2018年5月11日

読売社説「日銀は2%目標に固執せず、見直す姿勢も必要だ」

( 【異次元緩和】政府・日銀「2%物価目標」(という口実) の続き)

黒田総裁再任 日銀緩和の行方をどう描くか
2018年4月11日 読売新聞「社説」

 異次元緩和には副作用も出始めている。景気拡大を続けつつ、長期間の量的緩和政策などを軟着陸にどう導くか。新たな5年の任期は一段と重い課題に取り組むことになる。

 日銀の黒田東彦総裁が再任された。新任の雨宮正佳、若田部昌澄の両副総裁との新体制だ。

 黒田氏は2013年3月の就任後、2年でのデフレ脱却を掲げ、「黒田バズーカ」の異名を取る大胆な金融緩和策を繰り出した。市場の予想を超える規模で、量的緩和政策を強力に進めた。

 緩和マネーは円安・株高をもたらし、企業業績を押し上げた。日銀への期待値が高まるにつれ、追加緩和を見送ると市場に落胆が広がるようにもなった。

 16年秋には緩和策の軸足を「量」から「金利」に移し、市場との対話を重視する手法に転換した。

 今後は、マイナス金利政策の修正などが課題となる。黒田氏には経済情勢や市場動向の見極めに一層の磨きをかけてもらいたい。

 日銀が目標とする物価上昇率2%はいまだ実現していない。

 黒田氏は再任記者会見で「物価目標の実現までには、なお距離がある」と述べ、緩和政策を堅持する考えを強調した。

 黒田氏が物価目標の原則論に終始するのは、市場で政策変更の観測が広がれば金利急騰などを招きかねないとの警戒感もあろう。

 現時点では、黒田氏の政策の方向性は理解できる。

 気がかりなのは、長期にわたる大規模緩和の弊害である。

 銀行の貸出金利が低迷し、収益が圧迫されている。新規融資が滞り、金融緩和の効果をむしろ減じていると指摘される。

 株式市場では、日銀の上場投資信託(ETF)購入が株価をゆがめているとの見方がある。国債発行残高に占める日銀保有が4割に達し、市場が硬直化している。

 日銀は2%目標に固執するばかりでなく、中期的には柔軟に見直す姿勢も必要なのではないか。

 物価が目標水準に未達でも緩和の出口戦略に乗り出している米欧当局の政策は参考になる。

 世界経済を見渡すと、米中の貿易摩擦が新たなリスク要因として浮上している。

 市場では、景気が失速した際に金融緩和策を打つ余地を持つために、早めに金利引き上げに着手すべきだという意見がある。

 日銀は、今は時期尚早だとしても、景気拡大が長期化する中で、金融正常化のタイミングをどう計るかについても検討が要る。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180410-OYT1T50141.html
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180410-118-OYT1T50141


いまは、正常でない、異常な状態にあるということなのか…
それとも、脚色演出された「異常」なのかな?


「国の借金 過去最大 国民1人当たり○○○万円」という、罪霧消の恒例行事お役所仕事ルーチンワーク…

「国の借金」(2NN)


「国」とか「国民」ってさ、ほんとうは、責任の主体や所在をうやむやにできる「魔法のことば」だよね。

「国の借金」ではなくて「政府の借金」、「国民1人当たり」じゃなくて「国家公務員1人当たり」のスリカエ論法だろ。




(書きかけ)







(№328 2018年4月12日)

25 件のコメント:

  1. 景気は緩やかに拡大、物価は2%へ上昇率高める=黒田日銀総裁
    ビジネス2018年4月12日 / 09:51

    [東京 12日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は12日、本店で開かれている支店長会議であいさつし、景気の先行きは緩やかな拡大を続けるとし、消費者物価も2%に向けて上昇率を高めていくとの見通しをあらためて示した。

    総裁は景気について「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している」とし、先行きも「緩やかな拡大を続けると考えられる」と語った。

    物価面では、足元の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は「1%程度となっている」と述べ、先行きは「マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる」との見方を示した。

    また、日本の金融システムは「安定性を維持している」と指摘。金融環境は「極めて緩和した状態にある」との認識を示した。

    金融政策運営は、2%の物価目標実現のため、現在の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的緩和を「必要な時点まで継続」し、物価上昇の勢い(モメンタム)を維持するため「必要な政策調整を行う」との姿勢を表明した。
    https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKBN1HJ02E

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  2. 脱デフレへ黒田日銀総裁が再始動
    金融緩和継続も物価2%険しく
    2018/4/9 19:52
    ©一般社団法人共同通信社

     黒田東彦日銀総裁が9日再任され、記者会見を開いた。デフレ脱却に向け大規模な金融緩和を5年間続けて経済は改善したが、物価上昇率2%の目標実現への道筋は険しく、地方銀行の経営圧迫など副作用も拡大している。任期5年の間には、長期化した緩和策を終わらせる「出口戦略」の円滑な着手など課題は山積し、景気動向や海外情勢をにらみながら難しいかじ取りを迫られる。

     会見に先立ち、安倍晋三首相は黒田氏に辞令を交付し、物価目標達成へ「あらゆる政策を総動員してもらいたい」と述べた。黒田氏は「最大限の努力をしたい」と決意を示した。
    https://this.kiji.is/356019161711232097

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  3. 民間の夏ボーナス 3年連続で増加へ
    4月16日 5時14分

    民間企業のこの夏のボーナスは、業績の改善を背景に1人当たりの平均支給額が1%から2%程度増え、3年連続で増加する見通しです。

    民間の金融機関や調査会社など4社は、従業員5人以上の企業を対象にこの夏のボーナスの予測をまとめました。

    それによりますと従業員1人当たりの支給額は、平均で37万1000円から37万5000円と、去年より1.2%から2.2%増えると予測しています。これにより、夏のボーナスは3年連続で増える見通しです。

    これについて各社は、景気の回復が続いて企業の業績が上向いていることや人手不足の深刻化を受けて、中小企業の間でも人材を確保するためにボーナスを増やす動きが広がっていることが背景にあるとしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180416/k10011405051000.html

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  4. 新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ
    モリカケより深刻な日銀の巨大リスク - 2018/4/16
    https://blog.goo.ne.jp/jinn-news/e/ea96a3e2501145720f3a622fccc5bb00

    >モリカケ問題も、日本の将来に禍根を残す異次元緩和も、その発端は安倍政権、その官邸主導にあると思います。長期間、大規模な金融財政支援を受けている限り、既存の産業は現状に満足し、次代を作る新しい産業、企業が生まれてきません。その一方で、日銀が購入した国債や株が巨額になり、市場機能はマヒし、財政運営は緊張感をなくし、財政赤字が積みあがる。ここからの大転換は政権交代がない限り難しいでしょう。

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  5. 日銀職員が記念金貨155万円分窃盗か 警察に被害届
    4月18日 20時32分

    日銀は、本店の発券局の職員が、保管している記念金貨16枚、合わせて155万円分を盗んだ可能性が明らかになったとして、警察に被害届を出しました。

    発表によりますと、今月10日、日銀本店の発券局の金庫で行われた監査で、5万円と10万円の記念金貨が1枚ずつ足りないことがわかりました。

    このため、金庫に保管している額面1000円以上のすべての記念貨幣およそ2万9000枚を調べたところ、さらに10万円の記念金貨、合わせて14枚が足りないことが確認されました。

    これを受けて、日銀が関係する職員への聞き取りなどを進めた結果、発券局の職員1人が、去年12月からことし4月にかけて、記念金貨16枚、合わせて155万円分を袋に収める作業中に盗んだ可能性が高いことが明らかになりました。

    このため日銀は18日付けで警察に被害届を出すとともに、この職員を総務人事局付けとし、警察の捜査を踏まえて厳正に処分する方針です。

    記者会見した日銀の吉岡伸泰理事は「貨幣の流通に関する業務を担う立場で、今回の不祥事が生じたことを極めて重く受け止めています。誠に遺憾で、国民の皆様に深くおわび申し上げます」と陳謝しました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180418/k10011408541000.html

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    1. 【日銀職員】本店から記念硬貨を盗む 「天皇陛下在位記念」の金貨など記念硬貨計16枚155万円分
      https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1524044837/

      「日銀」のニュース
      https://www.2nn.jp/word/%E6%97%A5%E9%8A%80

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    2. 日銀職員、記念硬貨16枚155万円盗んだ疑い
      2018年4月18日21時52分

       日本銀行は18日、紙幣の発行業務などを担当する発券局の職員が、155万円相当の記念金貨計16枚を盗んだ疑いで警視庁に被害届を提出したと発表した。

       今後、関係者を処分するとともに、再発防止策を講じる。

       盗まれたのは昭和天皇の在位60年記念の10万円金貨14枚と、天皇陛下の即位を記念した10万円金貨、皇太子さまのご成婚記念5万円金貨の各1枚。職員は昨年12月~今年4月に、日銀が保管する記念貨が偽造通貨でないかどうかなどを確認する作業の過程で、抜き取ったとみられる。

       日銀は、職員は管理職でなく、発券局の「ベテラン」と説明し、窃盗の疑いに対するこの職員の認否や性別、年齢などは捜査中であることを理由に明らかにしなかった。

       日銀の業務を監督する監事が今年4月10日に監査のなかで5万円金貨の不足を見つけ、その後の追加調査で相次いで不足が判明した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180418-118-OYT1T50089

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  6. 日銀決定会合 物価2%目標 時期削除…大規模緩和は維持
    2018年4月27日15時0分

     日本銀行は27日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和策の維持を決めた。「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表し、目標とする物価上昇率2%の達成時期について、これまでの「2019年度頃」とする表現を削除した。

     日銀は、表現の削除について、目標も見通しも実態としては変わらないとしている。2%をできるだけ早期に実現する姿勢も変わっていないとの考えだ。

     展望リポートによると、政策委員の物価見通しは19年度が1・8%(中央値、消費増税の影響除く)、20年度も1・8%と見込んだ。

     「物価上昇率2%」の達成時期を巡っては、黒田東彦はるひこ総裁が13年春に就任した直後、「2年程度」での達成を目指し、大規模な金融緩和策に踏み切った。堅調な景気回復は続いたが、物価上昇の勢いは鈍く、達成時期の延期を6回にわたり繰り返した。17年7月には「18年度頃」から「19年度頃になる可能性が高い」と改めている。しかし、市場では19年度の達成も難しいとの見方が強かった。

     金融緩和の現状維持を巡っては、決定会合で投票権を持つ政策委員(正副総裁と審議委員6人)9人のうち8人が賛成した。片岡剛士審議委員が金融緩和の強化を主張し、現状維持に反対した。

     黒田総裁は27日午後、記者会見し、決定内容について説明する。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180427-118-OYTPT50242

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    1. 日銀 2%の物価目標 達成の見通し時期を削除
      4月27日 12時51分

      日銀は、27日に公表した最新の物価見通しでこれまで「2019年度ごろになる可能性が高い」としてきた2%の物価目標の達成見通しについて、具体的な時期を削除しました。大規模な金融緩和を続けているにもかかわらず目標の達成時期を明確に示すことが難しくなっている現状をあらわした形です。

      日銀は27日、経済と物価の最新の見通し、「展望レポート」を公表し、消費者物価指数の上昇率の予測について、今年度(2018年度)はこれまでの1.4%から1.3%に引き下げました。

      また、来年度(2019年度)はこれまでどおり1.8%とし、再来年度(2020年度)も1.8%としました。

      そのうえで、これまで「2019年度ごろになる可能性が高い」としてきた2%の物価目標の達成見通しについて、具体的な時期を削除しました。

      日銀は5年前に今の大規模な金融緩和策を導入した際、「2%の物価目標を2年程度で実現させる」としましたが、その後も物価の伸びは鈍く、目標の達成時期をこれまで6回にわたって先延ばししてきました。

      日銀は、「2019年度までの物価の見通しは従来とおおむね変わっていない」としていますが、大規模な金融緩和を続けているにもかかわらず2%の物価目標の達成時期を明確に示すことが難しくなっている現状をあらわした形です。

      一方、景気の現状について日銀は、「緩やかに拡大している」という判断を据え置いたうえで、GDP=国内総生産の実質の伸び率の予測を、今年度はプラス1.6%、来年度と再来年度はいずれもプラス0.8%としています。

      黒田総裁「達成期限のような誤解あった」

      日銀の黒田総裁は金融政策決定会合のあとの記者会見で、2%の物価目標を達成する具体的な時期の見通しを削除した理由について、「市場の一部に、2%を達成する時期の見通しが達成期限であるかのような誤解があり、時期の変更が金融政策の変更と結びついていると思われるおそれがあったため」と説明しました。

      また、なぜ今回、達成時期の削除を決めたのか問われたのに対し、「いずれかの時点で行うことが、今回になったということだ」と述べるにとどめ、自身の再任や執行部の体制変更などによるものではないとしました。

      そのうえで、黒田総裁は日銀として、できるだけ早期に2%の物価目標の実現を目指す方針に変わりはないとし、「2019年度ごろに2%程度に物価上昇率が高まっていくという日銀の中心的な見通しは変わっていない」としました。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180427/k10011419831000.html

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    2. 日銀 金融緩和策の維持を決定
      4月27日 12時10分

      日銀は、黒田総裁の再任後、初めての金融政策決定会合を開き、目標とする2%の物価上昇率の実現に向けて今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。

      日銀は黒田総裁が今月、再任されてから初めての金融政策決定会合を27日までの2日間開き、「短期金利」と「長期金利」に誘導目標を設けた大規模な金融緩和策の維持を賛成多数で決めました。

      このうち短期金利は、おととし導入したマイナス金利政策を継続し、日銀が金融機関から預かる当座預金の一部に適用する金利をマイナス0.1%で据え置きます。

      また、長期金利は、償還までの期間が10年の国債の利回りが0%程度で推移するよう、国債の残高が年間でおよそ80兆円増えるペースをめどに買い入れます。

      これは2%の物価目標の目安としている消費者物価指数の上昇率が直近で0.9%にとどまっているためです。

      日銀は市場に大量の資金を供給して物価を押し上げようと、黒田総裁のもと5年余りにわたって大規模な金融緩和を続けていますが、物価の伸びは鈍いままで、厳しい政策運営を迫られています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180427/k10011419751000.html

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  7. 大手銀行で手数料の引き上げ相次ぐ
    4月29日 4時29分

    長引く低金利などで収益が低下する中、大手銀行では両替や住宅ローンの繰り上げ返済の手数料を引き上げる動きが相次いでいます。

    「三菱UFJ銀行」は、これまで、紙幣や硬貨の両替手数料を50枚まで無料、500枚までを324円としてきましたが、4月から原則として500枚まで540円に引き上げました。両替の手数料は、「三井住友銀行」が去年5月、「みずほ銀行」もことし1月にそれぞれ引き上げました。

    また「みずほ銀行」は4月から変動型の住宅ローンを借りている利用者などを対象に、ローンの繰り上げ返済を店舗や電話で手続きする際の手数料を引き上げました。これは、長引く低金利などの影響で収益が低下しているためで、大手銀行にとどまらず地方銀行の間でも、振込や両替にかかる手数料を引き上げる動きが相次いでいます。

    アメリカやヨーロッパの銀行では預金口座の維持にかかる費用を手数料として取るところもありますが、日本の大手銀行は、「利用者の理解が得られにくい」などとして口座維持手数料の導入には慎重な姿勢です。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180429/k10011422051000.html

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    1. 時代はかわっても、両替商はしょせんは両替商のまんまかわらない…

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  8. 社説
    日銀物価目標 達成時期の削除は現実的だ
    2018年4月30日6時0分

     脱デフレの時期を明示しないことで、金融政策の自由度を高める狙いがあるのだろう。現実的な判断と言える。

     日銀は、黒田東彦総裁の再任と2副総裁の交代後初めての金融政策決定会合を開いた。これまで「2019年度頃」としていた物価上昇率2%の目標達成時期を、経済動向の見通しを示す文書から削除した。

     黒田氏は記者会見で「(達成時期の)数字のみに過度な注目が集まることは適当とは言えない」と述べ、時期を定めずにデフレ脱却に取り組む考えを強調した。

     2013年に発足した黒田日銀は当初、2年で目標の2%を達成すると掲げた。物価の低迷が長期化したため、達成時期の先送りは6度に及んだ。

     時期の削除には、守れない約束を重ねて日銀の信任が損なわれる事態を避ける意図も窺うかがわれる。

     足元の消費者物価上昇率は0・9%で、目標に遠く及ばない。

     若田部昌澄副総裁は、3月の衆院所信聴取で「2%の達成が難しければ追加緩和を提案する」と明言した。日銀が「19年度頃」を掲げ続ければ、市場で追加緩和の観測が強まるのは必至だった。

     黒田日銀の異次元緩和は5年を超え、緩和策をこれ以上強化すれば弊害が広がりかねない。

     銀行の貸出金利が下がり、収益が圧迫されている。利ざやの縮小によって新規融資が滞り、かえって金融緩和の効果を損なっているとの見方もある。

     日銀が年6兆円のペースで実施している上場投資信託(ETF)の購入や、全発行額の4割に達した大量の国債買い入れは、市場機能をゆがめている面がある。

     今、求められるのは大規模緩和の利害得失を冷静に見極め、柔軟に政策を検討する姿勢だろう。無論、短兵急な金融引き締めへの転換は厳に避けるべきだ。

     米欧は日銀と同じ2%程度の物価上昇目標を掲げるが、目標に達する前から金融緩和策の出口戦略に乗り出している。

     米連邦準備制度理事会(FRB)は、数年後までの利上げペースや、量的緩和縮小の工程表を示し、市場との丁寧な対話に努めている。重要な観点である。

     日銀の緩和拡大に限りがあるだけに、持続的な経済成長には政府の役割が一層重要となる。

     企業の設備投資を後押しする規制緩和を加速する。働き方改革の実現で生産性を高める。こうした政策で消費拡大が生産を押し上げる好循環を作りたい。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180429-118-OYT1T50120

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  9. 消費増税の家計負担増、約2・2兆円…日銀試算
    2018年5月1日22時44分

     日本銀行は1日までに、政府が2019年10月に予定している消費増税に伴う家計の負担増が、約2・2兆円になるとの試算を発表した。

     税率が8%から10%へと引き上げられるが、食品などへの軽減税率の適用や教育無償化などの政策効果で、14年4月の前回増税時と比べて約4分の1の負担増で済むとみている。

     「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の詳細版で明らかにした。試算によると、消費税率が8%から10%へと引き上げられる分の影響で、1年間の家計負担は約5・6兆円増える。ただ、食品や新聞などを対象とする軽減税率の適用で約1兆円、教育無償化で約1・4兆円負担を補うなどの政策効果があるとし、家計の実質的な負担増は約2・2兆円にとどまると見込んだ。

     過去の増税時は、消費税率が3%から5%へと引き上げられた1997年度の家計負担増は約8・5兆円、5%から8%になった14年度の負担増は約8・0兆円だったとした。

     19年10月の増税は、直近に増税した14年4月に比べて引き上げ幅が小さいことも影響を軽減していると分析した。

     14年4月の税率引き上げでは、増税前の駆け込み需要が膨らんだ反動で、消費が落ち込んだ。1年半後に再増税が予定されていたこともあり、その後も低迷が長く続き、政府は、10%への引き上げを2回にわたって先送りにした経緯がある。

     このため、消費増税の家計への影響は、今後の増税実施を判断する上で重要となる。日銀は、19年に予定される増税の負担について、「過去と比べて小幅なものにとどまる」と分析した。ただ、増税が消費者心理に与える影響については、「経済状況によって影響が大きく異なり、不確実性が大きい」とも指摘している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180501-118-OYT1T50117

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  10. 深まる日銀総裁の孤独…調査研究本部 丸山康之
    2018年5月2日12時0分

     「物価目標の早期達成を目指すことに変わりはない」――日本銀行の黒田東彦総裁は、前年比2%の消費者物価上昇目標の達成時期を削除した「経済・物価情勢の展望」を公表した4月27日も強気の姿勢を崩さなかった。黒田日銀は果たして活路を見いだせるのだろうか。

    達成できなかった物価目標

     黒田氏の姿に、筆者は1980年代半ばに財政再建に取り組んでいた竹下登蔵相(財務相の前身)を思い出した。当時の中曽根康弘内閣は、第2次石油ショックなどで悪化した財政を立て直すため、橋や道路といった社会資本の整備ではなく、経常的な歳入不足を補うことを目的とする赤字国債の発行を1990年度にゼロとする方針を打ち出していた。しかし、日米欧の主要5か国がドル高是正で一致した85年9月のプラザ合意をきっかけに、日本は円高不況に直面した。

     目標達成が困難視される中、竹下蔵相は念仏でも唱えるようにこう繰り返していた。「ぼろぼろになった旗でも、昭和65年度(平成2年度=1990年度)特例公債(赤字国債)依存体質脱却という旗は降ろさない」

     2013年3月に就任した黒田総裁は大量の国債買い入れを柱とする“異次元の金融緩和”を打ち出し、政府との共同声明で1月に導入が決まっていた物価目標を2年で達成することを誓った。しかし、翌14年に実施された消費税率5%から8%への引き上げの影響を除くと、消費者物価上昇率が2%に達することはなかった。2%の達成時期は先送りが繰り返され、直近では19年度ごろとされていた。

    国民に根強いインフレへの嫌悪感

     もっとも国民の実感はだいぶ違う。日銀が18年3月に行ったアンケート調査の結果をみると、物価が1年前より「かなり上がった」、「少し上がった」と感じる人は合計で73.5%を占め、ほぼ4人に3人が物価上昇を実感している。“実感物価上昇率”は、極端な回答を除いた平均で5.8%、回答数値を低いほうから順に並べた時の中央値で5.0%に達する。また、物価が上がったと感じる人の79.9%は「どちらかと言えば、困ったことだ」と考え、「どちらかと言えば、好ましいことだ」と受け止める人は3.6%しかいない。

     連合の4月17日時点での集計によると、定期昇給と賃金水準全体の底上げ分(ベア)の区別が明確な労働組合の場合、今春の賃上げ率は平均2.21%だが、そのうちベアは0.53%にとどまり、17年度の物価上昇率0.7%を下回る。食料品やガソリンなど身近な商品やサービスが値上がりする一方で賃金の伸びが鈍い中、インフレに対する国民の嫌悪感は根強い。

     好況下での低インフレは、政治的にはむしろ好ましいのだろう。多くの政治家には、金融の引き締めよりは緩和のほうが歓迎されやすい。物価上昇率が低ければ、好況でも金融緩和の継続が期待しやすい。日銀の目標未達に対する批判は政府からほとんど聞こえてこないし、黒田総裁が再任されたこと自体、不満が政権に乏しいことの証左でもあろう。

    共感も失望もしなくなった市場
     竹下蔵相が財政再建目標を掲げ続けたのは、目標を撤回すれば財政悪化に歯止めがかからなくなることを恐れたためだった。実際には87年ごろから急激に膨らんだバブル景気で税収が大幅に増える幸運に恵まれ、竹下氏が首相として主導した89年の消費税導入も加わって、90年度当初予算では赤字国債発行ゼロが実現した。

     黒田総裁が2%の物価目標にこだわるのは、達成への決意が揺らいでいると受け止められれば円高が再燃しかねないという懸念があるためだろう。だが、日銀に秘策は残されていない。目標達成時期が消えた4月27日も、円相場に目立った動きは出なかった。異次元緩和を「市場や経済主体の期待に働きかける政策」と説明してきた黒田総裁は、ほっと胸をなでおろすより、共感も失望もしなくなった市場にむしろ孤独感を深めているかもしれない。黒田総裁にも幸運の女神がほほ笑む日は来るのだろうか。



    丸山 康之 (まるやま・やすゆき)  調査研究本部研究員

    専門分野: 経済報道

    コメント: 経済記者としてバブルの生成とその破裂、経済構造の改革などを取材してきた。市場や社会の動向を注視しながら、内外経済の潮流を探っている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180501-118-OYTPT50290

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  11. 消費者マインド「弱含んでいる」に悪化 相次ぐ値上げで
    5月2日 16時18分

    電気やガス、ビールなどが値上がりした影響で、買い物などへの意欲を示す先月の消費者マインドは「弱含んでいる」に悪化しました。

    内閣府は毎月、全国の8400世帯を対象に、今後半年間の暮らしの見通しなどを聞き、「消費者態度指数」として発表しています。

    それによりますと、先月は暮らし向きや収入の増え方など4つの質問項目すべてが前の月を下回り、「消費者態度指数」は前の月から0.7ポイント低下して、43.6となりました。

    指数の低下は2か月ぶりで、これを受けて内閣府は、消費者マインドの基調判断も「足踏みがみられる」から「弱含んでいる」へと2か月ぶりに引き下げました。

    これについて内閣府は電気やガスなどの公共料金のほか、ビールや宅配便など暮らしに身近なものの値上がりが相次いでいることが影響したとしています。

    内閣府では「過去と比較すると、消費者態度指数の水準自体は悪くはないが、今後、低下の傾向が続くかどうか注意したい」と話しています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180502/k10011425391000.html

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  12. 財政健全化目標 2025年度に先送りで調整へ
    5月6日 5時06分

    基礎的財政収支を黒字化するとした財政健全化目標をめぐり、政府は、来年度から3年間はこれまでと同様に毎年5000億円程度を目安に社会保障費の伸びを抑えつつ、黒字化の達成時期をこれまでより5年先送りして2025年度とする方向で調整に入りました。

    財政の健全度を見る指標の1つである基礎的財政収支を2020年度までに黒字化するとした財政健全化目標の達成が困難となったことを受けて、政府は、来月にも取りまとめる、いわゆる「骨太の方針」で黒字化の新たな達成時期を示す方針です。

    これについて政府内では、4年先送りして2024年度とする案と、5年先送りして2025年度とする案を軸に検討が進められてきましたが、目標達成をたびたび断念してきた経緯も踏まえ、達成可能で実効性のある目標を示す必要があるとして、新たな達成時期を2025年度とする方向で調整に入りました。

    また、政府は、財政再建を進めるうえで鍵となる社会保障費について、来年度(2019年度)からの3年間は、これまでと同様に毎年5000億円程度を目安に伸びを抑える方向で検討を進めています。

    政府は、こうした歳出改革の取り組みの進捗(しんちょく)状況などを検証するため、2021年をめどに中間評価を行う方針で、基礎的財政収支の2025年度の黒字化達成に向けて、関連する指標の中間の目標値を定めることにしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180506/k10011428371000.html

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  13. 財政赤字、GDPの3%以内…政府が新たな目標
    2018年5月8日7時7分

     政府は、2021年度の財政収支の赤字額を名目国内総生産(GDP)の3%以内にすることを新たな財政再建目標として掲げる検討に入った。

     目標達成へ向け、高齢化による社会保障費の伸び(自然増)を19年度から21年度まで毎年5000億円程度ずつ、計1・5兆円程度に抑える方向だ。

     6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む。

     財政収支の赤字額には、過去に発行した国債(借金)の利払い費も含まれている。内閣府によると、18年度の財政赤字額は対GDP比で4・4%程度になる見通しだ。欧州連合(EU)は加盟国に、GDPに対する財政赤字の比率を3%以下にするよう求めており、日本も同水準の目標を掲げることにした。

     GDPに対する財政赤字の割合は、景気に悪影響を及ぼす厳しい歳出削減を行わなくても、経済成長を続けることで改善できる。「経済成長と財政再建の両立」を掲げる安倍内閣の方針を反映した目標となる。

     一方、政府は社会保障費の伸びを16~18年度、年5000億円程度に抑えることを目標にしていたが、19年度以降も継続する。

     社会保障費などの政策的経費を税収などでどれほど賄えるかを示す基礎的財政収支は25年度に黒字化する目標を設定する方向だ。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180508-118-OYT1T50014

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    1. 「2%目標」だの「3%以内目標」だの…

      みんなマヤカシでしかないな。

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    2. 財政赤字 GDP3%内 21年度 政府、新たな再建目標
      2018年5月8日5時0分

       政府は、2021年度の財政収支の赤字額を名目国内総生産(GDP)の3%以内にすることを新たな財政再建目標として掲げる検討に入った。目標達成へ向け、高齢化による社会保障費の伸び(自然増)を19年度から21年度まで毎年5000億円程度ずつ、計1・5兆円程度に抑える方向だ。

       6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む。

       財政収支の赤字額には、過去に発行した国債(借金)の利払い費も含まれている。内閣府によると、18年度の財政赤字額は対GDP比で4・4%程度になる見通しだ。欧州連合(EU)は加盟国に、GDPに対する財政赤字の比率を3%以下にするよう求めており、日本も同水準の目標を掲げることにした。

       GDPに対する財政赤字の割合は、景気に悪影響を及ぼす厳しい歳出削減を行わなくても、経済成長を続けることで改善できる。「経済成長と財政再建の両立」を掲げる安倍内閣の方針を反映した目標となる。

       一方、政府は社会保障費の伸びを16~18年度、年5000億円程度に抑えることを目標にしていたが、19年度以降も継続する。

       社会保障費などの政策的経費を税収などでどれほど賄えるかを示す基礎的財政収支は25年度に黒字化する目標を設定する方向だ。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180508-118-OYTPT50134

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  14. 社説
    消費増税対策 今度こそ景気減速を回避せよ
    2018年5月9日6時6分

     3回目の消費税率引き上げを迎える。増税後の景気減速をいかに回避するか。消費の下支えに官民が多角的に取り組むことが重要となる。

     政府は、2019年10月に予定する消費税率10%への引き上げに向けて、経済への影響を緩和する方策の検討に入った。

     14年4月の税率8%への引き上げ時には、事前の駆け込み需要と、増税後の大きな反動減が生じた。消費低迷が長引き、早期の脱デフレが困難となる一因になった。

     高齢化で膨らみ続ける社会保障費を賄うには、税率を10%に引き上げた後も、さらなる増税の検討が避けられない。

     過去の増税時の反省を踏まえ、税率アップを円滑に実施できる環境を整えていきたい。

     5兆円近い増税となることから、政府内では一定の財政出動が望ましいとの意見が出ている。

     財政再建を進める観点から、過大な規模とならないようにすべきだ。あわせて費用対効果を見極め、経済成長につながる支出を吟味することが欠かせない。

     消費税にあたる税の歴史が長い欧州では、企業が増税を小売価格に直結させない工夫をしている。日本は過去の消費増税時に大幅な物価上昇がみられた。小売価格への消費税分の転嫁を政府が厳しく求めた政策が背景にあろう。

     価格転嫁は、業者の自主性に委ねることも一案ではないか。

     当然、小売りが仕入れ先に消費税分を負担させてはならない。その上で、小売価格をすぐには引き上げない「消費税還元セール」を認めてはどうか。

     軽減税率も増税のショックを緩和させる効果が期待できる。

     政府は10%への税率引き上げにあたり、「酒類と外食を除く食品全般」と「週2回以上発行し、定期購読されている新聞」に初めて軽減税率を導入する。

     スーパーなどの飲食スペースでは、食器を返却すれば外食扱いだが、使い捨て容器入りなら軽減税率の対象となる。こうした細かいルールが少なくない。小売店はレジの改修や買い替えも必要だ。

     政府は、レジ更新費の公的補助を周知徹底するなど、軽減税率の円滑な実施に向けた取り組みを加速せねばならない。

     増税に耐え得る経済環境を整えることは、政府の重い責務だ。

     消費減退を招くデフレから早期に脱却し、緩やかな物価上昇を実現したい。政府が6月にもまとめる新成長戦略で、どんな具体策を打ち出せるかが試金石となる。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180508-118-OYT1T50119

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  15. 物価目標「時期」削除に懸念…日銀 4月決定会合
    2018年5月10日15時0分

     日本銀行は10日、4月26~27日に開催した金融政策決定会合で出た「主な意見」を公表した。会合で「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」から「2019年度頃」としていた物価上昇率2%の達成時期見通しを削除することを賛成多数で決めた。議論では、ある委員が「(物価安定の目標)達成に向けたコミットメント(約束)を弱めかねない」との懸念を示していた。

     別の委員は「2%に達する時期は見通しで、その変化と政策変更を機械的に結びつけているわけではないことを明確にすることが適当だ」と指摘。達成時期を削除しても「物価安定の目標をできるだけ早期に実現するコミットメントは全く変わらないことを示す必要がある」との意見もあった。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180510-118-OYTPT50300

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  16. 社説
    財政健全化計画 高成長の前提は楽観的過ぎる
    2018年5月16日6時3分

     先送りを繰り返してきた計画を達成する環境をどう整えるか。楽観的な前提を排し、堅実な目標を粘り強く追求する姿勢が欠かせない。

     先進国で最悪の状態にある財政を立て直すため、政府は新たな財政健全化計画の策定に着手した。6月にまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む。

     国債に頼らずに政策経費を賄える状態を表す「基礎的財政収支の黒字化」について、達成目標を従来の2020年度から25年度に遅らせる見通しだ。

     黒字化計画は00年代初頭から掲げているが、17年度も赤字が18・5兆円に上った。リーマン・ショックや東日本大震災といった不可抗力もあったが、財政規律が疎おろそかになってきた面は否めない。

     新たな計画で、従来と同様に3%台という高い名目経済成長率を前提とするのであれば問題だ。

     高成長が続けば、大幅な税収増が期待できる。しかし、経済の地力を示す潜在成長率は1%程度にとどまる。継続して年3%成長を見込むのは非現実的だ。

     政府が国内総生産(GDP)の高い伸びを目指すのは理解できる。それでも、財政再建に関しては、手堅い成長率に基づいて税収を見積もることが信頼に足る計画の第一歩となろう。

     新計画は基礎的財政収支の黒字化に先立つ中間的な目標として、財政赤字の対GDP比を導入する方向だ。GDPが増えれば財政赤字の比率は下がるが、赤字そのものが減るわけではない。

     政府内には、19年10月の消費税率10%への引き上げや、20年東京五輪後の景気減速に備え、財政出動を主張する声が出ている。

     経済対策は費用対効果を十分に吟味することが重要である。

     歳出面で最大の課題は、高齢化で膨らみ続ける社会保障費だ。

     19~21年度の3年間の社会保障費の伸びを、計1・5兆円程度に抑える案が検討されている。16~18年度の抑制策と同じ水準だ。

     25年には団塊世代が全て75歳以上になり、医療・介護費の急増が見込まれている。

     経済的にゆとりのある高齢者には負担増を求める。公的保険でカバーする介護サービスなどの範囲を必要に応じて見直す。こうした改革の検討が避けて通れまい。将来的に更なる消費増税も視野に入れるべきではないか。

     持続可能な財政の確立には、税と社会保障の将来像に正面から向き合う必要がある。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180515-118-OYT1T50121

    https://koibito2.blogspot.jp/2018/03/blog-post_9.html?showComment=1526806168534#c6439698657859876211

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  17. 社説
    1~3月GDP 成長の持続へ内需拡大を促せ
    2018年5月19日6時0分

     長期間の経済成長が一服した。景気の回復軌道を維持するためには、力強い賃上げや将来不安の払ふっ拭しょくによって、内需拡大を促すことが重要だ。

     今年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0・2%減、年率換算で0・6%減だった。マイナス成長は9四半期ぶりだ。

     国内需要が総じて振るわなかった。GDPの6割を占める個人消費は、わずかながら2四半期ぶりに減少した。天候不順に伴う野菜の高騰、ガソリン価格上昇などで消費者の節約志向が強まった。

     ガソリンは、中東情勢の混迷を背景に約3年半ぶりの高値圏にある。この趨勢すうせいが続けば、物流費や光熱費にも跳ね返る。こうしたコストの増加に引きずられた値上がりは歓迎できない。

     望ましいのは、需要の喚起による緩やかで安定した物価上昇だ。企業の好業績による賃上げが消費を伸ばし、企業収益を押し上げる好循環が期待できる。

     その実現には、積極的な賃上げが鍵の一つとなろう。

     連合がまとめた2018年春闘の途中集計によると、平均賃上げ率は約2%にとどまる。昨年は上回るものの、政府が経済界に求めた3%に遠く及ばない。

     上場企業全体の18年3月期の最終利益は、2年連続で過去最高となる勢いだ。企業には、利益に見合う賃上げによって、従業員に還元する姿勢が求められる。

     人材の高度化を目指す職業研修の充実も、有力な「人への投資」と言える。深刻化する人手不足の対策にも資する。

     消費者の財布のひもが固い一因には、人口減少と高齢化の進展に伴う根強い将来不安がある。

     「働き方改革」を通じて、女性や高齢者が働きやすい環境を整備する。医療・介護などで持続可能な社会保障の方向性を明確に示す。政府は、こうした施策を着実に進めることが欠かせない。

     日本を取り巻く海外の経済環境には不透明な面が少なくない。

     今回のGDP速報では、輸出の伸びが大幅に鈍化した。中国でのスマートフォン販売が低迷し、関連部品の輸出が不振だった。

     トランプ米大統領の保護主義政策は、米中摩擦などを通じて世界貿易を冷え込ませかねない。

     多くの新興国では、米国の政策金利引き上げを背景に資金流出が加速し、通貨が急落している。

     日本経済が外的ショックへの耐性を高めるためにも、国内市場の活性化を急がねばなるまい。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180518-118-OYT1T50152

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