はかすかに思いました。結局、そういう、いろんな事が積み重なって、自分の心の中にそういう大変な病気に役立つことにつながればいいなと、医学部で医学教育を受けた人間なら、誰でもそういう心がある。僕はそれが重要だと思う」

      Q:さらに忙しくなると思いますが、いまいちばんしたいことは?

      「僕がいちばんやりたいのはゴルフの『エイジシュート』です。僕は76歳ですから、ゴルフでスコア76を出すことが最大の目標です。そのための努力は、筋力トレーニングと、毎週、欠かさずゴルフをして、家でもパターの練習をしています」

      Q:本庶先生は特別厳しいと学生から聞くが、今後も厳しくやっていく?

      「他の人と自分を比べていないので、自分が厳しいのか分からないが、真実に対して厳しいのは当たり前で、間違えではないか厳しく問う、何が真実か問う。研究では、常に世界の人たちと戦ってきたつもりですから、戦うには厳しくないと戦えないです」

      Q:以前、高校生向けのシンポジウムで本庶さんが『基礎研究を徹底的にやっているから、失敗は絶対しない』とおっしゃっていましたが、その考え方はいつごろから?

      「ことばを間違えて欲しくないのだが、実験の失敗は山ほどあります。しかし、大きな流れが進んでいて、『こうだ』と思っていたら断崖絶壁に落ちてしまった、というのはなかったと申し上げた。それは、崖に行く前に気付かないといけないという意味です。サイエンスというのは、だんだんと積み上がっていくんです。積み上がっていくときに、端と端をつなぐというのは危ない。この間に、たくさん、互い違いつないでいくことで、その道が正しいかどうかがわかる。そういうことを申し上げたわけです」
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654191000.html

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  2. ノーベル生理学医学賞に本庶佑氏…がん療法に道
    2018年10月1日19時6分

     スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル生理学・医学賞を、免疫を抑制する働きを持つ分子「PD―1」を発見した本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)ら2人に贈ると発表した。薬でこの分子の働きを抑えて、人間がもともと持っている免疫力を回復させる「がん免疫療法」に道を開いたことが高く評価された。

     日本のノーベル賞受賞は26人目。生理学・医学賞の受賞は、利根川進・米マサチューセッツ工科大教授(1987年)、山中伸弥・京都大教授(2012年)、大村智・北里大特別栄誉教授(15年)、大隅良典・東京工業大栄誉教授(16年)に次ぎ、5人目となる。

     授賞理由は「免疫抑制の阻害によるがん療法の発見」。共同受賞者は米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)。賞金は900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)を分け合う。授賞式は、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで行われる。

     本庶氏は1992年、免疫細胞の表面に新たな分子があることを発見し、PD―1と命名した。この分子が、がん細胞などを攻撃する免疫細胞の機能を弱めるブレーキとして働くことを突き止めた。アリソン氏は、PD―1と同様の働きを持つ「CTLA―4」という分子の役割を解明した。

     がん細胞の多くは、これらの分子の働きを高める物質を出して免疫細胞による攻撃力を弱め、成長を続ける。逆にこの働きを妨げれば、免疫細胞の攻撃力が復活し、がんは縮小すると考えられている。

     本庶氏は、分子の働きを薬で抑える方法によるがん治療効果を2002年にマウスの実験で確認。この研究成果を基に、小野薬品工業(大阪市)などが開発したがん治療薬「オプジーボ」は、従来の抗がん剤が効きにくい難治性の皮膚がんや肺がんなどに対する新薬として実用化されている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50079

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    1. ノーベル賞本庶氏「多くの患者救う努力重ねる」
      2018年10月1日21時38分

       免疫を抑える働きを持つ分子を発見し、新たながん治療の礎を築いた京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさん(76)が今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた。1日、京都大学で開かれた記者会見で「より多くの患者を救えるよう努力を重ねる」と語った本庶さん。がん患者や研究者からは、祝福の声が上がった。

       午後7時20分、ブレザー姿で京大の記者会見場に現れた本庶さんは受賞決定の感想を尋ねられると、「思いがけないことで驚いた」と話した。長年、この分野ではノーベル賞の有力候補とされてきた中での栄冠となったが、「賞はそれぞれが独自の価値基準で決めるものだ。『長い』とか『待った』とかは感じていない」と打ち明けた。

       本庶さんによると、午後5時頃、授賞の連絡が電話であったという。「ひとえに長いこと苦労してきた共同研究者、学生諸君、様々な形で応援してくださった方々、長い間支えてくれた家族、本当に言い尽くせない多くの人に感謝しております」と述べ、自身の基礎的な研究が評価されたことを素直に喜んだ。

       「極めて基礎的な研究が応用され、この治療法によって『元気になった』『あなたのおかげだ』と言われるときがあると、意味があったと実感し、何よりもうれしい。私は幸運な人間だ」

       大学生時代、同じ医学部の同級生の男子学生を胃がんで亡くしたことが、がん研究を志したきっかけだ。

       「非常に優秀で鋭い学生だったが、あっという間に亡くなってしまい、忘れられない。がんは大変な病気だなと、この時にがんのすごさ(怖さ)を思い知った。少しでも(がん研究に)貢献したいと考えた」と話す。

       研究者としては、常に通説を疑う姿勢を大切にしており、「簡単にものごとを信じないことだ。専門誌のネイチャーやサイエンスに出ているものは9割はうそだと思うことにしている。論文や書いてあることを信じず、自分の頭で考え、納得できるまで研究することが僕のやり方」と強調した。

       記者会見の途中に安倍首相から電話が入り、「多くのがん患者に光を与えた」と研究の苦労をねぎらわれると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた本庶さん。研究者を志す子供たちへのアドバイスを求められると、こう答えた。

       「一番重要なのは『何かを知りたい』『不思議だな』という心を大切にすること。それから、教科書に書いてあることを信じないことです」

           ◇

       本庶さんはこの日夕方、自身が代表を務める京都大の免疫ゲノム医学研究室に姿を見せ、集まっていた学生ら約20人に「ストックホルムから電話があった」と英語で告げたという。研究室は一瞬静まり返ったが、すぐに「キャー」という歓声に包まれたといい、全員で記念撮影をした。

       研究室で学ぶインド人のサントシ・ゴスワルさん(32)は「研究で壁に突き当たるたび、ひらめきを与え、意欲を高めてくれる。尊敬する先生の受賞が、とても誇らしくてうれしい」と喜んだ。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50097

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    2. 山中教授「本庶先生の受賞、待ちわびていた」
      2018年10月1日22時17分

       2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授(56)は「本庶先生のご受賞を毎年、待ちわびていた一人として、跳びあがるほどの気持ちです」と祝福し、「世界中の患者さんに希望の光をともし、人々の健康に多大なる貢献をされました。私どもも本庶先生をかがみに医療応用に向けて精進してまいる所存です」とのコメントを発表した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50099

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    3. 本庶氏、通説に立ち向かう「少数派が成果生む」
      2018年10月1日22時10分

       「大変栄誉なこと。この治療法がさらに発展し、多くのがん患者を救うことになるよう研究を続けたい」。受賞の決定を受け、京都大で開かれた記者会見で顔をほころばせた。

       医師だった父親の影響と、黄熱病の研究で知られる医学者・野口英世への憧れから、医師を志した。1960年に京都大医学部へ進学。ある生物学者の著書にあった「やがてDNAの異常を外科手術のようにピンセットで治す日が来るであろう」という一節に感動し、臨床医ではなく研究者の道に進んだ。

       大学院を修了後、米国へ。常に、通説に立ち向かう姿勢で、免疫に関わる分子や遺伝子を次々と発見した。「科学は多数決ではない。既存の概念を壊す少数派の中からこそ新しい成果が生まれる」との信念があった。

       会見でモットーを聞かれ、「知りたいという好奇心」と「簡単に信じないこと」を挙げた。趣味はゴルフ。肺がんの患者から、「最後のラウンドだと思っていたが、あんたの薬のおかげで、また良くなってゴルフができる」と言われたエピソードを明かし、「何の賞をもらうより、自分はそれで十分だと思っています」と笑顔で語った。

       76歳の今も、京大高等研究院の特別教授として免疫の謎に挑み続ける。20世紀、人類はペニシリンの発見で、感染症対策を前進させた。がんも不可能ではないと考える。「(その時は)遅くとも今世紀中には訪れると思っている」と力を込めた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50100

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    4. 受賞「我がことのよう」オプジーボ使用患者喜び
      2018年10月1日23時9分

       本庶さんの研究を基に開発されたがん治療薬「オプジーボ」は国内で皮膚、肺、腎臓、胃など7種類のがんで承認され、その効果の高さで注目されている。

       「まるで我がことのようにうれしかった」と語るのは、肺がん患者でオプジーボを使っている兵庫県の会社員男性(53)。

       2016年5月、最も進行したステージ4の肺がんだと診断された。当時は妻と大学生だった長男、高校生だった長女の4人家族。「俺は死ぬのか」「子供たちの将来はどうなるのか」。目の前が真っ暗になった。標準的な抗がん剤が効かないとわかった後にオプジーボを使うとみるみる効いた。

       がんの痛みで歩けないほどだったが、今では平日は仕事に励み、週末はゴルフや野球など趣味を存分に楽しむ。今春、あきらめていた長女の卒業式に出席。成人式の晴れ着姿を見るのも楽しみだ。「本庶先生がいなければ、私は間違いなく生きていなかったでしょう。感謝してもしきれません」

       肺がんが脳や脊髄に転移した千葉県佐倉市の男性(41)も、オプジーボに支えられている。16年末に使い始め、2か月後に効果が出た。腫瘍は小さくなり、がんの進行状況の目安となる検査値も下がった。

       妻や長男(6)との別れを覚悟していたが、昨年11月には次男が誕生。今は社会保険労務士を目指し、長い日で1日10時間以上の猛勉強もこなす。「家族と共に未来を向いて生きていけるのはオプジーボのおかげ。これからも子供の成長を見守っていきたい」と話す。

       全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長(45)は「がん免疫療法の道を切り開いた功績が高く評価された結果だと思う」と喜んだ。「オプジーボはがん患者の希望の光になっており、受賞をきっかけに、国内のがん治療研究がさらに加速されることを願っている」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50115

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    5. がん治療薬、2・5万人が使用…幅広く適用期待
      2018年10月1日23時50分

       1日にノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)の業績を基に開発された、がん治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)は幅広いがん治療への適用が期待されている。

       オプジーボは、遺伝子組み換えや細胞培養などの技術を駆使して製造するバイオ医薬品(生物学的製剤)。2014年9月に発売され、国内では当初、患者数が少ない難治性の皮膚がんの一種・悪性黒色腫の治療薬として承認された。

       その後、保険が利くがんの種類が増え、現在は患者数が多い一部の肺がんや胃がんなど7種のがんの治療薬として使える。製造販売元の小野薬品工業(大阪市)によると、2万5000人以上の治療に使われたという。

       日本以外も米国など60か国以上で承認されているほか、今も世界で50種類以上のがんを対象に臨床試験が進む。米国のチームが昨年春に発表した研究結果では、従来の治療法では長期生存を期待できなかった進行肺がん患者の5年生存率が16%に上った。

       西尾誠人・がん研有明病院呼吸器内科部長は「進行がん患者の長生きを可能にした驚きの薬」と語る。

       ただし、万能ではない。オプジーボが効くのは、対象となるがん患者全体の2~3割とも言われる。効果が見込める患者を事前に選別する方法は確立されておらず、投与されても効かない患者も少なくない。

       より多くの患者に届く治療法にするために、詳しい免疫機構の解明を目指す基礎研究が国内外で進められている。

       高額な薬価も課題となった。国内では当初、体重60キロの肺がん患者が1年間使った場合、薬の総額が約3500万円かかっていた。

       その理由は、従来の薬価算定の仕組みにある。類似薬がない場合は、開発、製造費などの合計を患者数で割る制度が適用されるからだ。最初に保険適用された悪性黒色腫の想定患者数が500人弱だったため、薬価が跳ね上がった。

       一般に、患者負担は3割で、さらに大半は高額療養費制度が適用されるため、自己負担は所得にもよるが年間100万円前後とされる。残りは公費負担になり、医療費全体を押し上げるとの批判を招いた。

       こうした事態を受け、政府は17年2月、特例的にオプジーボを半額に値下げした。さらに同様の事態が生じないよう、売上高が予想外に伸びた薬は多くて年4回まで値下げできる仕組みに改めた。オプジーボは今年8月に3回目の値下げが決まり、11月から当初の3分の1以下の年間1090万円になるという。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50111

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  3. がん免疫療法の「真偽」を見極めよう…調査研究本部主任研究員 坂上博
    2018年7月25日3時0分

     がんを免疫でやっつける――。「免疫」とは、感染症などの病気から免れる、生体本来が持つ防御機能のこと。心身をすり減らしながら懸命に生きる患者にとって、あたかも、がんの苦しみから解放してくれるような、甘美なフレーズだ。そのような謳うたい文句が、医療機関のホームページなどに躍っている。しかし、それは看板に偽りあり、かもしれない。受けようと思っている治療が、有効性が証明されている「がん免疫療法」かどうか、慎重に検討する必要がある。

    懐疑的流れも出た2004年の「反省」

     最新の科学技術について学ぶ「第1回読売テクノ・フォーラム・セミナー」が6月20日、東京都千代田区の読売新聞東京本社で開かれ、昭和大学臨床薬理研究所の吉村清教授(臨床免疫腫瘍学)が、「がん免疫療法」について解説した。一説によると、アメリカの医師が1890年代、ある種の細菌をがん患者に投与したのが、がん免疫療法の始まりという。1970年代、アガリクスなどのキノコを使ったがん免疫療法の「第1次ブーム」が世界的に到来した。

     90年代以降、細胞から放出されるサイトカインという物質を使う手法や、患者の血液から免疫細胞を取り出し、増殖した後に患者に戻す手法などによるがん免疫療法が行われるようになり、「第2次ブーム」を迎えた。

     しかし、がん免疫療法開発のトップランナーであった米国の医師が2004年、「私たちが取り組んできたがん免疫療法の有効性は低い」とする論考を医学雑誌に書いた。ある意味、専門家による「反省文」で、がん免疫療法の有効性に対する懐疑的な流れが生まれたという。

    有効性が証明された免疫治療薬が登場

     2010年代に入り、「免疫チェックポイント阻害剤」という薬が登場したことで事態は大きく変わった。この薬は、がんへの攻撃をストップさせている免疫細胞のたんぱく質が働かないように作用し、攻撃を促す。多くの免疫療法はこれまで、治療費が全額自己負担となる自由診療であったのに対し、免疫チェックポイント阻害剤は、がんの一部について有効性が明確に証明されているため保険診療で投与を受けられる。

     いよいよ、本格的ながん免疫療法の時代になったと言える。がん治療の柱は、手術、抗がん剤治療、放射線治療が3本柱だったが、これにがん免疫療法が加わってきた。

    「免疫療法」を掲げる医療機関が乱立

     しかし、新たながん免疫療法ブームに乗じて、いいかげんな治療を行い、高額な治療費を患者から得ている医療機関が現れた。免疫チェックポイント阻害剤の投与量を勝手に変えたり、他の薬と併用したり、有効性が証明されていない別の免疫療法を行ったりと、そのやり方は様々だ。

     そこで、がん治療の専門家でつくる日本臨床腫瘍学会は16年、がん免疫療法ガイドラインを初めて作った。がんの種類ごとに免疫療法の推奨レベルを明記した。高い推奨度にランクされた薬は、免疫チェックポイント阻害剤がほぼ占めた。

    国立がん研究センターも注意喚起

     国立がん研究センターは18年3月、運営する「がん情報サービス」( http://ganjoho.jp )で解説していた免疫療法について内容を一新した。自由診療で行われている免疫療法について、「効果が確認されていないものがありますので慎重な確認が必要です」と注意を呼びかけている。

     「がん免疫療法」などと専門的な医療用語を聞くと、その中身について詳しく分からなくても、私たちは「御利益がありそうだ」と思ってしまいがちだ。12年のノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授が作製に成功したiPS細胞(人工多能性幹細胞)で一躍、クローズアップされた「再生医療」でも、同じような事態が起きている。

     他人のさい帯血(へその緒や胎盤の中の血液)を投与する際、国に治療計画を提出することが必要だが、東京都内の医師らは16年から17年にかけて、無届けで患者に投与したとして、再生医療安全性確保法違反の疑いで逮捕され、その後、有罪判決を受けた。大腸がん患者らに「新しい血液ができれば、体全体が活性化する」などと言って勧め、延べ約100人にさい帯血を投与したという。さい帯血移植は、白血病患者らを救うために行われているが、そのほかのがんでは、ほとんどのケースで有効性が証明されていない。

     医師や医療機関の甘い言葉に惑わされることなく、自らの目で治療法の「真偽」を冷静に見極めることが大切だ。



    坂上 博(さかがみ・ひろし) 調査研究本部主任研究員

    専門分野:医療

    コメント:医療部次長を経て現職。再生医療、難病、臓器移植、薬害、がんや生活習慣病など、医療全般について取材を続けています。「心と体に優しい医療」の実現をテーマに掲げた朝刊連載「医療ルネサンス」には、筆者としてデスクとして約18年間、携わりました。これからも、患者に寄り添った記事を書いていきたいと思います。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180724-118-OYTPT50207

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  4. [平成時代 DNAの30年] 「治す」(3) 免疫でがん攻撃新薬誕生 =関西発 連載
    2018年9月21日5時0分

     体に元々備わっている免疫の力でがんを治す――。そんな治療を可能にした薬が日本で誕生し、世界の注目を集めている。開発に大きく貢献したのは約30年前、偶然発見された一つの遺伝子だった。



     「自分が見つけた遺伝子が、がんの治療に役立つとは思いもしなかった」と、奈良先端科学技術大学院大准教授、石田靖雅(57)は振り返る。

     1991年、京都大特別教授、本庶佑(76)の研究室で助手を務めていた石田は、免疫に関わる白血球の一種・T細胞で未知の遺伝子を発見。「PD―1」と名付け、翌年に論文発表した。

     だが、この遺伝子が何をしているのか石田にはわからなかった。「T細胞が死ぬ時に見つかるので、てっきり細胞の死に関わる遺伝子だと思っていた」。PDという名前は、不要になった細胞が死ぬ現象を指す英語から取ったという。

     本庶らがPD―1遺伝子とがんの関係を明らかにしたのは2000年以降。T細胞の表面に免疫を抑えるブレーキ分子を作り、がん細胞は、このブレーキを<操作>してT細胞の動きを止めていた。

     ブレーキを外せばT細胞はがんを攻撃する。この仕組みを利用して、小野薬品工業(大阪市)などが開発した薬がオプジーボだ。国内では14年、皮膚がんで承認され、肺がんや胃がんなどにも適応が広がった。



     「オプジーボができるまで、がん免疫療法は信用されず、長い冬の時代が続いていた」。日本がん免疫学会理事長で慶応大教授の河上裕(62)は、そう証言する。

     ウイルスなどから体を守る免疫が、体内にできるがんにも働くという仮説は1950年代、豪州の免疫学者が提唱。80年代には免疫を刺激する物質を投与したり、血液中の免疫細胞を体外で活性化させて体内に戻したりする治療法が試されたが、効果は、ごく一部のがんに限られていた。

     オプジーボによって状況は一変した。九州大教授の中西洋一(64)は、初めて肺がん患者に投与した時の様子が忘れられないという。「治療法がなくなった末期の肺がん患者で、腫瘍がほとんど消えた。非常に驚き、うれしさもこみ上げた」

     2016年には、ほぼ同じ仕組みで効く新薬「キイトルーダ」も承認され、治療の選択肢が増えた。「現在は免疫療法と、抗がん剤や放射線治療などを組み合わせる研究が進んでいる。患者ごとに最適な治療法を見つけ、長期の生存を目指せるようになってきた」。中西は期待を込める。



     だが、オプジーボにも弱点はある。治療効果が出る患者の割合が少ないことだ。肺がんでは2割前後。なぜ患者によって効き方が違うのか、今もわからない。

     カギを握るのは、やはりゲノム(全遺伝情報)。遺伝子検査の膨大なデータを解析すれば、オプジーボが効く患者を見分ける手がかりが得られると期待されている。「100%見分けるのは無理でも、6割的中すれば、ずっと効果的な治療ができる」と中西は言う。

     一方で、国内ではオプジーボに続くがん免疫療法の研究は停滞気味だ。この分野の研究予算が、米国に比べて「3桁は少ない」とする専門家もいる。

     がんと遺伝子の関係に詳しい京都大教授の小川誠司(56)は「がん患者の組織の遺伝子を解析できる研究機関や人材が限られている。がん免疫療法を本気で発展させるには、全国的な研究体制の整備が不可欠だ」と訴える。(敬称略)

    <オプジーボ>

     国内では皮膚、肺、腎臓、胃など7種類のがんで承認されている。遺伝子組み換えや細胞培養などの技術を駆使して製造するバイオ医薬品(生物学的製剤)。当初は、肺がん患者1人あたり年間約3500万円かかっていたが、適応の広がりを受けて薬価が見直された。今年8月には3度目の引き下げが決まり、11月から約1090万円になる見通し。

     ◇遺伝子を加え、効力アップ

     T細胞の遺伝子を操作し、がんへの攻撃力を高める治療法も登場した。「CAR―Tカーティー療法」と呼ばれ、小児に多い血液のがん・急性リンパ性白血病を中心に広がりつつある。

     患者の血液からT細胞を取り出して人工的な遺伝子を加え、がん細胞表面のたんぱく質を<目印>として見分けることができる分子「CAR」を備えたCAR―T細胞を作製。この細胞を大量に増やして患者の体内に戻すと、がん細胞を一斉に攻撃する。

     2010年以降、海外で臨床試験(治験)が本格化した。再発後の急性リンパ性白血病患者らの8~9割で、がん細胞がほとんど消える成果が報告されている。

     CAR―T細胞の作製には人に感染するウイルスを使用し、厳密に管理された特別な施設が必要。このため1回の治療に5000万円以上の費用がかかるのが課題だ。

     名古屋大教授の高橋義行(51)らは、ウイルスの代わりに安全な酵素を使う新手法を考案した。「より多くの人が治療を受けられるようにしたい」と、1回数百万円での実現を目指す。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180922-120-OYTAT50004

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  5. 本庶氏 ノーベル賞…生理学・医学 がん免疫療法に道
    2018年10月2日5時0分

    治療薬オプジーボ実用化

     スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル生理学・医学賞を、免疫を抑制する働きを持つ分子「PD―1」を発見した本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)ら2人に贈ると発表した。薬でこの分子の働きを妨げ、人間がもともと持っている免疫力を活性化させる「がん免疫療法」に道を開き、「人類のがんとの闘いにおける記念碑」と高く評価された。

     日本のノーベル賞受賞は16年の生理学・医学賞の大隅良典・東京工業大栄誉教授に次いで2年ぶり26人目。同賞は5人目で、他に1987年に利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年に山中伸弥・京都大教授、15年に大村智・北里大特別栄誉教授が受賞している。

     授賞理由は「免疫抑制の阻害によるがん療法の発見」。共同受賞者は米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)。賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)は等分する。授賞式は、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで行われる。

     免疫学の基礎研究に取り組んできた本庶氏は1992年、免疫細胞の一種である「T細胞」の表面に新たな分子があることを発見。当初は、役割を終えた細胞が自然死する現象(Programmed cell Death)に関わっていると考え、「PD―1」と呼んだ。

     その後、がん細胞が免疫細胞にあるPD―1と結合すると、免疫細胞の働きを抑えるブレーキとなることを突き止めた。アリソン氏は、PD―1と似た働きを持つ「CTLA―4」という分子の役割を解明した。

     こうした分子は、免疫の反応を監視し、必要に応じてブレーキを外す働きがある。がん細胞の多くは、これらの分子の働きを高める物質を出し、免疫細胞による攻撃力を弱めて増殖を続ける。逆に分子の働きを妨げれば、免疫細胞の攻撃力が復活し、がんは縮小すると考えられている。

     本庶氏は、こうした仕組みを利用し、分子の働きを薬で抑える方法によるがん治療効果を2002年にマウスの実験で確認。この研究成果を基に、小野薬品工業(大阪市)などが開発したがん治療薬「オプジーボ」は、従来の抗がん剤が効きにくい難治性の皮膚がんや肺がんなどに対する新薬として実用化された。

     PD―1を利用した薬はオプジーボ以降も次々と登場。がんの免疫療法は手術、放射線、化学療法に続く「第4のがん医療」とまで呼ばれるようになった。

      ◇本庶佑氏(ほんじょ・たすく)  1942年、京都市生まれ。66年京都大医学部卒、75年京大で医学博士取得。米カーネギー研究所、米国立衛生研究所、東京大を経て、79年大阪大教授、84年京都大教授、2005年京都大名誉教授。17年から京都大高等研究院特別教授、18年から神戸医療産業都市推進機構理事長を務める。12年ドイツの医学賞「ロベルト・コッホ賞」、13年文化勲章、16年京都賞。

      【免疫細胞】  体内に侵入してきたウイルスや細菌、がん細胞などを異物とみなして攻撃し、体を守っている細胞。T細胞やB細胞など様々な種類がある。免疫細胞の働きが極度に強くなると自分自身の体を攻撃し、逆に弱まるとがん細胞が増えるなど異変が起きる。

    「少数派こそ成果生む」
     「大変栄誉なこと。多くのがん患者を救うことになるよう研究を続けたい」。京都大で開かれた記者会見で顔をほころばせた。医師だった父親の影響と、黄熱病の研究で知られる医学者・野口英世への憧れから、医師を志した。1960年に京都大医学部へ進学。ある生物学者の著書の「やがてDNAの異常を外科手術のようにピンセットで治す日が来るであろう」という一節に感動し、臨床医ではなく研究者の道に進んだ。

     大学院を修了後、米国へ。常に、通説に立ち向かう姿勢で、免疫に関わる分子や遺伝子を次々と発見した。「科学は多数決ではない。既存の概念を壊す少数派の中からこそ新しい成果が生まれる」との信念があった。

     会見でモットーを聞かれ、「知りたいという好奇心」と「簡単に信じないこと」を挙げた。趣味はゴルフ。肺がんの患者から、「最後のラウンドだと思っていたが、あんたの薬のおかげで、また良くなってゴルフができる」と言われたエピソードを明かし、「何の賞をもらうより、自分はそれで十分だと思っています」と笑顔で語った。

     今も免疫の謎に挑み続ける。がんの制圧も不可能ではないと考える。「(その時は)遅くとも今世紀中には訪れると思っている」と力を込めた。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50113

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    1. がんと対決 命救う…本庶さん ノーベル賞
      2018年10月2日5時0分

      患者の感謝「何よりうれしい」

       免疫を抑える働きを持つ分子を発見し、新たながん治療の礎を築いた京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさん(76)が今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた。1日、京都大学で開かれた記者会見で「より多くの患者を救えるよう努力を重ねる」と語った本庶さん。がん患者や研究者からは、祝福の声が上がった。

       午後7時20分、ブレザー姿で京大の記者会見場に現れた本庶さんは受賞決定の感想を尋ねられると、「思いがけないことで驚いた」と話した。長年、この分野ではノーベル賞の有力候補とされてきた中での栄冠となったが、「賞はそれぞれが独自の価値基準で決めるものだ。『長い』とか『待った』とかは感じていない」と打ち明けた。

       本庶さんによると、午後5時頃、授賞の連絡が電話であったという。「ひとえに長いこと苦労してきた共同研究者、学生諸君、様々な形で応援してくださった方々、長い間支えてくれた家族、本当に言い尽くせない多くの人に感謝しております」と述べ、自身の基礎的な研究が評価されたことを素直に喜んだ。

       「極めて基礎的な研究が応用され、この治療法によって『元気になった』『あなたのおかげだ』と言われるときがあると、意味があったと実感し、何よりもうれしい。私は幸運な人間だ」

       大学生時代、同じ医学部の同級生の男子学生を胃がんで亡くしたことが、がん研究を志したきっかけだ。

       「非常に優秀で鋭い学生だったが、あっという間に亡くなってしまい、忘れられない。がんは大変な病気だなと、この時にがんのすごさ(怖さ)を思い知った。少しでも(がん研究に)貢献したいと考えた」と話す。

       研究者としては、常に通説を疑う姿勢を大切にしており、「簡単にものごとを信じないことだ。専門誌のネイチャーやサイエンスに出ているものは9割はうそだと思うことにしている。論文や書いてあることを信じず、自分の頭で考え、納得できるまで研究することが僕のやり方」と強調した。

       記者会見の途中に安倍首相から電話が入り、「多くのがん患者に光を与えた」と研究の苦労をねぎらわれると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた本庶さん。研究者を志す子供たちへのアドバイスを求められると、こう答えた。

       「一番重要なのは『何かを知りたい』『不思議だな』という心を大切にすること。それから、教科書に書いてあることを信じないことです」

        学生「誇らしい」

       本庶さんはこの日夕方、自身が代表を務める京都大の免疫ゲノム医学研究室に姿を見せ、集まっていた学生ら約20人に「ストックホルムから電話があった」と英語で告げたという。研究室は一瞬静まり返ったが、すぐに「キャー」という歓声に包まれたといい、全員で記念撮影をした。

       研究室で学ぶインド人のサントシ・ゴスワルさん(32)は「研究で壁に突き当たるたび、ひらめきを与えてくれる。尊敬する先生の受賞が、とても誇らしくてうれしい」と喜んだ。

      「先生いなければ 生きてない」
       本庶さんの研究を基に開発されたがん治療薬「オプジーボ」は国内で皮膚、肺、腎臓、胃など7種類のがんで承認され、その効果の高さで注目されている。

       「まるで我がことのようにうれしかった」と語るのは、肺がん患者でオプジーボを使っている兵庫県の会社員男性(53)。

       2016年5月、最も進行したステージ4の肺がんだと診断された。当時は妻と大学生だった長男、高校生だった長女の4人家族。「俺は死ぬのか」「子供たちの将来はどうなるのか」。目の前が真っ暗になった。標準的な抗がん剤が効かないとわかった後にオプジーボを使うとみるみる効いた。

       がんの痛みで歩けないほどだったが、今では平日は仕事に励み、週末はゴルフや野球など趣味を存分に楽しむ。今春、あきらめていた長女の卒業式に出席。成人式の晴れ着姿を見るのも楽しみだ。「本庶先生がいなければ、私は間違いなく生きていなかったでしょう。感謝してもしきれません」

       肺がんが脳や脊髄に転移した千葉県佐倉市の男性(41)も、オプジーボに支えられている。16年末に使い始め、2か月後に効果が出た。腫瘍は小さくなり、がんの進行状況の目安となる検査値も下がった。

       妻や長男(6)との別れを覚悟していたが、昨年11月には次男が誕生。今は社会保険労務士を目指し、長い日で1日10時間以上の猛勉強もこなす。「家族と共に未来を向いて生きていけるのはオプジーボのおかげ。これからも子供の成長を見守っていきたい」と話す。

       全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長(45)は「がん免疫療法の道を切り開いた功績が高く評価された結果だと思う」と喜んだ。「オプジーボはがん患者の希望の光になっており、受賞をきっかけに、国内のがん治療研究がさらに加速されることを願っている」と話した。

        本紙が号外発行

       読売新聞は1日、本庶佑・京都大特別教授のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まったことを伝える号外約5万部を発行し、東京などの主要都市で配布した。

       東京・新橋駅では午後7時40分頃から配布し、帰宅途中のサラリーマンらが次々と受け取った。東京都中野区の大学3年立田優詞さん(21)は「この成果で多くの人の命が助かっていると思うと、日本人として誇らしい」と笑顔を見せた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50062

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    2. ノーベル生理学・医学賞 電話座談会…研究ほど楽しい人生ない
      2018年10月2日5時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった本庶佑・京都大特別教授(76)は、免疫を抑制する働きを持つ分子「PD―1」を発見した。本庶さんと、横浜薬科大の江崎玲於奈学長(93)=1973年物理学賞=、東京工業大の大隅良典栄誉教授(73)=2016年生理学・医学賞=が1日夜に電話座談会を行い、ノーベル賞受賞の意義や基礎科学の重要性などについて語り合った。(司会は山田哲朗・東京本社科学部長)

        本庶 佑 (ほんじょ・たすく)氏 2018年生理学・医学賞/京都大学特別教授

        江崎玲於奈 (えさき・れおな)氏 1973年物理学賞/横浜薬科大学学長

        大隅良典 (おおすみ・よしのり)氏 2016年生理学・医学賞/東京工業大学栄誉教授

      若手に刺激
       ――江崎先生から、お祝いの言葉をお願いします。

        江崎  当然受けるべき賞を受けた。ノーベル賞は、先生の人生にかなり大きなインパクトを与える。世界の知性の代表者に祭り上げられ、若干の重荷になると思うが、健康に十分ご注意していただきたい。先生の影響力が大きくなるので、日本の若い研究者を刺激してほしい。

        本庶  ありがとうございます。できるだけ若い人をエンカレッジ(激励)していきたい。

        江崎  若い研究者が若干少なくなっているということを心配している。将来への投資なので、大変重要。大いに貢献してください。

        大隅  本庶先生、おめでとうございます。先生の長年の基礎研究のたまものだと思う。心から敬意を表したい。基礎研究、基礎生命科学の研究分野に若い人が関心を持ってもらい、政府・関係機関が支援してくれるように私も先生とともに頑張りたい。

       ――「PD―1」発見(1992年)から長い道のりだったと思うが。

        本庶  生命科学は時間がかかるので、当然のことだと思う。逆に言うと、世の中の人はそういう目で見ていただかないと。今1億円出したから、5年後に5億、10億円になるというものではない。

      一貫した仕事
       ――基礎科学の危機や若者の研究離れが指摘されているが、若い人へのメッセージを。

        本庶  研究ほど楽しい人生はないので、ぜひ若い人には参加してほしいと思う。

       ――研究生活で様々な壁があったと思うが。

        本庶  応用のところで、企業のシーズ(種)を見る目というのが、ちょっと弱かったと思う。

       ――大隅先生も、基礎研究の重要性を訴えているが、本庶先生の研究をどう評価するか。

        大隅  本庶先生については、大昔の仕事から存じ上げている。がんの治療法の開発が受賞の理由になったが、大事な仕事を一貫してされてきた。全体が評価されたと思いたい。生化学と分子生物学の非常にきちんとした土壌のうえで成り立った成果だと思う。今までとは違って論理的に解明された治療法が開発されたということで、治療法としても非常に意味があると思う。

       ――確かに強力ながん治療薬という大きな応用が出た。その源流にはしっかりした基礎研究があったということですね。

        大隅  それは間違いない。そういう意味で誰もが認めているものだと私は思う。

      開発の苦労
       ――本庶先生は開発してくれる企業を探すのに苦労されたようだが。

        大隅  日本の研究者がかかえる共通の問題。企業が敏感に対応してくれる国ではない。成功例が出てこないと変わらない。

       ――本庶先生は1億円を1人に配るより10人の若手に配った方が期待が持てるとおっしゃっていた。

        大隅  裾野が広がることこそサイエンス。今は効率ばかり求められるが、科学者が一生懸命主張しないといけない。

        江崎  基礎研究はすぐに成果が生まれるわけではない。成果をすぐに求める研究もあってしかるべきだが、基礎研究というものの価値をみなさんに理解してもらう必要がある。

        大隅  企業も昔の方が基礎研究を大事にしていたという気がします。

       ――最後に本庶先生に伝えたいことを。

        大隅  江崎先生がおっしゃったように、大変忙しい生活になる。体に気をつけていただきたい。

      全人類への貢献…江崎さん 業績の意義語る

       江崎玲於奈さんは、理事長を務める茨城県科学技術振興財団(茨城県つくば市)で読売新聞の取材にこたえ、本庶佑さんの業績の意義を語った。

           ◇

       がんは、日本人の2人に1人が発症し、3人に1人が亡くなると言われる。本庶さんの研究は、手術や放射線といった従来の治療法と違い、人間に元々備わっている免疫を使った新たな治療法につながった点でインパクトが大きい。日本人のみならず全人類への貢献と言える。

       ノーベル賞を発案したアルフレッド・ノーベルは、科学知識は人類の貴重な財産で、全人類に帰するものだと語っている。まさに今回の発見は科学に新たな知見を加えた上で、多くの人の命を救う重要なものだ。

       かつて人類の最大の死亡原因が結核だった時代があったが、それを治療する抗生物質が発見された。この功績はノーベル賞の対象にもなった。免疫療法の研究が進めば、がんもいつか克服できる日が来るかもしれない。本庶さんの研究はその道筋を開いた。病気との闘いは人類の宿命のようなもので、この分野で日本人が貢献できたことを誇りに思う。

       近年、生理学・医学賞の日本人の受賞が相次いでいる。日本の医学研究が充実していることを示すもので非常に喜ばしい。

      基礎徹底「粘りの人」
        国の研究資金の配分を担う科学技術振興機構(JST)の浜口道成理事長の話

       素晴らしい。免疫の働きを調べる非常に基礎的な研究が、がんの画期的な治療法につながった。トップサイエンティストの仕事には基礎と応用の境などなくて、基礎研究をとことんやると革新的な成果が出てくるという典型例だといえる。

       今は、基礎と応用がどんどん融合する時代。医学だけでなく、情報技術(IT)など様々な分野で融合が目立つ。そういう研究を、日本もしっかり進めていく必要がある。

       本庶先生は以前、免疫物質に関する別の研究でも大きな業績を上げたが、それはノーベル賞を受賞できなかった。それでもへこたれず、本質的なところに迫る研究を続けてこられた。まさに粘りの人だ。心からお祝いします。

      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50123

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    3. 疑う姿勢 研究の礎
      2018年10月2日5時0分

      憧れの的/やんちゃ少年

       「大きくなったら、人が死なん(死なない)薬を発明する」

       父親が医師だった本庶さんは、山口県宇部市立神原小時代から、医学の道に進む夢を周囲に語っていた。地元の言葉で「どうかん坊主」と呼ばれるやんちゃ少年。だが、頭の良さはずば抜けており、市立神原中、県立宇部高では生徒会長も務めた。

       岡山県倉敷市に住む本庶さんの妹、松原伸子さん(71)は学年で常にトップクラスの成績を維持する本庶さんに「何でそんなに勉強ができるの」と尋ねると、答えは「誰にも負けたくないから」。松原さんは、机の上にわら半紙を山のように積んでコツコツと計算を繰り返していた本庶さんの姿を鮮明に覚えているという。

       松原さんは受賞決定の知らせに「毎年騒がれていたが、まさか本当にノーベル賞を取るなんて思っていなかった。びっくりです」と声を弾ませた。

       小中高の後輩で、今も交流がある東京大名誉教授の浅野茂隆さん(75)は「天下の秀才。英語も抜群で、英語弁論大会で1位。学園祭の劇でも主役を務め、男女問わず憧れの的だった」と振り返る。

       高校時代は外交官や弁護士を目指すことも考えたが、「一番社会に貢献できるのは医学」と京都大医学部に進学。中学校時代に国語を教えた矢田部清恵さん(88)は「勉強もスポーツも何ごとにも積極的で、みんなを引き寄せる魅力があった」と目を細める。

       その後、「プロとして研究を続けるのは難しい」という父親の忠告を押し切り、基礎研究の道を選んだ。

       29歳から3年余り米国に留学。帰国後、東京大医学部の助手となったが、米国に比べて研究費は限られ、設備の貧弱さに驚かされた。機材を用意するため、工具店を訪ね歩いて板の切れ端を譲り受け、実験機器を手作りしたこともあった。

       「米国で経験を積んだ多くの日本人研究者が帰国後に十分な成果をあげられず埋もれてしまっていた。ジンクスを変えたかった」

       やがて数々の研究成果を上げた本庶さん。研究者の醍醐だいご味について「多くの人が石ころと見向きもしなかったものを、10年、20年かけて磨き上げ、ダイヤモンドであることを実証すること」などと語っていた。

       その上で、後進には「優れた研究者には六つのCが必要」と説いていた。

       「challenge(挑戦)」、「confidence(自信)」、「courage(勇気)」、「concentration(集中力)」、「curiosity(好奇心)」、「continuation(継続性)」。

       「なぜ人体で、異物に対する抗体が無限に作られるのか」。40年以上前に抱いた疑問にこだわり続けた。今回の受賞決定は、まさに「六つのC」のたまものだった。

      趣味はゴルフ 熱心トラ党
       本庶さんの趣味は、米国留学時代に夢中になったゴルフ。本庶さんは「ゴルフは季節や天気などで条件が変わる未知の世界。研究と似ているんですよ」と言う。

       学生時代からの恩師だった早石修・元京大教授(2015年12月に死去)は生前、「300人を超える門下生と楽しむゴルフは、教室の隠れた名物。ゴルフがうまい筆頭は本庶君だった。誰とやっても真剣勝負で、早石杯で何度もカップをさらった」と称賛していた。

       本庶さんは1日の記者会見で「今やりたいことは」と問われ、自分の年齢以下のスコアで回る「エージシュート」と答えた。毎週欠かさずゴルフを続け、自宅ではパターの練習に励む。

       プロ野球の阪神タイガースのファンとしても知られ、岡田彰布さんが監督の時に応援団「メンバーズ80岡田会」を知人らと作り、会長に就任。背番号にちなんで、80人限定の会で、集まりがあればあいさつを務めていたという。

      「跳びあがる気持ち」…京大・山中教授
       2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授(56)は「本庶先生のご受賞を毎年、待ちわびていた一人として、跳びあがるほどの気持ちです。世界中の患者さんに希望の光をともし、人々の健康に多大なる貢献をされました。私どもも本庶先生をかがみに医療応用に向けて精進してまいる所存です」と祝福のコメントを発表した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50051

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    4. オプジーボ 国内2.5万人に…高額薬価 見直し
      2018年10月2日5時0分

       1日にノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)の業績を基に開発された、がん治療薬「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)は幅広いがん治療への適用が期待されている。

       オプジーボは、遺伝子組み換えや細胞培養などの技術を駆使して製造するバイオ医薬品(生物学的製剤)。2014年9月に発売され、国内では当初、患者数が少ない難治性の皮膚がんの一種・悪性黒色腫の治療薬として承認された。

       その後、保険が利くがんの種類が増え、現在は患者数が多い一部の肺がんや胃がんなど7種のがんの治療薬として使える。製造販売元の小野薬品工業(大阪市)によると、2万5000人以上の治療に使われたという。

       日本以外も米国など60か国以上で承認されているほか、今も世界で50種類以上のがんを対象に臨床試験が進む。米国のチームが昨年春に発表した研究結果では、従来の治療法では長期生存を期待できなかった進行肺がん患者の5年生存率が16%に上った。

       西尾誠人・がん研有明病院呼吸器内科部長は「進行がん患者の長生きを可能にした驚きの薬」と語る。

       ただし、万能ではない。オプジーボが効くのは、対象となるがん患者全体の2~3割とも言われる。効果が見込める患者を事前に選別する方法は確立されておらず、投与されても効かない患者も少なくない。

       より多くの患者に届く治療法にするために、詳しい免疫機構の解明を目指す基礎研究が国内外で進められている。

       高額な薬価も課題となった。国内では当初、体重60キロの肺がん患者が1年間使った場合、薬の総額が約3500万円かかっていた。

       その理由は、従来の薬価算定の仕組みにある。類似薬がない場合は、開発、製造費などの合計を患者数で割る制度が適用されるからだ。最初に保険適用された悪性黒色腫の想定患者数が500人弱だったため、薬価が跳ね上がった。

       一般に、患者負担は3割で、さらに大半は高額療養費制度が適用されるため、自己負担は所得にもよるが年間100万円前後とされる。残りは公費負担になり、医療費全体を押し上げるとの批判を招いた。

       こうした事態を受け、政府は17年2月、特例的にオプジーボを半額に値下げした。さらに同様の事態が生じないよう、売上高が予想外に伸びた薬は多くて年4回まで値下げできる仕組みに改めた。オプジーボは今年8月に3回目の値下げが決まり、11月から当初の3分の1以下の年間1090万円になるという。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50171

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    5. [スキャナー]がん治療 発想転換…本庶氏 ノーベル賞
      2018年10月2日5時0分

      免疫へのブレーキ外す

       新たながん治療法の道を切り開き、今年のノーベル生理学・医学賞に決まった本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)。免疫細胞の働きを抑えるブレーキを外すことで、免疫細胞にがんを攻撃させる治療法は、従来の戦略にはない「発想の転換」によって生まれた。(大阪科学医療部 諏訪智史、冬木晶)

        ■攻撃力取り戻す

       体内では、健康な人でもがん細胞が生まれているが、その大半は、異物を攻撃・排除する免疫細胞が見つけて取り除いている。がんが大きく成長するのは、免疫細胞による監視や攻撃をかいくぐった場合だ。

       こうした性質に着目し、免疫力を高めてがん治療を目指すアイデアは古くからあり、様々な方法が試されてきた。しかし、効果が乏しく、有効性を疑問視する研究者が多かった。

       本庶氏が見つけた分子「PD―1」は、免疫の働きを抑えるブレーキの役割を持つ。実は、免疫力をいくら高めようとしても、がん細胞がこの分子を巧妙に利用して免疫の攻撃から逃れていたことが、効果が出にくい原因だった。「このブレーキを外せば、がんに効くかもしれない」と考えた本庶氏は、PD―1の働きを抑える物質をマウスに投与する実験を行い、攻撃力を取り戻した免疫細胞によって、がん細胞を縮小させることに成功した。

        ■新薬へ険しい道

       本庶氏らの挑戦が新薬として結実したのが、小野薬品工業などが開発したがん治療薬「オプジーボ」だ。ブレーキを外して免疫にがん細胞を攻撃させる仕組みで、2014年以降、国内外で皮膚や肺、腎臓、胃といった様々ながんの治療薬として承認された。

       ただ、新薬実現までの道のりは険しかった。がん免疫療法は当初、「科学的でない」などの批判もあった。多くの国内製薬会社が尻込みする中、小野薬品が共同研究に手を挙げたものの、同社にはPD―1の働きをブロックする薬を大量生産する技術はなかった。本庶氏が海外の企業に持ちかけるなどし、ようやく米ベンチャー企業を交えて開発にこぎ着けた。

       本庶氏とノーベル賞を共同受賞するジェームズ・アリソン教授(70)は、PD―1と似た働きをする別の分子が、がん治療に使えることを1996年にマウスの実験でいち早く実証。2011年に皮膚がんの治療薬として実用化された。

        ■第4の治療法

       がん治療にPD―1が利用できることを本庶氏がマウスの実験で示したのは02年だった。ノーベル賞の選考では新規性が重視されるため、本庶氏の受賞は難しいという声もあった。だが、オプジーボはがん免疫療法としては、過去に例がないほど様々ながん患者を劇的に回復させてきた。

       新たながん治療薬の実現を目指し、製薬会社との交渉に自ら力を注いだ努力が実を結んだ。がん免疫療法を、外科手術、放射線療法、化学療法に次ぐ「第4の治療法」に押し上げた。

       京大の本庶氏の研究室に7年間在籍した古川貴久・大阪大教授(54)は、「研究者も研究も、じっくりと育てる先生。PD―1も、その粘り強い姿勢があったからこそ、花開いた。治療へのインパクトが評価され、受賞につながったのだろう」と話した。

      ◇米教授が共同受賞

        ジェームズ・アリソン氏  1948年、米国生まれ。73年に米テキサス大で博士号取得。米カリフォルニア大バークレー校、米ハワード・ヒューズ医学研究所などを経て、2012年から米テキサス大MDアンダーソンがんセンター教授。

      日本のお家芸 発揮…「基礎」細る懸念
       本庶氏の受賞が決まった免疫学の分野は、日本の研究レベルが伝統的に高く、「日本のお家芸」と言える。免疫物質である抗体が多様性を持つ仕組みを解明し、1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進博士ら、世界的に著名な免疫学者を輩出してきた。

       関節リウマチの発症にかかわる免疫物質「インターロイキン6」を発見して創薬につなげた岸本忠三・大阪大元学長(79)は、大阪大時代の同僚である本庶氏の受賞を「日本の免疫学、生物学の研究レベルが高いことを示した証拠だ」と喜んだ。

       免疫反応を抑える特殊な免疫細胞「制御性T細胞」を発見した坂口志文しもん・大阪大特任教授(67)、自然免疫の仕組みを解明した審良あきら静男・大阪大免疫学フロンティア研究センター拠点長(65)らも「ノーベル賞級」と評価される。

       大阪大大学院生時代に本庶氏の下で学んだ審良氏は「当時の本庶氏は若かったが、独自の発見を積み重ねていた。目端が利き、常に新しいものを狙う姿勢が、すごかった。オプジーボががん治療に果たす役目は高まる一方で、今年受賞するのではと期待していた」と声を弾ませた。

       近年は大学や研究機関への運営交付金の削減で、国内では免疫学のような基礎研究の先細りが懸念される。世界的に研究競争が激しい分野で、今後も世界をリードし続けられるか、憂慮する声も強まっている。

       本庶氏は1日の記者会見で、「基礎から臨床につながる研究で、受賞できた。基礎研究に関わる多くの研究者を勇気づけたのであれば、私としては望外の喜びだ」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50213

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    6. 本庶さん、宇部の誇り 高校の同級生祝福 =山口
      2018年10月2日5時0分

       「待ちに待った」「地元の誇りだ」。今年のノーベル生理学・医学賞に、宇部市で小学校から高校まで過ごした京都大特別教授の本庶ほんじょ佑たすくさん(76)らが選ばれた1日、県内でも喜びの輪が広がった。

       本庶さんは京都市出身だが、宇部市の神原小、神原中に通い、県内屈指の進学校・宇部高に進学。その後、京都大に入り、研究者の道へと進んだ。

       宇部高時代、同級生だった宇部市の医師、礒部輝雄さん(77)は本庶さんが様々な賞を受賞した時にお祝いの手紙を出すなどして交流を続けてきた。

       2013年に文化勲章を受章した本庶さんから届いた手紙には、「思えば多感な青春時代を皆様と過ごさせていただいたことが、今の私のバックボーンとなっています」と同級生らへの感謝が記されていたという。

       礒部さんは「彼は高校の時から学内で成績トップで別格の存在。将来大きなことを成し遂げると感じていた」と振り返り、「待ちに待ったノーベル賞受賞。本当にうれしい」と喜んだ。

       同校の古谷修一校長はこの日、教頭らとスマートフォンで発表を見守り、本庶さんの受賞決定を確認すると、歓声を上げて喜び合った。古谷校長は「ここ何年も心待ちにしていた。誇りに思う」と表情をほころばせた。

       同校の同窓会「かたばみ会」の千葉泰久会長(74)も受賞決定を受けて、同校に駆けつけた。同校は来年が創立100周年で、同会は記念事業として来年11月に本庶さんの講演会を計画しており、「ようやく届いた吉報。講演会が楽しみです」と話した。

       また、神原中の中村昇校長も「本校出身者のノーベル賞受賞はとても光栄なこと」と声を弾ませた。「生徒たちには立派な先輩から刺激をもらい、勉学に励んでほしい」と話した。

       宇部市の久保田后子市長は「市民にとって大きな誇りであり、子どもたちにも大きな励みになると確信している」との談話を出した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-119-OYTNT50402

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    7. 趣味はゴルフ「研究と似ている」、留学時代夢中
      2018年10月2日7時17分

       本庶さんの趣味は、米国留学時代に夢中になったゴルフ。本庶さんは「ゴルフは季節や天気などで条件が変わる未知の世界。研究と似ているんですよ」と言う。

       学生時代からの恩師だった早石修・元京大教授(2015年12月に死去)は生前、「300人を超える門下生と楽しむゴルフは、教室の隠れた名物。ゴルフがうまい筆頭は本庶君だった。誰とやっても真剣勝負で、早石杯で何度もカップをさらった」と称賛していた。

       本庶さんは1日の記者会見で「今やりたいことは」と問われ、自分の年齢以下のスコアで回る「エージシュート」と答えた。毎週欠かさずゴルフを続け、自宅ではパターの練習に励む。

       プロ野球の阪神タイガースのファンとしても知られ、岡田彰布さんが監督の時に応援団「メンバーズ80岡田会」を知人らと作り、会長に就任。背番号にちなんで、80人限定の会で、集まりがあればあいさつを務めていたという。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181001-118-OYT1T50117

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    8. 本庶さん、ノーベル賞の賞金「京大に寄付する」
      2018年10月2日13時5分

       ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑ほんじょたすく特別教授(76)は吉報から一夜明けた2日朝、京大本部(京都市左京区)で妻の滋子さん(75)とともに記者会見し、「幸運な人生を歩いてきた」と喜びを新たにした。「サイエンスは未来への投資」とも述べ、国に生命科学研究への支援を拡充するよう注文した。

       本庶氏は記者会見で、自身の研究人生を振り返り、「非常にいい巡り合わせがあり、好奇心を追求して今日まで来た。やめようと思ったことは一度もなく、本当に幸せだった」と語った。

       一方、家庭については「典型的な亭主関白で研究にまい進してきた」と自身を振り返ったが、滋子さんは「亭主関白は若いとき。最近は非常に優しい」とかばい、「仕事でも家庭でもとことん極める。こういう態度が結果につながった」と笑みを浮かべて話した。

       本庶氏は、免疫を抑制する働きを持つ分子「PD―1」を発見。その研究成果ががん治療薬「オプジーボ」の開発につながった。

       本庶氏は「基礎研究が応用につながることを実証できた」と誇らしげに話した。

       本庶氏には、ノーベル賞の賞金として、900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)が共同受賞者のジェームズ・アリソン米テキサス大教授(70)と等分して贈られる。本庶氏は、読売新聞の取材に「学長にはまだ言っていない」とした上で、京大に寄付する意向を明かした。これまでの研究で得た利益についても、若手研究者の支援に活用していくという。

       一方、記者会見では、「生命科学に投資しない国は未来がない」と、生命科学分野への政府の支援が海外に比べて不十分だと訴え、「もうかっている分野にさらにお金をつぎ込んでいては、後れを取る。基礎研究を組織的、長期的な展望でサポートし、若い研究者が人生をかけて良かったと思える国になることが重要」と注文を付けた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYT1T50086

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    9. 研究で転居十数回、妻が陣頭指揮「神様みたい」
      2018年10月2日13時58分

       研究にまい進させてくれた家族に感謝したい――。今年のノーベル生理学・医学賞の受賞決定から一夜明けた2日、京都大特別教授の本庶ほんじょ佑たすくさん(76)はともに人生を歩んできた妻・滋子さん(75)と記者会見に臨み、改めて家族への感謝の思いを口にした。滋子さんも「何でもあきらめない主人の姿勢が大きな賞につながったのかな」と、いちずな研究姿勢をねぎらった。

       本庶さん夫妻は、午前9時頃、車で京都大に到着。京大本部の前で本庶さんの研究室の秘書から花束を受け取り、本庶さんが「ありがとう。これからもよろしく」と声をかけ、記者会見に臨んだ。

       冒頭、本庶さんは「落ち着いて考えてみますと、幸運な人生を歩んできたと言わざるを得ない。本当に幸せだった。多くの共同研究者、テクニカルスタッフ、秘書などにサポートしていただいた」と振り返った。

       その上で「家庭のことにはあまりタッチせず、研究にまい進した。こういう人生を2度、やりたいというほど、充実していた」と述べ、研究に没頭できる環境を作り出してくれた滋子さんを持ち上げた。

       その後の取材などでも「僕は家庭のことは何もしなくて、すべて妻に任せきり。(研究のため)十数回、引っ越ししていて陣頭指揮を全部とってくれた」「(滋子さんは)神様みたいな人」とたたえた。

       本庶さん夫妻には、子供が2人おり、現在、「医者と研究者として独立してやっている」という。

       大学時代、理系で学んだ滋子さんは「私も、研究の大変さを知っている。こういう賞を主人が受賞する結果になり、うれしい」と喜んだ。

       滋子さんは、本庶さんの日常について「研究のことは知りませんけど、最近は、新聞や本で疑問に思うことはすぐパソコンで納得するまで調べています」と明かした。また本庶さんが大好きなゴルフを一緒にすることもあるといい、「(本庶さんは)こだわりは徹底していて負けず嫌いです。自分のフォームを研究し、改良をしています。何でも突き詰めていく熱心さがある。たぶん、仕事はそれ以上だと思います」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYT1T50094

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    10. 本庶さん直筆の「有志竟成」招待した弟子に配布
      2018年10月2日13時30分

       ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった本庶佑さんは、弟子思いの研究者としても知られる。数え年で喜寿にあたる今年1月27日の76歳の誕生日、京都市内のホテルでパーティーを開いた。過去に指導した研究者ら100人以上を招待し、費用は本庶さんが負担したという。

       参加者には、本庶さん自身がしたためた「有志竟成ゆうしきょうせい」という四字熟語の色紙を配った。志を曲げることなく堅持していれば、必ず成し遂げられるという意味だ。

       本庶さんが大阪大教授だった頃から指導を受けてきた武田俊一・京都大教授(62)は、「一流の成果を上げるまで、諦めずに初心を大事に、という思いが込められている」と語る。

       本庶さんは2日、読売新聞の取材に対し「若い人の努力があったからこそ、自分が成果を得られた。(パーティーには)これまでの感謝の気持ちを込めて招待した」と語り、後進の研究者に「自分の知りたいことを研究し、それぞれの志をもってほしい」とエールを送った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYT1T50099

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    11. 徹夜マージャン後「大事な発表ある」…本庶さん
      2018年10月2日14時0分

       脳神経科学の権威で、京大医学部の同級生だった京大名誉教授の中西重忠さん(76)は、旧友の快挙に「自分の道をよく貫いた。ほんまにえらい」と声を弾ませた。

       学生時代、京大の医化学教室は沼正作氏(1992年に死去)、早石修氏(2015年に死去)ら<ノーベル賞級>の学者が率いており、本庶さんが早石研究室、中西さんは沼研究室に所属していた。

       本庶さんとは徹夜でマージャンをする仲。同級生の家で卓を囲み、「さあ寝ようか」という時、本庶さんは「大事な発表があるから」とセミナーに向かったこともあったという。中西さんは「遊びと勉強をしっかり分けていた」と振り返る。

       本庶さんが米カーネギー研究所の研究員になった1971年、中西さんも米国立衛生研究所に在籍し、「世界を驚かす研究をやろう」と互いに励まし合ってきた。

       ところが、本庶さんは3か月で「研究室を移りたい」と言い出した。理由を尋ねると、「研究が進んでいるので、自分が一からわからないことをやる場所がない」と答えた。中西さん自身はやっと慣れてきたところで驚きは大きく、「自分の道を作りたがるやつなんだ」と感心したという。

       2016年に本庶さんが科学や文明の発展に貢献した人に贈られる「京都賞」を受賞した際、審査の責任者だったのが中西さん。「(関係が)近いだけに(審査には)慎重になった」としつつ、「誰も知らないことを自分の頭で考え、やり続けてきたのは同じ研究者として刺激的だし、尊敬する」と評価した。

       中西さんは「僕らが医学部に入った時代、がんの治療ができるなんて思ってもいなかったが、自分たちの研究で新しい方向性を出すという大きな目標をやり遂げた」と、偉業をたたえた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYT1T50101

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  6. アリソン博士「本庶さん 一緒に研究してきたようなもの」
    2018年10月2日 5時21分

    京都大学特別教授の本庶佑さんとともに、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた、アメリカのテキサス大学MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン博士は1日、ニューヨークで記者会見を開きました。

    この中で本庶さんについて「昔から知っていて、いわば一緒に研究してきたようなものだ。本庶さんは免疫について非常に重要な研究成果を数多く残し、貢献してきた。同じ分野を研究し、ともにがんの治療に結びつけられたことはすばらしいと思う」と述べました。

    そのうえで、「互いの研究成果によってがん治療の可能性は広がっている。本庶さんと授賞式で会えるのを楽しみにしている」と述べました。

    またアリソン博士は、「この賞をすべてのがん患者にささげたい。免疫療法はがんの種類によっては効かないものもあるので、どうしてなのか調べて、多くのがんで効果が出るようにしていきたい」と研究への意欲を示しました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654321000.html

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    1. 京大 山中教授「自分が授賞したときより何倍もうれしい」
      2018年10月2日 7時10分

      京都大学特別教授の本庶佑さんがことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれたことについて、6年前に同じ賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は「自分が受賞したときよりも何倍もうれしい気持ちです。研究に妥協しない厳しい方ですが、にこっとジョークを言うようなおちゃめな一面もあり、大好きな先生です。共通の趣味であるゴルフをまた一緒にしたい。まだまだ現役の研究者として本庶先生にしかできない一流の研究をして頂くことが、あとに続く私たちの目標になります」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653861000.html

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    2. 本庶さんのノーベル賞受賞 研究室の卒業生も喜ぶ
      2018年10月2日 7時24分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれたことについて、本庶さんの研究室で学んだ卒業生たちは研究に対する厳しい姿勢を振り返りながら受賞の知らせを喜んでいました。

      本庶さんの研究室に18年間所属した東京大学定量生命科学研究所の新藏礼子教授(57)は「これくらいやったらいいだろうという中途半端なことでは絶対に許してくれず、データが信用できない限り絶対に『うん』と言ってはくれなかった」と振り返りました。

      また、本庶さんの研究室に6年所属し、今回の受賞理由となったがんの新しい薬である「オプジーボ」の基礎となる研究に携わった日本医科大学大学院の岩井佳子教授(47)は「薬につながる基礎的な成果が出たときには、どの製薬会社も関心を示さない中で、先生は『これは薬になるんだ』と製薬会社に粘り強く訴え続けていました。先生の信念があったからこそ薬が世に出て多くの人が救われることにつながったのだと思います」と研究成果が出た後も苦労していた当時の様子を語りました。

      本庶さんは研究室から独立した卒業生に大理石の置き時計を記念に贈っていて、新蔵教授は、仕事机の目のつく場所に置いているということで、2人は「本庶先生が受賞しなければ誰が受賞するんだというくらい待ち続けていたので心の底から喜んでいます」と受賞の知らせを喜んでいました。

      オプジーボ治療の患者「本庶さんは命の恩人」

      本庶さんの研究を元に開発されたがんの治療薬、「オプジーボ」で治療した男性患者は「命の恩人だと思っている人がノーベル賞を受賞して心からうれしい」と祝福していました。

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの発見を元に開発されたがんの治療薬「オプジーボ」は、肺がんや胃がんなどの治療薬として、これまで国内で2万5000人以上に使われています。

      千葉県に住む清水公一さんは、35歳で肺がんと診断され、手術したあとに脳や副腎への転移が見つかり、手術はできない状態でした。

      抗がん剤による治療をしましたが、効果がみられなくなってほかに選択肢がなくなったことから、当時、認可されたばかりのオプジーボによる治療を行ったところ、腫瘍は小さくなり、およそ2年間で投薬を終え、いまは経過観察をしながら妻と息子2人の4人で健康な人と同じように暮らしていると言います。

      本庶さんの受賞が決まったことについて清水さんは「オプジーボがあったから生きていられるので、本庶さんは命の恩人です。子どもたちの成長を見ることもでき、本当にありがとうございましたと伝えたいです。本庶さんがノーベル賞を受賞して心からうれしいです」と祝福していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654331000.html

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    3. 「がんを治す免疫療法の新たな刺激に」ノーベル賞の米研究者
      2018年10月2日 8時35分

      京都大学特別教授の本庶佑さんとともにノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれたアメリカのジェームズ・アリソン博士は1日、ニューヨークでがんの学会に出席し「ノーベル賞ががんを治す免疫療法の新たな刺激になることを願う」と述べました。

      テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン博士は、ニューヨークで開かれたがんに関する学会に出席し、出席者から大きな拍手で迎えられました。

      アリソン博士は「患者を治すため免疫療法を研究している多くの人にとって、ノーベル賞が新たな刺激になることを願う」と述べ、研究の進展に期待を示しました。

      今回ノーベル賞の受賞が決まった免疫療法は、がん治療の中で最も注目される分野となっていて、アメリカでは、本庶さんとアリソンさんの研究をもとに開発された2つの薬が乳がんやすい臓がんなど、現在は対象となっていないがんにも使うことができるか、安全性や効果を確かめる1100余りの臨床試験が計画、または実施されています。

      一方で、免疫療法は治療費が極めて高く、白血病の別の新しい免疫療法は1回の投与でおよそ5000万円かかるともいわれ、どのように多くの患者が受けられるようにするかが課題となっています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654441000.html

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    4. ノーベル医学・生理学賞 本庶さんの母校の中学では
      2018年10月2日 11時54分

      本庶佑さんがノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれてから一夜明け、本庶さんの母校の山口県宇部市の中学校では、生徒たちに先輩の偉業が伝えられました。

      本庶佑さんが昭和32年に卒業した宇部市の神原中学校では2日朝、授業が始まる前のホームルームの時間に、各クラスでノーベル賞の受賞決定が伝えられました。

      このうち2年1組では、柳井将太教諭が2日朝の新聞を黒板に貼り、「およそ60年前に、この中学校で学んだ卒業生がノーベル医学・生理学賞を受賞することになりました。本庶さんの研究は、がんの治療という私たちの未来を明るくするものです。皆さんも、身近な人がすごい賞をもらうエネルギーを受け取り、それぞれの目標に向けて頑張ってください」と呼びかけました。
      このクラスの男子生徒は「本庶さんの受賞を励みに僕も勉強や部活動の野球を頑張りたいです」と話していました。また、同じクラスの女子生徒は「人が長生きすることにつながる研究なので、受賞はすごくかっこいいと思いました。私も頑張れば何かできるかもしれないと励みになります」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011654861000.html

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    5. ノーベル医学・生理学賞 本庶さん 一夜明け夫婦で会見
      2018年10月2日 12時22分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんが、受賞決定から一夜明けて夫婦で記者会見を行い「研究をやめようと思うことは一度もなかった。これまでの成果を後進の育成のために還元していきたい」と語りました。

      京都大学特別教授の本庶佑さんは、ノーベル医学・生理学賞の受賞の決定から一夜明けた2日朝、妻の滋子さんとともに車で京都市にある京都大学の会見場に到着しました。

      本庶さんは、待ち受けていた関係者から「おめでとうございます」という言葉とともに花束を受け取ったあと、妻の滋子さんと一緒に記者会見を行い、これまでの研究生活を振り返りました。

      この中で本庶さんは「これまで家族の支えや研究費に恵まれてきて、絶望して研究をやめようと思うことは一度もなかった。これまでの成果を後進の育成のために還元していきたい」と話していました。

      また、妻の滋子さんは「家庭での役割ははっきりと分担するなど、夫を支えてきた私もうれしく思います。会話していても中途半端で終わらせないなど家の中でも諦めず、極める姿勢で、そうしたことが受賞につながったと思います」と話していました。

      授賞式は、12月10日にスウェーデンのストックホルムで開かれることになっています。

      「ライフサイエンス分野の振興に貢献したい」

      本庶佑さんは、一夜明けた2日午前、京都大学でNHKのインタビューに応じました。

      この中で本庶さんは「昨夜は帰って風呂に入り、食事をとるなどしていたら、午前0時になっていた。妻とは、受賞の連絡の直後に電話で短い会話をして以降はまだじっくり話していません」と述べました。

      また、受賞を知らされた時の状況について「私の知っているノーベル財団の人から連絡を受け『これはフェイクニュースではないよ』と言われた。しかし、さらに確認のメールをお願いし、届いたメールを研究室に居合わせたみんなにみせて『これは間違いないな』と、ようやくその時点で確信した」と話しました。

      そして今後について本庶さんは「ノーベル賞受賞者としてどういう役割があるか理解していないので、先輩の受賞者に聞いてみたいが、欧米先進国に比べて日本はライフサイエンスに投資する割合が少ないので、ライフサイエンス分野の振興に貢献していきたい」と話していました。
      妻の滋子さん「ゴルフも研究熱心」
      会見のあと本庶佑さんの妻、滋子さんは取材陣の質問に応えて「きのうは夫から『受賞の電話を受けた』という連絡をもらい『おめでとうございます』と話しました。うれしい驚きでした」と話しました。そのうえで夫の本庶さんについて「研究熱心で、ゴルフのフォームも同じく熱心に突き詰めています」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655001000.html

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    6. ノーベル医学・生理学賞 本庶さんの出身高校でも受賞祝う
      2018年10月2日 14時44分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた本庶佑さんが卒業した山口県宇部市の県立宇部高校では、玄関に受賞の決定を祝う張り紙が掲示されました。

      宇部高校の2年生で生徒会長の梶川佑さんは、「きのう先生から連絡を受け、うれしい気持ちになりました。同じ高校で学んでいた先輩の受賞が決まり、誇りに思います。本庶先生が『教科書を信じるな』と言っていましたが、自分も医学の道に進みたいと思っているので、そうした探求心をもって勉学に励んでいきたいです」と話していました。

      また、別の2年生の男子生徒は「高校の先輩の受賞が決まりとても名誉に思います。自分も人の役に立つ研究をしてみたいと思いました」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655271000.html

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    7. オプジーボで治療 森元首相「もっと多くのがんに採用を」
      2018年10月2日 16時42分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの研究を基に開発されたがんの治療薬「オプジーボ」で治療を受けている東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、「もっと多くのがんに採用されればいい」と話し、オプジーボのさらなる活用に期待を寄せました。

      本庶さんの発見を基に開発されたがんの治療薬「オプジーボ」は、肺がんや胃がんなどの治療薬として、これまで国内で2万5000人以上に使われています。

      元総理大臣で、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長は、3年前に肺がんの手術を受け、その後、オプジーボによる治療を始め、それ以降は体調が回復したことを公の場でみずから披露していました。

      森会長は2日、NHKの取材に対し、「3年前は医者に『もうだめだ。年内いっぱいしかもたない』と言われていた。今も、体はつらいが、頑張らないといけないという思いでやっている」と述べました。

      そのうえで「今後の研究や開発のために副作用を学会に報告している。もっと多くのがんに採用されればいい」と話し、オプジーボのさらなる活用に期待を寄せていました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655371000.html

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    8. 本庶佑さん ゴルフ「エイジシュート」が目標
      2018年10月2日 17時30分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた本庶佑さんはゴルフが趣味で、妻によりますと毎週のようにゴルフ場に足を運んでいるということです。本庶さんが通っているという京都市内のゴルフ場では2日、本庶さんのノーベル賞受賞決定を祝う紙が張り出されました。

      ゴルフ場の山本浩平係長は「本庶さんは30年近く通っていて、話すととてもフランクな方です。毎回、コースを回る前に黙々と自分の中で確認するように練習をして、何か目標を持ってやっていらっしゃる様子で、晴れていても、雨が降っていても、暑くても、いつでも関係なくプレーをされています」と話していました。

      また、本庶さんが1日の会見で、自分の年齢より少ないスコアであがる「エイジシュート」が目標だと話していたことについて、「体力の低下があると達成できないものですが、本庶さんはラウンドの途中カートに乗らず歩いて回るなど体力作りに取り組んでいる様子をお見かけします。本庶さんなら必ず達成できると思います」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655541000.html

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    9. オプジーボで治療の患者「この薬のおかげで生き続けている」
      2018年10月2日 17時52分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの研究を元に開発されたがんの治療薬「オプジーボ」を使って治療を続けている男性は、「この薬のおかげで生き続けることができていて、ノーベル賞の受賞は自分のことのようにうれしい」と祝福していました。

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの発見を元に開発されたがんの治療薬「オプジーボ」は、肺がんや胃がんなどの治療薬として、これまで国内で2万5000人以上に使われています。

      埼玉県蕨市に住む佐藤喜代志さん(68)は、去年6月、ステージ3の肺がんとステージ2の喉頭がんと診断されました。

      佐藤さんは主治医から、「太い血管の近くにがんができ、手術ができないくらい進行している」と説明を受けました。

      当時について佐藤さんは、「死ぬしかないのかなと絶望的になった」と話しています。

      その後、主治医は佐藤さんにオプジーボを使った治療を提案し、ことし1月から投与が始まりました。その結果、がんの腫瘍は小さくなり、佐藤さんは現在も3週間に1度、投与を受けながら、毎朝、ラジオ体操をしたり、趣味の登山に出かけたりすることができているということです。

      本庶さんの受賞が決まったことについて佐藤さんは、「手術できないくらい進行していたがんなのに、オプジーボのおかげで、生き続けることができ、家族と穏やかに過ごす時間も持てている。本庶さんには感謝しかなく、ノーベル賞の受賞は自分のことのようにうれしい」と祝福していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655611000.html

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    10. オプジーボ開発 成功までの20年間に多くの壁
      2018年10月2日 19時01分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった本庶佑さんの研究室に6年間在籍していた日本医科大学大学院の岩井佳子教授は成功までの20年間に多くの壁があったと話しています。

      岩井教授によりますと、今回の受賞の理由になった免疫のブレーキ役となる物質の「PD-1」を発見した当初、その機能はわからず、研究室の40人余りのメンバーのほとんどは別の研究テーマを行っていました。

      ただ、本庶さんは「何か必ず機能があるはずだ」として研究を継続し、「PD-1」が免疫の働きを抑えるブレーキ役を担っていることを突き止めます。

      そうした中で、当時、大学院生だった岩井さんは「PD-1」が何か、がんに対して役割を持っているのではないかとする研究結果を見いだしました。当時は本庶さんと直接面談する機会が多くなく、この研究結果を手紙にして教授室のポストに入れると「おめでとう」と書かれた手紙が返ってきたということです。

      岩井さんはさらに「PD-1」を抑えてマウスの肝臓にあったがん細胞の増殖を止めることに成功します。こうした研究を通して、本庶さんは「必ずがんの治療薬になる」と確信したと言います。

      しかし、実用化には大きな壁が立ちはだかります。当時は免疫を使ってがんを治療するという考え方は下火になっていて、国内の製薬企業は開発に二の足を踏んでいたのです。それでも本庶さんは決して諦めることなく海外の企業にも相談するなど常に次の手を考えて行動し、最終的に「オプジーボ」を製造・販売することになる小野薬品工業との研究開発にこぎつけました。

      岩井さんは本庶さんが大切にしてきた「好奇心、勇気、挑戦、確信、集中、継続」をそれぞれ英語で表したときの頭文字をとって「6つのC」が大切だという教えを今でも教授室に掲げています。そして、「本庶先生は、誰もその研究の価値がわからない時に自分だけが気が付くことが重要だと常々話していました。他の人にはない強い信念を持った研究者だからこそ、薬の実用化につながったのだと思います」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655781000.html

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    11. ノーベル賞 本庶佑さんの受賞に大隅良典さんは
      2018年10月2日 19時18分

      ことしのノーベル医学・生理学賞で京都大学特別教授の本庶佑さん受賞が決まったことについて、おととし、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんは「本庶先生の執念と生化学と分子生物学の知識に裏打ちされた一級の研究だと思っている。そういう研究が認められたというのは大変うれしいことだと思います。医療応用での発展は偶然の発見のように言われますが、長い基礎的な研究の歴史の中にあったことだけは確かだと思います」と話していました。

      そして1日夜、電話で話したことを明かし、「『ノーベル賞受賞者として基礎科学の振興に努力する』と言っていただきました。受賞後には忙しくなるので健康に留意してほしいと伝えました」などと話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655841000.html

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    12. オプジーボ開発の小野薬品 株価 ことし最高値更新
      2018年10月2日 19時26分

      ことしのノーベル医学・生理学賞で京都大学特別教授の本庶佑さんの受賞が決まったことを受けて、本庶さんの研究をもとにがんの治療薬「オプジーボ」を開発し製造販売している大阪の製薬会社「小野薬品工業」の株価が上昇し、ことしの最高値を更新しました。

      2日の東京株式市場で、小野薬品工業の株価は午前の取り引き開始直後に1日の終値より220円高い3430円まで上昇し、ことし3月につけたことしの最高値を更新しました。

      大阪・中央区北浜の大阪取引所にある株価を表示する大型ディスプレーを見ていた60代の会社員の男性は「ノーベル賞の受賞決定はとてもめでたい話で、あわよくばこれを機にオプジーボの利用が広がり価格が下がれば、患者にとって、とてもいいことだ思う。製薬会社の多くは大阪が発祥なのでとてもうれしいし、これを励みにほかの会社も頑張ってほしい」と話していました。

      小野薬品工業はオプジーボの販売が好調で、ことし4月から6月までの3か月間のグループ全体の決算は、売り上げが712億円余りと、去年の同じ時期より17%増加しています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655871000.html

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    13. 本庶さんのノーベル賞決定 きっかけ作った准教授も喜び
      2018年10月2日 20時34分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんの受賞理由のきっかけとなる発見をして、今は奈良先端科学技術大学院大学に所属する准教授は、本庶さんから『すべては君の執着心から始まった』というメールをもらったことを明かしました。

      奈良先端科学技術大学院大学の石田靖雅准教授は、本庶研究室の助手だった平成3年に、本庶さんとともに免疫をつかさどる細胞にある新たな物質を見つけ、「PDー1」と名付けました。

      この「PDー1」はその後、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることがわかり、がんの新たな治療法の扉を開く鍵となりました。

      本庶さんが受賞者に選ばれたことについて、石田准教授は「大変すばらしいことで深く感動しました。私はPDー1を見つけただけで、本庶先生は、それをうまく磨き上げて下さった。このようなすばらしい結果に結びついたことに感動するとともに感謝申し上げます」と述べて受賞を喜びました。

      そのうえで、「きのう、本庶先生にメールをしたら忙しい中にもかかわらず返信をくださり、『すべては君の執着心から始まった』と書いてくださり、感激しました」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181002/k10011655931000.html

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  7. 社説
    ノーベル医学賞 革新的がん治療が評価された
    2018年10月2日6時0分

     人類の難敵、がんの革新的な治療法を開拓したことが世界的に評価された。栄誉を称たたえたい。

     本庶佑・京都大特別教授にノーベル生理学・医学賞が贈られる。

     体に元々備わる免疫の力を助けて治療する「がん免疫療法」である。この分野を共に発展させてきた米テキサス大のジェームズ・アリソン教授との共同受賞だ。

     日本の生理学・医学賞受賞は、一昨年の大隅良典・東京工業大栄誉教授に次ぎ、5人目となる。

     特筆されるのは、本庶氏が、基礎研究にとどまらず、画期的な治療薬として普及した「オプジーボ」の開発まで主導した点にある。

     本庶氏は記者会見で、「回復した患者から感謝されて、うれしい。今後も多くの患者を救うために研究を続けたい」と喜びを語った。研究成果を実際の臨床に結び付けるモデルとなるだろう。

     免疫は病原体などの外敵からは体を守るが、自らの細胞が変異したがんには十分に機能しない。

     本庶氏らは、その原因を遺伝子レベルから探究した。がん細胞は、免疫を担う細胞が攻撃してこないよう、突起を出してブレーキをかけていることを突き止めた。

     これを基に、ブレーキを外す薬剤を開発した。難治性の皮膚がんや肺がん、胃がんなどで腫瘍が消える効果が確認されている。

     がん免疫療法は今や、外科手術や放射線療法、抗がん剤による化学療法と並ぶ第4の治療法だ。

     先進国では高齢化とともに、2人に1人ががんに罹患りかんし、3人に1人ががんで亡くなっている。この分野の研究が、ますます発展することを期待したい。

     課題は、がん免疫療法の治療成績の向上や効率化である。

     患者の2~3割には顕著な効果があるものの、全く効かない例も多い。患者によっては、免疫のブレーキが外れたことで強い副作用が生じる。腫瘍が消えた後、いつまで薬を使い続けるべきか、その見極めも難しい。

     治療費の抑制も求められる。オプジーボの場合、日本で登場した頃には、1人当たり年間3000万円以上を要した。適用範囲の拡大とともに、約1000万円に引き下げられるが、依然、手軽に使える水準とは言い難い。

     本庶氏の研究は当初、斬新過ぎて、研究者や製薬会社には理解されなかったという。国内では治験もできず、米国で先行した。

     日本発の研究の芽を育て、実用化に結び付ける。ノーベル賞受賞を、その弾みにしたい。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYT1T50006

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    1. 10月2日 よみうり寸評
      2018年10月2日15時0分

       物理学者の湯川秀樹博士にとって研究生活は焦燥と隣り合わせだったらしい。日々の心境を映した歌が『自己発見』という随筆にある。〈今日もまた空むなしかりしと橋の上にきて立ちどまり落つる日を見る〉◆〈創造への飛躍〉がなかなかやってこない現状を乗り越えた力の源泉は何か。童心さながらの、〈未知の世界へのあこがれ〉だったと述懐している◆今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさんにも原動力がある。「知りたいという好奇心」に加え、がんによる大学の同級生の死が研究への背中を押したらしい◆がんの治療に「免疫療法」という道をひらいた功績が評価されての栄誉である。と言ってもわかりにくいが治療薬「オプジーボ」の名前ならご存じだろう。創薬の壁をも突破して、がんと闘う熱意をたたえたい◆自然科学で受賞が相次ぐ日本ながら、近年は基礎研究の停滞感が強いという。もっと好奇心を育み、創造への飛躍を支えたい。きょうも落日を見ている若き才能がきっといる。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181002-118-OYTPT50331

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    2. 『遠き落日』
      https://www.google.co.jp/search?q=%E9%81%A0%E3%81%8D%E8%90%BD%E6%97%A5

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    3. 10月3日 編集手帳
      2018年10月3日5時0分

       プルーストの小説『失われた時を求めて』の主人公は、<芸術的真理>の探究に強くひかれゆく。しかし疑念も訪れる。自分は真理探究といいながら、結局は何一つ学んでいないのではないかと◆難解な文学で恐縮だが、その人の研究者観を掘り下げるのに引くに値すると思った。<芸術的真理>を<科学的真理>と置きかえても構わないだろう。京都大特別教授、本庶佑ほんじょたすくさん(76)にノーベル生理学・医学賞が贈られることが決まった◆基礎研究は初めのうちどんな価値があるか分からない場合が多い。自身への疑念も忍び寄ったことだろう◆好奇心が大切だと学生に語っているという。「多くが見向きもしない石ころを10年、20年かけ磨きあげる」。がん免疫療法につながる細胞分子「PD―1」の発見は1992年――その価値があると知っているならまだしも、研究の道に入って実に二十数年の長きにわたり石ころを磨いたことになる。強い気持ちなしにできることではあるまい◆真理探究といえば重いが、好奇心なら親しみやすい。それなら僕にもある、私にもあると胸を膨らませる子がどこかにいるだろう。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYTPT50167

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  8. 【予想】ノーベル賞総合スレッドPart10【実況】

    761Nanashi_et_al.2018/10/01(月) 23:09:56.91>>767
    アリソンはCTLA-4を発見し、機能を解明し、ヤーボイを開発した
    本庶はPD-1を”みつけた”だけで機能解析を、少なくともがん分野ではほぼしていない。
    小野に薬剤開発を投げたが、開発ができずにイギリスのベンチャーで開発。
    最終的にはオプジーボはブリストルマイヤーズスクイブが買い取り、アリソンのいた
    スローンケタリングで開発。

    本庶はPD-L1という物質をみつけただけ。腫瘍免疫分野では仕事をしていない。
    その証拠に、京大はがんの研究拠点にもなっていないし、本庶の弟子もいない。
    日本の腫瘍免疫は京大発でもないし、いまの一線級の研究者はアリソンのいた
    施設で育成された。

    https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/rikei/1507543599/761-n

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    1. 【予想】ノーベル賞総合スレッドPart11【実況】

      5Nanashi_et_al.2018/10/01(月) 22:41:09.39>>6>>8>>25
      今回は同時受賞のAllison教授が本来単独でもらうべき
      CTLA-4を発見、機能も解明し、標的治療薬も独自で作成した。

      本庶氏は単なる免疫学者。主催している研究室で片手間に発見したPD-1がたまたま
      腫瘍免疫につながっただけで、10年近く機能を解明する気もなく、放置していた
      (少なくとも腫瘍免疫の分野での仕事ではなく、自己免疫のみ)
      オプジーボも小野に丸投げしたが、小野単独では作れず、イギリスのベンチャーが開発し、
      ブリストルマイヤーズスクイブが買い取り、開発はJames Allisionのいたスローンケタリング癌研究病院で
      開発。京都大学は全く開発にはかかわっていない。

      Allision教授の弟子が、多くの腫瘍免疫の分野で仕事をしたのに対し、京大は今なお、業績を出していない。
      日本の研究費を食いつぶす新たなシノギになるだけで、専門分野の人間は少なくとも本庶氏の業績を評価していないし、
      一度でも彼の考え方をきいたことの専門家は歓迎していないだろう。

      京大に研究費を引っ張ってくるだけで、まったくこの分野でのイノベーションや開発はされず、
      国民のためにはならないことを予言しておく。
      現に、10年も前から彼はPD-1を自分の発見として話しているが、全く話がちぐはぐで
      がんについては全く素人。新薬の開発など夢のまた夢。

      https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/rikei/1538112573/5-n

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    2. 捏造、不正論文、総合スレネオ47

      502匿名A ◆Zm8FyprZhE 2018/10/02(火) 00:02:24.09ID:Du2Hh3tDa>>504>>511
      2014年、小保方で世間が騒ぐ中、俺は独りで小保方終了後の大量投下を準備していた
      門脇孝、長田重一、下村伊一郎、永井良三、祖父江元、永井美之、成宮周、北村俊雄、徳永勝士、米原伸、中山敬一、遠山正彌などの大物だったはずの人が責任著者である論文のコピペが、単なるランダムサーチでどんどん見つかった
      これは、世の中の大物の論文を全部探せという神のお告げかもしれないと思った
      だから、本庶佑からは相当頑張ってコピペを探した
      しかし、本庶佑が責任著者の論文からは、どんなカス雑誌であってもコピペが一個も見つからなかった
      本庶佑は極めて例外的な存在だった

      コピペせずに旧帝医学部教授になれたら、ノーベル賞は楽勝ということなのかもしれない
      本庶佑の受賞を見て俺はそう思った

      https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1532266799/502-n

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    3. 捏造、不正論文、総合スレネオ47

      515 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/03(水) 01:26:57.41 ID:4xyGcpCha [2/2]
      一億円未満のお金を京大に寄付するなんて器の小さい発言をせずに、
      「AdipoRは捏造だ!」ぐらいの発言をしてほしかった。
      その方がよっぽど国民の利益になる。

      516 名前:名無しゲノムのクローンさん[sage] 投稿日:2018/10/03(水) 02:00:45.35 ID:2X52itck0
      >>515
      自殺しろ

      https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/life/1532266799/515-n

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    4. いろいろ面白い連中が涌いてでてくるところ(笑)。

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  9. 個々のユニットがいくら正しくても、都合のよいところだけを寄せ集め組み立てたとき、その全体がつねに正しいとは言えない。

    分業体制には、つねにその間違いがつきもの。

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    1. さもさもな作用機序をうたっているが、その実は、高度に狡猾な「プラシーボ」そのものだったりとか…

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  10. ノーベル賞 本庶さん「果実は後進に」…賞金 大学に寄付へ
    2018年10月3日5時0分

     今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさん(76)は2日、ノーベル賞の賞金やがん治療薬の特許使用料を研究者の後進育成に充てる考えを示した。大学の既存の基金や創設する基金を通じて寄付することなどを検討しているとみられる。

     本庶さんは2日、京大本部(京都市左京区)で妻の滋子さん(75)と記者会見し、その後、読売新聞のインタビューに応じた。

     本庶さんには、ノーベル賞の賞金として900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)が共同受賞者のジェームズ・アリソン米テキサス大教授(70)と等分して贈られる。その使い道を「大学に寄付しようかと考えている。どういう形で寄付するかは考えているところ」と説明した。

     がん治療薬「オプジーボ」で入る特許使用料についても「果実は、大学に返して後進を育てることに使いたい」と話し、オプジーボの製造販売元の小野薬品工業(大阪市)にも協力を求める考えだ。

     本庶さんは海外に比べ、日本では生命科学への支援が不十分と指摘し、「システマティックに長期的な展望でサポートし、若い研究者が人生をかけて良かったと思える国になることが重要」と強調した。

     研究生活を支えてきた滋子さんに対しては「(自分は)家庭のことにはあまりタッチせず、典型的な亭主関白として研究にまい進してきた」と感謝の意を示した。大学時代、理系だった滋子さんは「私は研究の大変さを知っていて、ずっと主人を支える側に回ってきた。アメリカ、京大、大阪大と研究の場を変え、ノーベル賞を受賞することになり、大変うれしい」と話した。

    「絶対薬に」信念の成果…研究者ら祝福
     ノーベル生理学・医学賞の受賞を決めた本庶さんに、親交のある研究者から祝福の声が上がった。

     2015年に生理学・医学賞を受賞した北里大特別栄誉教授の大村智さん(83)は「心待ちにしていた。自分のことのようだ」と喜んだ。30年以上前からのゴルフ仲間で、「本庶先生は打つ前に何度も素振りをするなど一つ一つの動きを確認する緻密ちみつなタイプ」と語る。

     受賞が決まってすぐに祝電を送ったといい、「また一緒にゴルフをしたい」と受賞者同士のプレーを楽しみにしていた。

     生理学・医学賞の有力候補とされる京都大教授の森和俊さん(60)は「研究費が足りなくてマウスを使った実験ができずに困っていた時に、本庶先生の助言で、国から大型の研究費をもらうことができた。恩人です」と振り返った。その上で受賞決定については「基礎研究から大きな医学的成果につなげた」とたたえた。

     長年共同研究を続け、本庶さんの苦労を知る京都大副学長の湊長博さん(67)は「論文だけで終わらない。がん免疫療法が全く信用されていない時、『絶対に薬にしてやる』と一人で製薬会社を駆け回り、臨床研究をお願いしていた。そこまでやるかと思ったが、それが今の成果につながった」と語った。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYTPT50129

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    1. 30年前からノーベル賞「本命中の本命」本庶氏
      2018年10月3日12時1分

       今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさん(76)は、30年ほど前からノーベル賞候補に名前が挙がる「本命中の本命」だった。今回は免疫を抑える分子を発見し、新たながん治療薬「オプジーボ」開発につなげたことが評価されたが、他にも若い頃から様々な画期的成果を上げてきた。

       本庶さんの最初の研究は、神経まひなどを引き起こすジフテリア菌が対象だった。神経などの働きを妨げる毒素の仕組みを1968年、世界で初めて解明。当時は京大の大学院生で、「ルーキーが初打席で場外ホームランを打った」と、所属する研究室が喜びに沸いた。

       その後、免疫を遺伝子レベルで解析するという新しい研究分野に挑んだ。米マサチューセッツ工科大教授の利根川進さんが76年、病原体に対抗する免疫成分(抗体)の遺伝子が自在に組み替わり、様々な種類の病原体に対応していることを明らかにすると、東京大医学部助手になっていた本庶さんも2年後に、病原体にあわせて抗体の性質が5種類に変化する「クラススイッチ」という現象の基本原理を解明した。

       この業績が評価され、79年には37歳の若さで大阪大医学部教授に就任。利根川さんが87年にノーベル生理学・医学賞を受賞した際には、免疫学者らの間で「本庶さんが一緒に受賞してもおかしくなかった」との声も上がった。

       今回の授賞理由となった免疫を抑制する分子「PD―1」のほか、突然変異やクラススイッチの鍵になる遺伝子「AID」など、その後も免疫分野で多岐にわたる重要な成果を発表。毎年のようにノーベル賞候補として取りざたされていた。

       本庶さんのもとで研究した審良あきら静男・阪大免疫学フロンティア研究センター拠点長(65)は、「研究のセンスと嗅覚、運の全てを持ち合わせ、オリジナルの研究を追究する本物の天才肌。初めて研究室に入った時は輝いて見えた」と振り返り、「クラススイッチを含め、いつノーベル賞を受賞しても不思議でなかった」とたたえた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYT1T50058

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  11. ノーベル賞 本庶さん 若い研究者支援で賞金寄付の意向
    2018年10月3日 4時35分

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんは、ノーベル賞の賞金を大学に寄付するなどして若い研究者の支援に役立てたいとする意向を示していることがわかりました。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは免疫の力でがんを治療する新たな薬の開発をしたとしてことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれました。

    本庶さんは2日の会見で「この成果を大学に還元して後進を育成することに使ってほしい」と述べ、生命科学分野の若い研究者を支援したいという気持ちを語っていました。

    京都大学の関係者によりますと、本庶さんはノーベル賞の賞金を大学側に寄付する意向を示しているということです。

    そして、京都大学に新たな基金を設立するなどして若い研究者の支援の方法を検討していくとしています。

    若手研究者の支援をめぐってはおととしノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんもノーベル賞の賞金を寄付するなどして若手の研究者らを支援する財団を設立しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181003/k10011656061000.html

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    1. 開発進むがん治療薬 ノーベル賞 本庶さんの研究きっかけに
      2018年10月3日 16時27分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学特別教授の本庶佑さんの研究などをきっかけに、がんの免疫療法に使う薬は、効果が確認されたものが次々と開発され、医療の現場で使われています。

      免疫の細胞にある「ブレーキ」を妨げることで、再びがんを攻撃することができるようにする薬は、本庶さんの研究を基に生まれたオプジーボのほか、一緒に受賞が決まったアメリカの研究者の発見を基に生まれた薬など、現在は6種類が承認されて治療に使われています。

      オプジーボは、肺がんや胃がん、それに皮膚がんなど7つのがんの一部で、手術による治療が難しい場合などに使われています。

      患者には、1時間以上かけて静脈に点滴で投与し、主に2週間ほどの間隔を空けながら使います。

      国立がん研究センター中央病院でも、重要な治療法の一つになっていて、治療の効果を確認するCT画像の中には、肺がんで転移もあるステージ4の患者が、15回の投与を受け、腫瘍が見えないくらい小さくなったことを示すものもあります。

      また、より多くの種類のがんに対して使えるようにするため、臨床試験が行われているほか、従来の抗がん剤と組み合わせて投与することで、より効果的な使い方がないかを探る研究なども行われているということです。

      一方、この治療では、抗がん剤などに比べて副作用が少ないと言われていますが、過剰な免疫反応を引き起こし、呼吸困難を伴う肺炎の一種になったり、肝臓の機能障害を起こしたりするなど、1割ほどの患者に重い副作用が表れるとされています。

      国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎副院長は「これまでの治療法では治せないとされた患者にとって、光明が見えてきたと言える。副作用の管理などは必要だが、将来的には進行がんが薬で治る時代が来る可能性があると感じている」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181003/k10011656731000.html

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  12. 見つけただけではダメ、それに意味づけする創造力が必要だということを、このたびのノベル賞で痛感…

    「PD-1」という的外れな名前がそれをよくあらわしている。

    いやたぶん、当初の名前の意味のほうが現象としては正しくて、そのあとのストーリーはほぼすべて創作物語なのかもしれぬ…

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    1. じつは発見した現場の張本人がいちばんの真相を知っているのかもしれないのだが…

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  13. この世はとかくウソをつきつづけた者のほうが安定したポストを渡り歩くことができる、そういう体制がエスタブリッシュメントそのもの。

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  14. 文春オンライン
    ノーベル賞受賞・本庶さんが語った「抗がん剤が効かない理由」 - 2018/10/3
    http://bunshun.jp/articles/-/9181

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    1. ノーベル賞受賞・本庶さんが語った「抗がん剤が効かない理由」
      緑 慎也

      ――本庶先生、しばらく趣味のゴルフはできないかもしれないな。昨日の記者会見を見ながら、私はそんなことを考えていた。

       2年前、立花隆氏に同行して、京都大学に本庶佑氏を訪ねた。月刊「文藝春秋」に掲載する、立花氏と本庶氏の対談をまとめるためである。

       このとき本庶氏は、

      「大村(智)先生(2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞)とはゴルフ仲間でね。今年(2016年)の正月も一緒に行ったんだけれども、筋力が落ちて全然ダメだとこぼしていらっしゃいましたよ。聞けば、去年のノーベル賞騒ぎで全然ゴルフができなかったらしい」

        と語っていた。めぐりめぐって今度は本庶氏がノーベル賞騒ぎに巻きこまれつつあるわけである。

      これ以上の幸せはない

       昨日の会見で本庶氏は、記者からノーベル賞の受賞は待ちに待ったものなのかと問われ、それを否定した上で、次のように答えている。

      「僕はゴルフが好きなので、ゴルフ場にしょっちゅう行きますが、ゴルフ場に来ている、顔は知っているけど、あまり知らない人が、ある日、突然やって来て、『あんたの薬のおかげで、自分は肺がんで、これが最後のラウンドだと思っていたのがよくなって、またゴルフできるんや』って、そういう話をされると、これ以上の幸せはない。つまり、それはもう自分の人生として、生きてきてやってきて、自分の生きた存在として、これほどうれしいことはない。僕は正直いって、なんの賞をもらうよりも、それで十分だと思っています」

       ここに本庶氏の人となりがあらわれているように思える。

      免疫の「ブレーキ」の働きをする分子を発見

       今回、本庶氏のノーベル賞の対象となった研究成果は、新たながん治療薬(商品名オプジーボ)の開発につながったPD-1の発見である。

       PD-1は、いわばブレーキの働きをする分子である。T細胞と呼ばれる免疫系の細胞は、ウイルスや細菌など体内に侵入してきた外敵(抗原)を攻撃する。しかし適度なところで攻撃をストップしないと、自分自身の細胞を傷つけることになる。それを防ぐための巧妙な仕掛けがPD-1なのだ。

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    2. 本来の免疫機能が、がんを攻撃してくれる

       本来なら、免疫系はがんを外敵としてきちんと識別し、攻撃する能力を十分備えている。それにもかかわらず、がんが生き残るのは、免疫系の攻撃を巧みにかわす仕掛けを持っているからである。がんはPD-L1なる分子を放出してブレーキを踏み、免疫系の攻撃をストップさせるのだ。

       しかしもしあらかじめPD-1の働きを止め、ブレーキを踏めないようにしておけば、免疫系はその働きを無効化されることなく、がんを攻撃してくれるはずである。こうした発想に基づく薬が、免疫チェックポイント阻害剤(図では「ニボルマブ」)である。

      抗がん剤が効かない理由

       その成功は、従来の抗がん剤がなぜ効かなかったのかも明らかにしている。

      「抗がん剤を投与すると言っても、がん細胞を一気にすべて殺すほどの量を入れたら、その患者の生命維持にとって重要な細胞までやられてしまいます。だから、ほどほどに入れざるをえない。すると、ちょっと生き残ったがん細胞の中から抗がん剤に耐性を持つものが、ある頻度で出てくるわけです」(文藝春秋2016年5月号)「がんを消す免疫薬の真実」)

       抗がん剤はたしかにがん細胞の数を減らす。しかしわずかに生き残ったがん細胞が再び免疫系の攻撃のブレーキを踏み、数を増やすのである。

       もちろん免疫系の働きは人それぞれなので、そのブレーキを解除しても、十分にがんを攻撃できない場合もある(実際、免疫チェックポイント阻害剤が効かない人もいる)。したがって従来タイプの抗がん剤にも活躍の余地はあるだろう。

       いずれにしてもオプジーボなど免疫チェックポイント阻害剤が、がん治療に革命を引き起こしたのは周知の通りで、本庶氏のノーベル賞受賞は当然である。

       しかし、本庶氏からゴルフの時間が奪われないことを願いたい。何しろ、自分の研究成果によって人々が救われ、ゴルフ場で感謝の言葉をかけられることのほうが、科学者最高の名誉であるノーベル賞の受賞よりも嬉しいとおっしゃっているのだから。
      http://bunshun.jp/articles/-/9181?page=2

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  15. ノーベル賞受賞・本庶佑教授が語った オプジーボと従来の抗がん剤の「決定的違い」
    「当時は免疫療法が効くなんて信じる人はほとんどいませんでした」
    「文藝春秋」編集部 2018/10/02
    source : 文藝春秋 2016年5月号

    10月1日、京都大学・本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞が決まった。本庶氏の研究を基にして作られた免疫薬「ニボルマブ」(商品名:オプジーボ)は、従来の抗がん剤との比較実験で圧勝。従来の抗がん剤と何が違うのか。評論家の立花隆氏が、本庶氏の「画期的研究」に迫った対談の抄録を特別公開する。(出典:文藝春秋2016年5月号)

    抗がん剤との比較実験で圧勝
    立花 免疫療法と聞くと、僕はあまりいい印象を持っていないんです。免疫系が病原菌をやっつけるように、何らかの手段で免疫力をパワーアップして、がんを攻撃できるようにするという発想はアイデアとして悪くない。ヒトが本来持っている免疫系を使うわけだから、がんの三大療法である外科手術、抗がん剤治療、放射線治療より体に負担が小さいはずだという推測も納得がいく。

     しかし、これまでさまざまな免疫療法が華々しく登場しては、期待されたほどの効果を上げずにきました。そんな例をイヤというほど見てきたから、「今度こそ本当に効く」と言われても、今度もダメだろう、と思ってしまうんです。

    本庶 ニボルマブ(商品名オプジーボ)が登場するまでは世界中のほとんどのがんの専門家が、免疫療法でがんが治るとは考えていませんでした。実際、これまでの免疫療法はほぼ失敗しています。立花さんのように「本当かな」と思われるのも当然ですね。

    立花 本庶さんの研究チームが発見したPD-1は、免疫細胞の表面にあって免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持つ分子です。免疫は暴走して自分の臓器や神経を攻撃しはじめることもありますが、そうならないようにブレーキ機能がついているわけですね。

    本庶 そうです。私たちの研究では、がん細胞は免疫細胞からの攻撃にさらされると、このブレーキを踏む分子(PD-L1)を出したり、他の未知の仕組みで免疫細胞の攻撃をストップさせることがわかりました。がん細胞が免疫細胞による攻撃をはねのけ、際限なく増殖を続けることができるのは免疫細胞の監視を逃れる仕組みを持っているからなんですね。

     これを応用して、もし免疫細胞にブレーキがかからないようにすれば、がん細胞に対する攻撃はもっと続くのではないかと考えました。ニボルマブという新薬は、がん細胞が免疫のブレーキを踏めないようにブロックします。免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる新しいタイプの薬です。

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    1. 末期のがんが小さくなった

      立花 今、世界中の医療関係者、がん患者の間で話題になっているようですね。新しい免疫療法として絶大な期待を寄せられていますが、正直なところ、僕はまだ、免疫なんかで本当にがんをやっつけられるのかな、と思っているんです。効果を裏づけるしっかりしたデータはあるんですか?

      本庶 いちばんはっきりした効果がわかる臨床試験のデータは、2014年11月にアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に発表されたものです。この臨床試験では、悪性の皮膚がんであるメラノーマの患者418人を2つのグループに分け、一方(210人)にニボルマブ、もう一方(208人)には、当時メラノーマにいちばん効くと言われていた抗がん剤のダカルバジンが与えられました。いずれの患者も、他の処置を受けた経験はなく、医師にメラノーマと診断されたばかりの人が選ばれています。どちらの薬を投与されるかは、患者にも、医師にも知らされませんでした。

      立花 ランダム化比較試験ですね。臨床試験ではいちばん信頼性が高いとされる方法です。

      本庶 プラセボ効果といって、何かいい薬をもらっていると思うだけで元気になる効果が知られています。そういう心理的作用を防ぐために、新薬の臨床試験では、この手法が広く利用されているのです。先ほどの結果ですが、臨床試験開始後、1年後まで生きていたのは、ニボルマブを投与された患者で70%、抗がん剤では40%以下でした。ニボルマブ投与では1年4カ月後でも生存率はほぼ横ばいの70%。それに対して抗がん剤を投与された患者の生存率は20%を切ってしまった。

      立花 いちばん効くと言われた抗がん剤にも大きな差をつけた。

      本庶 そうです。あまりにはっきり差がついたので、臨床試験を続けるのは非人道的だからやめろ、と第三者委員会が途中でストップさせたくらいでした。これ以上続けても学術的な意義はあるかもしれないけれども、ニボルマブのほうが有効だとわかったのだから倫理的に問題だと判断されたのです。その後、それまで抗がん剤を投与されていた患者にもニボルマブが処方されました。

      立花 どう感じましたか、その劇的な展開を聞いたときは?

      本庶 それほど驚きませんでした。私がこの薬の効果を確信したのはもっと前です。2006年からアメリカで臨床試験がはじまり、効いているらしいという噂を耳にしていたのですが、その結果は2012年6月に「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」で発表されていました。報告された症例には、治療を止めた後2年以上がんが大きくなっていないものが多数含まれていたのです。これに世界中の医療従事者たちがびっくり仰天した。

      立花 なぜですか。

      本庶 当時は免疫療法が効くなんて信じる人はほとんどいませんでしたから。しかも試験に参加したのは、従来の治療法ではもう手の施しようがないと言われた末期がんの患者さんたちでした。にもかかわらず、2年以上がんの大きさが変わらない人も、小さくなる人もいた。これだけ効果が長続きすることも、従来の抗がん剤ではなかったことでした。

       それで「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2012年6月2日付)は一面で「人類とがんの長い戦いに終止符を打つ期待の最新研究が始まった」と報じました。ヨーロッパのマスコミも大騒ぎした。全然話題にしなかったのは、日本のマスコミだけでしたね。
      http://bunshun.jp/articles/-/9169?page=2

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    2. 効果が長く続く

      立花 日本では、2014年7月に厚労省からメラノーマに対する治療薬としてニボルマブが薬事承認を受け、その年9月に「オプジーボ」として発売されますね。話題になりはじめたのはこのあたりでしょう。昨年12月に、肺がん(非小細胞肺がん)に適応拡大される前後から一気に注目度が上がりました。

      本庶 今は、腎がんとホジキンリンパ腫(血液のがん)の申請も済んでいます。毎年2つ、3つ、どんどん承認が進んでいくと思いますね。アメリカのNIH(国立衛生研究所)のHPを見るとわかりますが、現在様々ながんを対象に、ニボルマブの臨床試験が200種進められています。すべてのがんに同じように有効かはまだ分かりませんが、胃がんも、頭頸部がんも、膠芽腫(こうがしゅ/脳腫瘍の中で最も悪性度の高いもの)も、卵巣がんも入っています。いろいろな種類のがんに効く可能性があるという点は、これまでの抗がん剤とちがうところなんですよ。

       卵巣がんについては、京大の婦人科でも小規模な臨床試験を行いました。この時は18人に行って、3人は非常によく効いた。腫瘍がずっと小さくなって全然再発しない。いちばんよく効いた60代の女性は、京大病院で余命3カ月と言われていましたが、治療をはじめて4カ月で完全にがんが消えた。今ではゴルフまでして元気そのものです。効く人には非常によく効くのです。

      立花 逆に言うと効かない人には効かない?

      本庶 そうです。さきほどの2014年の論文を見ても、70%の人は1年を超えても生き続けたけれど、30%の人は1年以内に亡くなっているわけですから。

      立花 ただ、効く人には長く効くわけですね。

      本庶 そこがこれまでの抗がん剤とは違う、もう一つの特長です。これまでの抗がん剤だと、時間の経過とともにどうしても生存率は落ちていって最後はゼロに近づいていきます。患者さんの視点から重要なのは、この生存率(「治療後、何年生きているか」)のはずです。

       ところがこれまでの抗がん剤は、腫瘍が小さくなることを「効いた」としていた。一時的にがんが小さくなっても、がんが治ったとは言えない。再発したり、最初に発生した場所とは別の臓器に転移したりして亡くなってしまったら同じことです。ニボルマブによる治療は、効果が長続きする。これが従来の抗がん剤とはまったくちがうところなのです。

      (構成:緑慎也)
      http://bunshun.jp/articles/-/9169?page=3

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  16. ノーベル化学賞 米英の研究者3人に 進化分子工学を評価
    2018年10月3日 18時51分

    ことしのノーベル化学賞の受賞者に、自然界で起きる進化の仕組みを活用して、バイオ燃料や関節リウマチなどの薬をつくる技術につながる研究を行った、アメリカカリフォルニア工科大学のフランシス・アーノルド博士など3人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにある王立科学アカデミーは3日、記者会見し、ことしのノーベル化学賞に、アメリカのカリフォルニア工科大学のフランシス・アーノルド博士、ミズーリ大学のジョージ・スミス博士、それにイギリスのMRC分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター所長の3人を選んだと発表しました。

    このうち、アーノルド博士は、自然界で通常起きる突然変異を起こしたたんぱく質の中から、狙ったものを効率よく選び出す技術を確立しました。

    この技術によって、環境にできるだけ負担をかけない洗剤や、石油や石炭などの化石燃料に代わるバイオ燃料を大量に作り出すことができるようになったということです。

    また、スミス博士は、細菌に感染する「ファージ」と呼ばれるウイルスを使って、狙ったたんぱく質を効率よく選別する「ファージディスプレイ」という技術を開発し、ウィンター所長はこの技術で、体の抵抗力のもとになる抗体と呼ばれるたんぱく質を作り出すことに成功しました。

    このたんぱく質は、転移性のがんやリウマチ、それに炎症性の胃腸炎などの薬の開発につながりました。

    こうした自然界の進化の仕組みを生かした技術は「進化分子工学」と呼ばれ、スウェーデン王立科学アカデミーは「それまで自然に委ねられていた進化や選択のスピードを飛躍的に高め、人類に大きな恩恵をもたらした」と評価しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181003/k10011657111000.html

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    1. ノーベル化学賞、米英3氏に…日本人の受賞なし
      2018年10月3日18時53分

       スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2018年のノーベル化学賞を、米英の3氏に贈ると発表した。日本人の受賞はなかった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYT1T50089

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    2. ノーベル化学賞、米英3氏に…たんぱく質を改変
      2018年10月3日20時55分

       スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2018年のノーベル化学賞を、たんぱく質を人工的に改変する技術などを開発した米カリフォルニア工科大のフランシス・アーノルド博士、米ミズーリ大学のジョージ・スミス博士、英MRC(医学研究会議)分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター博士の3氏に授与すると発表した。

       アーノルド氏は、自然の進化をまねて、たんぱく質の一種である酵素を人工的に改良することに成功。これを用いて、環境負荷が小さいバイオ燃料や医薬品を生産する技術を開発した。

       スミス氏は、大腸菌などの細菌に感染するウイルス「バクテリオファージ」を用いて、新しいたんぱく質を作る「ファージディスプレー法」を開発。ウィンター氏は、この手法を使って、がんや関節リウマチなどの新薬に使われている「モノクローナル抗体」を効率よく作製する技術の基礎を築いた。

       賞金の900万スウェーデン・クローナ(約1億1400万円)は、アーノルド氏に半分、残る2人に4分の1ずつ贈られる。授賞式は、アルフレッド・ノーベルの命日に当たる12月10日、ストックホルムで開かれる。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYT1T50089

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  17. レーザー新発明 物理学賞…「光ピンセット」「レーシック活用」
    2018年10月3日5時0分

     スウェーデン王立科学アカデミーは2日、2018年のノーベル物理学賞を、レーザー物理学の分野で画期的な発明をした米、仏、カナダの研究者3人に贈ると発表した。

     受賞するのは、米ベル研究所のアーサー・アシュキン博士、仏エコール・ポリテクニーク(理工科学校)のジェラール・ムル博士、カナダ・ウォータールー大学のドナ・ストリックランド博士の3人。

     アシュキン氏は、レーザー光を使って、ウイルスなどの微小な物体をとらえて動かす「光ピンセット」を発明。1987年に、生きた細菌を傷つけずにとらえることに成功した。光ピンセットは、生物学の研究で欠かせない技術となっている。

     ムル氏とストリックランド氏は80年代に、高強度のレーザーパルスを生み出す方法を開発。この技術により、レーザー光でより細かく切ったり小さな穴を開けたりすることが可能となり、目の矯正手術(レーシック)などにも利用されている。

     賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)は、アシュキン氏に半分、残り2氏に4分の1ずつ贈られる。授賞式は、アルフレッド・ノーベルの命日に当たる12月10日、ストックホルムで開かれる。

    女性受賞3人目
     受賞が決まったアシュキン氏は96歳で、1901年に授与が始まったノーベル賞史上、最高齢での受賞となる。これまでは、2007年に90歳で経済学賞を受賞したレオニード・ハービッツ氏が最高齢だった。

     また、物理学賞を女性研究者が受賞するのは、ストリックランド氏で3人目。放射線に関する研究で1903年に受賞したマリー・キュリー氏、原子核の構造に関する発見をした63年のマリア・ゲッパートメイヤー氏に続く快挙となる。ストリックランド氏はスウェーデン王立科学アカデミーの記者会見中に、電話で「そのような女性の一員になれて光栄だ」と話した。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181003-118-OYTPT50125

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  18. 「免疫チェックポイント阻害薬」
    https://twitter.com/search?q=%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E9%98%BB%E5%AE%B3%E8%96%AC&src=typd

    https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?p=%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E9%98%BB%E5%AE%B3%E8%96%AC

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    1. 抗ヘルペスウイルス薬…

      「アシクロビル エリオン ヒッチングス」
      https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%AB+%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3+%E3%83%92%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9

      >1988年「薬物療法における重要な原理の発見」

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  19. ノーベル賞 女性は「評価低い」「選ばれにくい」指摘
    2018年10月4日 15時19分

    ことしのノーベル物理学賞と化学賞の受賞者に2人の女性研究者が選ばれたことについて、海外メディアは「歴史的だ」として大きく報じる一方、女性研究者は低い評価を受けがちだとして、選考のしかたや研究を続ける環境面などで改善が必要だと指摘しています。

    ことしのノーベル賞では、物理学賞にカナダのドナ・ストリックランド博士、化学賞にアメリカのフランシス・アーノルド博士の、2人の女性研究者がほかの研究者とともに選ばれました。

    物理学賞に女性が選ばれるのは55年ぶり史上3人目で、化学賞は史上5人目です。

    また、物理学賞と化学賞で女性が同じ年に受賞するのは初めてで、アメリカのABCテレビなどは歴史的なことだと報じています。

    一方、フランスのAFP通信は、ノーベル賞の自然科学系の3つの賞では、600人以上の受賞者のうち女性は今回を含め19人しかおらず、女性研究者は長年にわたって低い評価を受けがちだとして、研究を続ける環境や待遇面などで改善が必要だと指摘しています。

    AP通信は、ノーベル賞にふさわしい人物を世界中の研究者が推薦する段階で、女性が選ばれにくい傾向があるとしています。

    これについて、スウェーデン王立科学アカデミーはAP通信に対し、来年の受賞者の選考に向けて、女性やさまざまな国籍の人たちを見過ごさないよう世界中の推薦人に呼びかけていると説明しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181004/k10011658061000.html

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  20. ノーベル賞「オプジーボ使いたい」病院に問い合わせ殺到
    2018年10月4日 18時14分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれたあと、病院のがん相談窓口などには受賞理由となったがんの治療薬を使いたいという問い合わせが多くなっていて、スタッフは、保険診療となるのは胃がんや肺がんなど特定のがんのうち一定の条件の患者に限られることなどを説明しています。

    全国にあるがんの拠点病院には、患者や家族から治療などの相談に応じる窓口が設けられています。

    このうち東京 中央区の国立がん研究センター中央病院の相談窓口では、ノーベル医学・生理学賞の発表があった今月1日以降、寄せられる相談の8割以上が本庶さんの受賞理由となったがんの治療薬、オプジーボに関するものだということです。

    多くは、がん患者が「自分もオプジーボを使いたいがどうすればよいか」というもので、スタッフはがんの状態などを聞き取りながら「オプジーボの投与で保険診療となるのは、皮膚がんのうちの悪性黒色腫のほか、胃がんや肺がんの一種など特定のがんで、手術ができなかったり、再発や転移したりした患者などに限られる」と説明していました。

    医療機関の中には、有効性が科学的に証明されていない免疫療法を行っているところもあり、相談窓口では、手術や抗がん剤など標準的な治療の選択肢がなくなり、自由診療の免疫療法を検討するときは、公的制度に基づく臨床試験などを熟知したがん拠点病院の医師にセカンドオピニオンを求めるよう呼びかけています。

    国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長は「オプジーボにも副作用のおそれはあるほか、効果が出るのは投与した患者の2割から3割で、誰にでも効果があるものではない。治療法の選択は信頼できるがんの専門医とよく相談することが重要だ」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181004/k10011658361000.html

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    1. 【ノーベル賞】「自分もオプジーボ使いたい」病院に問い合わせ殺到 ※保険診療となるのは胃がんや肺がんの特定のがん(条件あり)
      https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1538645756/

      「本庶佑」のニュース
      https://www.2nn.jp/word/%E6%9C%AC%E5%BA%B6%E4%BD%91

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  21. オプジーボ中止後も影響継続か
    大阪大、副作用対処に
    2018/10/4 22:00
    ©一般社団法人共同通信社

     免疫の働きを利用したがん治療薬「ニボルマブ」(商品名オプジーボ)は、投与中止後も4カ月以上、影響が継続する可能性があると、大阪大の小山正平助教(呼吸器内科学)らのチームが4日、海外の科学誌電子版に発表した。投与をやめても副作用が続く恐れがあり、対処法や抗がん剤との併用効果を検討する上で役立つ成果という。

     オプジーボは、ノーベル医学生理学賞の本庶佑京都大特別教授の研究成果を基に実用化された。

     阪大のチームは、効果がなかったり副作用が出るなどしてオプジーボ投与を中止した非小細胞肺がん患者8人の血液を分析装置で調べ、オプジーボとPD1との結合状態を解析した。
    https://this.kiji.is/420566351491056737

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    1. がんの薬 オプジーボ 5か月以上作用継続 副作用も続くおそれ
      2018年10月5日 15時25分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた、京都大学特別教授の本庶佑さんの研究をもとに開発されたがんの治療薬、「オプジーボ」について、投与すると5か月以上作用が継続することが大阪大学などの研究でわかり、使用方法の改良などにつなげたいとしています。

      オプジーボは、ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんの研究を基に開発された新たながんの薬で、保険診療の対象となるがんが急速に増えています。

      大阪大学大学院医学系研究科の小山正平特任助教らのグループは、副作用などのためオプジーボの使用を途中でやめた患者8人の血液を分析して効果などを詳細に解析しました。

      その結果、投与されたオプジーボは5か月以上免疫細胞に結合し、その間、免疫細胞を活性化する作用が継続していたということです。

      グループによりますと、効果が長く期待できる一方で副作用が起きた場合には投与を中止しても症状が継続するおそれがあり、さらに詳しく分析してオプジーボの使用方法の改良などにつなげたいとしています。

      小山特任助教は「オプジーボの体内での動きを詳しく知ることで、より効果を高めたり副作用を減らしたりする第一歩になる」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181005/k10011659681000.html

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    2. どこの資金提供でなされた研究成果なのかな?

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    3. お話つくってなきゃいいけどなあ…

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  22. ノーベル平和賞 人権活動家のムクウェゲ氏とムラド氏
    2018年10月5日 19時17分

    ことしのノーベル平和賞に戦争や紛争での女性に対する性的暴力の根絶に力を尽くしたとして、アフリカ中部のコンゴ民主共和国の医師と、イラク出身でみずからも被害者である女性の人権活動家の2人が選ばれました。

    ことしのノーベル平和賞に選ばれたのは

    ▽アフリカ中部のコンゴ民主共和国で、性的暴力を受けた女性の治療などを続けてきた医師のデニ・ムクウェゲ氏、
    ▽イラクの少数派のヤジディ教徒で、みずから過激派組織IS=イスラミックステートによる性的暴力の被害にあいながらも、その実態を訴えてきた女性人権活動家のナディア・ムラド氏の2人です。

    2人の授賞理由について、ノルウェーのオスロにある選考委員会のベリト・レイス・アンデシェン委員長は「戦争や武力紛争での女性に対する性的暴力を根絶するために力を尽くした」と述べ、功績をたたえました。

    ムクウェゲ氏はフランスで医学を学んだあとコンゴ民主共和国の紛争地帯に病院を設立し、混乱の中で性的な暴力を受けた多くの女性の治療や心のケアに取り組みました。

    ムラド氏は過激派組織ISに母親や兄弟を殺害されみずからも暴行を受けましたが、その後、ISから逃れ、精神的な治療を受けるかたわら、世界各地を回ってISによる性的暴力の実態を訴えてきました。

    ことしは国連の安全保障理事会で、戦争や武力紛争における性的暴力が戦争犯罪であり、平和と安全を脅かすとした決議が採択されてから10年目に当たります。

    選考委員会は、この決議の意義を強調したうえで、今も世界各地の紛争地でこうした被害が続いていると指摘し、戦時下で女性の基本的な権利と安全が守られなければ、より平和な世界は実現できないと警鐘を鳴らしています。

    ムクウェゲ氏知る日本の研究者「賞以上の価値ある」

    コンゴ民主共和国に国連職員として駐在した経験があり、おととしムクウェゲ氏を日本に招いた立教大学特定課題研究員の米川正子さんは「ムクウェゲ氏は危険を負いながら闘ってきたので、ノーベル平和賞以上の価値があると思っています。これから先、コンゴ民主共和国の紛争や世界の性暴力の問題に注目が集まると期待したい」と話していました。

    一方で、ムクウェゲ氏はコンゴ民主共和国の政府から脅迫を受けていると指摘し、「今回の授賞で、コンゴ東部での戦闘が激しくなったりムクウェゲ氏や彼の病院に対する脅迫がさらに激しくなるおそれもある。国際社会はコンゴのこうした実情やムクウェゲ氏の身の安全について注目するべきだ」と話していました。

    コンゴ民主共和国の性的暴力

    ダイヤモンドをはじめ世界有数の鉱物資源の宝庫であるコンゴ民主共和国では長年、その利権をめぐって政府軍と複数の武装グループの間で内戦や戦闘が続いてきました。

    このうち1998年から5年間続いた内戦ではルワンダやウガンダなど周辺の5か国が介入し、「アフリカ大戦」とも呼ばれ、第2次世界大戦以降単独の紛争としては最も多い400万人近くが犠牲になったと言われています。

    現在も東部を中心に戦闘が続いていて、国連は世界最大規模のPKO=平和維持活動の部隊を派遣して対応にあたっています。

    こうした内戦や戦闘では民間人も標的にした残虐な行為が繰り広げられ、中でも敵対する勢力に対して力を誇示するため女性への性的な暴力も横行しました。

    こうしたことから「性的な暴力があたかも戦争の武器になっている」と指摘されてきました。

    選考委員長「女性の苦しみを見つめ 声上げることが重要」

    ことしはセクハラや性暴力を告発する#MeTooが世界的な運動に広がったことから、報道陣が今回の選考理由との関連を尋ねると、選考委員会のレイス・アンデシェン委員長は「#Metoo運動と戦争犯罪の間には直接の関係はないものの、両者には共通点がある。女性に対する苦しみをしっかりと見つめ、女性が辱めを受けている事実を受け止め、声を上げていくことが重要だ」と述べました。

    また、2人にどのように授賞を伝えたのかと問われたのに対し、レイス・アンデシェン委員長は「2人に電話をかけたが、実はまだ連絡がとれていない。もしこの会見を見ているのなら心からおめでとうと言いたい」と話していました。

    ノーベル平和賞の選考と受賞者

    ノーベル平和賞はダイナマイトの発明で知られるスウェーデン人、アルフレッド・ノーベルの遺言によって今から100年以上前の1901年に授賞が始まったノーベル賞の部門の1つです。

    平和賞の選考はノルウェーの議会に任命された5人の委員で構成される委員会が行い、各国の国会議員や有識者、それに過去の平和賞の受賞者などからの推薦にもとづいて候補を選びます。

    ことしは合わせて331の個人や団体が候補に挙がっていますが、具体的な個人名や団体名は50年間、公開されないことになっています。

    最終的に受賞者が決まるのは発表直前の10月はじめで、全会一致が原則ですが、まれに多数決で決められることもあります。

    平和賞は、国際紛争の調停や軍縮、人道支援など世界平和の推進に大きく貢献した個人や団体に贈られ、去年は広島と長崎の被爆者と共に核兵器の廃絶を目指して活動し国連の「核兵器禁止条約」の採択に貢献した国際NGO「ICAN」=「核兵器廃絶国際キャンペーン」が選ばれました。

    過去には、2009年に「核兵器のない世界」の実現を呼びかけたアメリカの当時のオバマ大統領が受賞し、2000年にはいわゆる「太陽政策」を推進した韓国の当時のキム・デジュン(金大中)大統領が受賞しました。

    女性では、1991年にミャンマーの人権と民主化のために暴力によらない闘争を貫いた民主化運動のリーダーアウン・サン・スー・チー氏、2014年には子どもや女性が教育を受ける権利を訴えたパキスタンのマララ・ユスフザイさんが史上最年少の17歳で受賞しています。

    平和賞がノルウェーの理由

    ノーベル賞は、6つの賞のうち5つの選考はスウェーデンで行われますが、平和賞だけはノルウェーで行われます。

    生みの親であるアルフレッド・ノーベルは、選考方法についてノルウェーの議会が任命する5人の委員会で行うなど細かく指示していますが、なぜノルウェーなのかは遺言の中で触れておらず、さまざまな説が考えられています。

    このうち、選考委員会の事務局長を務めた研究者は、当時、ノルウェー議会が国際紛争を平和的に解決しようとしていたことをノーベルが認識していたためだとする説や、ノーベルが母国のスウェーデンよりもノルウェーのほうが平和的で、より民主主義的だと考えていたためだという説、それにノーベルが尊敬していた平和活動家でもある詩人がノルウェー出身だったためだという説などをあげています。

    日本被団協「受賞逃し残念 活動続ける」

    ノーベル平和賞の受賞を逃したことについて、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳代表委員は「被爆者の高齢化が進む中で、ことしも受賞できなかったのは残念だ」と述べたうえで「核兵器禁止条約はできたが、それだけで世界から核兵器を無くすことはできない。今後も核兵器廃絶に向けた活動を続けていきたい」と話していました。

    ICAN川崎氏も祝福

    去年、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO・ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、ムクウェゲ氏とムラド氏の受賞について、自身のブログに祝福の言葉を載せました。

    この中では「ノーベル委員会が戦争の中での暴力とその被害に着目し、人道と人権に焦点を当てている姿勢はすばらしい。2人は受賞によって活動を飛躍させることができるだろう」と記しています。

    そのうえで「これを機に戦争における性暴力を終わらせるための議論と行動が日本でも活発化してほしい」と記し、今後、戦時下の性暴力を止める活動で、2人と連携を図っていきたいとしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181005/k10011660041000.html

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  23. 本庶さん ノーベル賞後初の講演「不安和らげる医療も大切」
    2018年10月5日 18時48分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんが、受賞決定後初めてとなる講演を愛知県の大学で行い、医学を学ぶ学生たちに不安を和らげ人を幸せにする医療も大切だと語りました。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれたあと初めての講演を愛知県豊明市にある藤田保健衛生大学で行いました。

    会場には大学の関係者や医学部の学生など2000人が集まってほぼ満員となり、本庶さんが登場すると大きな拍手で迎えていました。

    講演では「驚異の免疫力」というテーマでノーベル賞の受賞理由になった免疫の力でがんを治療する薬などについて紹介し、「20世紀になって私たちは抗生物質やワクチンなどの発見で感染症を克服してきたが、今世紀は体が本来持っている免疫でがんをコントロールし、克服できる可能性が出てきたのではないかと思う」話しました。

    そして医学を学ぶ学生に対して「これまで私たちは、病気を治したいという願望に応えようとする『欲求充足型』の治療に努力してきたが、これからは不安を和らげる『不安除去型』の医療も人を幸福にするという意味で同じくらい重要だ」と語りました。

    3年生の男子学生は「私たちにどう生きてほしいのかを伝えている気がして感銘を受けました。『がんは治る病気になる』ということばが印象に残りました」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181005/k10011660141000.html

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    1. 本庶さん講演「異端者のように扱われてきた」
      2018年10月5日23時9分

       今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさん(76)が5日、愛知県豊明市の藤田保健衛生大で受賞決定後初めて講演し、医師を目指す学生らに「免疫療法が今後のがん治療の主流になる」と強調した。講演後の記者会見では、研究者を目指す学生を激励するメッセージを送った。

       「驚異の免疫力」と題した講演は受賞決定前から予定されており、同大の学生や教職員の医師ら約2000人が集まった。

       本庶さんは講演でこれまでの研究を振り返り、「今後、免疫療法は治療の第1の選択肢になると思う。免疫でがんを克服できる可能性も出てきたのではないか」と期待を込めた。

       記者会見でも「免疫からがんにアプローチをする人は極めてわずかで、異端者のように扱われてきた」とし、「がんの専門医でなかったことが幸いしたと思う」と語った。

       医学の道を目指す学生らに対しては「研究者は人の言うことを聞かなくても叱られない仕事。ぜひ研究を続けてほしい」と呼びかけ、自身の今後については「5年ないし10年は研究を続けたい」と意欲を見せた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181005-118-OYT1T50121

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  24. [とれんど]日本の科学力 売り込めた?…論説委員 井川陽次郎
    2018年10月6日15時0分

     自分が何かしたわけではないけれど、どこか誇らしい。 そんな楽しく賑にぎやかな週だった。

     まずは、京都大特別教授の本庶ほんじょ佑たすくさんにノーベル生理学・医学賞が贈られるというニュースだ。

     革新的ながん治療薬の創出に貢献した。顕著に効くという。世界のがん治療を大きく変えた。

     受賞の決定は、世界で報じられた。手ごわい病気との闘いで日本人の活躍が広く知れ渡った。

     次は宇宙だ。日本の探査機はやぶさ2が、小惑星リュウグウで世界初の成果を連発している。

     今週は、独仏が共同開発した着陸機マスコットを見事、小惑星に着地させた。表面のデコボコが鮮明に写る画像も送信してきた。

     海外では、「歴史的な偉業」などと大々的に報じられている。

     どちらも、精密かつ、巧妙な創意工夫のなせる技だ。

     本庶さんは、がん細胞などの表面で起きる免疫反応を詳しく分析した。それに基づき論理的に、病巣をたたく戦略を立てた。昔の薬は効果のありそうな物質を地道に試した。飛躍的な進歩である。

     はやぶさ2の技術もすごい。2010年に傷だらけで地球に帰還した初代はやぶさのトラブルを教訓に、エンジンの信頼性を向上させた。制御装置やアンテナも多重化して、今回、3億キロ先の小惑星に予定通り到着させた。

     日本の科学技術力は急速に低下中といわれる。人材もお金も足りない、と。懸念を吹き飛ばすような成果を、今後も出したい。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181006-118-OYTPT50237

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    1. そんなに無防備に手放しで喜べるようなものじゃないと思われ…

      鵜呑みしすぎなんだよ、メディアリテラシーがもっとも必要なヒトビトなのにもかかわらず。

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  25. [読書情報]
    2018年10月7日5時0分

     今年のノーベル生理学・医学賞に京都大特別教授の本庶佑ほんじょたすくさんの受賞が決まったことを受け、『特別対談 本庶佑×立花隆 がんを消す免疫薬の真実』が、電子書籍のオリジナルコンテンツとして文芸春秋から配信された。

     この対談は、2年前に月刊誌「文芸春秋」誌上で行われたもの。ノンフィクション作家の立花さんが聞き役となり、免疫の働きを抑える物質「PD―1」を偶然発見したことをきっかけに、がんに対して免疫が働くようにする治療薬「オプジーボ」の開発に至る道のりが、貴重なエピソードや製薬業界への直言を交えて披露されている。がんの最新治療を知るうえで価値のある内容だ。200円(税込み)。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181006-118-OYTPT50409

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  26. 首相、「技術革新振興へ努力」…国際会議で講演
    2018年10月7日21時52分

     安倍首相は7日、京都市内で開幕した科学技術に関する国際会議で講演し、「これからの3年間、イノベーション(技術革新)の振興に最大限努力する。今ある制度とイノベーションを促す制度の間にあるギャップを埋める」と述べ、規制改革を通じて技術革新を推進する考えを示した。

     これに先立ち、首相は今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授らとの朝食会に出席した。首相はその後、自身のツイッターに「(本庶氏に)直接、お祝いを申し上げることができた。今後の益々のご活躍を祈念している」と投稿した。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181007-118-OYT1T50072

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  27. 村上春樹さん、小説家は「元妻について書かぬ」
    2018年10月8日8時50分

     【ニューヨーク=橋本潤也】作家の村上春樹さん(69)が6日、長編小説「騎士団長殺し」の英語版が米国で9日発売されるのに先立ち、ニューヨークで行われたイベントに参加した。小説家として大事な点として、「払った税金の額を言わないことや、過去のガールフレンドや元妻について書かないこと、そしてノーベル文学賞について考えないこと」などとユーモアを交えて語った。

     イベントは米国の雑誌ニューヨーカーが企画し、同誌編集者との対談形式で進められた。村上さんは「騎士団長殺し」について、タイトルが先に決まったことを明かし、「登場人物を決めれば、彼らは自然と動く。それを見て、文章に書くだけ。簡単な作業だ」などと創作活動の舞台裏を語った。

     今年のノーベル文学賞は、選考団体のスキャンダルで発表が見送られた。同賞に代わり、1年限定の新たな文学賞が設けられ、村上さんは最終候補に残ったが、ノミネートを辞退している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181008-118-OYT1T50011

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  28. ノーベル経済学賞にアメリカの研究者2人
    2018年10月8日 18時56分

    ことしのノーベル経済学賞に、技術革新と気候変動が経済の成長に与える影響についての研究を切り開いたアメリカの研究者2人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の8日午後7時前、ことしのノーベル経済学賞を
    ▽アメリカのイェール大学の教授 ウィリアム・ノードハウス氏と、
    ▽アメリカのニューヨーク大学の教授 ポール・ローマー氏に贈ると発表しました。

    2人は、経済成長の理論に技術革新と気候変動の要素を組み込んだ研究が評価されました。

    ノードハウス氏は温暖化などが経済成長に及ぼす影響を数値を使って分析する新たなモデルを開発し、一時的には成長のブレーキになっても炭素税などを徴収して速やかに対策を取ったほうが結果的にメリットは大きくなることを理論的に明らかにしました。

    この研究は気候変動の対策を話し合う国際的な交渉や各国の政策に大きな影響を与えたと評価されています。

    ローマー氏は、経済成長に欠かせないのは労働力と資本だとする従来の理論に対し、研究開発などによる技術革新、いわゆるイノベーションや、アイデアが重要な役割を果たすという理論を提唱しました。

    ローマ-氏の理論は「内生的成長理論」と呼ばれ、各国の成長戦略に大きな影響を与えたとされています。

    ノーベル賞の選考委員会は授賞理由について「2人の研究成果はどうすれば長期的に安定した経済成長を持続できるか、最も基本的な考え方を示してくれた」としています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181008/k10011663641000.html

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    1. ノーベル賞 米の2教授 経済学賞…気候変動、技術革新の影響
      2018年10月9日15時0分

       【ロンドン=戸田雄】スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2018年のノーベル経済学賞を米エール大教授のウィリアム・ノードハウス氏(77)と米ニューヨーク大教授のポール・ローマー氏(62)に授与すると発表した。気候変動や技術革新が経済成長に与える影響についての研究を評価した。

       ノードハウス氏は、気候変動が経済に与える影響を数値を使って分析した。二酸化炭素など温室効果ガスを削減する効果的な対策として「炭素税」の導入を提唱し、各国が気候変動の対策を話し合う国際的な交渉にも影響を与えた。

       ローマー氏は、研究開発などによる技術革新やアイデアが経済を成長させるという理論を提唱した。「内生的成長理論」と呼ばれ、各国の成長戦略に影響を及ぼした。ローマー氏は2016年から18年まで世界銀行のチーフエコノミストを務めた。

       同アカデミーは2人の功績について、「どうすれば持続的な経済成長ができるか、最も基本的な考えを示してくれた」とたたえた。

       授賞式は12月10日にストックホルムで開く。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181009-118-OYTPT50074

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  29. 「モデル シミュレーション 仮想現実」
    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB+%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3+%E4%BB%AE%E6%83%B3%E7%8F%BE%E5%AE%9F

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    1. モデルは未来を予知予言するツールにはなりえないということを思い知ることはなかなかむずかしい、らしい…

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  30. 「研究費の増額を」 ノーベル賞の本庶氏が文科相に直訴
    2018年10月11日 12時29分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんが文部科学省を訪れ、柴山文部科学大臣に報告を行い、柴山大臣は、研究費の支援を充実させていく考えを示しました。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは、免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見するなど、がんの新たな治療薬の開発に貢献したとして、ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれました。

    本庶さんは11日午前、文部科学省を訪れ、柴山文部科学大臣に受賞が決まったことを報告し、自身が座右の銘としている「有志竟成(ゆうしきょうせい)」と書いた色紙を手渡しました。

    そして「基礎研究で非常に広い視点から研究するには、研究費が基本なので、今後とも少しずつでよいので増やして頂くことが非常に重要だと思っている。生命科学は非常に分かりづらいが、人間が考えていなかったことが出てくるので、引き続き支援をいただきたい」と述べました。

    これに対して、柴山大臣は「基礎研究から応用研究にどのようにつなげていくかというのも含めて、しっかりと支援をさせていただきたい」と述べ、研究費の支援を充実させていく考えを示しました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181011/k10011667291000.html

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    1. 本庶さん「生命科学に光を」…研究費増 文科相に要請
      2018年10月11日15時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)が11日、柴山文部科学相を表敬訪問した。本庶さんは「生命科学はテーマが広く、結果が出るまでに時間がかかる。こういう分野に光を当て、(基礎研究費を)少しずつでも増やしてほしい」と要請した。これに対し、柴山文科相は「基礎研究の金額などで支援させていただきたい」と応じた。

       本庶さんは、がんを攻撃する免疫細胞の働きを高める手法を開拓し、新たながん治療薬「オプジーボ」の開発に貢献したとして、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた。授賞式は12月10日にストックホルムで行われる。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181011-118-OYTPT50247

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  31. ノーベル賞受賞 本庶博士と小野薬品工業の“軋轢”
    「週刊文春」編集部
    source : 週刊文春 2018年10月18日号
    http://bunshun.jp/articles/-/9255

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    1. 「研究に全く貢献していない」ノーベル賞本庶博士と小野薬品の軋轢

      週刊文春 2018年10月18日号
      http://shukan.bunshun.jp/articles/-/10279

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    2. トンビに油揚げをさらわれた気分だろか…

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    3. 基礎的なアイデアを応用してそれを実用できる形にするのもずいぶんとカネと時間がかかるからなあ…

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  32. 文春オンライン
    ノーベル賞受賞で再注目「免疫療法」は「まゆつばもの」だらけだった - 2018/10/16
    http://bunshun.jp/articles/-/9337

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    1. ノーベル賞受賞で再注目「免疫療法」は「まゆつばもの」だらけだった
      鳥集 徹

       京都大学高等研究院の本庶佑特別教授がノーベル賞を獲ったことで、がんの「免疫療法」に注目が集まり、ネットでもものすごい数のニュースや解説記事が流されました。

      「まゆつばの免疫療法」にご用心

       その多くが、本庶教授の発見をもとに開発された免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ(一般名・ニボルマブ)」の仕組みを解説したり、効果を絶賛したりする内容でした。この薬によって、皮膚がんや肺がんをはじめ多くのがん患者の命が救われたのは確かです。

       ところが、しばらくすると今度は、「この薬が万人に効果があるわけではなく、命に関わる副作用もあるので、がん専門医のもとで適正に使用してほしい」と注意を促す記事を見るようになりました。

       さらに、がんの免疫療法といっても、「免疫チェックポイント阻害薬のように効果のあるものだけでなく、効果の定かでない『怪しい治療』もあるので注意してほしい」と警鐘を鳴らす記事も出るようになりました。

       なぜ、後になって過熱する患者の期待にブレーキをかけるような報道がされるようになったのでしょうか。それは免疫チェックポイント阻害薬が不適切に乱用されたり、「ほんものの免疫療法」と「まゆつばの免疫療法」が一緒くたにされたりしては大問題という、がん専門医の危機感があるからです。

       実際、免疫チェックポイント阻害薬が登場するまで、がん医療の現場では免疫療法は「まゆつばもの」と見られてきました。がん専門医の危機感を理解するには、その歴史を知る必要があるでしょう。

      当時の治験はいい加減だった

       実は、人間に備わった免疫の仕組みを利用して、がん細胞を叩こうとする発想は、かなり前からありました。古くは1970年代に登場したクレスチン、レンチナン、ピシバニールなど「免疫賦活剤」と呼ばれた薬です。クレスチンはサルノコシカケ科のカワラタケ、レンチナンはシイタケ、ピシバニールは溶連菌が原料でした。これらを投与すれば患者の免疫が活性化されて、がん細胞を叩くことができると考えられていたのです。

       しかし、がんの専門医によると、これらの薬が承認された当時の治験(国から医薬品の販売許可を得るために行われる臨床試験)は、データの取り方や解析の方法が非常にいい加減だったそうです。クレスチンに至っては、胃がんの術後に投与すると生存率が向上するという国内で行われた臨床試験のデータの扱いに誤りがあることがわかり、実際には生存率が向上しないことも明らかになりました。

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    2. 毎年百億単位の莫大な売上をもたらした

       にもかかわらず、これらの薬は医薬品売上ランキングの上位に入るほどがん患者にたくさん使われ、製薬会社に毎年何百億円という莫大な売上をもたらしたと言われています。クレスチンとレンチナンは有効性が定かでないことから次第に臨床現場で使われなくなり、結局、昨年から今年にかけて相次いで販売が中止となりました。ピシバニールも、がんの標準治療(世界中の臨床試験の結果に基づき、現時点で行える最も効果のある治療)には組み入れられていません。

      「がんが消えた! 治った!」

       ちなみに、クレスチンやレンチナンがそうであるように、キノコには免疫を活性化する作用があるとされています。そうした細胞や動物レベルでの実験データを元に、医薬品としてではなく健康食品として広まったのが、アガリクスやメシマコブなどでした。20年近く前、「がんが消えた! 治った!」「奇蹟のキノコ・アガリクス」といったタイトルの本の広告が連日のように新聞に載っていたのを覚えている人もいるのではないでしょうか。

       あれは実は「バイブル商法」と言って、本の形式を借りて健康食品を宣伝するための広告でした。「がんに効く」とされていても健康食品やサプリメントは医薬品ではないので、薬事法(現在の医薬品医療機器等法)に基づき、効能・効果の宣伝を禁じられています。しかし、バイブル商法では「本の宣伝」という抜け道を使って、堂々と新聞に広告を出していたのです。

      がん患者を食い物にする「がんビジネス」

       その本を買うと、アガリクスやメシマコブを飲んだおかげで「医師から見放されたがんが消失した」「末期がんから生還した」という体験談が何本も載っていました。そして、巻末やしおりに商品問い合わせの電話番号があり、そこに電話するとアガリクスやメシマコブが買えるという仕組みになっていました。

       しかし最終的には、これらの本を出していた出版社が薬事法で摘発され、体験談やがんに効くとされたデータもねつ造であることが発覚しました。やはり、がん患者を食い物にする「がんビジネス」だったのです。こうした広告は新聞に載らなくなりましたが、かたちを変え主戦場をインターネットに移し、販売が続けられています。

      有効性が認められなかった「がん免疫細胞療法」

       もう一つ、免疫でがんを叩こうという発想から生まれたのが「がん免疫細胞療法」です。もっとも古典的なのが、1980年代に米国国立がんセンターのローゼンバーグ博士が開発した、「活性化自己リンパ球療法(LAK療法)」でした。患者の血液から採取した免疫細胞を研究室で培養し、増殖・活性化したリンパ球を点滴で戻すという治療法です。

       日本でもいくつかの大学病院や地方のがんセンターなどで臨床研究が行われていいました。国から、保険診療と併用できる「高度先進医療」(現在の「先進医療」)としても認められ、自費を支払えば患者もこの治療を受けることができました。

       しかし、LAK療法は2006年4月に高度先進医療から落とされてしまいました。通常、高度先進医療(先進医療)として認められた医療技術は、集められたデータで有効性と安全性が認められると保険診療に組み入れられます。ところが、LAK療法は結局、有効性が認められなかったのです。

       LAK療法だけでなく、免疫細胞療法には「樹状細胞ワクチン療法」や「ナチュラルキラー細胞療法(NK細胞療法)」「細胞傷害性Tリンパ球療法(CTL療法)」「ペプチドワクチン療法」など、様々な方法が研究されてきました。しかし、臨床試験によって有効性や安全性が確立されたものは今のところなく、保険診療にも標準治療にもなっていません。
      http://bunshun.jp/articles/-/9337?page=2

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    3. 効果があやしい高額な免疫細胞療法

       そもそも、がん細胞には免疫細胞の攻撃から逃れようとする様々なメカニズムがあるため、体内の免疫細胞に「がんばれ」とお尻を叩くだけでは、がんを攻撃するのは難しいという原理的な問題があるのです。逆に言えば、がん細胞が免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みを見破り、そのブレーキを外す方法を考え出したからこそ、本庶教授の研究は画期的だったと言えるのです。

       にもかかわらず、一部の民間の医療機関では、有効性も安全性も確立していない免疫細胞療法を保険の利かない「自由診療」で行っており、たとえばあるクリニックでは、2週間ごとに6回点滴を打つ1クール(1コース)の治療で、200~300万円にもなる料金を請求しています。

       医の倫理では、有効性や安全性が確認されていない治療は「臨床研究」として実施すべきであり、「被験者」として研究に協力してくれる患者からは費用は取らないで、研究費からまかなうべきだとされています。むしろ治験では、患者に日当や交通費に相当する謝礼が支払われます。

       にもかかわらず、免疫細胞療法を行っているクリニックは、本来なら臨床研究として行うべき治療を、患者から非常に高額なお金を取って行っているのです。だから、真っ当ながんの専門医たちは、「そんな治療で患者からお金を取るなんて許せない」と批判しているのです。「そんな治療にお金をつぎ込むなら、おいしいものを食べたり、温泉に行ったりしたほうがいい」。がん専門医に聞けば、そのような答えが返ってくるはずです。

      「来期は患者を○%増やす」

       逆に、それほど批判されているのに、なぜ免疫細胞療法を行っている民間のクリニックは、それをやめられないのでしょうか。その大きな理由の一つとして考えられるのが、クリニックのバックに、免疫細胞の培養会社がついていることです。

       これらは「株式会社」ですから、売上を伸ばさなければ株主に突き上げられます。私はある培養会社の投資家向けの資料(IR情報)で、「今期は売上が伸びなかったので、来期は患者を〇パーセント増やす」といった趣旨のことが書かれているのを読んだことがあります。つまり、資本主義の論理に基づいて、運営がなされているのです。

       そのため、こうしたクリニックはネット広告やがんセミナーなどを行って、たくさんのがん患者を集めようとします。ある培養会社の取締役には、大企業の元役員、厚労省の元官僚、大学病院に勤めていた医師なども名を連ねていました。また、最近では、テレビCMでおなじみの某美容外科系の医療法人も免疫細胞療法のクリニック運営に乗り出しています。「医は算術なり」という言葉もありますが──医師だけでなく、企業家にも倫理はないのかと、本当に嘆かわしく思います。
      http://bunshun.jp/articles/-/9337?page=3

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    4. 「ほんものの免疫療法」と呼べるための狭き門

       がんの新しい治療法が「まゆつばもの」ではなく、保険診療に昇格して、標準治療としても認められるには、実際の患者を対象に臨床試験を行って、生存期間が延長することを示す必要があります。

       国からの承認を受けるための臨床試験である「治験」には、20~100人の健康な人を対象に安全性を確かめる「第Ⅰ相試験」、次に50~200人の患者で有効性、安全性、投与量などを確かめる「第Ⅱ相試験」、そして最後に、200人~2000人規模で、実際の使用に近い方法で有効性と安全性を確かめる「第Ⅲ相試験」があります。

       この3段階すべてで有効性と安全性が認められ、勝ち残っていくのは容易なことではなく、動物実験で有望な結果を出し、人間で試す前段階まで来た候補物質のうち、国から承認されるのは「250分の1」の確率とされています。オプジーボは、この「狭き門」をくぐり抜け、生存期間の延長を示せたからこそ、多くのがん専門医がまゆつばでない「ほんものの免疫療法」と認めたのです。

      日本のがん医療を歪めている大きな要因

       がんの「最先端医療」を競って報道したがるメディアにも大いに問題があります。こうした医の倫理や臨床試験の仕組みを知らないために、まだ実際の患者で確かめもしていない動物実験の段階や、第Ⅰ相、第Ⅱ相試験の段階で「有望な治療」と報道してしまうことが多いのです。

       しかし、一番重要なのは「第Ⅲ相試験」です。そこで出た結果によって、本当に多くの患者の生存期間が延長できるのか、真価がわかるからです(ただし、市販後多くの患者に使われて、初めてわかる副作用も多いので、安全性についても慎重に報道する必要あり)。にもかかわらず、日本の大手メディアは動物実験の段階で大騒ぎするのに、第Ⅲ相試験の結果をほとんどまともに報道しません。それが、日本のがん医療を歪める大きな要因の一つになっていると私は思います。

       本庶教授の研究は画期的な成果と言えますが、がんの「免疫療法」はまだまだこれからで、多くの人が安全に使え、確実に効果を出していくには、研究を重ねる必要があります。今回のノーベル賞受賞の報道によって、多くの人にがん医療の適切な知識が広まることを期待したいと思います。
      http://bunshun.jp/articles/-/9337?page=4

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  33. 蛍光たんぱく質でノーベル賞…下村脩さん死去
    2018年10月21日23時52分

     緑色に光る蛍光たんぱく質(GFP)をクラゲの体内から見つけ出し、2008年のノーベル化学賞を受賞した下村脩(しもむら・おさむ)・米ボストン大名誉教授が19日、長崎市内で老衰のため死去した。90歳だった。長崎大が21日、発表した。葬儀は近親者で済ませたという。

     下村氏は米東海岸のプリンストン大で研究中の1962年、発光するオワンクラゲからGFPを発見した。毎年夏に家族を連れて大陸を横断し、西海岸に生息するクラゲを手製の網ですくって集めた。

     酵素と反応して光るホタルの発光物質などと違い、GFPは紫外線が当たると単独で光る。GFPを特定のたんぱく質の目印として使い、生きた細胞中のたんぱく質の動きを直接、観察できる技術が後に登場。医学や生命科学に飛躍的な発展をもたらした。

     京都府で生まれ、5歳頃から長崎県で過ごした。長崎医大付属薬学専門部(現・長崎大薬学部)を51年に卒業。長崎大から名古屋大に国内留学し、ウミホタルの発光物質を世界で初めて抽出した。60年代から米国を拠点として、発光生物の研究に没頭した。2008年に文化勲章を受章した。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181021-118-OYT1T50067

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  34. 免疫抑制物質の仕組み解明
    徳島大教授、本庶氏門下生
    2018/10/23 00:09
    ©一般社団法人共同通信社

     免疫細胞の表面にあり、免疫のブレーキ役とされる「LAG3」というタンパク質が、どのように免疫を抑制するのかのメカニズムを解明したと、徳島大の岡崎拓教授(免疫学)のチームが22日付の海外の科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。

     チームによると、LAG3は、ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑特別教授の研究グループが発見したタンパク質「PD1」と似た働きを持つ。がん細胞はPD1と結合することで、免疫からの攻撃を免れるようになることが知られている。

     岡崎教授は京大の本庶氏の研究室に所属したことのある門下生。
    https://this.kiji.is/427121924205216865

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  35. 「がん免疫療法」不確かな情報に注意
    2018年10月25日15時0分

     今年のノーベル生理学・医学賞受賞が決まった本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)の「がん免疫療法」が脚光を浴びた。ただ、安全性や効果が不明な免疫療法も多く、国立がん研究センターなどが注意を呼びかけている。

     本庶さんの研究を基に開発されたがん治療薬「オプジーボ」は、がんを攻撃する免疫細胞を活性化させる。手術、放射線、化学療法に続く「第4のがん医療」として位置付けられるようになった。一方、免疫細胞を体外で増やした後、患者に注入する治療なども免疫療法と呼ばれるが、多くは安全性や効果が科学的に証明されていない。

     国立がん研究センターは「効果が明らかな免疫療法は限られている」と注意を喚起。患者団体も「不確かな情報に惑わされないで」と呼びかける。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181025-118-OYTPT50159

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  36. 712 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/26(金) 23:10:27.21 ID:Thvcqh08a [1/11]
    >>698
    風俗に行ってはいないが少し書き込もう
    リトラクションウォッチがデータベースを公開した
    http://retractiondatabase.org
    本庶佑で調べると、JBCが一件見つかる
    次のFigureを見ると、AIDとAID S38Aの間にはコピペが部分的にあると思う
    http://www.jbc.org/content/281/28/19115/F5.large.jpg
    週刊新潮あたりが「ノーベル賞「本庶教授」が隠していた「小保方的」論文撤回」としてニュースにするかもしれない

    もちろん、もう10年経っているし、すでに対応済みだし、何も起きることはないだろう
    でも、これが許されるなら、光山勝慶とか山本英一郎は何で処分されたんだよwww

    本庶のノーベル賞の業績を支える論文の1つは2005年に出ている
    同じラボの似たような時期の論文でコピペ捏造が出るんだから、怖い怖い

    749 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 22:46:26.41 ID:yxXbbwRQa [1/8]
    本庶佑研の出身で大学教授になっているのは50人くらいいるという話を聞いたことがある
    >>712なんか誰も問題にできるわけがないな

    750 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 22:52:37.72 ID:yxXbbwRQa [2/8]
    俺が知っている本庶研出身のPI(シマシマではない)は、
    例の3Cがどうだとかそんな話ばっかりしている。
    それほど深くは知らないけど、金魚の糞みたいな存在ではないといいなと思う。

    751 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 22:54:07.64 ID:yxXbbwRQa [3/8]
    今度の分子生物学会のプログラム委員は、
    AdipoRと小室一成に無罪判決を下した方だ。
    学会に行くのが怖い。

    752 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 22:56:43.41 ID:yxXbbwRQa [4/8]
    >>740
    ツチ族を大量虐殺する直前のフツ族の精神状態かもしれないな
    マイナスの価値を持つ捏造医学論文を大量生産しているわけだから、すでに大量虐殺を開始したという解釈も可能かもしれないが

    ツチ族は殺人を認めているだけ循内の医員より立派かもしれない

    753 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 23:07:00.08 ID:yxXbbwRQa [5/8]
    エルピクセルも小室一成に大金を供給し続けるAMEDに囲い込まれたし、
    池上徹と原田英美子もAdipoRに無罪判決を出した人がプログラム委員長の分子生物学会に囲い込まれた。
    日本の正義の芽は三内の捏造権力にどんどん摘み取られていく。

    754 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 23:10:53.24 ID:yxXbbwRQa [6/8]
    山中伸弥のコピペ調査はノーベル賞授賞式までは控えてあげていたんだが、
    本庶佑についてはその配慮を全く忘れていた。
    でも、誰も問題にはしないだろう。俺も騒ぐつもりはない。
    来年クラススイッチで二回目のノーベル賞を本庶佑が取ったら、少し騒いでもよいかもしれない。

    755 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 23:20:23.00 ID:yxXbbwRQa [7/8]
    最近ノーベル賞の受賞対象がショボくなった気がするのは俺だけだろうか
    記者会見も国の科学政策に関することばかりで個性を感じない
    現存のノーベル賞受賞者の知名度を全部合わせても小保方一人に勝てないと思う

    756 名前:匿名A ◆Zm8FyprZhE [] 投稿日:2018/10/27(土) 23:26:05.91 ID:yxXbbwRQa [8/8]
    ノーベル賞ですらスケールが小さい話ばっかりになってきた
    俺のようなスケールの大きい人間がこんなことをするべきではない
    やる気を失ったので、このスレを卒業する
    スケールの大きいノーベル賞で世界を幸せにしたい

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  37. がん治療薬オプジーボ 製造販売で小野薬品工業が最高益
    2018年11月1日 17時09分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞する京都大学の本庶佑特別教授の研究が元になったがんの治療薬「オプジーボ」。この薬を製造販売する小野薬品工業の中間決算は、売り上げ、最終的な利益とも過去最高を更新し、今年度1年間の業績も上方修正しました。

    小野薬品工業が発表した今年度のグループ全体の中間決算によりますと、売り上げは昨年度の同じ時期より18.9%多い1443億円余り、最終的な利益は36.0%多い288億円余りで、いずれも過去最高となりました。

    これは、オプジーボをはじめ、リウマチや糖尿病の薬の販売が増加したことによるものです。

    また、オプジーボなどのがんの治療薬で、海外からの特許料収入などの増加が見込まれるとして、今年度1年間の業績予想について、売り上げを2800億円、最終的な利益を520億円と、いずれも上方修正しました。

    相良暁社長は会見で、オプジーボはノーベル賞の決定前から認知度が高かったとして「業績には直接的な影響はないが、ブランドイメージでプラスになっていると思う。学生が当社で働きたいと思ってくれればうれしい」と述べました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181101/k10011694711000.html

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  38. 本庶さん基金 年内に…京大 ノーベル賞金で研究支援
    2018年11月9日15時0分

     今年のノーベル生理学・医学賞を本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)が来月受賞するのにあわせて、京大が年内にも、若手研究者の育成を支援する基金を設立することが、大学関係者への取材でわかった。基金の額は未定だが、同賞の賞金などを原資とし、寄付金も募る。本庶さんの名前を冠することも検討中という。

     関係者によると、基金は、目的を限定して使う「特定基金」という形で創設。京大には現在、2012年に同賞を受賞した山中伸弥教授らの研究に使う「iPS細胞研究基金」など44の特定基金があるが、多くは各研究所や施設がそれぞれ管理し、使途を決めている。

     今回の基金は本庶さんの意向を踏まえ、大学本部が直接管理し、学内で基礎研究に取り組む若手研究者を幅広く支援する方針。

     本庶さんは10月の受賞決定後、記者会見などで若手の基礎研究者を支援する基金が必要と発言。設立されれば、ノーベル賞の賞金約5700万円を寄付するほか、自身の研究成果から生まれたがん治療薬「オプジーボ」を販売する小野薬品工業(大阪市)にも協力を求めるとし、「数百億~1000億円規模になれば」と話していた。

     16年に同賞を受賞した大隅良典さんが栄誉教授を務める東京工業大も、受賞の翌年、学生や若手研究者を支援する基金を設置している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181109-118-OYTPT50278

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    1. 若手研究者支援に本庶さん基金…京大 =関西発
      2018年11月9日15時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞を本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)が受賞するのにあわせて、京大が年内にも、若手研究者の育成を支援する基金を設立することが、大学関係者への取材でわかった。基金の額は未定だが、同賞の賞金などを原資とし、寄付金も募る。本庶さんの名前を冠することも検討中という。

       関係者によると、基金は、目的を限定して使う「特定基金」という形で創設。京大には現在、2012年に同賞を受賞した山中伸弥教授らの研究に使う「iPS細胞研究基金」など44の特定基金があるが、多くは各研究所や施設がそれぞれ管理し、使途を決めている。

       今回の基金は本庶さんの意向を踏まえ、大学本部が直接管理し、学内で基礎研究に取り組む若手研究者を幅広く支援する方針。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181109-043-OYO1T50026

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  39. [平成時代 DNAの30年]第3部「治す」〈4〉免疫でがん攻撃の新薬
    2018年11月15日15時0分

     体に元々備わっている免疫の力で、がんを治す――。そんな治療を可能にした薬が日本で誕生し、世界の注目を集めている。開発に大きく貢献したのは、京都大特別教授の本庶佑(76)らが偶然発見した1個の遺伝子。これが今年のノーベル生理学・医学賞につながった。

     「自分が見つけた遺伝子が、がんの治療に役立つとは思いもしなかった」と、奈良先端科学技術大学院大准教授、石田靖雅(57)は振り返る。1991年、本庶の研究室で助手を務めていた石田は、白血球の一種「T細胞」で未知の遺伝子を発見。「PD―1」と名付け、翌年に論文発表した。

     だが、この遺伝子が何をしているのか、石田にはわからなかった。「T細胞が死ぬ時に見つかるので、てっきり細胞の死に関わる遺伝子だと思っていた」。PDという名前は、不要になった細胞が死ぬ現象を指す英語から取ったという。

     本庶らがPD―1とがんの関係を明らかにしたのは2000年以降。PD―1はT細胞の表面に免疫を抑えるブレーキ分子を作る。がん細胞はブレーキを操作し、T細胞の動きを止めていた。この仕組みの解明が、ノーベル賞の授賞理由だ。

     ブレーキを外せば、T細胞はがんを攻撃する。この仕組みを利用し、小野薬品工業(大阪市)などが開発した薬が「オプジーボ」だ。国内では14年、皮膚がんで承認され、肺がんや胃がんなどにも適応が広がった。

     オプジーボにも弱点はある。治療効果が出る患者の割合が少ないことだ。肺がんでは2割前後。なぜ患者によって効き方が違うのか、今もわからない。

     カギを握るのは、やはりゲノム(全遺伝情報)。遺伝子検査の膨大なデータを解析すれば、効く患者を見分ける手がかりが得られると期待される。九州大教授の中西洋一(64)は「100%見分けるのは無理でも、6割的中すれば、効果的な治療ができる」と指摘する。(敬称略)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181115-118-OYTPT50203

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  40. 若手研究者などへの支援策の具体化を指示 首相
    2018年11月22日 16時13分

    安倍総理大臣は政府の会議で、ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんから、若手研究者などへの支援の重要性を指摘されたことを踏まえ、関係閣僚に対し、支援策の具体化に取り組むよう指示しました。

    総理大臣官邸で開かれた政府の「総合科学技術・イノベーション会議」で、ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんが講演し、日本は基礎研究費と若手研究者の数が減少しており、政府による支援が必要だと指摘しました。

    これに対し、安倍総理大臣は「本庶先生から、基礎研究の重要性について大変率直なお話をうかがい、改めて国として若手研究者に挑戦の機会を作ることの重要性を強く認識した」と述べました。

    そのうえで、安倍総理大臣は「政府の科学研究費補助金を、若手研究者へ重点的に配分することなどを着実に実行してほしい」と述べ、関係閣僚に対し、来年度予算案の編成作業などを通じて、基礎研究や若手研究者への支援策の具体化に取り組むよう指示しました。

    会議のあと、本庶さんは記者団の取材に対し「科学的な力がない国は将来性がなくるので、次の世代の研究者を育てることが重要だ」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181122/k10011720261000.html

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  41. 京都大が「本庶佑有志基金」設立と発表
    2018/12/4 00:41
    ©一般社団法人共同通信社

     京都大は3日、本庶佑特別教授(76)が今年のノーベル医学生理学賞に選ばれたことを記念し、「本庶佑有志基金」を設立したと発表した。
    https://this.kiji.is/442350377172059233

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  42. ノーベル賞 本庶佑さん 授賞式に向けスウェーデンに出発
    2018年12月5日 12時45分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんが、スウェーデンで開かれる授賞式に向けて出発しました。出発を前に本庶さんは「これほど華やかで大がかりな式典は初めてなので楽しみです」と心境を語りました。

    ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんは、日本時間の今月11日、スウェーデンの首都、ストックホルムで開かれる授賞式に出席します。

    出発に先立って、本庶さんは5日午前、関西空港で記者会見し「これまでいろいろな賞をもらいましたが、これほど華やかで大がかりな式典は初めてなので楽しみです」と心境を語りました。

    また、「講演にはライバルや共同研究者、元同僚たちが世界中から集まってくると聞いています。天気予報によると少し寒いことだけが心配ですが、気楽にやれたらいいなと思います」と話していました。

    そして、同行する家族や大学関係者とともにスウェーデンに向けて出発しました。

    本庶さんは日本時間の今月7日に記念講演を行うほか、11日の未明に授賞式に臨むことになっています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181205/k10011735271000.html

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    1. 本庶さん「授賞式楽しみ」…ノーベル賞、現地へ出発
      2018年12月5日15時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞を受賞する本庶ほんじょ佑たすく・京都大特別教授(76)が5日、授賞式が開かれるスウェーデン・ストックホルムに向けて出発した。出発を前に、関西空港で記者会見を開いた本庶さんは「(現地での講演の)準備が大変だったが、これから楽しみたい」と語った。

       本庶さんは、10日(日本時間11日)に開かれる授賞式前後の「ノーベル・ウィーク」と呼ばれる期間中、共同受賞者の米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)とともに、現地での記者会見や受賞記念講演などの関連行事に臨む。

       会見では「がん免疫療法の研究に至った経緯やこれからの研究の展望などを話してきたい。華やかな授賞式が一番の楽しみ」と話した。

       また、若手研究者を支援するため、京大が設立した「本庶佑有志基金」については、「日本の現状では、若い人への支援が細っている。できるだけ安定的な、自由に研究できる機会をつくっていきたい」と述べた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181205-118-OYTPT50261

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    2. リケジョも 栄誉の場に…本庶さん ノーベル授賞式 
      2018年12月4日15時0分

      学生2人「研究の魅力感じたい」

       スウェーデンで10日(日本時間11日)に開かれるノーベル賞の授賞式や晩さん会に、日本から女子大学生2人が参加する。公益財団法人・国際科学技術財団(東京都)が1987年から、科学研究に携わる学生を選考し派遣しており、今年は慶応大医学部4年伊津野いつの舞佳まいかさん(22)(東京都品川区)と、東京工業大理学部4年土山絢子つちやまあやこさん(22)(川崎市)が選ばれた。2人は「世界最高の舞台で研究の魅力を感じたい」と話し、4日、現地へ向けて出発した。

       現地では毎年、授賞式に合わせて各国の学生たちが交流する「ストックホルム国際青年科学セミナー」が開かれ、同財団が18~24歳の学生2人を派遣。今年は生理学・医学賞を受賞する本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)らと懇談するほか、現地の高校生に自身の研究内容を発表する予定だ。

       伊津野さんは今春から、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って認知症の原因を探る研究に関わっている。講義や実習で多忙な中、昼休みや週末も研究室で細胞を培養。「本庶先生は医学に関わる者なら誰もが知る人。医師が研究する意義について直接お聞きし、進むべき道を考えたい」と話す。

       土山さんの専門は地震学。地下の深い場所が震源となる「深発しんぱつ地震」のメカニズム解明を目指し、気象庁などの観測データの解析に取り組んでいる。「様々な受賞者の講演を聴き、科学の本質を学びたい。ほとんど地震が起こらないスウェーデンの人たちに、地震のことを少しでも伝えられたら」と意気込んでいる。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181204-118-OYTPT50254

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  43. ノーベル賞授賞式前に本庶佑さん記念講演
    2018年12月8日 5時51分

    ことしのノーベル医学・生理学賞を受賞する京都大学特別教授の本庶佑さんがスウェーデンのストックホルムで「ノーベルレクチャー」と呼ばれる記念講演に臨み、「2030年ごろにはがんは人の命に関わる病気では無くなるだろう」と語りました。

    「ノーベルレクチャー」は、ノーベル賞が始まった1901年から行われている伝統行事で、その年の受賞者が、受賞理由となった研究の道のりや意義について一般の人に向けて話します。

    本庶さんは、日本時間の7日夜、ストックホルムにあるカロリンスカ研究所のホールで、1000人を超える聴衆を前に「免疫についての予想もしなかったすばらしい発見」というテーマで講演に臨みました。

    この中で本庶さんは、病気の研究に打ち込んだ野口英世の伝記を読んで医学を志したことや、免疫の分野の研究を志すきっかけとなるさまざまな人との出会いを紹介し、「すばらしい仲間に恵まれ、本当に幸運だった」と研究者としての人生を振り返りました。

    そして、免疫に関わる謎の遺伝子、「PD-1」を発見し、10年近くの研究をへて、これが当初の予想に反して免疫のブレーキ役として機能しているのを見つけたことや、これを解除することで、免疫の力を使ってがん細胞を攻撃するという新たながんの治療法を確立したことを紹介しました。

    最後に本庶さんは、「現在、がんの治療は外科手術や抗がん剤が大半を占めているが、2020年には免疫療法が治療の中心となる。そして、2030年ごろにはがんは免疫療法で制御できるようになってがんは人の命に関わる病気ではなくなるだろう」と将来の展望を語って講演を締めくくると、会場は大きな拍手で包まれていました。

    ノーベル賞の授賞式は日本時間の11日未明に行われることになっています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181208/k10011739491000.html

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    1. 本庶佑さん「『講演が最高』と言われうれしかった」
      2018年12月8日 22時06分

      ノーベル賞の授賞式に出席するためにスウェーデンのストックホルムを訪れている京都大学特別教授の本庶佑さんは、ここまでで最も印象に残っている出来事として、日本時間の7日に行われた記念講演をあげ、「多くの人からことしの講演が最高だったと言われ、非常にうれしかった」と振り返りました。

      ノーベル医学・生理学賞に選ばれた本庶さんは、授賞式が行われるスウェーデンのストックホルムに現地時間の5日に入り、ノーベル財団が主催する記者会見やイベント、記念講演などに参加して忙しい日々を過ごしています。

      8日、日本の報道陣のインタビューに応じ、ここまでで最も印象に残っていることとして、日本時間の7日に行われた記念講演をあげ、「1000人が入るという会場が満席になって、さらに外にも人があふれていたと聞いてさすがノーベル賞の講演だと思うとともに、がんに関心を持って多くの人が集まってくれてうれしく思った。講演の後のレセプションで多くの人から、『これまで毎年のようにノーベル賞の講演に来ているが、ことしの講演が最高だった』と言われ、非常にうれしかった」と振り返りました。

      そして、講演の当日の朝には一般の人にもわかりやすいように周りの人に聞いてもらって練習をするなど、十分に準備をしたことを明かしました。

      また京都大学の関係者が本庶さんについて、100回人生を送れば100回ノーベル賞を受賞する人だと評価したとして感想を求められると、本庶さんは「そのうちのせめて1回はゴルフのマスターズで優勝する人生も入れてほしい」と笑顔で応じ、ゴルフ好きの一面をのぞかせていました。

      そして、お土産としてノーベル博物館で売られているノーベル賞のメダルをかたどったチョコレートを1500個購入したとして、本庶さんは「自分以外にも奥さんが配る分もあるので多めに買いました。僕だったら1000個でいいと思ったけれど、たくさんの人からお祝いをいただいたので」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181208/k10011740391000.html

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    2. 「免疫で がん克服できる」 本庶さん ノーベル賞記念講演
      2018年12月8日5時0分

       【ストックホルム=諏訪智史】ノーベル生理学・医学賞を受賞する本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は7日、カロリンスカ研究所で受賞記念講演に臨み、「21世紀中には、免疫によってがんが克服できる可能性がある」と語った。

       本庶さんは、共同受賞する米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)に続いて登壇。「獲得免疫の驚くべき幸運」と題して講演した。

       獲得免疫は、体を病気から守るため、免疫細胞が一度感染したウイルスなどを「異物」として記憶し、攻撃する力を獲得する仕組み。本庶さんらはこの仕組みを追究し、免疫細胞にがんを攻撃させる画期的な治療薬の開発に結びつけた。

       講演では、野口英世に憧れて医学の道を志したことや、研究の歩みを紹介。がんの免疫療法は「がん治療にパラダイムシフト(劇的な変革)をもたらした」と強調し、「進化の過程で、病原体から身を守るために手にした獲得免疫が、がんの治療にも役立つことは、思いがけない幸運だった」と締めくくった。

       授賞式は10日夕(日本時間11日未明)に開かれる。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181208-118-OYTPT50065

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    3. 「本庶さんの受賞 誇り」 ノーベル賞講演 元助手の石田さんら祝福
      2018年12月8日15時0分

       【ストックホルム=諏訪智史、山本美菜子】ノーベル生理学・医学賞を受賞する本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は7日にカロリンスカ研究所で行った記念講演で、周囲の研究者らへの感謝の言葉を重ねた。会場で聞いていた関係者も「誇りに思う」と喜んだ。

       本庶さんが講演の中で名前を挙げて功績をたたえた、石田靖雅やすまさ・奈良先端科学技術大学院大准教授(57)も会場で見守っていた。授賞理由となったがん免疫療法の鍵となる分子「PD―1」を最初に発見したのは、本庶さんの下で助手を務めていた石田さんだった。「自分の研究がきっかけになり、ノーベル賞になったことはうれしい。多くの患者さんを救う薬に結びつけたのは本庶先生の功績だが、自信になった」と、石田さんは言う。

       本庶さんは共同受賞する米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)についても「がん免疫療法の発想は彼によって示された」とたたえ、自分のことは「常に幸運だった」と謙虚に語った。会場で聴講した、本庶さんの研究室に所属する博士課程のムナ・アル・ハブシさん(32)は「分かりやすい言葉を選んで話していた。一般の人に伝えようとする思いを感じた」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181208-118-OYTPT50250

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  44. あすからノーベル賞 授賞式
    2018年12月9日 5時57分

    ことしのノーベル賞の授賞式が現地時間の10日午後、日本時間の10日夜以降にスウェーデンとノルウェーでそれぞれ行われます。医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんには11日、メダルと賞状が授与されます。

    ノーベル医学・生理学賞、物理学賞、化学賞、経済学賞は、スウェーデンの首都ストックホルムの中心部にあるコンサートホールで、現地時間の10日午後4時半(日本時間11日午前0時半)から授賞式が行われます。

    医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんらにはスウェーデンのグスタフ国王から記念のメダルと賞状が手渡されます。

    授賞式のあと、受賞者は近くの市庁舎に移動して晩さん会に出席し、賞を創設したアルフレッド・ノーベルが遺言に残した順番に従ってスピーチを行うことになっています。

    平和賞はノルウェーの首都オスロで現地時間の10日午後1時(日本時間10日午後9時)から授賞式が行われ、性暴力を受けた女性の治療などを続けてきたコンゴ民主共和国の医師、デニ・ムクウェゲ氏と、イラクの少数派 ヤジディ教徒でみずからも性暴力の被害者の人権活動家、ナディア・ムラド氏の2人にメダルと賞状が授与されます。

    5つのノーベル賞の受賞者一覧
    【医学・生理学賞】
    受賞するのは、ヒトの免疫の力を使った新たながんの治療法につながる研究を行った、
    ▽京都大学特別教授の本庶佑さん、
    ▽アメリカ・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン博士です。

    【物理学賞】
    受賞するのは、
    ▽「光ピンセット」と呼ばれる新しい技術を開発したアメリカ・ベル研究所のアーサー・アシュキン博士、
    極めて短い瞬間に強いレーザーを当てる「高強度・極短パルスレーザー」という新たな技術を開発した、
    ▽フランス理工科学校のジェラール・ムル博士、
    ▽カナダ・ウォータールー大学のドナ・ストリックランド教授です。

    【化学賞】
    受賞するのは、
    ▽自然界で通常起きる突然変異を起こしたたんぱく質の中から狙ったものを効率よく選び出す技術を確立したアメリカ・カリフォルニア工科大学のフランシス・アーノルド博士、
    ▽細菌に感染する「ファージ」と呼ばれるウイルスを使って狙ったたんぱく質を効率よく選別する「ファージディスプレイ」という技術を開発したアメリカ・ミズーリ大学のジョージ・スミス博士、
    ▽この技術を使って、体の抵抗力の元になる、抗体と呼ばれるたんぱく質を作り出すことに成功したイギリス・MRC分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター所長、の3人です。

    【平和賞】
    受賞するのは、
    ▽性暴力を受けた女性の治療などを続けてきたコンゴ民主共和国の医師、デニ・ムクウェゲ氏、
    ▽イラクの少数派 ヤジディ教徒でみずからも性暴力の被害者の人権活動家、ナディア・ムラド氏です。

    【経済学賞】
    受賞するのは、経済成長の理論に技術革新と気候変動の要素を組み込んだ、
    ▽アメリカ、イェール大学のウィリアム・ノードハウス教授、
    ▽アメリカ、ニューヨーク大学のポール・ローマー教授です。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181209/k10011740411000.html

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  45. 本庶佑さん「ホールインワンよりノーベル賞のほうが難しい」
    2018年12月9日 7時02分

    日本大使館の祝賀会のあとの記者会見で本庶佑さんは「きのう記念講演を終え、私がやるべきことの半分くらいは終わったと思っています。あとはメダルをいただくという大仕事がありますが、少しは気楽にできるかなと思っています」と今の心境を語りました。

    そしてノーベル賞の受賞について、「ノーベル賞をもらえる確率を考えると、先進国の5か国くらいでおよそ34万人の教授がいるので、毎年10人くらいが受賞者するとして確率は3万4000分の1になる。一方、ゴルフでホールインワンするのは2万数千回に1回と言われていて、確率的にはノーベル賞をもらうほうが難しいと言える。なので、ゴルフでは当然、ホールインはすでにやっています。僕はゴルフの夢とサイエンスの夢の両方を達成しました」と好きなゴルフと比較しながらおどけていました。

    研究のやりがいについて問われると「好奇心を追求するという自己満足で研究を続けてきたことと、結果として人の命を救えたという二重のやりがいがある」と述べ、「今後は、免疫療法が効く患者の割合を上げることや、効く人と効かない人を早期に見分ける方法の確立などについて、僕は欲張りなのでしばらく研究をやりたい」と話していました。

    最後に本庶さんは、日本大使館の祝賀会で日本からの留学生と交流したことに触れ、日本の若手研究者を育てるために、科学研究費を増やすことや若手研究者の安定したポストを増やすこと、大学院の授業料について個人の負担にならない仕組みを考えていくことが重要だと訴えていました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181209/k10011740571000.html

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    1. 本庶さん 受賞を「フェイクニュースでないことメールで確認」
      2018年12月9日 7時06分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた京都大学特別教授の本庶佑さんは、スウェーデンにある日本大使館が主催した祝賀会に出席し、受賞を知らせる連絡が電話できたときのことを振り返り、「フェイクニュースということもあるのでメールで確認した」と語って会場を沸かせました。

      ノーベル賞の授賞式を前にスウェーデンのストックホルムにある日本大使館が主催した祝賀会がホテルで開かれ、京都大学特別教授の本庶佑さん夫妻が招かれました。

      本庶さんは集まった大勢の関係者を前にスピーチを行い、ことし10月に受賞の連絡を受けたときのことを振り返って「電話で連絡を受けたが、近頃よくあるフェイクニュースということもあるので、メールを送ってもらうよう頼んだら、すぐにメールが届きみんなで喜び合った」とユーモアを交えて語り、会場を沸かせていました。

      また「皆さんに祝賀会に来ていただいたことはとてもうれしく光栄です。授賞式をとても楽しみにしています」と話していました。

      その後、本庶さんは多くの関係者に囲まれて記念撮影に応じたり、談笑したりしていました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181209/k10011740541000.html

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  46. 未知こそ探究の糧…2018年ノーベル賞 本庶佑氏の功績
    2018年12月11日5時0分

     免疫の力でがんを治す画期的な薬「オプジーボ」の開発につながる研究成果で、今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた京都大の本庶佑ほんじょたすく・特別教授(76)は、若い頃から免疫学の第一線で研究を続け、数多くの研究者を育てた。門下生に本庶さんの研究姿勢などを聞いた。(大阪科学医療部 諏訪智史)

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    1. 「渾沌」から 成果求める…茶本健司 京都大特定准教授 40

       ちゃもと・けんじ 神戸市生まれ。2006年、北海道大で博士号取得。同大学助教、カナダ・オンタリオがん研究所リサーチフェローなどを経て15年に京大特定助教。18年から現職

       2015年から本庶先生の研究室(本庶研)で、オプジーボの効果を高める研究を続けている。きっかけは、北海道大で研究を始めた20歳代の頃に先生の門下生の講演を聴き、研究レベルの高さに感銘を受けたこと。その後、米国やカナダでがん免疫療法を研究し、帰国を考えていた時に研究者を募集していると知って応募した。

       受賞が決まった10月1日は、一緒に論文の議論をしていたら、秘書さんが「大変です! 電話に出てください」と慌てて伝えに来たので「ついに受賞の知らせが来たな」と思った。先生は落ち着いた笑顔だったが、僕らは本当に興奮した。

       免疫細胞の表面にあるPD―1という分子を発見し、がん治療へとつなげた業績は、がんに関連する医学誌の影響力(インパクト・ファクター)も押し上げた。「PD―1効果」と呼ばれるほどの衝撃で、そろそろノーベル賞を受賞する頃だろうと感じていた。

       先生は<二番煎じ>の研究はしない。実験結果が出た時に「こういう論文が書ける」と想像できるものは、大した結果を生み出さないと考える。好きな言葉の一つが「渾沌こんとん」。先行論文もヒントもない研究を進めて大きな分野を切り開く、という姿勢が伝わってくる。

       受賞が決まり、多忙を極める中でも、先生は基礎研究のミーティングには必ず出席して、若手と議論している。研究が心から好きなんだと思う。

       今、研究者を目指す若者が減っている。先生が常々言っているように、科学が駄目な国は衰退してしまう。若い人には、敬遠されている今をチャンスと捉え、研究の世界に飛び込んできてほしい。

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    2. 妥協なき準備 講演でも…新蔵礼子 東京大教授 57

       しんくら・れいこ 京都市生まれ。1996年、京都大医学研究科で博士号取得。ハーバード大へ留学後、京大准教授、長浜バイオ大教授、奈良先端科学技術大学院大教授などを経て、2017年から現職

       京都大医学部を卒業後、麻酔科医になったが、本当は研究をしたかった。たまたま医学部のテニス部の先輩だった本庶先生に相談すると、快く受け入れてくれた。その後は米国での留学期間を除いて計14年間、大学院生や助手、准教授などとして本庶研に在籍した。

       本庶先生は懐が深く、多様な人材を受け入れてくれる。本庶研に入った当時、私は2人の幼い子どもを抱えていた。当時は子育てをしながら研究することに批判的な人もいたが、先生は「重要なのは、どんな成果を上げるかだ」と言って擁護してくれた。

       だからと言って、決して指導が甘かったわけではない。研究とは誰も知らない真実を突き止めること。当然、苦しい時もある。良いデータが1度出ただけでは納得せず、何度も実験を繰り返して再現するようたたき込まれた。大学院では、こうした研究者としての厳しさ、心構えを教えることが大切だと思う。

       先生は常に完璧を目指し、準備を怠らない。重要な講演が近づくと教授室でリハーサルを行い、録音した自分の声を聞きながら、分かりにくい点を修正し、学生たちに意見を求めることもある。こうした姿勢から、世界と渡り合う研究者のあり方を学んだ。

       受賞決定後、先生はノーベル賞の賞金などを基に、若手研究者を支援する体制を作りたいと言っている。背景には、日本の基礎研究を支えてきた国立大の運営費交付金が年々減っている現状がある。特に地方大学の疲弊は深刻で、若手研究者を育てても、その後、活躍する場が失われている。今回の受賞を機に、国は研究予算や大学院教育のあり方を再考してほしい。

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    3. 逆転の発想 偉業生む

       免疫の力でがんを治療する試みは古くからあったが、ほぼ失敗に終わり、「がんは免疫では治せない」とされてきた。この常識を覆したのが本庶さんと、共同受賞した米テキサス大のジェームズ・アリソン教授(70)だった。

       本庶さんの研究は1992年、免疫細胞の表面に「PD―1」という分子を発見したのが始まり。その後、PD―1は免疫細胞の働きを弱めるブレーキの役割を持つこと、がん細胞はPD―1分子と結合して免疫細胞にブレーキをかけ、その攻撃から巧みに逃れていることを、マウスを使った実験で突き止めた。

       「ブレーキを外せば免疫細胞はがん細胞を攻撃し、がんが治るはずだ」。そう確信した本庶さんは製薬企業に働きかけ、全く新しいがん治療薬「オプジーボ」の開発を実現させた。

       アリソン教授も、別のブレーキ分子「CTLA―4」に着目し、がんを治療できる可能性があることを、96年にマウスの実験で実証。2011年には、皮膚がんの治療薬「ヤーボイ」が誕生した。免疫の働きを強める「アクセルを踏む」のではなく、「ブレーキを外す」という2人の逆転の発想が、がん免疫療法を手術、化学療法、放射線治療に続く「第4の治療法」へと押し上げた。

       オプジーボは、皮膚がんから肺がん、胃がんなどへ適用が広がっている。課題は、治療効果が認められる患者が2~3割に限られることだ。現在、効果が期待できる患者を見分けたり、効果を高めたりする研究が世界中で進んでいる。

      本庶さん受賞記念講演の要旨

       本庶さんは7日、ストックホルム近郊のカロリンスカ研究所で「獲得免疫の驚くべき幸運」と題して受賞記念講演を行った。その要旨を紹介する。

           ◇

       子どもの頃、母に薦められた野口英世の伝記に感銘を受け、医学を志した。京都大医学部に入り、早石修先生(京大名誉教授、2015年に死去)の下で生化学を学んだ。1971年には米国に留学し、免疫学の研究と出会った。

       免疫の働きを強めてがんを治す試みは長く行われてきたが、実用化には至らなかった。がんは、自らを攻撃する免疫にブレーキをかけて増殖するため、いくらアクセルを踏んでも効き目がなかったのだ。

       私は多くの幸運に恵まれた。92年、免疫細胞の表面に「PD―1」という分子を見つけ、その後、この分子は免疫のブレーキ役を担っているとわかった。PD―1の働きを抑えて免疫のブレーキを外し、がんを治療することにも、マウスの実験で成功した。これらの成果には、研究室の多くの人が関わっている。

       2006年以降、PD―1の働きを抑える薬の臨床試験が末期患者を対象に行われ、驚くべき結果が出た。一部の患者でがんが消えたり、治療をやめても長く効果が続いたりしたのだ。承認されたニボルマブ(商品名オプジーボ)は、がん治療にパラダイムシフト(劇的な変革)をもたらした。

       しかし、この薬が効く患者は2~3割にとどまっている。私たちは今、別の薬と併用して効果を高める研究を行っている。

       20世紀は抗生物質やワクチンの登場で、感染症の治療が飛躍的に進歩した。21世紀中には、免疫でがんを制御できるようになる可能性がある。進化の過程で、病原体から身を守るために手にした獲得免疫が、がん治療にも役立つことは、思いがけない幸運だった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181210-118-OYTPT50205

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  47. 「免疫療法まだ始まり」…本庶さん メダル手に
    2018年12月12日5時0分

     【ストックホルム=諏訪智史、山本美菜子】ノーベル賞の授賞式が10日(日本時間11日)、ストックホルムのコンサートホールで開かれ、本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)に生理学・医学賞のメダルが授与された。

     日本のノーベル賞受賞者は米国籍の人を含め26人目、生理学・医学賞は5人目。式典に羽織はかま姿で臨んだ本庶さんは、妻の滋子さん(76)らの前で、スウェーデンのカール16世グスタフ国王からメダルや賞状を受け取った。

     その後、市庁舎で開かれた晩さん会で、本庶さんは同賞の受賞者を代表して英語でスピーチ。自身の研究から生まれたがん免疫治療薬「オプジーボ」を、人類が多くの感染症を克服する契機となった抗生物質ペニシリンに例える人もいると話した。現状では効果がある患者は2~3割にとどまることから、世界の科学者に向け「(治療法として)始まったばかり。この治療を改善する試みに参加してほしい」と呼びかけた。

     本庶さんの研究を助手として支えた石田靖雅・奈良先端科学技術大学院大准教授(57)も会場でスピーチを見守り、「他の受賞者が冗談を交えた話をする中、研究への思いをストレートに表現する姿が印象的だった」と話した。

     晩さん会終了後、本庶さんは「皆さんに『大変良いスピーチだった』と褒められたのでよかった」とほっとした表情を見せた。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181212-118-OYTPT50075

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    1. 本庶さん「疲れたが感激」、帰国後はゴルフも
      2018年12月12日11時33分

       【ストックホルム=諏訪智史、山本美菜子】ノーベル賞授賞式から一夜明けた11日、生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は代表取材に応じ、「とにかく疲れたが、盛大な式と晩さん会に感激した。受賞した実感が湧いた」と語った。この日開かれたスウェーデンの国会議事堂でのセミナーや王室主催の晩さん会に出席し、すべての公式行事を終えた。

       本庶さんは、授賞式に羽織はかま姿で臨んだことについて、「多くの人から『大変良い』と褒められた。初めて見たという人もいた」と振り返った。日本に帰ってやりたいことを聞かれると、「ゴルフに行って温泉に行く計画を立てている。時差ぼけを解消し、健康に戻りたい」と笑顔を見せた。

       この日は国会議事堂で開かれた科学技術政策に関するセミナーで、集まった約140人の国会議員らに向けて講演。「生命科学は複雑で分かっていないことも多く、多額の研究資金が必要な分野だ」と訴えた。また、ストックホルムの旧市街地にある王宮で開かれた晩さん会には、妻滋子さん(76)と和装で出席した。14日午前に帰国する予定。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181212-118-OYT1T50032

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  48. ノーベル賞報道「曲がり角」…科学部 中島達雄
    2018年12月13日3時0分

     スウェーデンのストックホルムで12月10日夕(日本時間11日未明)、ノーベル賞の授賞式が開かれた。新しいがん治療法の実現に道を開いた本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授に、生理学・医学賞が授与された。

     ノーベル賞の授賞式は毎年、賞を創設したスウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルの命日である12月10日に開かれる。時差の関係で、日本では日付が11日に変わってからの開会となり、11日付朝刊最終版の締め切りまでほとんど時間がない。それでも、日本の受賞者がいる場合は、各紙ともトップページに記事や写真を大きく載せる努力をしてきた。

     今年は他のニュースが多く、読売新聞など多くの新聞の11日付朝刊1面には、ノーベル賞授賞式の記事が載らなかった。その代わりに、11日付夕刊は各紙とも、1面に本庶さん受賞の記事と写真を掲載した。

    日本メディアがストックホルム「侵略」

     今年9月23日の読売新聞朝刊の科学ページ「サイエンスOpinion(オピニオン)」に、「ノーベル賞『崇拝』曲がり角」「『新しい価値』評価に遅れ」という見出しの記事を書いた。日本はノーベル賞だけを重視しがちだが、最近は他の国際科学賞も存在感を増してきており、自然科学の評価尺度も多様化していることなどを紹介した。

     その傾向を踏まえれば、10月のノーベル賞受賞者決定時だけでなく、12月のノーベル賞授賞式の報道も、ほどほどでいいのではないか、と思えてくる。

     2001年と14年の2回、ストックホルムでノーベル賞授賞式とその前後の関連イベントを取材した。その時に印象に残ったのは、冬のスウェーデンの寒さと、本紙を含む日本メディアの熱狂ぶりだった。

     01年は化学物質の新たな合成法を開発した野依良治さんが化学賞を受賞、14年は青色発光ダイオード(LED)の発明で赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3人が物理学賞を受賞し、両年とも多くの日本メディアがストックホルムに集まった。

     スウェーデンの代表的な日刊紙「スベンスカ・ダーグブラーデット」は14年12月5日、「ストックホルムは今、日本メディアに侵略されつつある」という見出しで日本メディアの多さを伝えた。記事は「ノーベル財団によると、記者とカメラマン合計で少なくとも100人」と日本のメディアの人数を紹介していた。

     その2日後の7日、スウェーデン王立科学アカデミーで記者会見が開かれ、天野さんと中村さん、米国の2人、独仏1人ずつの計6人の受賞者が登壇した。記者席のほとんどは、日本のメディアで埋め尽くされていた。

     受賞者が宿泊するホテルの玄関前では、耳がちぎれそうに感じるほどの寒さの中、30人前後の日本メディアが待機し、日本の受賞者とその家族らの出入りを取材していた。他国のメディアはホテルの前には1人もいなかった。

    “特別扱い”の理由は減ってきた
     米国在住で、実際は米国籍の中村修二さんは14年の受賞時、「米国でもノーベル賞は大きなニュースだが、プライベートまで追い回すのはおそらく世界でも日本メディアだけ。先進国として異常ではないか」と話していた。

     過去に多数の日本の受賞者の付き添い役を務め、14年は赤崎勇さんの付き添いを担当した元在日スウェーデン大使館参事官のカイ・レイニウスさんは、「02年に田中耕一さんが受賞した時は、田中さんの乗る車に窓からカメラやマイクを突っ込む日本メディアもいて、大混乱になった」と語っていた。

     1949年に湯川秀樹氏が日本人として初めてノーベル賞を受賞してから、99年までの約50年間では、日本の自然科学系3賞の受賞者は5人だった。10年に1人の割合だ。それが、2000年以降は受賞者が急増し、今年の本庶さんを含めて18人がノーベル賞を受賞した。1年に1人の割合となる。日本の科学研究が国際的に高く評価されている証拠だが、ノーベル賞だけを特別扱いして報道する理由は減ってきていると言えそうだ。



    中島達雄  (なかじま・たつお)  科学部次長

    専門分野:  科学

    コメント:  科学部記者として原子力施設の事故やロケットの打ち上げ失敗、地震・火山噴火、臓器移植、科学技術政策などを担当した後、米ワシントン特派員を経て2015年から現職。博士(工学)。科学と社会の間にある溝の存在と、それを埋めたり、橋を架けたりする試みに興味があります。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181212-118-OYTPT50195

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  49. 科学研究予算、100億円以上増額へ
    2018/12/13 20:0512/13 22:12updated
    ©一般社団法人共同通信社

     政府が、本年度から来年度にかけ科学研究費助成事業の予算を100億円以上増額することが13日、分かった。本庶佑氏らノーベル賞受賞者らが繰り返し要望したことが後押ししたとみられる。
    https://this.kiji.is/445904686803944545

    https://koibito2.blogspot.com/2018/03/impact.html?showComment=1544707298859#c7316696132311155316

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    1. 若手研究者支援 厚く…政府方針 科研費136億円増
      2018年12月14日5時0分

       政府は、科学技術研究費を大幅に拡充することを決めた。新年度予算案と今年度の2次補正予算案で、優れた研究を支援する「科学研究費助成事業(科研費)」を136億円増やす。大きな成果が期待される研究を後押しする新たな研究費制度も創設し、約1000億円を計上する。

       自然科学、人文・社会科学すべての分野を対象にした科研費は2012年度以降、減少か横ばいの傾向が続き、近年は年間2200億円台で推移していた。

       だが、優れた研究論文が減り、若手研究者の研究環境が不安定になっている問題が顕在化して、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授らからも、日本の科学技術力の低下を懸念する声が相次いでいる。

       これを受け、政府は、若手研究者の重点支援などを進めるため、科研費を拡充する。新年度予算案に、前年度比で86億円増の2372億円を計上したほか、今年度の2次補正予算案にも50億円を盛り込む。

       新たな研究費制度では、文部科学、経済産業両省がそれぞれ所管する科学技術振興機構や新エネルギー・産業技術総合開発機構などの国立研究開発法人に基金を作る。実現性は未知数だが、大きなイノベーション(技術革新)につながる可能性がある研究に配分する。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181214-118-OYTPT50058

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    2. 若手研究者の支援へ、科研費136億円増…政府
      2018年12月14日10時10分

       政府は、科学技術研究費を大幅に拡充することを決めた。新年度予算案と今年度の2次補正予算案で、優れた研究を支援する「科学研究費助成事業(科研費)」を136億円増やす。大きな成果が期待される研究を後押しする新たな研究費制度も創設し、約1000億円を計上する。

       自然科学、人文・社会科学すべての分野を対象にした科研費は2012年度以降、減少か横ばいの傾向が続き、近年は年間2200億円台で推移していた。

       だが、優れた研究論文が減り、若手研究者の研究環境が不安定になっている問題が顕在化して、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授らからも、日本の科学技術力の低下を懸念する声が相次いでいる。

       これを受け、政府は、若手研究者の重点支援などを進めるため、科研費を拡充する。新年度予算案に、前年度比で86億円増の2372億円を計上したほか、今年度の2次補正予算案にも50億円を盛り込む。

       新たな研究費制度では、文部科学、経済産業両省がそれぞれ所管する科学技術振興機構や新エネルギー・産業技術総合開発機構などの国立研究開発法人に基金を作る。実現性は未知数だが、大きなイノベーション(技術革新)につながる可能性がある研究に配分する。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181214-118-OYT1T50022

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  50. ノーベル賞の本庶さん帰国「若手研究者を応援したい」
    2018年12月14日 12時40分

    ことしのノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんはスウェーデンから帰国し、「若い研究者を応援する仕事に力を尽くしたい」と今後の抱負を語りました。

    ことしのノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんは、スウェーデンのストックホルムで1週間余りにわたって授賞式や晩さん会などの公式行事に出席し14日午前、帰国しました。

    関西空港で取材に応じた本庶さんは、「受賞した仲間と話をしたほか、市民と交流したり議会で議論したりと、過密なスケジュールでしたが貴重な体験でした」と振り返りました。

    また、授与されたメダルを手に取ると、「メダルそのものはただの金の塊で、どうということはない」と本庶さんらしい感想を述べた一方で、歴代のノーベル賞受賞者のサインと写真を集めてまとめた本があり、日本人では初めての受賞者で京都大学の先輩にあたる湯川秀樹さんのサインを見せてもらい「一緒に写真を撮った。歴史の重みが感じられて、いちばん感慨深かった」と語りました。

    そして、本庶さんは今後の抱負を聞かれると、「できるだけ自分のペースで研究を続けながら、若い研究者を応援する仕事や基礎研究を支援する仕事に力を尽くすことができればいいと思っています」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181214/k10011747101000.html

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    1. 本庶さん帰国「貴重な体験」
      2018年12月14日15時0分

       ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は14日、授賞式などスウェーデンでの一連の行事を終えて帰国した=写真、大石健登撮影=。

       関西空港で報道陣の取材に応じた本庶さんは、現地での約1週間の滞在について、「多彩で過密なスケジュールだったが、大変貴重な体験ができた。晩さん会の後、あまりに人が多くて家族や仲間とはぐれてしまい、一緒に祝えなかったのは心残りだが、そのほかは素晴らしいもてなしだった」と振り返り、授与されたメダルを披露した。

       来年の抱負を問われると、「できるだけ自分のペースで研究を続け、若い研究者をエンカレッジ(激励)するような仕事ができればいい」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181214-118-OYTPT50237

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    2. 「メダルそのものは金の塊」 本庶さん帰国 =関西発
      2018年12月14日15時0分

       ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は14日、授賞式などスウェーデンでの一連の行事を終えて帰国した。

       関西空港で報道陣の取材に応じた本庶さんは、現地での約1週間の滞在について、「多彩で過密なスケジュールだったが、大変貴重な体験ができた。晩さん会の後、あまりに人が多くて家族や仲間とはぐれてしまい、一緒に祝えなかったのは心残りだが、そのほかは素晴らしいもてなしだった」と振り返った。

       授与されたメダルを披露した際には、「メダルそのものは金の塊で、どうってことはない」と周囲を和ませ、来年の抱負を問われると、「できるだけ自分のペースで研究を続け、若い研究者をエンカレッジ(激励)するような仕事ができればいい」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181214-043-OYO1T50012

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    3. 本庶さん帰国「人が多くて仲間と一緒に祝えず」
      2018年12月14日18時2分

       ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は14日、授賞式などスウェーデンでの一連の行事を終えて帰国した。

       関西空港で報道陣の取材に応じた本庶さんは、現地での約1週間の滞在について、「多彩で過密なスケジュールだったが、大変貴重な体験ができた。晩さん会の後、あまりに人が多くて家族や仲間とはぐれてしまい、一緒に祝えなかったのは心残りだが、そのほかは素晴らしいもてなしだった」と振り返り、授与されたメダルを披露した。

       来年の抱負を問われると、「できるだけ自分のペースで研究を続け、若い研究者をエンカレッジ(激励)するような仕事ができればいい」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181214-118-OYT1T50065

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  51. ノーベル賞 本庶さん 賞金を若手支援のために寄付
    2018年12月26日 18時07分

    ことしのノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんが、スウェーデンでの授賞式から京都大学に戻ったあととしては初めてとなる記者会見を開き、若手研究者を支援するためにみずから設立した基金にノーベル賞の賞金を寄付したことを明かしました。

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんは、スウェーデンの首都、ストックホルムで開かれた授賞式に出席したあと、今月14日に帰国しました。

    26日、京都大学に戻ったあととしては初めてとなる記者会見を開き、本庶さんは「記念講演は非常に多くの人から『よかった』と評価をいただけて満足している。残念だったのは、数十人いる共同研究者のうち数人しかノーベルウィークに同行できなかったことだ」と振り返りました。

    そして、今月上旬、若手研究者を支援するために「本庶佑有志基金」という名称の基金を設立し、すでにノーベル賞の賞金5000万円余りを寄付したことや知人から1億円の寄付の申し出があったことなどを明らかにしました。

    そのうえで、本庶さんは、若い世代に向けて「内向き志向で世界に出て行かないのは残念なことだ。科学において違う文化を体験するのは極めて重要で、ぜひチャレンジしてほしい」とエールを送りました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181226/k10011760481000.html

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    1. 親分は、不遇な子分たちの面倒も見なきゃいけない…

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    2. 若手研究者支援、本庶さん基金に知人から1億円
      2018年12月26日23時31分

       今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は26日、京大で開かれた記者会見で、若手研究者を支援する「本庶佑有志基金」に、知人の1人から1億円の寄付を受けたことを明らかにした。「大変滑り出しが良く、うれしく思う。若い人のサポートに使わせていただきたい」と話した。

       基金は京大が今月設立し、本庶さんが寄付した5000万円余りのノーベル賞の賞金を原資にしている。他にも広く寄付金を募り、学内の若手研究者に、給与と研究費を長期的に支給する計画という。

       この日の会見で、本庶さんは「基金は、志があればいつかはなるという『有志竟成ゆうしきょうせい』から名付けた。若い人に勇気を持ってチャレンジしてほしい」とエールを送った。

       本庶さんは、自身の研究成果から生まれたがん治療薬「オプジーボ」を販売する小野薬品工業(大阪市)にも、基金への協力を求めている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181226-118-OYT1T50107

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    3. 本庶さん基金 知人から1億円
      2018年12月27日5時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(76)は26日、京大で開かれた記者会見で、若手研究者を支援する「本庶佑有志基金」に、知人の1人から1億円の寄付を受けたことを明らかにした。「大変滑り出しが良く、うれしく思う。若い人のサポートに使わせていただきたい」と話した=写真=。

       基金は京大が今月設立し、本庶さんが寄付した5000万円余りのノーベル賞の賞金を原資にしている。他にも広く寄付金を募り、学内の若手研究者に、給与と研究費を長期的に支給する計画という。

       この日の会見で、本庶さんは「基金は、志があればいつかはなるという『有志竟成ゆうしきょうせい』から名付けた。若い人に勇気を持ってチャレンジしてほしい」とエールを送った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20181227-118-OYTPT50064

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  52. ノーベル賞 本庶氏と山中氏 学生に研究者目指す心構えを語る
    2018年12月27日 19時21分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんが、受賞後では初めてとなる学生向けの催しに出席し、京都大学の山中伸弥教授とともに学生たちに研究者を目指す心構えなどを語りました。

    これは京都大学が開いたもので、京都大学特別教授の本庶佑さんがノーベル医学・生理学賞を受賞したあととしては初めて学生向けの催しに登場しました。

    本庶さんは、6年前にノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授などとともに登壇し、会場には、医学や薬学、それに生命科学を学ぶ学生80人余りが集まりました。

    はじめに、本庶さんは「がん治療では、抗がん剤や放射線による治療が免疫を低下させることを考えると、免疫療法を早い段階で患者に採用したほうが負担は軽減できるだろう」と今後の課題を語りました。

    また、山中さんは「念願の整形外科の医師になったものの、実験でマウスに薬を投与したところ予想外の結果が出て、ものすごく興奮した」と研究を志したきっかけを話しました。

    そして、学生に向けたメッセージとして、本庶さんは「自分の中に好奇心が無いと研究者として大成しない。やりたいことや得意だと思うことを見極めて、選択をしてほしい」とエールをおくりました。

    また、山中さんは「がんがまさに克服されようとする中、皆さんは今、研究で携われるいいチャンスだと思う」と語りました。

    参加した医学部の女子学生は「2人が自分ならではの興味を持ってきたことが伝わり、親しみを覚えると同時にこれから自分がどうしていくか考えさせられました」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181227/k10011761891000.html

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    1. 朱に交われば赤くなる…

      医科様幹細胞万能細胞学派に交わって本庶免疫学も…

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  53. 講書始 ノーベル賞本庶佑特別教授らが両陛下に講義
    2019年1月11日 12時33分

    天皇皇后両陛下が年の初めにさまざまな分野の研究者から講義を受けられる「講書始」が皇居で行われました。

    講書始は、皇居 宮殿の「松の間」で行われ、両陛下は皇族方や学術関係者らとともに3人の研究者から講義を受けられました。

    皇太子妃の雅子さまはかぜの症状があるため出席を控えられました。

    はじめに民俗学が専門で国際日本文化研究センターの小松和彦所長が、日本の妖怪文化は時代とともに娯楽的な側面が強まり、世界の国々と比較しても視覚や造形芸術の面で特筆しうるものだと述べました。

    続いて東京大学の江頭憲治郎名誉教授が、ここ数年、日本で進むコーポレート・ガバナンスの改革は影響がまだ明確でなく、終身雇用が原則の日本では特殊な制約もあると論じました。

    最後に去年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授が、免疫の力を利用したがんの治療法を確立した経緯を説明し、治療の進歩によりがんが征圧されることを願っていると述べました。

    講義は1時間近くにわたり、両陛下や皇族方は研究の成果に熱心に耳を傾けられていました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190111/k10011774631000.html

    https://koibito2.blogspot.com/2018/12/2018-30.html?showComment=1547186482852#c7605899447917633620

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  54. ノーベル医学・生理学賞受賞ブレナー博士死去 日本にも貢献
    2019年4月7日 9時33分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した分子生物学者で、日本で科学技術分野の教育や研究を行う大学の設立にも携わったシドニー・ブレナー博士が5日、自宅のあるシンガポールで亡くなりました。92歳でした。

    シドニー・ブレナー博士は1927年に南アフリカで生まれ、イギリスのオックスフォード大学で博士号を取得しました。

    1960年代のはじめ、DNAの遺伝情報からさまざまなたんぱく質を合成する過程で働く「メッセンジャーRNA」を発見しました。

    そして「線虫」という地中に住む小さな生物を使って生物の遺伝の仕組みを研究し、細胞がみずから死ぬことによって生物が体の形を変えたり不要な組織を取り除いたりする「アポトーシス」という現象の解明に貢献したとして、2002年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

    またブレナー博士は2005年から6年間にわたり沖縄科学技術大学院大学の前身の独立行政法人の理事長を務めて大学の設立に貢献し、おととし、旭日大綬章を受章しました。

    所属していた研究機関によりますと、ブレナー博士は5日、自宅のあるシンガポールで亡くなったということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190407/k10011875741000.html

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  55. 関西 NEWS WEB
    本庶氏と山中氏が若者を激励
    04月08日 18時20分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑さんと京都大学の山中伸弥さんの2人が、京都市内で「先端医学が拓く未来」をテーマに講演し、若者たちに激励のことばを送りました。

    京都市左京区で開かれた講演会には、本庶さんと山中さんの2人のノーベル医学・生理学賞受賞者がそろって登壇し、会場には高校生を中心に1800人が集まりました。
    講演の中で山中さんは、「『しっかりとしたビジョンを持って一生懸命働く』という上司の言葉が私の人生のモットーとなっている。令和の時代は、iPS細胞による再生医療が大きな花を咲かせる時代だ」と述べました。
    また、本庶さんは、「生命科学の世界はわからないことばかりで、どれがいいアイデアなのかはやってみないと分からない」と語りました。
    そして、会場の高校生たちに対して山中さんが、「何か夢中になれることを見つけて、いろいろなことに挑戦し、いっぱい失敗することが大切だ」と激励すると、本庶さんは、「世界で活躍するために英語を学ぶとともに、何事にも歴史的な背景があることから、世界史と日本史をふかん的に学んでおくことが大切だと」とアドバイスしていました。
    参加した2年生の女子高校生は、「いま学んでいる勉強が何に役に立つのだろうと思っていましたが講演を聴いて、志を深く、信念を貫いて学ぶ姿勢を学びたいと思いました」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190408/0014346.html

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    1. 本庶、山中両氏「先端医学が拓く未来」を語る
      2019/04/08 23:00

      活発な意見を交わす本庶氏(左)と山中氏(8日午後、京都市左京区で)=土屋功撮影

       ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」(読売新聞社主催)が8日、京都市で開かれた。「先端医学が拓ひらく未来」をテーマに、本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授(2018年、生理学・医学賞)と山中伸弥・京大iPS細胞研究所長(12年、同賞)の2人が講演やパネル討論を行い、中高生約900人を含む計約1800人の参加者が聴き入った。

       本庶氏は、免疫の働きを抑える分子の発見から、がん免疫治療薬「オプジーボ」の実用化までに22年かかったと振り返り、「生命科学では、ほとんどのことが分かっていない。息の長い基礎研究が重要だ」と強調した。

       山中氏は聴講した高校生らに向け、「これから日本が世界で尊敬される存在であり続けるには、科学の力が絶対に必要。皆さんにもそれを担ってほしい」と呼びかけた。
      https://www.yomiuri.co.jp/science/20190408-OYT1T50318/

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  56. ノーベル医学・生理学賞 本庶さんが特許料見直し求め会見
    2019年4月10日 22時47分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんは10日、会見を開き、受賞理由になったがんの免疫療法の薬を共同で開発した製薬会社の小野薬品工業に対し、特許料の配分が不当に低く抑えられているとして契約の見直しを求めていることを明らかにしました。これに対して小野薬品工業は、「会見の全容を把握できていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは大阪にある製薬会社、小野薬品工業と共同でがんの免疫療法の薬、オプジーボを開発し、こうした業績で本庶さんは去年、ノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

    本庶さんは10日、京都大学で、弁護士や京都大学の産学連携担当の理事とともに会見を開きました。

    この中で本庶さんは、小野薬品工業と開発途中の平成18年に特許料の支払いなどについて契約を結んでいますが、特許料の分配が不当に低く抑えられているとして契約の見直しを求めていることを明らかにしました。

    同席した弁護士によりますと、契約に基づいて本庶さんに分配される特許料はおそよ26億円で、小野薬品工業から正確な説明や情報提供がないまま契約を結んでいて、本来は1000億円に達してもおかしくないとしています。

    本庶さんは小野薬品工業との交渉を希望しているものの、去年秋から話し合いができていないということです。

    本庶さんは特許料を、若手研究者を支援するための基金に寄付するとしていて、「公正な企業と大学の連携によって研究者を育てて新たな発見を生み出すモデルをつくらないと日本の生命科学はだめになる」と話しました。

    一方、小野薬品工業はこれまでのNHKの取材に対し、「契約は双方が納得したうえで締結されました。その後、誠意をもって交渉に応じてきましたが、契約とのかい離が大きく、話し合いが継続している状況です」とコメントしていて、10日の会見については「会見の全容を把握できていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190410/k10011880011000.html

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  57. 京大 がん免疫療法の研究センター設置へ トップは本庶佑さん
    2019年5月18日 5時06分

    京都大学は、ノーベル医学・生理学賞を去年、受賞した本庶佑特別教授をトップにしたがん免疫療法の総合的な研究センターを設置する方針を決めました。がん免疫療法の総合的な研究開発拠点ができれば、国内では初めてだということです。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは、免疫の働きを利用してがんを治療する免疫療法を医療として確立したとして、去年、ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

    京都大学の関係者によりますと、がん免疫療法の開発を加速するため、来年度、医学部に新たに「がん免疫総合研究センター」を設置することを決め、国に予算を要求する方針です。

    センター長は本庶さんが務め、免疫の仕組みなど基礎的な研究から新薬の開発や臨床での応用まで幅広くがん免疫療法の研究開発を行うほか、治療にあたる医師の育成も行うとしています。

    がん免疫総合研究センターは、当面は既存の施設の中に設ける予定ですが、5年後をめどに医学部の敷地に専用の建物の整備を目指すということです。

    厚生労働省などによりますと、がん免疫療法について基礎研究から臨床応用まで総合的に研究開発を行う拠点はアメリカやヨーロッパにはありますが、国内では初めてだということです。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190518/k10011920391000.html

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    1. 京大 がん免疫療法拠点…本庶さんトップに
      2019/05/19 05:00

       京都大が、昨年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑ほんじょたすく特別教授=写真=をトップに据えたがん免疫療法の研究センターを、来年度にも新設する方針を固めた。関係者への取材で分かった。がん免疫療法の研究から実用化までを担う国内初の施設とする計画で、今後、国に予算要求する。

       本庶さんの研究を基に開発されたがん免疫治療薬「オプジーボ」の効果を高める研究などの拠点とする。数十人規模の研究者を集め、基礎研究から新薬の開発に必要な臨床試験(治験)までを一貫して行える体制を整備する。当面は医学部内の既存の建物を利用し、5年後をめどに専用の施設を設ける。

       オプジーボは、一部の患者に劇的に効く一方、効果がある患者は2~3割とされる。効果が出る患者を事前に調べる方法も確立していない。
      https://www.yomiuri.co.jp/science/20190519-OYT1T50077/

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  58. たまたま効いたように見えたに過ぎない…

    その薬理効果に関しては、ほんとうは何も実際の因果関係はないのではないのかな。

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  59. 本庶氏「未知の分野多い、生理学講座の充実を」
    3 時間前

    講演する本庶佑氏

     北海道大医学部の創立100周年を記念し、ノーベル生理学・医学賞を昨年受賞した本庶佑・京都大特別教授(77)の講演会が27日、札幌市北区の北大で開かれた。本庶氏は自らの研究人生や研究の一端を語った。

     本庶氏は1992年に免疫を抑制する分子「PD―1」を発見。薬でこの分子の働きを妨げ、人間が持つ免疫力を活性化させるがん治療法の開発に道を開き、昨年の同賞受賞につながった。本庶氏は「出会いに恵まれ、幸運な人生だった」と振り返った上で、「物理学や化学に比べ、生物学は未知の分野が数多い。医学教育でも生理学講座を充実させるべきだ」と訴えた。

     講演に先立ち吉岡充弘医学部長は、北海道帝国大創設翌年の1919年に医学部が創立、卒業生9993人が地域医療や研究に従事していることを紹介した。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190728-OYT1T50150/

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  60. 「オプジーボ」本庶氏、150億円支払い求め提訴へ
    8 時間前

     がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に貢献した本庶佑・京都大特別教授と、薬を開発した小野薬品工業(大阪市)が特許の対価を巡り対立している問題で、本庶氏が小野薬品に約150億円の支払いを求め、大阪地裁に提訴する方針であることがわかった。

    特許対価 「満足な回答ないなら」

     薬の売り上げは全世界で1兆円を超える。本庶氏は昨年、この薬の開発の基となった研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した。

     本庶氏が支払いを求める約150億円は、小野薬品などの訴訟に協力した際の報酬額で、本庶氏の代理人弁護士は27日、読売新聞の取材に、「8月中に小野薬品から満足できる回答がない場合、提訴について最終判断する」と答えた。

     代理人弁護士によると、小野薬品は2014年、オプジーボに似た薬を販売する米製薬大手メルクに対する特許侵害訴訟で、本庶氏に協力を依頼した。本庶氏は裁判で証言し、訴訟はメルクが小野薬品などに薬の特許使用料を支払う内容で和解した。

     しかし本庶氏と小野薬品は、本庶氏の持つ特許の対価を巡って対立し、小野薬品はメルクとの訴訟に協力を依頼した際に提案した報酬割合を撤回した。今回、小野薬品が全面的に争う姿勢を示した場合、本庶氏側は約150億円とは別に、対価の引き上げなどを求める訴訟も検討する。

     本庶氏はノーベル賞の受賞が決まった後、小野薬品から得られるはずの対価を、若手研究者を支援する京大の基金に利用する意向を表明した。小野薬品は最大300億円を京大に寄付する案を示したが、本庶氏は「正当な対価なら1000億円に達する可能性がある」として受け入れていない。本庶氏は27日、代理人弁護士を通じて「大学と企業が対立状態にあると、社会も株主も損失を被る。小野薬品から再提案がなく訴訟になれば、裁判所の判断を仰ぎつつ、一日も早く良好な産学連携の関係を取り戻したい」との談話を発表した。小野薬品は同日、「現段階で、京大への寄付を前提に話し合いを継続する考えに変わりはない」とコメントした。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20190728-OYT1T50127/

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  61. ノーベル賞 きょうから受賞者発表始まる
    2019年10月7日 7時26分

    ことしのノーベル賞の受賞者の発表が7日から始まり、日本人としては去年、医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんに続き、アメリカ国籍を取得した人を含め27人目の受賞者がでるか注目されます。

    ノーベル賞はダイナマイトを発明したスウェーデンのアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて、1901年に始まりました。

    ことしの受賞者の発表は、
    ▽7日が医学・生理学賞、
    ▽8日が物理学賞、
    ▽9日が化学賞、
    ▽10日が文学賞、
    ▽11日が平和賞、
    ▽14日が経済学賞となっています。

    文学賞は去年、選考を行うスウェーデン・アカデミーのスキャンダルで発表が見送られたため、ことしは2年分の受賞者が発表されます。

    アメリカの学術情報サービス会社は日本人の中での注目すべき研究者として
    ▽医学・生理学賞では、たんぱく質を分解する細胞の仕組みなどを解明した京都大学の森和俊教授、
    ▽化学賞では、極めて小さな穴を持つ新しい物質を開発した京都大学の北川進特別教授、
    ▽経済学賞では、マクロ経済学の研究で世界的に知られるアメリカのプリンストン大学の清滝信宏教授の3人をあげています。

    ノーベル賞を受賞した日本人はアメリカ国籍を取得した人を含めて26人です。

    去年、医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑さんに続いて2年連続で27人目の受賞者がでるか注目されます。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191007/k10012115621000.html

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    1. あっと驚くかのインチキ医科様野郎がくるかもよ(笑)。

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    2. ノーベル医学・生理学賞にグレッグ・セメンザ氏ら3人
      2019年10月7日 18時36分

      ことしのノーベル医学・生理学賞にグレッグ・セメンザ氏らアメリカとイギリスの研究者3人が選ばれました。

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれたのは
      ▽ジョンズ・ホプキンス大学のグレッグ・セメンザ氏、
      ▽ハーバード大学のウィリアム・ケーリン氏、
      ▽オックスフォード大学のピーター・ラトクリフ氏の3人です。

      3人はヒトや動物が高山など、酸素の濃度が低く呼吸しづらい環境に長くいると体が慣れてくる適応現象について調べました。

      その結果、低酸素の状況になると、体内で「HIF」という特別なたんぱく質が大量に作られ、酸素を取り込んで適応しようとすることなどを突き止めました。

      一方、このたんぱく質はがんなどのなかなか酸素を取り込めない細胞の塊に対しても、低酸素状況で生き残るよう手助けして悪化させてしまうことなども分かりました。

      そのため、このたんぱく質が作られるのを制御できれば、新たな治療法の開発につながるのではないかと期待されています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191007/k10012116321000.html

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    3. ノーベル物理学賞にミシェル・マイヨール氏ら3人
      2019年10月8日 19時00分

      ことしのノーベル物理学賞にスイスのジュネーブ大学のミシェル・マイヨール氏ら3人が選ばれました。

      スウェーデンのストックホルムにある王立科学アカデミーは日本時間の8日午後7時前、記者会見を開き、ことしのノーベル物理学賞に、スイスのジュネーブ大学のミシェル・マイヨール氏とディディエ・ケロー氏、それにアメリカのプリンストン大学のジェームズ・ピーブルス氏の3人を選んだと発表しました。

      マイヨール氏とケロー氏は、1995年に地球からの距離がおよそ50光年と、光の速さでおよそ50年かかる場所にあるペガサス座の51番星という恒星の周りを惑星が回っていることを突き止めたと発表しました。太陽系の外で惑星が発見されたのは、これが初めてでした。

      またピーブルス氏は、宇宙の始まりである「ビッグバン」が起きた直後から現在までの宇宙の進化の様子を理論的に研究するうえで大きな貢献をしたことなどが評価されました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191008/k10012117891000.html

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    4. 「ノーベル賞」
      https://www3.nhk.or.jp/news/word/0000190.html

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    5. ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん
      2019年10月9日 18時51分

      ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンやパソコンなどに広く使われている「リチウムイオン電池」を開発した大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェロー、吉野彰さん(71)が選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目です。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012119571000.html

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    6. ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん
      2019年10月9日 18時57分

      ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンやパソコンなどに広く使われている「リチウムイオン電池」を開発した大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さん(71)らが選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目です。

      吉野さんは、大阪府吹田市出身で71歳。京都大学の大学院を卒業後、旭化成に入社し、電池の研究開発部門の責任者などを務めたほか、おととしからは名城大学の教授も務めています。

      吉野さんは、「充電できる電池」の小型化と軽量化を目指して開発に取り組み、当初は、ノーベル化学賞の受賞者、白川英樹さんが発見した電気を通すプラスチック、「ポリアセチレン」を電極に利用する研究をしていました。

      その後、コバルト酸リチウムという化合物をプラスの電極として使う当時の最新の研究成果に注目し、マイナスの電極に炭素繊維を使うなどした結果、昭和60年、現在の「リチウムイオン電池」の原型となる新たな電池の開発に成功しました。

      小型で容量の大きいリチウムイオン電池は、スマートフォンやノートパソコンといったIT機器に欠かせないものとなったほか、電気自動車にも利用されるなど現在の社会を支える技術となっています。

      こうした業績は国内外で高く評価されていて、吉野さんは平成16年に紫綬褒章を受章したほか、平成26年に「工学分野のノーベル賞」とも呼ばれるアメリカの「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を、ことしはヨーロッパの特許庁が主催する「欧州発明家賞」を受賞しています。

      日本人がノーベル賞を受賞するのは、去年、医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんに続き、アメリカ国籍を取得した人を含めると27人目で、化学賞は、9年前の鈴木章さんと根岸英一さんに続いて8人目となります。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012119571000.html

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    7. 「頭が柔らかくないといけないが、執着心も必要」…真逆の研究信条の吉野氏
      2019/10/09 21:24

      ノーベル化学賞の受賞が決まり、リチウムイオン電池の模型を手に笑顔を見せる吉野彰さん(9日午後8時19分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影

       今年のノーベル化学賞に決まった吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)。「学会で認められるよりも、社会に役立つものを生み出したい」。そんな強い思いが、スマートフォンなど現代のモバイル社会の実現に欠かせないリチウムイオン電池を開発する原動力となった。

       「研究の醍醐だいご味は実験。特に予想外の結果が出た時が面白い」。1972年に旭化成に入社して間もない頃は、化合物の新しい用途を考える研究に明け暮れた。貼るとガラスが割れにくくなるフィルム、燃えにくい断熱材……。様々なアイデアを考えたが、商品化につながらなかった。

       地道な研究を始めて、10年目。白川英樹・筑波大名誉教授(2000年化学賞受賞)が発見した、電気を通す性質を持つ「ポリアセチレン」を電池の材料として使えないか検討を始めた。この着想が、電池の小型化を可能にする特殊な炭素材料の発見につながった。「研究者は頭が柔らかくないといけない。真逆だが、執着心、あきらめないことも必要だ」。9日夜の記者会見で、自らの研究信条をこう語った。

       電池の安全性を検証する実験は「何が起きても絶対大丈夫なように」と、宮崎県延岡市にある旭化成のダイナマイト試験場で行った。強い衝撃を受けても発火しないことを確かめるため、弾丸を撃ち込んで貫通させたり、重さ5キロの鉄塊を落としてぶつけたり。そんな過酷な条件にも、電池は耐え抜いた。「この人生最大の野外実験の成功が、リチウムイオン電池誕生の瞬間だった」
      https://www.yomiuri.co.jp/science/20191009-OYT1T50271/

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    8. ノーベル化学賞に旭化成・吉野彰氏ら…リチウムイオン電池開発
      2019/10/09 22:08

      ノーベル化学賞の受賞が決まり、記者会見で笑顔を見せる吉野彰さん(9日午後7時22分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影

        スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を開発した旭化成の吉野彰・名誉フェロー(71)ら3人に授与すると発表した。リチウムイオン電池は軽量かつ高出力で、充電して繰り返し使える。スマートフォンやノートパソコン、電気自動車などに広く使われている。化石燃料に頼らない社会の実現に向けた貢献が評価された。

       授賞理由は「リチウムイオン電池の開発」。同時に受賞するのは米テキサス大オースティン校のジョン・グッドイナフ教授(97)、米ニューヨーク州立大ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム卓越教授(77)の2氏。グッドイナフ氏は1901年に授与が始まったノーベル賞史上、最高齢での受賞となる。

       授賞発表後、東京都千代田区の旭化成本社で記者会見した吉野氏は、「化学は分野が広いので、順番がなかなか回ってこないと思っていました。まさか、まさかです。家族に伝えたら、腰を抜かすほど驚いていました」と笑顔で語った。

       吉野氏は旭化成の研究者だった1981年、携帯用の家電などに搭載する小型充電池の開発に着手した。グッドイナフ氏がコバルト酸リチウムのプラス極を発案していたリチウムイオン電池に着目、マイナス極に特殊な炭素材料を使うことを考案した。85年に、繰り返し充電できるリチウムイオン電池の原型を完成させた。ウィッティンガム氏はそれに先立つ70年代、金属リチウムを使った電池を開発した。

       調査会社の富士経済によると、リチウムイオン電池の世界の市場規模は約4兆7855億円(2019年予測)に上る。近年は電気自動車の電源の需要が増えており、省エネや大気汚染対策の分野でも応用が広がっている。さらなる小型化や大容量化をめざし、世界中で性能の改善が進められている。

       日本のノーベル賞受賞は、18年に生理学・医学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授に続いて、米国籍の2人を含めて27人目。化学賞は10年の根岸英一・米パデュー大特別教授と鈴木章・北海道大名誉教授に続いて8人目となる。

       授賞式は同賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで開かれる。賞金の900万スウェーデン・クローナ(約9700万円)は、吉野氏ら3氏で3分の1ずつ分ける。

       吉野彰氏(よしの・あきら)1948年、大阪府吹田市生まれ。70年京都大工学部卒、72年同大大学院修士課程修了。同年旭化成入社。イオン二次電池事業グループ長、電池材料事業開発室長、顧問などを経て、2017年10月から同社名誉フェロー。名城大教授も務める。05年に大阪大で博士(工学)取得。14年に「工学のノーベル賞」とも呼ばれる米チャールズ・スターク・ドレイパー賞、18年に日本国際賞を受賞している。
      https://www.yomiuri.co.jp/science/20191009-OYT1T50255/

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    9. ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん
      2019年10月9日 19時22分

      ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンなどに広く使われ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」を開発した、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さん(71)ら3人が選ばれました。日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含めて27人目、化学賞では8人目です。

      ことしのノーベル化学賞に選ばれたのは、
      ▽大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェロー、吉野彰さん(71)、
      ▽アメリカ・テキサス大学教授のジョン・グッドイナフさん、
      それに▽アメリカ・ニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガムさんの3人です。

      吉野さんは大阪府吹田市出身で71歳。京都大学の大学院を修了後、旭化成に入社し、電池の研究開発部門の責任者などを務めたほか、おととしからは名城大学の教授も務めています。

      吉野さんは、「充電できる電池」の小型化と軽量化を目指し、開発に取り組みノーベル化学賞の受賞者、白川英樹さんが発見した電気を通すプラスチック、「ポリアセチレン」を電極に利用する研究をしていました。

      そして、今回、一緒にノーベル化学賞を受賞することとなったジョン・グッドイナフさんたちの研究成果に注目し、「コバルト酸リチウム」という化合物の電極と、炭素繊維の電極を組み合わせて昭和60年、現在の「リチウムイオン電池」の原型となる新たな電池の開発に成功しました。

      小型で容量の大きいリチウムイオン電池は、今ではスマートフォンやノートパソコンといったIT機器には欠かせないものとなりました。

      また、大容量の電気をためることができることから、電気自動車への利用や太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーの電気をためる蓄電池として利用が広がるなど、化石燃料を使わない社会の実現を可能にする地球環境にやさしい技術として高く評価されています。

      こうした業績により、吉野さんは平成16年に紫綬褒章を受章したほか、平成26年に「工学分野のノーベル賞」とも呼ばれるアメリカの「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を、ことしはヨーロッパの特許庁が主催する「欧州発明家賞」を受賞しています。

      日本人がノーベル賞を受賞するのは、去年、医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんに続き、アメリカ国籍を取得した人を含めると27人目で、化学賞は、9年前の鈴木章さんと根岸英一さんに続いて8人目となります。

      「化石燃料必要ない社会 作り出すことも可能に」ノーベル委員会

      ノーベル化学賞の受賞理由について、ノーベル委員会は、「リチウムイオン電池は、軽くて、再充電できる強力なバッテリーでいまでは小型の携帯電話やノートパソコン、電気自動車などあらゆるものに使われている。太陽光や風力などのエネルギーを十分ためることができ化石燃料が必要ではない社会を作り出すことも可能にする」としています。

      グッドイナフ氏 最高齢受賞者に

      ことしのノーベル化学賞の受賞者に、日本人の吉野彰さんとともに、アメリカのテキサス大学のジョン・グッドイナフ氏と、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム氏の2人が選ばれました。

      グッドイナフ氏は、97歳での受賞となり、去年、ノーベル物理学賞を96歳で受賞した、アメリカのアーサー・アシュキン氏を抜き、すべての賞において最高齢での受賞となります。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012119571000.html

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    10. リチウムイオン電池開発に貢献 水島公一さん「大変光栄」
      2019年10月9日 22時56分

      ことしのノーベル化学賞の受賞者に決まったジョン・グッドイナフ教授とともに研究し、リチウムイオン電池の開発に貢献した大手電機メーカー「東芝」のエグゼクティブフェロー、水島公一さん(78)はコメントを出し「共に研究に携わられたグッドイナフ先生が受賞されたことについて大変うれしく思います」と受賞を祝福しました。

      水島さんは、昭和55年にイギリス オックスフォード大学の研究員としてグッドイナフ教授とともに「コバルト酸リチウム」が電池の材料として活用できることを発見しました。

      水島さんはコメントの中で「リチウムイオン電池の実用化には、さまざまな研究成果の積み上げがあり、その一部に関わることができ、世界の人々の生活に貢献していることを共同研究者の1人として、大変光栄に思います」としました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012120221000.html

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    11. リチウムイオン電池は環境問題解決に期待 ノーベル化学賞
      2019年10月10日 17時54分

      ことしのノーベル化学賞の受賞者、吉野彰さんが開発したリチウムイオン電池は、石油や石炭などの化石燃料を使わない社会を実現する可能性を切り開く技術として、環境問題の解決につながると期待されています。

      これまでの太陽光発電などでは夜や雨の日などは発電できず、電力の供給が不安定なことが課題となっていました。

      そこで、ふだんからリチウムイオン電池に電気をためておけば、安定して電気を使うことができるため、この課題を解決することができます。

      東京に本社を置く太陽光発電会社では、全国31か所のメガソーラーや公共施設で、リチウムイオン電池を備えた太陽光発電設備を設置しています。

      このうち、千葉県鋸南町の鋸南小学校では、9年前、屋上に太陽光発電の大型パネルを設置し、リチウムイオン電池の蓄電池も導入したということです。

      この小学校では、先月の台風15号で地域が停電した際、蓄電池があったことで、避難所となった体育館などに非常用の電源を供給し続けることができたということです。

      鋸南小学校の樋口和夫校長は、「強風で割れた窓ガラスを片づける際、掃除機を1台動かす電力が確保できたので非常に助かりました。また、携帯電話の充電にも使えたので蓄電池があることのありがたみを実感した」と話していました。

      太陽光発電会社「スマートソーラー」の手塚亮史広報宣伝部長は、「太陽光発電は夜間に発電できないが、蓄電池とセットで使うことで電力源としての機能が高まる。スマートフォンや自動車用にリチウムイオン電池が普及したことで、コストも下がり、自然エネルギー用の蓄電にも使えるようになってきたので、これから一気に普及すると期待している」と話していました。

      住宅用蓄電池で自給電力

      リチウムイオン電池は、温室効果ガスを出さない再生可能エネルギーを活用するために欠かせない存在となっています。

      大手電機メーカーが提供している住宅用の電力システムでは、日中に太陽光パネルで発電した電力をリチウムイオン電池に蓄え、夜間や停電時に電気機器用の電力として活用します。

      より多くの電気をためて高いエネルギーを出力でき、さらに大型化しても安全性の高いリチウムイオン電池の開発で、気象条件に左右されても太陽光発電の電気を安定的に使えるようになったということです。

      この会社のシステムでは最大で、家庭で使う電力のうちの70%を太陽光発電でまかなえるということで今後、性能をさらに高め、電気の“100%自給自足”を目指すとしています。

      「パナソニック」エナジーシステム事業部の山本高広課長は「環境へ貢献だけでなく災害への備えができるという意味でも社会的意義は大きいと感じる。ノーベル賞の受賞も当然だなと思います」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191010/k10012121561000.html

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    12. ノーベル文学賞 2年分発表 ポーランドとオーストリアの2人
      2019年10月10日 20時08分

      ノーベル文学賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーは日本時間の10日夜、発表が見送られた去年と、ことしの2年分の受賞者を同時に発表し、去年の受賞者にポーランドの女性作家オルガ・トカルチュク氏(57)が、ことしの受賞者にはオーストリアの男性作家ペーター・ハントケ氏(76)がそれぞれ選ばれました。

      スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の10日午後8時ごろ、去年とことしの2年分の受賞者を発表しました。

      このうち去年の賞に選ばれたポーランドの作家、オルガ・トカルチュク氏は、1962年にポーランド西部で生まれ、ワルシャワ大学で心理学を学んだあと、執筆活動を始めました。

      2007年に発表した代表作の小説「逃亡派」は、異なる時代や場所を舞台に起きるエピソードを集めた作品で、読者がさまざまな旅を経験した気持ちになれる「斬新な紀行文学」だと評価されています。

      翌2008年にはポーランドで最も権威がある文学賞「ニケ賞」を受賞し、日本語にも翻訳されています。

      ノーベル賞の選考委員会は「彼女の作品は、1989年以降の新しいポーランド文学のすばらしい手本となった。小説は、自然と文明、理性と狂気、そして男性と女性などを対比して、そのなかで生まれる緊張感で表現されている」と評価しています。

      一方、ことしの受賞者に選ばれたペーター・ハントケ氏は、映画「ベルリン・天使の詩」の脚本を書いたことで知られる作家で、1942年、オーストリア南部のケルンテン州で生まれました。

      1966年に小説「雀蜂」でデビューし、小説だけでなく戯曲や詩など幅広いジャンルの作品を執筆しています。

      一方で、1990年代のユーゴスラビア紛争の際には、西側メディアの報道の偏りやNATO=北大西洋条約機構による空爆を批判して議論を巻き起こしました。

      ノーベル賞の選考委員会は「ハントケ氏は第二次世界大戦以降のヨーロッパで最も影響力のある作家の1人で、その作品は人間の存在価値を常に探求し続けてきた」と評価しています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191010/k10012121681000.html

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    13. ノーベル平和賞にエチオピアのアビー・アハメド首相
      2019年10月11日 18時04分

      ことしのノーベル平和賞に、アフリカ東部で長年対立が続いてきた隣国エリトリアとの和平を成し遂げた、エチオピアのアビー・アハメド首相(43)が選ばれました。

      アビー氏は、軍人から政界入りし、去年4月に首相に就任しました。

      そして最大の課題だった隣国エリトリアとの関係改善に乗り出し、去年7月、20年前の武力衝突をきっかけに続いてきた対立関係を解消し、歴史的な和平に合意しました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191011/k10012123651000.html

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    14. ノーベル経済学賞に米研究者3人 世界の貧困削減へ実験的手法
      2019年10月14日 18時53分

      ことしのノーベル経済学賞の受賞者に、世界的な貧困の削減のため、実験的な手法を取り入れた、いずれもアメリカの大学の研究者3人が選ばれました。

      スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の午後7時前、ことしのノーベル経済学賞の受賞者を発表しました。

      受賞したのは、
      いずれもアメリカのマサチューセッツ工科大学の
      ▽アビジット・バナジ-氏と、
      ▽エスター・デュフロ氏、
      それに、アメリカのハーバード大学の
      ▽マイケル・クレマー氏の3人です。

      ノーベル経済学賞の選考委員会は、授賞の理由について、世界的な貧困の削減のために、途上国の実際のデータを使い、因果関係を分析する実験的なアプローチを取り入れたことを評価したとしています。

      デュフロ氏「受賞は多くの研究者を代表するもの」

      このうちデュフロ氏は46歳。ノーベル経済学賞としては、最年少の受賞者で、女性では2人目となります。

      デュフロ氏は受賞が決まったあと電話会見に臨み「受賞できるとは思っておらず恐縮だ。3人の受賞は貧困問題に取り組むたくさんの研究者を代表するものだ」と喜びを語りました。

      また「貧しい人たちは絶望的で怠惰だと考えられがちだが、私たちの研究のゴールは科学的な証拠に基づいて貧困に立ち向かうことだ」と述べました。

      評価された「実験的なアプローチ」とは

      ことしのノーベル経済学賞の受賞者に決まった3人が評価された「実験的なアプローチ」とは、実際に途上国の特定の町や村を実験のフィールドとして使い、そこにあるさまざまな社会的条件と貧困の緩和の因果関係を探る手法です。

      たとえば、貧困を緩和するのに何が必要かを探るため、ビジネスを行う際に少額の資金を貸し出してもらった人と、資金の貸し出しを受けなかった人の両方のグループを観察し、結果にどのような違いが生じるか分析したということです。

      その結果、資金の提供を受けたかどうかは、貧困の緩和に欠かせない人々の健康や教育、それに女性の社会参加などといった要素には、あまり影響を与えないことがわかったということです。

      「貧困の削減 どういった政策が効果的か明らかに」

      ことしのノーベル経済学賞に、世界の貧困の削減に関する研究を続けたアメリカの大学の研究者3人が選ばれたことについて、ノーベル経済学賞に詳しい慶應義塾大学の坂井豊貴教授は「3人は発展途上国で徹底したフィールドワークを行って、貧困を削減するにはどういった政策が効果的なのかを明らかにした。世界的に貧富の差が広がる中、こうした研究に光があたったのかもしれない」と評価しました。

      一方、ノーベル賞の中で唯一、日本人受賞者がいないのが経済学賞です。これについて坂井教授は「ことしも日本人が受賞できなかったことは残念だが、不況に関する研究などで海外で活躍している研究者もいる。簡単に受賞できるとは思えないが、来年以降に期待したい」と話していました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191014/k10012131111000.html

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    15. ノーベル経済学賞に「貧困の研究」MIT・ハーバードの3教授
      2019/10/14 19:24

       スウェーデン王立科学アカデミーは14日、2019年のノーベル経済学賞をインド出身で米マサチューセッツ工科大(MIT)のアビジット・バナジー教授、フランス出身で同大のエスター・デュフロ教授、米ハーバード大のマイケル・クレマー教授の3氏に授与すると発表した。貧困についての研究を評価した。
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20191014-OYT1T50144/

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  62. 社説
    ノーベル化学賞 生活変えた業績が評価された
    2019/10/10 05:00

     今年のノーベル化学賞が、旭化成の吉野彰・名誉フェローと米国の研究者ら計3人に授与されることが決まった。「リチウムイオン電池の開発」が授賞理由だ。

     リチウムイオン電池は、軽量かつ高出力で、充電して何度も使えるのが特徴だ。スマートフォンやノートパソコン、電気自動車などに広く使われている。

     特殊な炭素材料を使うことに着眼し、リチウムイオン電池の原型を完成させた。IT革命の原動力を生み出した功績は大きい。

     中でも電気自動車は、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない乗り物として期待される。吉野氏は記者会見で、「電気自動車は持続可能な社会にも適している」と語っている。

     再生可能エネルギーの風力発電や太陽光発電で作り出した電気をリチウムイオン電池に蓄えれば、安定的に電気を使うことも可能になる。こうした環境面での貢献も授賞を後押ししたのだろう。

     吉野氏は京都大大学院を修了後旭化成に入社し、充電できる電池の開発に携わった。

     企業内研究者のノーベル賞受賞は、島津製作所の田中耕一さんらに続く快挙である。企業で様々な開発に取り組む研究者たちに夢を与えたのではないか。

     今回のケースでは、米国の大学の基礎研究を、日本の企業がうまく発展させて、商品化に結び付けた。産学連携の重要性を改めて示したとも言える。政府も積極的に支援し、大学と企業の共同研究を推進することが大切だ。

     日本のノーベル賞受賞は27人目で、自然科学分野では24人目だ。昨年の生理学・医学賞の本庶佑・京都大特別教授に続き2年連続の受賞でもある。日本の研究者の層の厚さを物語る。

     吉野氏は、1981年にノーベル化学賞を受けた福井謙一氏の孫弟子にあたる。日本の科学研究の伝統が、脈々と受け継がれていることの証左とも言えよう。

     近年、日本の若手研究者を取り巻く環境は厳しい。大学に残っても任期が限られ、腰を落ち着けて研究することが難しい。このため、博士課程を目指す若者も減少傾向にある。研究環境を整備することが欠かせない。

     吉野氏は受賞について、「若い研究者の励みになる」と述べた。これを契機に若手が挑戦を重ね、将来のノーベル賞につながる研究が生まれることを期待したい。
    https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20191009-OYT1T50312/

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    1. >温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない乗り物

      こういう夢と幻想をふりまいているうちは、まだまだインチキな幻惑から覚めることはないのかもしれぬ…

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    2. 「温室効果ガス」という幻惑幻想詐話…

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  63. ノーベル化学賞 吉野彰さんが日本シリーズで始球式
    2019年10月22日 20時19分

    ことしのノーベル化学賞に選ばれた吉野彰さんが22日夜、プロ野球の日本シリーズ、第3戦で始球式を務めました。

    吉野さんは、東京ドームの日本シリーズ、巨人対ソフトバンクの第3戦で始球式を行いました。

    巨人のユニフォームを着てマウンドに上がった吉野さんは、大きく振りかぶって力強くボールを投げ、ワンバウンドでキャッチャーミットに収まると満面の笑顔で観客の大歓声に応えました。

    始球式のあと報道陣の取材に応えた吉野さんは「投球はフォークボールになってしまったので、90点くらいです。野球も研究もチームワークと、力まないことが大切ですが、きょうは力んでしまった。きょうは即位の礼がありましたが、今回の台風で被害にあった人たちが即位の礼や私の投球を見て、元気になってもらえたらうれしいです」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191022/k10012144211000.html

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  64. 首相「若手研究者の待遇改善を」ノーベル賞の吉野さんと面会
    2019年11月11日 14時32分

    安倍総理大臣は11日、政府の会合で、ことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた吉野彰さんが若手研究者への継続的な支援を求めたことを受け、関係閣僚に対し、若手やトップクラスの研究者の待遇改善などに取り組むよう指示しました。

    安倍総理大臣はことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた、大手化学メーカー「旭化成」名誉フェローの吉野彰さんと総理大臣官邸で面会し、吉野さんが開発に成功したリチウムイオン電池をモチーフとした置物を記念品として贈られました。

    このあと、政府の「総合科学技術・イノベーション会議」で、吉野さんが講演し、33歳の時に今回の受賞につながる研究を始めたことを紹介したうえで科学技術の発展に向けて若手研究者に対する政府の継続的な支援を求めました。

    これに対し、安倍総理大臣は「若手からトップ研究者に至るまで意欲ある研究者に魅力ある環境を提供していくことが極めて重要だ」と述べ、若手やトップクラスの研究者の待遇や研究環境の改善に取り組むよう関係閣僚に指示しました。

    会合のあと吉野さんは記者団に対し、「大学の基礎研究があってその延長線上にリチウムイオン電池がある。若手研究者には研究費などを最低10年間は保証してもらいたい」と述べました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191111/k10012172761000.html

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  65. 基本、専門馬鹿ってやつは、専門外のことにはものの見事にコロリと騙されてしまうからなあ…

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  66. 吉野彰さんに論文指導、阪大名誉教授「必ずノーベル賞になるで」と14年前予言
    2019/12/10 15:24

    吉野彰さんの博士論文を示しながら、当時を振り返る吉野勝美・大阪大名誉教授

     【ストックホルム=稲村雄輝】ノーベル化学賞を10日夕(日本時間11日未明)に受賞する吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)は2005年、「サラリーマン研究者」の集大成として、大阪大で博士号(工学)を取得した。当時、博士論文を指導した吉野勝美かつみ・大阪大名誉教授(78)は「これはノーベル賞級の論文だ」と高く評価し、予言は14年後に的中した。

     大学の研究者は、研究成果を論文にまとめ、学術誌に投稿して公表する。企業の研究者は他社に成果を利用されないよう、特許の取得を目指すケースが多い。

     今年10月に読売新聞の取材に応じた吉野名誉教授によると、博士号の審査では、大学の研究者のように論文を書いてこなかった点を指摘する声も上がったという。だが、吉野名誉教授は「博士論文で紹介された特許の内容が素晴らしく、『これは必ずノーベル賞になるで。応援せんとあかんで』と言って、審査を押し通した」と笑顔で振り返った。

     吉野名誉教授はかつて、00年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹・筑波大名誉教授(83)と共同研究した。白川さんが開発した導電性高分子「ポリアセチレン」は、吉野彰さんがリチウムイオン電池の試作第1号の負極材に使った物質だ。吉野さんは京都大出身だが、「白川先生とつながりの深い先生の下で指導を受けたかった」と話している。

     吉野名誉教授は「枠にとらわれず、色々な人の意見を取り入れる柔軟性が彼をノーベル賞に導いた」と喜ぶ。授賞式は、大阪府岸和田市の自宅でテレビニュースなどで見る予定だ。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20191210-OYT1T50204/

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  67. ノーベル賞 吉野さんが抱負「環境問題解決の旗振り役に」
    2019年12月11日 21時26分

    ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが、授賞式から一夜明けNHKの単独取材に応じ、「環境問題の解決に向けて旗振り役になっていきたい」と意気込みを語りました。

    日本時間の11日未明、スウェーデンでのストックホルムでノーベル賞の授賞式に出席した吉野彰さんは、先ほど滞在先のホテルでNHKのインタビューに応じました。

    吉野さんは「受賞の記念講演と授賞式という2つの大きな行事を終えることができてほっとしました。

    受賞の決定からの2か月間はあっという間でしたが、記念講演では世界にメッセージを送ることができたと思います」と笑顔で話しました。

    また、授賞式で受け取ったノーベル賞のメダルについて「リチウムイオン電池の普及に関わった多くの人の思いが詰まっていると思う。環境問題の解決を実行するという大きな責務がこもった重みを感じました」と語りました。

    そして、「今後は、ノーベル賞受賞者としてひとことの重みが変わってくる。環境問題の解決は若い人たちが活躍できる場でもあるので、そういう人たちの旗振り役のようなことをやっていきたい」と抱負を述べました。

    吉野さんは、現地時間の11日夜にスウェーデン王室が主催する晩さん会に出席するほか、12日にいったん預けているメダルを受け取る予定だということです。

    その後も現地の企業訪問などの予定をこなし、日本時間の15日に帰国する予定です。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191211/k10012211581000.html

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  68. がん治療薬「オプジーボ」効く患者を高精度で見分ける手法発見
    2020年1月31日 10時18分

    おととし、ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の研究グループが、自身の研究をもとに開発したがんの治療薬「オプジーボ」について、薬が効く患者と効かない患者を高い精度で見分ける新たな手法を見つけたと発表しました。「オプジーボ」は価格が高い一方で効果がない患者も多く、医療費の削減にもつながると期待されます。

    「オプジーボ」は免疫の仕組みを利用してがん細胞を攻撃する新たな治療薬として注目されていますが、薬の価格が高い一方で効果がない患者も多いのが課題となっていました。

    京都大学の本庶佑特別教授の研究グループは「オプジーボ」を投与した肺がんの患者47人を対象に投与する前と、投与して2週間後、それに4週間後について、それぞれ血液の成分を分析しました。

    その結果、効果があった患者は、血液から検出される特定の代謝物の値に効果がなかった患者と異なる特徴が見られたということです。

    研究グループは肺がんの患者にオプジーボをおよそ1か月間投与して、この特徴に当てはまるかを調べることで、薬の有効性を81%の精度で予測できるとしていて、がんの部分を切り取って分析する従来の手法に比べて負担が少なく予測の精度も高いとしています。

    研究を担当した茶本健司特定准教授は「実用化されれば最適な治療法を早く提案できるし、医療費の削減にもつながる」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200131/k10012266471000.html

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  69. がんに対する「免疫力」を高める方法を発見したら、そんな効くか効かないわからんような「薬」なんて必要なくなるのにね。

    必要なくなる方法なんか発見されたら逆に困る人たちがたくさんいるのかもね。

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  70. 京大に「がん免疫総合研」、センター長に本庶佑氏
    2020/03/16 22:27

     ノーベル生理学・医学賞受賞者の本庶佑ほんじょたすく・京都大特別教授は16日、読売新聞などの取材に対し、国内初となるがん免疫療法の研究拠点「がん免疫総合研究センター」が4月1日、京大内に発足することを明らかにした。センター長には本庶氏が就任する。

     センターは京大が設立し、当初は学内の既存施設を使う。2022年度に新たな研究棟を整備する。最終的に六つの研究部門を設け、本庶氏の研究を基に開発されたがん免疫治療薬「オプジーボ」の効果を高めたり、事前に効果を予測したりする研究などに取り組む。

     各部門には10人程度の研究者・スタッフを配置する予定だ。国内外の研究者を公募するほか、30代の若手が自由に研究に取り組める環境も整える。

     本庶氏は「他大学や企業とも連携し、世界のがん免疫研究の中心となるようなセンターにしたい」と抱負を語った。
    https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200316-OYT1T50168/

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  71. ノーベル賞の本庶佑さん 特許使用料めぐり小野薬品工業を提訴
    2020年6月19日 18時46分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんが、みずから開発に関わったがんの治療薬を製造販売する、大阪の小野薬品工業に対し、特許使用料の配分が異常に低いなどとして、226億円余りと遅延損害金の支払いを求める訴えを19日、大阪地方裁判所に起こしました。

    訴えを起こしたのは、免疫の力でがんを治療する新たな薬の開発などに貢献したとして、おととしノーベル医学・生理学賞を受賞した、京都大学特別教授の本庶佑さんです。

    訴えによりますと本庶さんは6年前、小野薬品工業からがんの治療薬「オプジーボ」に関する特許をめぐって、アメリカの製薬会社と争っていた別の裁判への協力を依頼されたとしています。

    この裁判は3年前に和解が成立し、小野薬品は巨額の特許使用料などを得ることになりましたが、本庶さんはその金額の40%が支払われる約束だったのに、実際は1%しか払われなかったと主張しています。

    本庶さんは薬の発明者に対する配分が異常に低く、小野薬品側は誠実な対応が一切なかったと訴えて、協力金の未払い分226億円余りと遅延損害金の支払いを求めています。

    小野薬品工業社長「正当性 司法の場で」

    19日の提訴について小野薬品工業は「訴状が届いていないためコメントすることができません」としていますが、18日行われた株主総会で相良暁社長は本庶さんの主張に反論したうえで「当社の正当性について司法の場で主張していく」と述べ裁判で争う姿勢を示しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200619/k10012477311000.html

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  72. がん免疫治療薬効果予測法を開発 国立がん研究センター発表
    2020年9月1日 4時44分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の研究をもとに生まれた「オプジーボ」など、がんの免疫療法の薬を患者に投与して効果が出るか、高い精度で予測する方法を開発したと国立がん研究センターが発表しました。治療の向上や高額な治療薬の適切な投与につながると期待されています。

    がんの治療では近年、がん細胞が免疫細胞の働きを抑えるのを防ぐことで、がんを攻撃する免疫療法の薬が複数開発されさまざまな種類のがんに対して使われるようになっています。

    ただ、治療薬は高額で中には効果が見られない患者もいるため、国立がん研究センター研究所の西川博嘉分野長らの研究グループは、どのような場合に効果があるのか、およそ90人のがんの組織の遺伝情報や、発現しているたんぱく質を分析して調べました。

    その結果、「PD-1」と呼ばれるたんぱく質が▽がんを攻撃する細胞に多く発現し、▽免疫を制御する細胞では発現している量が少ない場合に薬の効果が高いことが多いことが分かったということです。

    研究グループでは、患者からとったわずかな量のがんの組織を特殊な処理液の中に入れたうえで解析することで、薬が効くかどうか見分ける方法も開発していて、患者の治療の向上や薬の適切な投与につながると期待されています。
    西川分野長は、「投与によって状態が悪化する場合もあるが、そうした人を見分けることができるようになる。半年以内に臨床試験を始め、実用化を目指したい」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200901/k10012593831000.html

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  73. ノーベル賞の本庶さん 受け取り拒否の特許使用料に課税 国税局
    2020年9月10日 13時34分

    ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんが開発に関わったがん治療薬をめぐり、製薬会社からの受け取りを拒否していた特許使用料について大阪国税局は、受け取っていなくても本庶さんが税金を納めるべきと判断し、申告漏れを指摘していたことが関係者への取材で分かりました。

    京都大学特別教授の本庶佑さんは、大阪の製薬会社、小野薬品工業と共同でがん治療薬の「オプジーボ」を開発し、開発途中の2006年に特許使用料の支払いなどの契約を結びました。

    本庶さん側や関係者によりますと、特許使用料が低すぎるなどとして本庶さんは受け取りを拒否し、小野薬品工業は拒否された分を法務局に「供託」という形で預けていたということです。

    これについて大阪国税局は、受け取りを拒否しているものの、契約に基づき支払われたもので、本庶さんは所得税を納める必要があるとして、おととしまでの4年間の特許使用料、およそ22億円の申告漏れを指摘したということです。

    追徴税額は過少申告加算税を含めおよそ7億円で、本庶さん側の関係者によりますと、供託金を受け取らずに放置していても追徴課税は免れず、さらに今後増えるとして、供託金を全額受け取ったうえで修正申告し、納税したということです。

    本庶さんは「基本的に弁護士や税理士と相談して、法律に従ってすでに対応した。プライベートの問題なので、これ以上コメントすることはない」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200910/k10012610711000.html

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  74. ノーベル賞候補に日本人2人 米学術情報サービス会社が選ぶ
    2020年9月23日 17時40分

    ことしのノーベル賞の発表が来月5日からはじまりますが、アメリカの学術情報サービス会社が、受賞が有力視される研究者として、いずれも東京大学の中村祐輔名誉教授と、藤田誠卓越教授の2人を選びました。

    アメリカの学術情報サービス会社「クラリベイト・アナリティクス」は、およそ5000万の研究論文を分析し、注目度が高い研究を行い、ノーベル賞の受賞が有力視される研究者として世界6か国の24人を発表しました。

    このうち日本人では、ノーベル医学・生理学賞の受賞が有力視される研究者として、がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長で、東京大学名誉教授の中村祐輔さん、ノーベル化学賞の受賞が有力視される研究者として、東京大学大学院工学系研究科の卓越教授、藤田誠さんの2人が選ばれました。

    中村祐輔さんは、人それぞれの遺伝子の変異に基づいた、がんの個別化医療の先駆けとなったことが評価され、藤田さんは分子どうしがひとりでに結び付く「自己組織化」を利用して、新しい物質を作り出す「超分子化学」への貢献が評価されました。

    これまで「クラリベイト・アナリティクス」が選んだ研究者の中から54人がノーベル賞を受賞しています。

    中村さんと藤田さんはオンラインで会見を開き、それぞれが研究内容などを紹介しました。

    ことしのノーベル賞の発表は来月5日からはじまります。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200923/k10012631141000.html

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  75. ノーベル医学・生理学賞にアメリカなどの研究者3人
    2020年10月5日 19時21分

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、アメリカのNIH=国立衛生研究所などの研究者3人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の5日午後6時半すぎ、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者を発表しました。

    受賞が決まったのは、
    ▽アメリカのNIH=国立衛生研究所のハーベイ・オルター氏、
    ▽カナダのアルバータ大学のマイケル・ホートン氏、
    ▽アメリカ、ロックフェラー大学のチャールズ・ライス氏の合わせて3人です。

    3人は、C型肝炎ウイルスの発見によって多くの慢性肝炎の原因を明らかにし、輸血などの際の検査ができるようにしたほか、多くの人の命を救う治療薬の開発に道をひらいたことが評価されました。

    「C型肝炎」とは

    C型肝炎はC型肝炎ウイルスによって起こる肝臓の病気で、1度感染するとおよそ70%の人が感染した状態が続く持続感染になるとされています。

    国立国際医療研究センター肝炎情報センターのウェブサイトによりますと、肝臓はウイルスによって慢性肝炎になっても自覚症状がほとんどない場合もあるということで、気が付かないまま放置してしまうと20年から30年かけて肝硬変や肝がんへと病気が進んでいくということです。

    C型肝炎のウイルスは、汚染された注射器の使い回しなどで血液を介して感染します。国内ではおよそ100万人が感染していると考えられていて、慢性肝炎や肝硬変、肝がんの患者のおよそ60%がこのウイルスに感染しているとされています。

    以前は、インターフェロンという注射を打つ治療が行われていましたが、副作用が多く効果も十分とはいえない状況でしたが、ウイルスが増殖する仕組みが解明されたことで新たな薬が開発され、国内では2014年からインターフェロンを使わない治療が始まったということです。

    現在は、国内でもこうしたウイルスの増殖を抑える薬を組み合わせて使う治療が主流となっていて、適切な時期に治療を受けることで95%以上の人でウイルスを体内から無くすことができるようになっています。

    日本ウイルス学会 松浦理事長「受賞は当然」

    日本ウイルス学会の理事長で大阪大学の松浦善治教授は、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった3人の功績について「ハーベイ・オルター氏はC型肝炎のウイルスの存在を最初に証明した人だ。当時は、A型肝炎でもB型肝炎でもない肝炎と言うことで『ノンエー・ノンビー』と呼ばれていたが、そのウイルスが存在することを証明した。マイケル・ホートン氏はC型肝炎ウイルスの遺伝子を取り出すことに初めて成功し、診断につながる技術を作った研究者だ。この技術によって輸血の際にウイルスが混入するのを防ぐことができるようになり、輸血が原因のC型肝炎が大幅に減ることにつながった。チャールズ・ライス氏は、人工的に増やすことが難しかったC型肝炎ウイルスを複製する仕組みを作ることに成功し、抗ウイルス剤の開発に大きく寄与した」とそれぞれの研究者について解説しました。

    そのうえで「いずれもすばらしい業績を上げた人たちで受賞は当然だ。特に私自身、マイケル・ホートン氏と共同研究をしたことがあり、人柄も含めてよく知っている。3人とも長年の研究が報われたということで、よかったと感じている」とたたえました。

    患者団体「受賞は遅いくらい」

    日本肝臓病患者団体協議会の前の代表幹事で、自身もC型肝炎を患った経験がある渡辺孝さん(81)は「すばらしい研究成果で、受賞は遅いくらいだと思います。患者団体としてはとてもうれしいです。私自身は昭和30年代に輸血によりC型肝炎ウイルスに感染しましたが、以前は薬の副作用が強く、大変苦しい思いをしました。最近は国内でC型肝炎ウイルスに感染する人はまれですが、今回の受賞をきっかけに新たな感染者がゼロになって、私と同じように苦しむ人が出ないよう、さらに研究や対策が進んでほしいです」と話していました。

    臨床医「3人の功績は大きい」

    佐賀大学医学部の臨床教授で、地域の病院でC型肝炎の患者を治療している江口有一郎医師は「今回受賞した研究、特に1988年にウイルスが発見されたことをきっかけに治療薬が開発され、飲み薬だけで完治する時代になったが、それまでは感染すると肝硬変や肝臓がんになって、国内でも命を落とす人が大勢いた。それが、4年前にはWHOが『2030年までに世界中からC型肝炎を撲滅する』と宣言するまでに、劇的に治療法の開発が進んできた。そのきっかけを作った3人の功績は大きい」と話していました。

    国立感染症研究所 脇田所長「功績非常に大きい」

    C型肝炎ウイルスの研究者で、国立感染症研究所の脇田隆字所長は「3人の研究によって、C型肝炎がウイルス性の感染症であることが突き止められ、輸血での感染を防ぐことにつながった。さらに抗ウイルス薬開発に道を開き、患者の治療を可能にした点で功績は非常に大きい。かつては世界中に多くの患者がいて、人類の健康上の重大な課題といってよい感染症だったが、3人の功績により、今では撲滅できる病気と考えられている」と述べました。

    脇田所長は、3人とは学会などで頻繁に交流があるということで「3人ともとても真摯(しんし)に研究に打ち込む研究者で、労をいとわず地道に研究をする姿勢が受賞につながったと思う。3人とも、いまだに現役で研究を続けていることを大変尊敬している」と話していました。

    そのうえで、脇田所長は「新型コロナウイルスの世界的流行によって、感染症が今でも私たちの生活を脅かす存在であることが改めて確認された。ノーベル賞では、これまでにも感染症の研究が選ばれているが、今回の受賞は、今の世界的な状況からみても大きな意義があるといえる。若い世代に刺激を与えるもので、感染症研究の活性化につながってほしい」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201005/k10012649311000.html

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    1. ノーベル生理学・医学賞、C型肝炎ウイルス発見の米英出身3氏に…日本人受賞ならず
      2020/10/05 18:45

       スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2020年のノーベル生理学・医学賞を、「C型肝炎ウイルスの発見」で、米英出身の研究者3人に授与すると発表した。世界で推定約7100万人が感染しているC型肝炎ウイルスの高精度の検査や治療薬の開発につながり、多くの人の命を救ったことが評価された。

       受賞するのは、米国立衛生研究所(NIH)のハーベイ・オルター名誉研究員、英国生まれでカナダ・アルバータ大のマイケル・ホートン教授、米ロックフェラー大のチャールズ・ライス教授の3人。賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)で、3人で等分する。

       C型肝炎は肝硬変や肝臓がんの原因となる感染症。オルター氏は1970年代、輸血を受けた経験のある肝炎患者を調べる中で、当時知られていたA型、B型以外のウイルスによるとみられる肝炎を発見した。

       ホートン氏はその後、肝炎を発症した人やチンパンジーの血液などを解析して未知のウイルスを発見して89年に発表し、C型肝炎ウイルスと名付けた。ライス氏は90年代、このウイルスに感染させたチンパンジーが肝炎になることを確かめ、原因であることを証明した。

       治療法の進歩で、現在ほとんどのC型肝炎は薬で治る。ただ世界保健機関(WHO)によると、診察や治療を受けられずに2016年に約40万人が死亡しており、エイズや結核に匹敵する課題になっている。
      https://www.yomiuri.co.jp/science/20201005-OYT1T50160/

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  76. ノーベル化学賞に欧米の研究者2人「ゲノム編集」新手法開発
    2020年10月7日 20時14分

    ことしのノーベル化学賞に、生物の遺伝情報を自在に書き換えることができる「ゲノム編集」の新たな手法を開発したドイツの研究機関とアメリカの大学の研究者2人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにある王立科学アカデミーは、日本時間の7日午後7時前、ことしのノーベル化学賞の受賞者を発表しました。

    受賞が決まったのは、フランス出身でドイツのマックス・プランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ所長と、アメリカ出身でカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授の2人です。

    2人は「細菌」の免疫の仕組みを利用して、ゲノムと呼ばれる生物の遺伝情報の狙った部分を極めて正確に切断したり、切断したところに別の遺伝情報を組み入れたりすることができる、「CRISPR-Cas9」(クリスパー・キャスナイン)と呼ばれる「ゲノム編集」の画期的な手法を開発したことが評価されました。

    「CRISPR-Cas9」は、それまであった「ゲノム編集」の方法に比べて簡単で効率がよく、より自在に遺伝情報を書き換えることができることから、すでに作物の品種改良などのほか、がんの新しい治療法の開発や新型コロナウイルスの研究に用いられています。

    一方で、7日の発表の中で王立科学アカデミーは、この技術は人類に大きな恩恵をもたらしうるものの、胎児の遺伝情報の書き換えにも用いることができることから、「人類は新たな倫理的な課題に直面することになる」として、ヒトや動物で実験を行う場合は倫理委員会に諮り、承認を受けなければならないとしています。

    シャルパンティエ氏 “科学の道を歩もうとする女性たちに”

    ノーベル化学賞の受賞が決まったエマニュエル・シャルパンティエ所長は報道陣の電話インタビューに「受賞を知らせる電話をけさ受けて、喜びがこみ上げてきました。この研究に専念することを2008年に決めてからは、朝の3時に帰宅して数時間だけ寝たあと、すぐに研究室に戻るような生活でした。2012年に論文を発表してから受賞までは、とても早かったです」と振り返りました。

    ノーベル賞のホームページによりますと、2人は化学賞では女性として6人目と7人目の受賞者です。

    シャルパンティエ所長は「私たちに続いて科学の道を歩もうとする若い女性たちにとって、今回の受賞が前向きなメッセージになることを願っています」と話していました。

    ダウドナ教授 「人類に恩恵を与えられるような良いことに」

    ノーベル化学賞の受賞が決まったジェニファー・ダウドナ教授は、AP通信のインタビューに応じ、「ストックホルムにある王立科学アカデミーから早朝に電話を受けて本当に驚きました。私の一番の望みは、研究の成果が、生物学の新たな神秘を解き明かし、人類に恩恵を与えられるような良いことに使われることです」と話していました。

    「CRISPRーCas9」とは

    「CRISPRーCas9」とは生物の遺伝情報であるゲノムを編集する手法の1つで、世界の多くの研究者に使われています。

    「CRISPR」はある特定のDNA配列のことです。「Cas9」はDNAを切断する酵素です。このゲノム編集では「CRISPR」をもとに切断したい部分にとりつくいわば目印となる配列を作ります。この目印となる配列をめがけて、「Cas9」が到達し、DNAを切断します。

    これまでにもゲノム編集の技術はありましたが、「CRISPRーCas9」によって、正確かつ簡単にねらった部分を切ったり、別の遺伝子を入れたりすることが可能になり、多くの分野で使われるようになったほか、研究のスピードが劇的に速くなったとされています。

    この分野に詳しい科学技術振興機構の安達澄子主査は、「ほかの手法は、狙った配列にむけて、正確に酵素が取り付くことが難しかったが、クリスパーを応用することでそれが可能になった。また、この手法によってより多くの研究者が自在にゲノム編集を行うことができるようになったのもポイントで農業や医療などへの応用が一気に進んだ」と話しています。

    受賞対象の手法 日本人研究者の発見がもとに

    ノーベル化学賞の受賞対象になったゲノム編集の手法、「CRISPR-Cas9」は、日本人研究者が1980年代に大腸菌で見つけたDNAの塩基配列がもとになっています。

    大阪大学名誉教授の中田篤男さん(90)と九州大学教授の石野良純さん(63)のグループは、大阪大学で研究を行っていた時、大腸菌のDNAで同じ配列が5回繰り返されているのを見つけ、1987年に論文として発表しました。

    当時は繰り返し現れる配列が何を意味するのか分かっていませんでしたが、その後、この論文をもとにヨーロッパの研究者が、この配列が外から侵入するウイルスなどの「外敵」を認識して攻撃する免疫の仕組みに関わっていることを突き止めました。

    大腸菌では、繰り返される配列の間に外敵の遺伝子が組み込まれることで、外敵を認識して攻撃します。

    この仕組みを応用して、繰り返される配列の間に目的とする遺伝子を組み込むと、遺伝子を切り貼りするはさみの役割をしている物質を狙った場所に届けることができるようになりました。

    この技術で狙ったとおりに遺伝子を切断したり挿入したりすることができるようになり、簡便で精度が極めて高いゲノム編集の方法として確立しています。

    遺伝情報を簡単に、自在に書き換えられる「CRISPR-Cas9」は、日本の研究者による塩基配列の発見がもとになって開発につながったのです。

    今回のノーベル化学賞の受賞者に選ばれたドイツの研究機関とアメリカの大学の研究者の論文の中でも、中田さんと石野さんのグループの論文が引用論文として紹介されています。

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    1. 新型コロナウイルスの研究でも

      この技術は、新型コロナウイルスの研究にすでに用いられています。

      中国では、マウスに感染するウイルスの遺伝情報を「CRISPR-Cas9」で書き換えて、感染の仕組みや、体への影響を調べる研究が行われています。

      また、アメリカのマサチューセッツ工科大学などの研究グループは、この技術を応用してウイルスの遺伝子を簡単に検出する検査キットを開発し、キットはことし5月、FDA=アメリカ食品医薬品局の緊急の許可を得て、研究用として使われています。

      このキットは、唾液や鼻の奥から採取した体液を温めたあと、特殊な試験紙を浸すことでウイルスの遺伝子があるかどうかを20分程度で判定できるとされていて、PCR検査に比べて費用も抑えられることから、大量に検査を行うことができるとしています。

      このほか複数の企業が、この技術を応用した検査方法の実用化を目指しています。

      今回、ノーベル化学賞の受賞が決まったカリフォルニア大学バークレー校の、ジェニファー・ダウドナ氏は先月、アメリカメディアのインタビューに対し、この技術を用いた検査や薬の開発は新型コロナウイルスだけでなく、ほかのウイルスなどで世界的な大流行が起きた際にも重要な役割を果たすと述べています。

      医療面でも応用期待

      「CRISPR-Cas9」の手法を使ったゲノム編集は、患者の治療など医療面でも応用が期待されています。

      治療が難しいがんや遺伝性の病気などについて、病気の原因となる遺伝子を操作することで、治療できるのではないかと期待されていて、アメリカではことし2月、がん患者から取り出した免疫細胞にゲノム編集を行い、免疫の働きを抑える遺伝子を取り除いて、がんの治療効果を確かめる臨床試験が行われたと発表されました。

      一方で、ヒトの遺伝子をゲノム編集で自在に書き変えてしまうことには、たとえば、目の色や高い知能など、親が望む特徴を持つよう改変する「デザイナーベビー」を生み出すことにもつながりかねないなど、倫理的な問題が指摘されています。

      おととしには中国の研究者が「CRISPR-Cas9」の手法でエイズウイルスに感染しないよう受精卵の遺伝子を操作して実際に女の子の双子が誕生したことを発表し、世界中に衝撃が走りました。

      現在のところ、ゲノム編集では、狙った場所以外の遺伝子を改変してしまう可能性が排除できないほか、遺伝子を操作して悪影響が出た場合、子の代、孫の代と、世代を超えて引き継がれる可能性もあり、この技術をどう生かしていくのか、遺伝子の改変はどこまで認められるか、国際的な議論が続けられています。

      農水産物の品種改良にも

      「CRISPR-Cas9」によるゲノム編集は、世界各国で農水産物の品種改良に使われるようになっています。

      これまで農水産物を品種改良して病虫害に強くしたり、味をよくしたりするためには突然変異で現れるのを待つか、品質のよいものを掛け合わせ、繁殖させるなどする必要があり、長い時間がかかっていました。

      これに対して、「CRISPR-Cas9」の手法によるゲノム編集では狙った遺伝子を非常に高い精度で操作することができるため、これまでにないスピードで行うことができます。

      アメリカでは、ゲノム編集を行って、コレステロールの値を下げる成分を多く含む大豆から搾り取られた食用油が販売されています。

      日本国内でも収穫量が多くなるよう品種改良したイネ、それに身の量が多いタイなどが開発されていて、去年10月からはゲノム編集を行った食品の流通が解禁されました。

      血圧を下げるとされる成分を多く含んだトマトを開発した企業などが販売のための手続きを進めていて近い将来、こうした食品の流通が始まると見られています。

      研究者の間で激しい特許争い

      「CRISPR-Cas9」の技術は、農業や医療などさまざまな分野で応用され、利用する企業からの特許料も巨額になると見込まれることから、開発に関わった研究者の間で激しい特許争いが繰り広げられています。

      特許争いは、技術の基本的な仕組みを開発したアメリカ・カリフォルニア大学などのジェニファー・ダウドナ教授らと、動物やヒトの細胞に応用できることを最初に証明したアメリカ・マサチューセッツ州にあるブロード研究所のフェン・チャン博士らの間で裁判になってきました。

      「CRISPR-Cas9」を動植物の細胞に応用することの特許をめぐって、おととし9月、アメリカの連邦控訴裁判所は、ブロード研究所側に特許があるという判断を示していますが、去年になってアメリカでカリフォルニア大学側がブロード研究所側の特許の取り消しを求める裁判を新たに起こし、特許争いはまだ決着が付いていません。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201007/k10012652631000.html

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  77. ノーベル化学賞 受賞のもとになる発見をした日本人研究者は
    2020年10月7日 21時34分

    ノーベル化学賞の受賞対象になったゲノム編集の手法、「CRISPRーCas9」(クリスパー・キャスナイン)のもとになる、DNAの塩基配列を1980年代に発見した大阪大学名誉教授の中田篤男さん(90)は「私たちの発見に意味づけをしてくれてとてもありがたいし2人が受賞してうれしい」と話していました。

    中田さんは、大阪大学で大腸菌の遺伝子の解読に取り組み、1987年、当時、研究生だった九州大学教授の石野良純さんらと大腸菌の遺伝子に規則的に並んだ塩基配列の繰り返しがあることを発見しました。

    この塩基配列の繰り返しは、ほかの細菌にも存在し、細菌がウイルスに感染した際に、ウイルスのDNAの一部を取り込んで記憶し、次の感染に備える免疫の働きを持つことが分かり、のちに「CRISPR」と名付けられました。

    その後、「CRISPR」の仕組みを応用して狙ったとおりに遺伝子を切断したり、挿入したりすることができるようになり、簡便で精度がきわめて高いゲノム編集の方法が確立されました。

    中田さんは「当時、繰り返し現れる配列が何を意味するのか分かっておらず、ゲノム編集に使われるようになるとは思ってもいなかった。

    私たちの発見に意味づけをしてくれてとてもありがたいし2人が受賞してうれしい」と話していました。

    そのうえで「ゲノム編集には倫理面の問題もあるが、議論と研究を進め、受賞が決まった技術がもっと使われるようになるといい」と話していました。

    中田さんとともにDNA配列を発見 九州大学大学院 石野良純教授
    ゲノム編集技術を大きく発展させるカギとなった「CRISPR」と呼ばれるDNAの配列を発見した九州大学大学院の石野良純教授は受賞を受けて九州大学で会見に応じました。

    石野教授は、「2人の女性科学者がノーベル賞を受賞したことを非常に嬉しく思いますし興奮しています。私も『CRISPR』の発見者といわれ非常に光栄です。今回の受賞はゲノム編集技術に『CRISPR』を応用したことが評価されていますが、私が『CRISPR』を発見した時には何をするものかまったく分かりませんでした。いろいろな研究で機能が分かってきて、知識を元に画期的なゲノム編集技術を作ったということで心よりお祝い申し上げます」と祝福しました。

    その上で「ゲノム編集技術はまだ、完成はしていないが、その扉を開いたということで間違いなく今後の人類の生活は変わっていくと思います。過去にも遺伝子工学の革命的な技術が段階的に生み出されてきましたが、一気に何段階か上がったと思います」と述べました。

    生物の遺伝子に手を加えることの倫理面について、「世界で言われているように生殖細胞でやるのは絶対にまずいと思います。ただ、遺伝病に対してはほかに治療法がないため、遺伝子を正常にする点においては、ゲノム編集を超えるものはないと思います。いろんな問題が懸念されますが、悪い遺伝子をねらって変えていける技術なので今後さらに進歩していくと思います。遺伝子の変異で苦しんでいる人たちが治療法として増えてくることはよいことだと思います」と話していました。

    また、石野教授は、2人の受賞者について、「ジェニファー・ダウドナさんは直接会って食事をしたり、いろんな話しをしたりしたことがあり、非常に楽しい人です。

    エマニュエル・シャルパンティエさんは残念ながら、すれ違いで一度も会ったことはありませんが、ぜひ会って話しをしたい」と述べました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201007/k10012652881000.html

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  78. ノーベル化学賞「ゲノム編集」の新たな手法 国内でも研究進む
    2020年10月7日 23時38分

    ことしのノーベル化学賞に、「ゲノム編集」の新たな手法を開発したドイツの研究機関とアメリカの大学の研究者2人が選ばれました。この技術を使って国内でも研究が進められています。日本人研究者らの反応です。

    身の量を通常よりも1.2倍に増やしたマダイの養殖に成功
    ことしのノーベル化学賞を受賞した「ゲノム編集」の技術を使った研究を進めている近畿大学の家戸敬太郎教授は、「ゲノム編集の技術を初めて知ったとき、あまりに画期的な技術ですぐに使ってみたいと思った。予想していたよりも早い受賞だったが、いつか必ず受賞すると思っていた」と話しています。

    家戸教授らのグループではこれまでにゲノム編集の技術によって身の量を通常よりも1.2倍に増やしたマダイの養殖に成功していて、現在は、トラフグなどほかの魚の改良にも取り組んでいるということです。家戸教授は「以前は魚を品種改良しようとすると、何世代も掛け合わせて15年から20年かかっていた。それがゲノム編集の技術を使うことで4年ほどに短縮できた。ゲノム編集をしたマダイはエサを食べる量は通常のマダイと変わらないのに身の量が増える」と話していました。

    家戸教授たちは、ゲノム編集で品種改良したマダイの流通を目指して、研究を進めているということで、「いま日本の養殖業は横ばいの状況が続いているが、ゲノム編集の技術を使えば、より効率の良く養殖できる魚の品種改良ができるはずだ。今回の受賞が契機となって国内でゲノム編集技術の活用が進み、養殖業そのものが活気を取り戻すきっかけになってほしい」と話していました。

    「農作物の品種改良のスピードが飛躍的にアップ」

    「ゲノム編集」の技術を使い、トマトの品種改良の研究を行ってきた筑波大学の江面浩教授は、「この技術によって、農作物の品種改良のスピードが飛躍的にアップした。何年も前から受賞すると思っていたので『やっと』という思いだ。受賞によって、ゲノム編集技術が人に役立つ技術の1つとして世界的に認知されたと思う」と話していました。

    江面教授は血圧を下げるとされる成分を多く含んだトマトを開発し、販売のための手続きを進めていて、「農業分野では突然変異を利用して品種改良が進んできたので、ゲノム編集を応用することに問題はないとされているが、医療や家畜などそれぞれの分野で議論が必要な部分もあるので今回の受賞で関心が高まってこの技術がより人に役立つようになることを期待したい」と話していました。

    「農業での活用は成熟へ 医療面では倫理的な面が課題」

    科学技術振興機構の古川雅士調査役は「化学賞でとったというのは遺伝子配列に対する化学反応という点で評価されたほか、農業での活用が成熟してきている点があったと思われます。一方で、医療面ではがん治療などで研究が進行していますが、倫理的な面が解決できていなくてここが課題となっています。今回は論文の発表から8年という短い期間の受賞で、世界的にも注目度が高かったことを反映しています」と話しています。

    「ゲノム編集のリスク しっかりと評価する仕組みを」

    生命倫理が専門の北海道大学の石井哲也教授は、「今回のノーベル賞は、受賞するべくして受賞したものだと考えている。ただ、ゲノム編集の技術には、意図していない遺伝子の改変が起きるなどのリスクがあることが指摘されている。食品の品種改良や医療への応用など健康に関わる技術になっている以上、このリスクをしっかりと評価する仕組みを国内、あるいは国際的に作ることが求められていると思う。また、中国で行われたようなゲノム編集の技術を使って受精卵の遺伝子を操作して実際に赤ちゃんを誕生させるなどの行為は禁止するべきだ」と話しています。

    「この技術を人間にどこまで応用していくか大きな問題」

    生命科学や医療の倫理問題に詳しい、大阪大学医学系研究科の加藤和人教授は、ノーベル化学賞の受賞対象になったゲノム編集の手法について、「画期的な技術で、とても有用な技術であることは間違いない」と述べた上で、「技術はまだ未熟な面があり、この技術を人間にどこまで応用していくか大きな問題となる。たとえ、病気を治すためであっても、受精卵にゲノム編集を施し、書き換えた遺伝子が世代を超えて引き継がれる子どもを誕生させるべきではないというのが世界の考え方だ。日本でも研究で行うことは禁止されているが、法的な規制はなく、検討を進めてほしい」と指摘しました。

    加藤教授は、世界各国が足並みをそろえてルールを作る必要があるとして、「本当に役立つ技術の研究を自信を持って進めることができるよう、倫理、法律などについて社会全体で考える必要がある」と話していました。

    京大 iPS細胞研究所 山中伸弥所長「画期的な発見」

    京都大学のiPS細胞研究所の山中伸弥所長は、ツイッターで、ノーベル化学賞の受賞者にジェニファー・ダウドナ氏が決まったことについて、コメントを発表しました。山中所長とダウドナ氏は、アメリカ・カリフォルニア州のグラッドストーン研究所にともに研究員として所属しています。

    このなかで山中所長は、「ダウドナ先生、受賞おめでとうございます。グラッドストーン研究所の同僚として、心よりお喜び申し上げます。『CRISPRーCas9』を使ったゲノム編集技術は、医学のみならず、全生命科学における画期的な発見であり、その業績に心から敬意を表します」とコメントしています。

    「歴史に革命を起こした技術」

    ノーベル化学賞の受賞が決まったジェニファー・ダウドナ氏とエマニュエル・シャルパンティエ氏の2人と親交があり、みずからもゲノム編集技術を用いた治療法の研究などを行っている東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授は「あらゆる生命活動の設計図を書き換えることができるもので、歴史に革命を起こした技術だ。この技術が世に出てから加速度的に応用範囲が広がり、社会に与えた影響が大きい。それだけ大きな業績だ」と話しています。

    また、濡木教授は、「私自身がライバルでもあるが、2人とは、お互いに研究がうまくいったときに祝福し合ってきた。同じ分野の研究者として今回の受賞決定は喜ばしい。私たちも今後、研究を進め、基礎疾患や難病などの治療法を開発し、苦しんでいる多くの人を救えるようにしたい」と話しています。

    「ゲノム編集の産業を推し進めようとする機運を」

    日本ゲノム編集学会の会長で、広島大学ゲノム編集イノベーションセンターの山本卓教授は、「遅かれ早かれゲノム編集がノーベル賞を取るのは間違いないと思っていた。受賞が決まった2人は、これまでの方法よりも簡単に効率よく遺伝情報を編集できることを証明し、どの研究者にも使えるようにした点で功績は非常に大きく、受賞はうれしく思う」と語りました。

    その上でゲノム編集の技術を生かした新たな治療や食品の開発が世界で進んでいるとして、「今後、私たちの生活を大きく変えていく技術だが、世界と比べ日本は遅れている面もある。ノーベル賞をきっかけに多くの若者に関心を持ってもらい、ゲノム編集の産業を推し進めようとする機運が生まれてほしい」と話していました。

    一方で、山本教授は、「どれだけ正確に遺伝情報の書き換えができるのかという安全面の問題やデザイナーベイビーをつくることにもつながりかねないなどといった倫理的な問題が完全にコントロールできている状況ではない。すばらしい技術であることはわかっているが、こうした問題を解決しながら使っていかなければいけない」と指摘しました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201007/k10012652931000.html

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  79. ノーベル賞有力候補に岸本忠三氏・平野俊夫氏・澤本光男氏…米情報調査会社が選出
    2021/09/23 00:16

     米情報調査会社クラリベイトは22日、ノーベル賞の有力候補となる科学論文の著者を表彰する、今年の「引用栄誉賞」16人を発表した。日本からは生理学・医学分野で岸本忠三・大阪大特任教授(82)と平野俊夫・量子科学技術研究開発機構理事長(74)、化学分野で澤本光男・中部大教授(69)の3人を選んだ。

     岸本氏と平野氏は、関節リウマチの発症などにかかわる免疫物質「インターロイキン6」を研究し、新型コロナウイルス感染症治療薬の候補にもなっている医薬品「アクテムラ」の開発に貢献した。澤本氏は、合成ゴムなどの高分子を精密に合成する手法を開発した。
    https://www.yomiuri.co.jp/science/20210922-OYT1T50180/

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    1. ノーベル賞 米情報会社 “受賞有力視”日本人3人含む16人発表
      2021年9月22日 22時33分

      ことしのノーベル賞の発表が10月4日から始まりますが、アメリカの学術情報サービス会社は、受賞が有力視される研究者として、大阪大学の岸本忠三特任教授と、平野俊夫名誉教授、それに中部大学の澤本光男教授の3人の日本人を含む16人を発表しました。

      アメリカの学術情報サービス会社「クラリベイト・アナリティクス」は、およそ5200万の研究論文を分析し、注目度が高い研究を行い、ノーベル賞の受賞が有力視される研究者として世界6か国の16人を発表しました。

      このうち、日本人では、ノーベル医学・生理学賞の受賞が有力視される研究者として、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの特任教授の岸本忠三さんと、同じく大阪大学の名誉教授で、現在は量子科学技術研究開発機構の理事長を務める平野俊夫さんが選ばれました。

      岸本さんと平野さんは、体の免疫に関わる「インターロイキン6」というタンパク質を発見し、この研究をもとに関節リウマチの治療薬が開発されています。

      また、ノーベル化学賞の受賞が有力視される研究者として、京都大学名誉教授で、中部大学先端研究センター教授の澤本光男さんが選ばれました。

      澤本さんは、複数の分子を思いどおりの構造や機能を持つようにつなぎ合わせる「精密ラジカル重合」と呼ばれる手法を確立したことが評価されました。

      これまで「クラリベイト・アナリティクス」が選んだ研究者の中からは、59人がノーベル賞を受賞しています。

      ことしのノーベル賞の発表は10月4日から始まります。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210922/k10013272631000.html

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  80. 米の医学賞「ラスカー賞」にコロナワクチン開発貢献カリコ氏ら
    2021年9月25日 15時36分

    アメリカで最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」のことしの受賞者に、新型コロナウイルスワクチンの開発で大きな貢献をしたドイツのバイオ企業、ビオンテックのカタリン・カリコ氏ら2人が選ばれました。

    ニューヨークのラスカー財団は24日、ラスカー賞の臨床分野の受賞者にハンガリー出身で、ドイツのバイオ企業ビオンテックの上級副社長を務めるカタリン・カリコ氏とアメリカ、ペンシルベニア大学教授のドリュー・ワイスマン氏の2人を選んだと発表しました。

    カリコ氏らは人工的に作り出した遺伝物質のmRNAをヒトの体内で異物と認識されないようにして機能させる方法を発見し、全く新しいタイプのワクチン「mRNAワクチン」の開発に大きく貢献しました。

    これによってドイツのバイオ企業ビオンテックと製薬大手ファイザーが、有効性の高い新型コロナウイルスワクチンを短期間のうちに作り出すことが可能になったことなどが評価されました。

    ラスカー賞は受賞した研究者から多くのノーベル賞の受賞者が出ていることでも知られ、カリコ氏らもノーベル賞の候補として注目を集めています。

    「実験は失敗したとしても 何かを教えてくれる」

    ラスカー賞に選ばれたことについて、カリコ氏は「賞に選ばれて、これまでの長い道のりに思いをはせています。実験は失敗したとしても何かを私たちに教えてくれます。私は治療に適したRNAを作り出しましたが、世界的な大流行に打ち勝つためのワクチンの開発に活用されるとは想像していませんでした」と喜びを語りました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210925/k10013276041000.html

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  81. ノーベル医学・生理学賞に米研究者2人 熱など感じる仕組み研究
    2021年10月4日 21時05分

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、私たちが熱などを感じる仕組みの研究で大きな貢献をした、アメリカの研究者2人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の午後6時半すぎ記者会見し、ことしの医学・生理学賞の受賞者に、いずれもアメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校のデビッド・ジュリアス氏と、スクリップス研究所のアーデム・パタプティアン氏の2人を選んだと発表しました。

    ジュリアス氏は、細胞の表面には「辛さ」を感じさせるカプサイシンという成分に反応する「カプサイシン受容体」があり、この受容体は「辛い」という感覚を検出するだけでなく、熱にも反応するほか、辛さと熱を同じ「痛み」という感覚として検出していることを明らかにしました。

    またパタプティアン氏は、皮膚や内臓に力学的な刺激を感じるセンサーがあることを明らかにしました。

    ノーベル賞の選考委員会は、2人の研究によって、私たちがどのように熱さや冷たさなどを神経の信号にかえ、周囲の世界を認識し適応しているのか理解することが可能になったほか、慢性的な痛みに対する治療法の開発などに貢献していると評価しています。

    「感覚をつかさどる重要な分子発見が評価」
    ことしのノーベル医学・生理学賞を受賞することになった研究について、生理学研究所の細胞生理研究部門の曽我部隆彰准教授は「とうがらしを食べて人は辛いと感じるが、どの受容体が、とうがらしの辛み成分のカプサイシンを感じているのかは、誰にもわかっていなかった。デビッド・ジュリアス氏は、この辛み成分を感じ取るセンサーを世界で初めて見つけた。また、このセンサーは、とても熱い温度を感じるセンサーでもあることを同時に突き止めた。ひとつのセンサーが全く違う感覚のセンサーとして同時に機能していることも世界で初めて見つけた」とジュリアス氏の功績について話しました。

    また、アーデム・パタプティアン氏については「触った感覚、触覚を感じ取るセンサーや、涼しいと感じるセンサー、わさびなどを食べたときに舌で感じるような痛みのセンサーも見つけた」と話しています。

    そのうえで、受賞の意義について「感覚は、生命がいちばん最初に受け取る環境の情報で、外の世界がどうであるかを知るうえで必須の機能だ。感覚機能がないと、生き物は究極的に生きていけない。体にとって心地よい環境なのか、不快なのかを知るために重要な機能で、今回は、その感覚をつかさどる非常に重要な分子を発見したことが評価された。中でも痛いと感じる感覚は、医療的にも非常に重要で、世界中で基礎研究が進んでいる段階だが、感覚センサーのメカニズムがわかることで、慢性痛などを治療していく、緩和していく新薬が開発され、役立つ可能性がある」と話しました。
    ジュリアス氏のもとで研究の研究者「毎年受賞待っていた」
    ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のデビッド・ジュリアス氏のもとで研究をしていた、生理学研究所の富永真琴教授は「痛みは人間の生体防御の最も基本的な感覚なので、痛みを感じる『カプサイシン受容体』の遺伝子を明らかにした意義はとても大きい。この受容体は痛みに関わるさまざまな病気との関連が指摘されているので、今後、病気の研究や新たな鎮痛薬の開発などにつながると期待される。私はジュリアス氏のもとで今回の受賞理由となった『カプサイシン受容体』の研究を行っていたが、彼は、医師ではないものの医学の知識が豊富で、とてもアイデアマンだ。もう10年以上前からノーベル賞では名前があがっていて、私も毎年、受賞を待っていたので、やっとこの日が来てとてもうれしい」と話していました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211004/k10013289891000.html

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