2020年6月21日

「着床前スクリーニング」男女産み分けは、本来の目的から逸脱した検査

( 採血だけで染色体の病気が高い精度でわかる新型出生前診断 の続き)

「生殖医療」医科様ギルド界隈のみなさまの御用マスゴミメディアの大本営発表(笑)。

着床前検査 効果と課題の見極めを慎重に
2015年2月15日 読売新聞「社説」

 「着床前スクリーニング」の臨床研究が年内に始まる見通しとなった。体外受精による受精卵の全ての染色体を調べて、異常のない受精卵だけを子宮に戻す検査手法だ。

 日本産科婦人科学会の倫理委員会が研究計画を承認した。不妊に悩む女性の助けとなるのか。効果を慎重に見極めたい。

 不妊や流産の一因に、加齢による受精卵の染色体異常がある。高齢出産が多い日本では、不妊治療としての体外受精が増えている。しかし、何度繰り返しても妊娠せず、心身の負担に苦しむケースが少なくない。

 臨床研究では、原因不明の流産を2回以上経験するか、体外受精を3回以上試みて失敗した人を対象に、300例の着床前スクリーニングを行う。スクリーニングを実施しない場合に比べ、出産率などが向上するかどうか調べる。

 有効性を科学的に検証しようという学会の姿勢は理解できる。

 スクリーニングに関しては、命の選別につながるとの批判がある。ダウン症などの染色体異常を持つ子が生まれる可能性のある受精卵も、排除するからだ。

 学会はこれまで、重い遺伝性疾患と習慣流産に限った「着床前診断」しか認めていない。着床前診断では特定の染色体を調べるのに対し、着床前スクリーニングでは全染色体が検査対象になる。

 学会が今回、会告で着床前スクリーニングを禁じたまま、臨床研究として特別に認めたのは、苦肉の策と言えよう。背景には、技術の精度が向上し、活用を望む人たちの声が高まったことがある。

 2013年には、ダウン症など胎児の病気を、妊婦の血液から調べる新型出生前診断が国内で始まった。着床前の検査で、このような染色体異常の選別を認めないのは、二重基準ではないかという医療現場の指摘もあった。

 一部の医療機関では既に、学会の会告に反し、スクリーニングを実施している。生殖医療技術の進歩に、倫理面の議論が追いつかない現状を如実に物語っている。

 学会は3年間の臨床研究の後、有効性が認められれば導入の是非を最終的に検討する。

 導入するのであれば、着床前スクリーニングの乱用防止策が重要になろう。染色体を調べれば、男女の産み分けも可能になる。本来の目的から逸脱した検査が行われることは許されまい。

 医師に限らず、幅広い分野の専門家を交え、社会的影響についての議論を深めるべきだ。
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150214-118-OYT1T50142



まことしやかに流布される「遺伝子」ネタには御用心!(笑)。

医科様な「検査」万能時代の幻惑イリュージョンショー…




(書きかけ)





「着床前」(2NN)



「受精卵」と「遺伝子」と「ゲノム編集」をめぐる医科様幻惑ミッション…


「ゲノム編集」は細胞の中にある遺伝子を自在に書き換えることができる最新の技術で、受精卵に応用してヒトを変化させることができるため、一定のルールが必要だとして世界的な議論を呼んでいます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180309/k10011357791000.html


(№218 2016年11月2日)(追記3/10 2018)

204 件のコメント:

  1. [解説スペシャル]新型出生前検査 乱用の懸念…学会指針守らず 2か所があっせん
    2016年10月29日5時0分

     妊婦からの採血で、胎児の染色体の病気の可能性を調べる新型出生前検査を巡り、学会の認定を受けない二つの団体・病院が、学会の指針から逸脱した検査のあっせんに乗り出した。結果次第で人工妊娠中絶にもつながる、命にかかわる検査だけに、無秩序なビジネスの広がりが懸念される。(編集委員 館林牧子、医療部 加納昭彦)

    法的拘束力なく国も静観

      ◇英国へ送付

     適切な検査の実施を保証する学会指針から外れた検査をあっせんしているのは、都内の民間団体と大阪市の病院。妊婦の血液を英国の検査会社に送り、1週間で結果を通知すると宣伝している。

     「指針違反なのはわかっているが、検査を望む妊婦の気持ちに応えたい」

     この団体代表の男性医師は読売新聞の取材にあっせんを始めた理由を語った。

     新型検査は、日本医学会が認定した病院75か所のみで実施を認められている。結果によって中絶にもつながる、倫理的な問題をはらんだ検査であるため、適切な情報を伝えたり、妊婦を心理面で支援したりする遺伝カウンセリングの体制整備などを条件としている。

     日本産科婦人科学会(日産婦)は指針を定め、検査をダウン症など3種類の染色体の病気に限定し、これらの病気の子どもの出産率が比較的高い、35歳以上の妊婦などを対象としている。簡便な検査のため、無秩序な拡大を防ぐのが狙いだ。

     ところが、この団体と病院は9月以降、年齢制限を設けずに、指針が認めていない、産み分けにつながる性別判定やターナー症候群などの性染色体の異常の検査もできると宣伝している。

     ターナー症候群は女性の1600人に1人が発症し、低身長や不妊につながるが、社会生活に大きな影響はない。ターナー症候群の娘をもつ岸本佐智子さん(52)(大阪市)は「元気に育って社会で活躍し、結婚している女性も多い。結果次第で即中絶という風潮が広がるのはあまりにも悲しい」と困惑する。

      ◇商業ベース

     しかし、大阪市の病院長の男性産婦人科医は「検査を受けたい女性の権利を守るべきだ」、都内の団体代表は「3種類の病気以外も調べられるならば、検査を受ける女性に判断を委ねればいい」と主張する。

     どちらも検査前後の遺伝カウンセリングを義務づけておらず、結果が陽性だった場合は「専門家がいる病院を紹介するなどすればいい」としている。

     日産婦倫理委員長の苛原いらはら稔・徳島大教授は「商業ベースの検査ビジネスが無秩序に広がる恐れがある。ゆゆしき事態」と指摘。11月の倫理委員会で対応を検討する方針だ。

     指針が守られない背景には、法的な拘束力がないことがある。容易に答えが出ない生命倫理がかかわる問題に対し、厚生労働省は対応に及び腰で、同省の担当者は「学会の対応を見守りたい」と静観の構えだ。

     生命倫理に詳しい●島ぬでしま次郎・東京財団研究員は「法的な拘束力のない学会の指針では、抜け駆けする病院は当然出てくる。検査に関わる医師や病院を国が認定するなど、法制化を考えるべきだ」と指摘している。(●は木ヘンに勝)

     ◆新型出生前検査◆ 妊婦から採血し、おなかの赤ちゃんの3種類の染色体の病気の可能性を調べる。検査結果が陰性なら99%の確率で3種類の病気ではないが、陽性の場合、結果を確定させるために、おなかに針をさす羊水検査が必要になる。2013年4月に臨床研究として始まった。実施病院で作る共同研究組織によると、今年3月までに3万615人が受け、陽性が確定したうち約9割の394人が中絶をした。

    対象の病気 増える海外…DNA配列 異常調べる検査も

     妊婦の血液のなかに胎児のDNAの断片が混じっている――。新型出生前検査の開発は、1990年代後半の発見を機に始まった。

     2011年、米国でダウン症など3種類の病気に対する検査が発売されると、瞬く間に世界に広まった。遺伝子解析技術のある民間企業が相次ぎ参入。現在60か国以上で使われている。

     日本での検査は、当初の3種類の病気に限られているが、海外ではターナー症候群の検査や性別判定のほか、対象となる病気の種類も増えている。米国の検査会社「シーケノム」は昨年、すべてのDNA配列で、一定以上の長さの配列異常を調べる検査を発売、既に1万人以上の妊婦がこの検査を受けたという。

     欧米でも遺伝カウンセリングは行われるが、近い将来、すべての遺伝情報が生まれる前にわかった場合、軽い病気や、大人になってから発症する可能性のある病気まで知らせるべきかという議論も起きている。

     米メイヨークリニックの生命倫理学者、メイガン・アリース氏は「検査対象の拡大は家族や社会に深刻な影響をもたらすだろう。国や地域を問わず、どんな情報が本当に必要か、話し合う必要がある」と指摘する。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161028-118-OYTPT50478

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  2. 無認定の出生前診断
    「中止を」日医など共同声明
    毎日新聞2016年11月2日 20時35分(最終更新 11月2日 20時35分)

     妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を、日本産科婦人科学会(日産婦)の指針に反して無認定で実施している医療機関があるとして、日本医師会(日医)など関係5団体が2日、無認定での検査の中止を求める共同声明を発表した。記者会見した日医の横倉義武会長は「検査は一定の倫理を持って行われるべきで極めて遺憾だ」と述べ、全ての医師に指針…
    http://mainichi.jp/articles/20161103/k00/00m/040/077000c

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  3. 着床前スクリーニング
    浜松の医師を専門医の資格喪失処分
    毎日新聞2016年11月2日 20時38分(最終更新 11月2日 20時38分)

    日本生殖医学会

     日本生殖医学会(苛原稔理事長)は2日、受精卵の染色体を幅広く調べ、異常のないものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」を実施したとして、浜松市の不妊治療施設「アクトタワークリニック」の医師を、同学会が認定する生殖医療専門医の資格喪失処分にしたと発表した。

     PGSは流産を減らす可能性がある一方、命の選別につながるとの批判も強く、日本産科婦人科学会が実施を禁止する会告(見解)を出しており、これに違反したため。同専門医は現在約600人で資格喪失処分は初めて。今後、自治体が患者の不妊治療費を助成する医療機関の指定に影響する可能性がある。

     この施設は今年6月時点で47人にPGSを実施し、1人が出産したほか、6人が妊娠中だと発表していた。【千葉紀和】
    http://mainichi.jp/articles/20161103/k00/00m/040/078000c

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    1. 国内禁止の不妊治療実施 専門医認定を剥奪
      2016年11月2日 22:00 日テレNEWS24

       日本生殖医学会は、不妊治療の一種で国内では禁止されている「着床前スクリーニング(=PGS)」を実施していた静岡県浜松市のクリニックの医師を処分した。

       着床前スクリーニングは、体外受精した受精卵に遺伝子や染色体の異常がないかを調べて、異常のない受精卵だけを子宮に戻す不妊治療で使われる技術。流産の可能性を減らすことができる一方で、命の選別につながるとの批判もあり、日本産科婦人科学会は指針で禁止している。

       生殖医療専門医の資格を認定している日本生殖医学会は2日、浜松市内の不妊治療クリニックが、禁止されているPGSを実施していたとして、このクリニックの医師に対し専門医の認定を剥奪する処分を下した。

       専門医の認定を剥奪した理由について、学会は、『生殖医療専門医として広い知識と高い倫理性が求められるにもかかわらず、日本産科婦人科学会の見解を無視したことは非常に重い』と指摘している。

       専門医の認定が剥奪されたことでこの医師にかかっている患者が今後、自治体から不妊治療費の助成を受けられなくなる可能性があるという。

       日本生殖医学会が認定している生殖医療専門医は全国に約600人いる。
      http://www.news24.jp/articles/2016/11/02/07345416.html

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    2. 医科様ギルドの和を乱すものは排除するニダ…

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  4. 着床前に受精卵検査 医師処分
    11/3(木) 17:16 掲載
    http://news.yahoo.co.jp/pickup/6219682

    着床前に受精卵検査 日本生殖医学会、浜松の専門医を処分
    @S[アットエス] by 静岡新聞 11/3(木) 16:31配信

     浜松市中区の不妊治療専門院「アクトタワークリニック」(松浦俊樹院長)が、国内の一般患者対象には認められていない「着床前遺伝子スクリーニング(受精卵検査、PGS)」を行っていたと公表したことについて、日本生殖医学会(苛原稔理事長)は2日、横浜市内で開いた理事会で、同会が認定していた松浦院長の生殖医療専門医資格を取り消す決定をした。

     理事会後の記者会見で発表した。苛原理事長は、同会の生殖医療専門医資格は日本産科婦人科学会(日産婦)が示す見解の順守が大前提とした上で、同院のPGS実施について「高い倫理観が求められる専門医として、ふさわしくない。生殖医療専門医に対する社会の誤解を招きかねず、厳正に対処せざるを得ない」と、資格取り消しの理由を述べた。松浦院長は今後、日産婦の見解を順守してPGSを実施しないと述べているという。

     同院が行っていたPGSは、不妊治療における体外受精で、受精卵を子宮に戻す前に染色体異常などを検査する技術。ダウン症などの可能性がある受精卵も選別の対象となるため、日産婦は会告で禁じている。

     同院はことし6月末、希望する30代の女性47人に検査を実施していたと公表した。日産婦はすでに、松浦院長に対して厳重注意処分を通達しているという。

     PGSは日産婦が流産歴や一定の不妊治療歴のある患者に対して臨床研究の準備を進めている段階。同会が認定する生殖医療専門医は全国に約600人いる。
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161103-00010000-at_s-soci

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  5. 自閉症のサルを世界初確認
    人間と同じ遺伝子に変異
    2016/11/19 08:05

     自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが自閉スペクトラム症の特徴を持つニホンザルを確認したことが19日、分かった。遺伝子操作をされていない動物での報告例はなく、世界で初めての確認とみられる。人間の発症者で見つかった遺伝子変異もあった。

     自閉スペクトラム症は自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害の総称で、対人関係が苦手、特定の行動を繰り返すという特徴がある。詳しい原因は分かっておらず、ヒトの近縁であるサルの症例を詳しく調べることで、発症メカニズムの解明につながると期待される。成果は米科学誌電子版に発表された。
    http://this.kiji.is/172483041514735100

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    1. たぶん、「自閉症」と「遺伝子」は、まったく関係がない…

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    2. ナントカ症候群と「病原体」のインチキ医科様な関係のようなもの…

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  6. 認定受けず胎児の遺伝子検査 医師3人処分
    2016年12月10日 21:45 日テレNEWS24

     認定を受けた病院だけが実施している妊娠中の胎児の異常を調べる遺伝子検査を、認定を受けずに行っていたとして、日本産科婦人科学会は医師3人を懲戒処分などとした。

     妊娠中の胎児に異常があるか血液でわかる出生前遺伝子検査は、異常が判明した場合、安易に命の選択につながる恐れが指摘されている。そのため、国内では臨床研究として行われていて、日本医学会が認定する施設以外で実施することは禁止されている。

     日本産科婦人科学会は10日、認定を受けずに検査を実施していたとして、東京と大阪の3人の医師を処分したと発表した。3人の医師のうち2人は厳重注意、1人はけん責処分だという。
    http://www.news24.jp/articles/2016/12/10/07348750.html

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  7. 英 3人の遺伝子持つ子ども来年にも生まれるか
    12月16日 21時25分

    子どもの重い遺伝病を防ぐため、イギリスで体外受精をさせた受精卵の核を別の女性の卵子に移植する医療技術が世界で初めて公式に認可され、現地メディアは父親と母親、それに別の女性の3人の遺伝子を持つ子どもが来年にも生まれる可能性があると伝えています。

    細胞でエネルギーを作り出すミトコンドリアの遺伝子異常は、母親から子どもに引き継がれ、脳や筋肉などの難病を発症させるおそれがあるとされています。
    これを防ぐため、イギリス政府の研究監視機関は15日、体外受精をさせた受精卵の核を別の女性の卵子に移植し、正常なミトコンドリアを持つ受精卵を作る医療技術を初めて認可しました。この技術によって、生まれる子どもは母親と父親、それに別の女性の3人の遺伝子を引き継ぐことになります。
    イギリスでは、去年2月、この医療技術を認める法律が成立し、医療機関は研究監視機関の認可を受ける必要があるとされていました。同じような技術を使い、ことし4月、規制のないメキシコでアメリカの医師らにより、3人の遺伝子を持つ男の子が生まれたことがわかっていますが、この技術が公式に認可されるのは、今回、世界で初めてです。イギリスのメディアは、ニューカッスル大学などによって来年にも3人の遺伝子を引き継ぐ子どもが生まれる可能性があると伝えています。
    イギリスでは、今回の認可について、多くの家族に希望を与えるとする意見がある一方、倫理的な問題を懸念する声も出ていて、今後、議論を呼びそうです。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161216/k10010810021000.html

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  8. 生殖補助医療と向き合う…宗教界とメディア会合
    2016年12月19日5時0分

     利用が急増する一方で、倫理的な問題点も指摘される生殖補助医療について、日本の宗教界はどう対応すべきか。そんな問題意識の下に12日、宗教界とメディアの関係者が東京都内で話し合った。

     この勉強会は宗教学者の山折哲雄氏らが発起人となった「ともいき懇話会」(浄土宗ともいき財団主催)。まず、生殖補助医療に長年携わる吉村泰典・慶応大名誉教授が、体外受精技術によってすでに世界で500万人以上が誕生したことや、日本でも利用が急増し、年間出生数の5%弱(約4万7000人、2014年)が体外受精児であることなどを報告した。

     利用急増の背景には、晩婚化や親の自己決定権の尊重などがある。一方で、他人の精子や卵子、代理母を使うことや、出生前診断による中絶も行われていることから、生命の商品化や家族関係の複雑化などの倫理的問題があると指摘した。吉村名誉教授は「通常の医療と全く違う生殖補助医療は、医学界より社会が考えるべき問題。宗教界がもっと関与してほしい」と呼びかけた。

     これに対し浄土宗総合研究所の戸松義晴主任研究員は、日本の大部分の宗教団体が、生殖補助医療に対する態度を表明していないと説明。仏教などのアジアの宗教は、命の始まりや終わりを一連の流れで見る傾向が強いからといい、「『受精をもって命の始まり』と考えるカトリックのようには、はっきりした見解を出しづらい。仏教界もきちんと考えていかないといけない」と述べた。

     また、ともいき財団の佐藤行雄理事長は、不妊に悩む当事者が「宗教者には相談していないだろう」と指摘し、危機感をあらわにした。さらに浄土宗の新谷仁海文化局長は、寺が存続してきたのは後継者を血縁者に限らなかったからだとして、「血のつながり」の再考を提案した。

     メディア側からも様々な意見が出た。読売新聞グループ本社の老川祥一取締役最高顧問・主筆代理は、生殖補助医療の行きすぎの背景には、子どもを所有物のように見る考え方があるのではないかと指摘。自己決定権を無制限に尊重することが、生殖補助医療の限界状況をもたらしたとし、人間存在の原点に立ち返った議論が必要だと論じた。中外日報社の北村敏泰取締役は、生殖補助医療を巡って宗教者が果たす役割は大きいとし、医療関係者だけでなく、当事者の女性たちにも話を聞くべきだと述べた。

     発起人の山折氏は、生殖補助医療の根底に、ヨーロッパ近代文明の思想があると説き、非ヨーロッパ圏でいち早く近代文明を受容した日本が「第三の道」を模索する必要性があると訴えた。ただ日本では、生殖補助医療に関する法律も、約20年前から検討しているものの制定されていない。宗教界にとどまらない、幅広い議論が求められている。(文化部 小林佑基)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161218-118-OYTPT50130

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    1. >宗教学者の山折哲雄氏らが発起人となった「ともいき懇話会」(浄土宗ともいき財団主催)

      >生殖補助医療に長年携わる吉村泰典・慶応大名誉教授

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  9. ことし 科学で最も重要な成果は「重力波」
    12月23日 9時16分

    アメリカの科学雑誌「サイエンス」が選ぶ、ことしの科学の分野での最も重要な成果が発表され、宇宙空間にできたゆがみが波となって伝わる「重力波」の観測に初めて成功したことが選ばれました。

    サイエンスは毎年この時期に、1年間の科学の分野での最も重要な成果やニュースを「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー」として発表しています。

    ことしは、アメリカにある「LIGO重力波観測所」の国際研究チームが重力波の観測に初めて成功したことを選び、22日、発表しました。

    重力波は、物理学者のアインシュタインが100年前に一般相対性理論の中で予言した現象で、サイエンスは「アインシュタインの予言を証明し、極めて小さな波を長年追い求めてきた旅を締めくくった」としています。そのうえで、重力波の観測をさらに進めることによって、ブラックホールの誕生の瞬間を直接観測できるようになるなどと期待されていることから、「新たな分野を切り開き、科学の風景を変えた」としています。

    一方、ウェブサイトでの投票では、ヒトの受精卵を、これまで限界と考えられていた7日間を超え、13日間体外で培養したイギリスなどの研究チームの成果が、最も多くの票を集めました。これについては、不妊治療の研究などが進むと期待される一方、受精卵の中で体の器官が形成され始める時期に近づくことから、倫理面での議論を呼び起こしているとしています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161223/k10010817631000.html

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    1. 科学分野 ことしの10人 重力波観測まとめ役などに
      12月20日 4時57分

      世界的な科学雑誌「ネイチャー」は19日、ことしの科学の分野での重要人物10人を発表し、宇宙空間にできたゆがみが波となって伝わる重力波を、世界で初めて観測した国際研究チームのまとめ役の物理学者などが選ばれました。

      「ネイチャー」は毎年、科学の分野で、その年を象徴する研究を行った人など10人を選んで特集しており、おととしには、iPS細胞由来の目の細胞を移植する世界初の臨床研究を行った、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーが選ばれています。

      19日にことしの10人が発表され、このうち重力波を初めて観測した国際研究チームの物理学者、ガブリエラ・ゴンザレス ルイジアナ州立大学教授は、1000人以上の科学者をまとめて、ことし最大の発見に大きく貢献したと評価されました。

      また、人工知能の技術を使って、世界最強とされる囲碁の棋士を破ったコンピューターソフト「AlphaGo」を開発したイギリス人研究者、デミス・ハサビスさんについて、急速に発達する人工知能の可能性を示したとしています。

      このほか、ジカ熱の妊婦への感染と、小頭症の子どもが生まれることの関係についての研究をリードしたブラジル人の研究者なども選ばれました。

      一方、日本からは選ばれませんでした。

      ネイチャーは、ことしの10人について「大きな役割を果たし、世界に変化をもたらす可能性を示した」としています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161220/k10010812661000.html

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  10. いまや「科学」は、新世紀の「まやかしの術」である…

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  11. 67歳母、43歳娘の代理で孫出産…ギリシャ
    2016年12月25日18時55分

     【ジュネーブ=笹沢教一】ギリシャの首都アテネの医師団は23日、67歳の女性が43歳の娘の代理母となって、自分の孫にあたる赤ちゃんを代理出産したと発表した。

     AFP通信が報じた。医師団は「国際的な記録からみて世界最高齢の代理出産になる」と話している。

     この女性はギリシャ中部に在住。同国で義務付けられている裁判所の許可を得たうえで、7回妊娠に失敗した娘に代わり、受精卵の移植を受けた。7か月半の妊娠期間を経て、20日に帝王切開で女児を出産した。赤ちゃんの体重は約1キロ・グラムだったという。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161225-118-OYT1T50064

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    1. それって結局、娘の妹を産んだというだけのまぎれもない事実…

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    2. 昔は(今もあると思うが)、娘が産んで育てられない“孫”を養子にして育てる親になるパターンの変形バージョン…

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    3. 高齢の母親が産んでしまった子供を、娘が子供として育てるパターン…

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  12. 体外受精で26人に別人の精子使用か オランダ、半数が既に妊娠・出産
    2016年12月28日 12:03 発信地:ハーグ/オランダ

    【12月28日 AFP】オランダ中部ユトレヒト(Utrecht)の医療機関で、体外受精(IVF)を行った最大26人の女性に対して、父親になるはずの男性とは別人の精子細胞が使用された恐れがあることが分かった。これらの女性の半数は既に妊娠または出産しているといい、調査が行われている。

     ユトレヒトのユニバーシティ・メディカル・センター(University Medical Centre)は27日に発表した声明で、2015年4月中旬から2016年11月中旬までに行われた体外受精で「手続き上の誤り」があったと明らかにした。

     あるカップルが用いた精子細胞が他の26組のカップルにも使われた疑いがあり、父親になるはずの人の精子細胞とは別の精子細胞が卵子細胞と体外受精させられた可能性があるという。

     同センターは取り違えが起きた可能性は小さいとしながらも、可能性は「排除できない」としている。

     体外受精を行ったカップルには取り違えの可能性が伝えられている。(c)AFP
    http://www.afpbb.com/articles/-/3112642

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  13. 無断で受精卵移植 別居も出産 1/4(水) 7:51 掲載
    http://news.yahoo.co.jp/pickup/6226190

    <奈良の病院>夫に無断で受精卵移植 別居の妻出産
    毎日新聞 1/4(水) 7:00配信

     不妊治療を手がける婦人科クリニック(奈良市)の男性院長が2014年、凍結保存された別居中の夫婦の受精卵について、夫の承諾を得ず妻に移植していたことが分かった。妻はこの体外受精で妊娠し、長女を出産。院長側は毎日新聞の取材に無断移植を認め、「軽率だった」と話した。日本産科婦人科学会(日産婦)には移植ごとに夫婦の同意を求める倫理規定があり、院長の行為はこの内規に抵触する恐れがある。

     夫は昨年10月に妻と離婚し、長女と親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁に提訴した。長女は戸籍上、今も夫の娘になっている。生殖補助医療の専門家によると、受精卵の無断移植が表面化するのは初めてとみられる。

     夫婦関係にあったのは奈良県内に住む外国籍の男性(45)と、日本人女性(45)。男性の代理人を務める大阪の弁護士や訴状によると、2人は04年に結婚した。約7年前にクリニックで不妊治療を始め、体外受精で複数の受精卵を凍結保存した。女性は受精卵を順に移植し、11年に長男が生まれた。

     2人は13年秋から、関係が悪化して別居。女性は14年春以降、クリニックに凍結保存された残りの受精卵を数回にわたって移植したという。妊娠後に男性に打ち明け、15年4月に長女が誕生した。クリニックは2人が治療を始めた10年に一度だけ移植への同意を確認する書面を作ったが、以降はこの手続きを省いた。

     男性側は昨年12月、奈良家裁で開かれた第1回口頭弁論で「同意がない移植による出産を民法は想定しておらず、血縁を理由に親子関係を認めるべきではない」と主張。女性側は無断で移植したことを認める一方、「親子関係を否定する法律はない」として争う姿勢を示した。

     男性は今後、院長と女性に損害賠償を求める訴えも奈良地裁に起こす。

     体外受精を巡っては、国内に同意手続きを定めた法律はない。一方、日産婦は不妊治療を行う全医療機関に対し、倫理規定で移植ごとに夫婦の同意を確認するよう求めている。

     元日産婦理事長の吉村泰典・慶応大名誉教授は、「受精卵は夫婦のもので、使用には双方の同意が不可欠だ。今回のケースが事実ならば、院長の行為は内規違反でお粗末だ」と語った。

     院長の代理人弁護士は取材に応じ、「男性の同意を得ていると思って施術したが、慎重に確認すべきだった」。妻は代理人を通じ「取材に答えられない」としている。【原田啓之、三上健太郎】

     【ことば】体外受精

     卵巣から卵子を取り出し、体外で卵子と精子を受精させ、受精卵を女性の子宮に戻して妊娠させる不妊治療の一つ。国内では1983年、体外受精児の誕生に初めて成功した。不妊治療は他に、排卵時に合わせ、精子を特殊な器具で子宮内に入れる「人工授精」もある。
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170104-00000003-mai-soci

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    1. >2人は04年に結婚した。約7年前にクリニックで不妊治療を始め、体外受精で複数の受精卵を凍結保存した。女性は受精卵を順に移植し、11年に長男が生まれた。

      >2人は13年秋から、関係が悪化して別居。女性は14年春以降、クリニックに凍結保存された残りの受精卵を数回にわたって移植したという。妊娠後に男性に打ち明け、15年4月に長女が誕生した。

      >元日産婦理事長の吉村泰典・慶応大名誉教授「受精卵は夫婦のもので、使用には双方の同意が不可欠だ。今回のケースが事実ならば、院長の行為は内規違反でお粗末だ」

      >院長の代理人弁護士「男性の同意を得ていると思って施術したが、慎重に確認すべきだった」

      >妻は代理人を通じ「取材に答えられない」

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    2. 「今回のケースが事実ならば」…

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    3. >約7年前にクリニックで不妊治療を始め、体外受精で複数の受精卵を凍結保存した

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    4. 無断で受精卵移植と提訴
      男性「親子関係ない」、奈良家裁
      2017/1/4 16:32

       不妊治療を行う奈良市の婦人科クリニックの男性院長が、凍結保存された夫婦の受精卵を無断で別居中の妻に移植したとして、外国籍の男性(45)が、生まれた長女と親子関係にないことの確認を求め、奈良家裁に提訴していたことが4日、分かった。

       訴状によると、院長は男性に確認せずに移植したことを認めているという。男性はクリニックに損害賠償を求めて提訴する方針。

       男性は日本人女性(45)と04年に結婚し、09年ごろから不妊治療を開始。13年から別居状態だったが、女性は別居前に保存していた複数の受精卵を14年に移植し、15年4月に長女を出産した。2人は昨年10月に離婚した。
      https://this.kiji.is/189280475703297527

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    5. >生まれた長女と親子関係にないことの確認を求め、奈良家裁に提訴

      >15年4月に長女を出産した。2人は昨年10月に離婚

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    6. 「凍結保存受精卵」が本当なら「親子関係あり」なのだが…

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    7. 受精卵無断移植
      夫が2000万円の損賠提訴
      毎日新聞2017年1月4日 21時24分(最終更新 1月4日 21時24分)

       奈良市の婦人科クリニックの男性院長が凍結保存された別居中の夫婦の受精卵を夫に無断で妻に移植した問題で、夫がクリニックを運営する医療法人と妻を相手取り、2000万円の損害賠償を求めて奈良地裁に提訴した。夫側は「知らないうちに自分の遺伝子を持った子供の父親になり、精神的な損害を負った」と主張している。

       提訴は昨年12月30日付。夫は奈良県内に住む外国籍の男性(45)で、昨年10月に元妻の女性(45)と離婚している。

       訴状によると、夫婦は2010年にクリニックで体外受精し、複数の受精卵を凍結保存。順に移植し、11年に長男が誕生した。13年秋ごろに夫婦関係が悪化して別居。14年春に女性がクリニックで凍結保存されていた受精卵を移植し、15年4月に長女を出産した。院長は10年に夫婦から移植への同意書を取得したが、それ以降は書面を求めていなかった。

       男性側は、院長は日本産科婦人科学会の倫理規定に違反して、移植ごとに夫の同意を書面で確認する義務を怠ったと主張。女性が「男性が第2子を望んでいないと知りながら、院長に同意があると誤認させた」と指摘している。

       4日記者会見した男性側代理人の河野秀樹弁護士(大阪弁護士会)は「新しい命を生み出す医療で重要な手続きを怠った。生まれた子供への影響も大きく警鐘を鳴らしたい」と話している。

       この問題を巡っては、男性が生まれた長女との間に親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁に提訴している。【原田啓之】
      http://mainichi.jp/articles/20170105/k00/00m/040/071000c

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    8. 「別居中に受精卵を無断移植」…男性が賠償請求
      2017年1月4日21時12分

       凍結保存していた夫婦の受精卵を別居中に無断移植され精神的苦痛を受けたとして、奈良県在住の外国籍の男性(45)が、離婚した妻(45)と奈良市内の婦人科クリニックに2000万円の損害賠償を求め、先月30日に奈良地裁に提訴したことがわかった。

       移植の結果、女児が誕生しており、男性は親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁でも争っている。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の妻と結婚。09年からクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。

       うち一部の受精卵で11年に長男が誕生。その後、夫婦は別居したが、妻は14年春、残っていた受精卵の移植を受け、15年春に女児を出産した。夫婦は、昨年10月に離婚した。

       男性の代理人弁護士が経緯を尋ねたところ、クリニック側は「長男出産後も受精卵の保管料が支払われており、第2子を希望していると認識していたため、男性の明確な同意は確認しなかった」と説明。日本産科婦人科学会は、受精卵の移植のたびに夫婦の同意を取るよう求める見解を出しており、男性側は「クリニックは同意を確認する義務を怠った」と主張している。

       一方、女児は離婚前に生まれたため、民法の規定で男性の子と推定されるが、男性側は「当時は同居しておらず、妻が夫の子を妊娠する可能性がないのは明らか。民法が予定していない状況だ」としている。

       生殖医療をめぐっては、凍結保存していた亡夫の精子で体外受精した女性が国に認知を求めた訴訟で、最高裁が06年、親子関係を認めない判断を示している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170104-118-OYT1T50090

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    9. 別居中のうちに誰の種を仕込んだのかなあ…

      なかなか計算高いアコギな女やもしれぬ…

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    10. 目くそ鼻くその幻惑まみれ…

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    11. 別居中に受精卵無断移植…奈良 男性が元妻と病院提訴
      2017年1月5日5時0分

       凍結保存していた夫婦の受精卵を別居中に無断移植され精神的苦痛を受けたとして、奈良県在住の外国籍の男性(45)が、離婚した妻(45)と奈良市内の婦人科クリニックに2000万円の損害賠償を求め、先月30日に奈良地裁に提訴したことがわかった。移植の結果、女児が誕生しており、男性は親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁でも争っている。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の妻と結婚。09年からクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。

       うち一部の受精卵で11年に長男が誕生。その後、夫婦は別居したが、妻は14年春、残っていた受精卵の移植を受け、15年春に女児を出産した。夫婦は、昨年10月に離婚した。

       男性の代理人弁護士が経緯を尋ねたところ、クリニック側は「長男出産後も受精卵の保管料が支払われており、第2子を希望していると認識していたため、男性の明確な同意は確認しなかった」と説明。日本産科婦人科学会は、受精卵の移植のたびに夫婦の同意を取るよう求める見解を出しており、男性側は「クリニックは同意を確認する義務を怠った」と主張している。

       一方、女児は離婚前に生まれたため、民法の規定で男性の子と推定されるが、男性側は「当時は同居しておらず、妻が夫の子を妊娠する可能性がないのは明らか。民法が予定していない状況だ」としている。

       生殖医療をめぐっては、凍結保存していた亡夫の精子で体外受精した女性が国に認知を求めた訴訟で、最高裁が06年、親子関係を認めない判断を示している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170105-118-OYTPT50070

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    12. 別居中に受精卵無断移植…男性、元妻と病院提訴
      2017年1月5日7時13分

       凍結保存していた夫婦の受精卵を別居中に無断移植され精神的苦痛を受けたとして、奈良県在住の外国籍の男性(45)が、離婚した妻(45)と奈良市内の婦人科クリニックに2000万円の損害賠償を求め、先月30日に奈良地裁に提訴したことがわかった。

       移植の結果、女児が誕生しており、男性は親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁でも争っている。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の妻と結婚。09年からクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。

       うち一部の受精卵で11年に長男が誕生。その後、夫婦は別居したが、妻は14年春、残っていた受精卵の移植を受け、15年春に女児を出産した。夫婦は、昨年10月に離婚した。

       男性の代理人弁護士が経緯を尋ねたところ、クリニック側は「長男出産後も受精卵の保管料が支払われており、第2子を希望していると認識していたため、男性の明確な同意は確認しなかった」と説明。日本産科婦人科学会は、受精卵の移植のたびに夫婦の同意を取るよう求める見解を出しており、男性側は「クリニックは同意を確認する義務を怠った」と主張している。

       一方、女児は離婚前に生まれたため、民法の規定で男性の子と推定されるが、男性側は「当時は同居しておらず、妻が夫の子を妊娠する可能性がないのは明らか。民法が予定していない状況だ」としている。

       生殖医療をめぐっては、凍結保存していた亡夫の精子で体外受精した女性が国に認知を求めた訴訟で、最高裁が06年、親子関係を認めない判断を示している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170104-118-OYT1T50090

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    13. 同意書“偽造”で受精卵移植 親子関係認めないよう訴え
      2月20日 20時26分

      東京に住む40代の男性が、夫婦関係が事実上、破綻していたのに、妻が凍結していた受精卵の移植に同意する書類を偽造して出産したとして、子どもとの法的な親子関係を認めないよう求める訴えを、大阪家庭裁判所に起こしていたことがわかりました。一方、妻側は「男性には伝えていた」として、訴えを退けるよう求めています。

      訴状などによりますと、東京に住む40代の会社員の男性は、同じく40代の妻との間で事実上、夫婦関係が破綻していましたが、「子どもがほしい」と妻が訴えたため、都内のクリニックで体外受精に協力しました。

      受精卵の移植は夫の同意がなければできませんが、男性の代理人の弁護士によりますと、妻が夫の署名を無断で同意書に書き込んでクリニック側に提出して妊娠し、その後、去年1月に女の子が生まれたということです。

      これについて、男性は同意なく出産され、養育費などを強要されるのは苦痛だとして、子どもとの法的な親子関係を認めないよう国に求める訴えを、大阪家庭裁判所に起こしたということです。

      男性の代理人の若松陽子弁護士は記者会見し、クリニック側も男性に直接、意思を確認しなかったとしたうえで、「かわいそうなのは生まれてきた子どもだ」と主張しました。一方、妻側は、これまでに裁判所に出した書面で「男性には受精卵の移植を受けると伝えていて、同意書は代筆して作成した」と主張し、訴えを退けるよう求めています。

      受精卵の移植手術を行った東京のクリニックは「裁判が始まっている以上こちらからはコメントできない」としています。

      法整備含めて検討が必要

      生命倫理に詳しい東京財団の※ヌデ島次郎研究員は「これまで国の委員会などでは、第三者からの卵子や精子提供について、問題が議論がされてきたが、夫婦間でも問題は起こりうる。いちばん不利益を被るのは生まれてきた子どもで、夫婦関係に問題がある場合、生殖補助医療をどうするのか法整備を含めて検討していく必要があるのではないか」と話しています。

      ※ヌデは「木」へんに「勝」
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170220/k10010883791000.html

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    14. 受精卵を無断移植の妻出産、夫が親子関係で提訴
      2017年2月20日20時16分

       別居中の妻(40歳代)が凍結保存していた受精卵を無断で移植し、長女を出産したとして、東京都内の男性(40歳代)が、長女が嫡出子でないことの確認を求め、大阪家裁に提訴した。

       凍結受精卵を巡っては、昨年10月にも奈良家裁で同種の裁判が起こされており、専門家からはトラブルを防ぐための法整備を求める声も出ている。

       訴状や男性側弁護士によると、男性と妻は2010年に結婚。13年から東京都内のクリニックで不妊治療を始め、受精卵を凍結保存していたが、14年4月頃から別居していた。

       妻は15年4月に受精卵の移植を受けた。その際、クリニックには、夫婦の署名がある同意書が提出されており、男性側は「偽造された」と主張している。

       妻は昨年1月に女児を出産。民法では「婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定される」と規定されており、女児は男性の長女として戸籍に記載されている。

       妻側は裁判で請求棄却を求め、同意書について「急きょ治療が決まったので代筆し、提出した。移植することは男性に手紙で伝えた」と反論している。

       男性側弁護士は20日に開いた記者会見で「子供を持つかどうかという自己決定権の侵害だ。クリニックも男性の意思をきちんと確認すべきだった」と話し、クリニックに対する訴訟も検討するとした。

       クリニックは「裁判が始まっており、お答えできない」としている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170220-118-OYT1T50102

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    15. 男性の同意なく凍結卵移植と提訴
      元妻とクリニックに賠償請求
      2017/12/14 20:55
      ©一般社団法人共同通信社

       凍結保存中だった受精卵の移植に男性側の同意があるか十分に確認せず、別居中だった元妻に移植したのは違法だとして、東京都内に住む40代の男性が14日、東京都渋谷区のクリニックと男性院長、元妻に計2千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

       男性は元妻が移植の同意書に男性の署名を代筆していたとして、昨年1月に生まれた長女との間に父子関係がないことの確認を求めて昨年12月に大阪家裁へ提訴しており、審理が続いている。今年11月に協議離婚が成立した。

       訴状によると、男性と元妻は2014年4月から別居。元妻は15年4月の凍結卵移植を経て妊娠、出産した。
      https://this.kiji.is/314007976502117473

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    16. なにもかもすべてがいんちきいかさままみれ…

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    17. 夫の同意必要と家裁、凍結卵移植
      法律上の父子関係めぐり初判断
      2017/12/15 17:25
      ©一般社団法人共同通信社

       夫婦関係が悪化して別居中、過去に作製した凍結受精卵を元妻の女性(46)が無断で移植し妊娠、出産したとして、外国籍の男性(46)が第2子の長女(2)との間に民法上の父子関係がないことの確認を求めた訴訟の判決で、奈良家裁は15日、父子関係を認める要件として「凍結受精卵の移植時に夫の同意が必要だ」との判断を示した。訴え自体は却下した。

       生殖補助医療の進化に伴い、父親側の同意がないまま生まれた子どもの法的地位を巡る判断として注目を集めそうだ。男性側の代理人弁護士によると、同種のトラブルでは初の判断とみられる。
      https://this.kiji.is/314317537143948385

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    18. 受精卵無断移植で妻妊娠 「父子関係なし」訴え 却下…奈良家裁
      2017年12月15日15時0分

       別居中の妻が凍結保存していた受精卵を無断で用いて出産した長女(2)について、父親である奈良県内の外国籍の男性(46)が法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟で、奈良家裁は15日、提訴の要件を満たしていないとして男性の請求を却下した。一方で、同家裁は受精卵の移植時には夫の同意が必要との見解を示した。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の女性(46)と結婚。09年から奈良市内のクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。11年には一部を女性の子宮に移植し長男を出産。その後、夫婦関係が悪化して2人は別居したが、女性は14年、男性に無断で残りの受精卵を移植し、15年に長女を授かった。

       民法は、婚姻中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす「嫡出推定」を定めている。法的な父親がわからずに子どもが扶養を受けられなくなる事態を避けるためだ。これを否定するには親子関係不存在の確認訴訟などを起こす必要があり、男性は女性との離婚が成立した昨年10月、提訴した。

       裁判で男性側は「勝手に移植していることに加え、妊娠時は別居しており、嫡出推定は適用されない」などと主張。長女の親権者である女性側は「法的な父親は嫡出推定に基づき男性。夫婦間の問題で子が扶養を受ける権利を奪うべきではない」などと反論していた。日本産科婦人科学会は倫理規定で、移植のたびに夫婦の同意を得るよう求めているが、法律上の定めはない。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171215-118-OYTPT50358

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    19. 保存受精卵で別居妻出産、「父子関係なし」却下 =関西発
      2017年12月15日15時0分

       別居中の妻が凍結保存していた受精卵を無断で用いて出産した長女(2)について、父親である奈良県内の外国籍の男性(46)が法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟で、奈良家裁は15日、提訴の要件を満たしていないとして男性の請求を却下した。一方で、同家裁は受精卵の移植時には夫の同意が必要との見解を示した。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の女性(46)と結婚。09年から奈良市内のクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。11年にはその一部を女性の子宮に移植し、長男を出産。その後、夫婦関係が悪化して2人は別居したが、女性は14年、男性に無断で残りの受精卵を移植し、15年に長女を授かった。

       民法は、婚姻中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす「嫡出推定」を定めている。法的な父親がわからずに子どもが扶養を受けられなくなる事態を避けるためだ。これを否定するには親子関係不存在の確認訴訟などを起こす必要があり、男性は女性との離婚が成立した昨年10月、提訴した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171215-043-OYO1T50010

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    20. 保存受精卵で別居妻出産、「父子関係なし」却下
      2017年12月15日13時40分

       別居中の妻が凍結保存していた受精卵を無断で用いて出産した長女(2)について、父親である奈良県内の外国籍の男性(46)が法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟で、奈良家裁は15日、提訴の要件を満たしていないとして男性の請求を却下した。

       一方で、同家裁は受精卵の移植時には夫の同意が必要との見解を示した。

       訴状などによると、男性は2004年に日本人の女性(46)と結婚。09年から奈良市内のクリニックで不妊治療を始め、複数の受精卵を凍結保存した。11年にはその一部を女性の子宮に移植し、長男を出産。その後、夫婦関係が悪化して2人は別居したが、女性は14年、男性に無断で残りの受精卵を移植し、15年に長女を授かった。

       民法は、婚姻中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす「嫡出推定」を定めている。法的な父親がわからずに子どもが扶養を受けられなくなる事態を避けるためだ。これを否定するには親子関係不存在の確認訴訟などを起こす必要があり、男性は女性との離婚が成立した昨年10月、提訴した。

       裁判で男性側は「勝手に移植していることに加え、妊娠時は別居しており、嫡出推定は適用されない」などと主張。長女の親権者である女性側は「法的な父親は嫡出推定に基づき男性。夫婦間の問題で子が扶養を受ける権利を奪うべきではない」などと反論していた。

       日本産科婦人科学会は倫理規定で、移植のたびに夫婦の同意を得るよう求めているが、法律上の定めはない。同種の訴訟は昨年12月に大阪家裁にも起こされている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171215-118-OYT1T50095

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    21. 凍結受精卵の無断移植で出産も”父子”の判断 奈良家裁
      12月15日 17時32分医療

      凍結保存していた夫婦の受精卵を妻が夫に無断で移植して出産したことをめぐり、生まれた子どもと夫との間に法律上の親子関係があるかどうかが争われた裁判で、奈良家庭裁判所は「夫の同意はなかったが、当時は婚姻中のため、法律上の親子関係がある」という判断を示しました。夫婦間で同意なく受精卵を移植し生まれた子どもをめぐる判決は初めてだということで、専門家の間では法律の整備を求める意見も出ています。

      奈良県に住む46歳の男性は、平成16年に結婚した妻が奈良市内のクリニックに凍結保存していた夫婦の受精卵を使っておととし長女を出産したことをめぐり、「別居中に自分の同意なく受精卵が移植されて生まれた子どもで、夫婦関係は破綻していた」として、法律上の親子関係はないと訴えました。

      一方、子どもと母親の弁護士は、「親子関係が否定されれば、扶養や相続などが認められず、子どもに重大な不利益を負わせることになる」として争ってきました。

      15日の判決で奈良家庭裁判所の渡辺雅道裁判長は、「夫は移植に同意していないが、子どもが生まれた当時は婚姻中で、別居中も旅行などの交流があったことからすれば夫婦の実態が失われていたとは言えず、民法の規定により、法律上の親子関係がある」として、男性の訴えを退けました。

      一方で、判決では、生殖補助医療で産まれる子どもについて、「夫と妻との間の子どもとして受け入れることを同意していることが生殖補助医療を正当化するために必要だ」と指摘しました。

      日本産科婦人科学会によりますと夫婦の同意がなく凍結受精卵を移植して生まれた子どもをめぐる判決は初めてだということです。

      日本産科婦人科学会の倫理規定では、受精卵を移植するごとに夫婦の同意を文書でとるようクリニック側に求めていますが、今回のケースでは文書での同意をとっていませんでした。

      凍結受精卵をめぐっては、東京都内に住む男性も、妻が無断で移植して出産したとして同様の訴えを起こしていて、専門家の間では再発防止のため法律の整備を求める意見も出ています。

      原告の弁護士 控訴する考え

      判決について原告の代理人を務める河野秀樹弁護士は「訴えが却下されたのは少し驚いた」と述べ、大阪高等裁判所に控訴する考えを示しました。

      一方で、「受精卵の移植には夫の同意が必要だと主張してきた部分は認められ、原告の男性も一定の評価をすると思う」と述べました。

      女性側の弁護士「訴えが退けられほっと」

      判決について妻だった女性側の代理人の北條正崇弁護士は、「訴えが退けられほっとしています。子どもの将来を考え、利益や福祉などが考慮された判決だと思います」と述べました。

      移植のクリニック「コメントできない」

      判決について受精卵の移植を行った奈良市のクリニックは、「コメントできない」としています。

      問題の経緯

      今回の裁判は去年10月、奈良県内に住む外国籍の46歳の男性が、奈良家庭裁判所に起こしました。

      男性は平成16年に日本人の同い年の女性と結婚し、平成22年、不妊治療のため奈良市内のクリニックで受精卵を凍結保存しました。

      翌年、女性は受精卵の移植手術を受け、長男が生まれました。その後、夫婦関係が悪化して4年前から別居しましたが、クリニックには受精卵が残されたままでした。

      3年前、女性は男性に無断でクリニックに保存されていた受精卵の移植手術を受けました。

      男性はその後、妊娠を知らされたということで、女性はおととし、長女を出産しました。

      民法の規定では、結婚中に妻が妊娠した子は夫の子とするという「嫡出推定」と呼ばれる規定があり、これによって女の子の法律上の父親は男性とされました。

      その後、男性は女性と離婚し、受精卵が同意なく移植されたいきさつを考えれば法律上の親子関係はないとして家庭裁判所に訴えました。

      今回の問題では、移植手術を行ったクリニックの対応も疑問視されました。

      日本産科婦人科学会の倫理規定では、医療機関は受精卵の移植の前に夫婦双方からの同意を得たうえで同意書を保管することを求めていますが、今回の長女の出産のケースについて、クリニックは夫婦の同意書をとっていませんでした。

      理由についてクリニック側は、「夫婦が過去にも受精卵で長男を出産していて、受精卵の保存費用も妻が払っていたため、夫婦が第2子を希望していると思っていた」としています。

      男性は、「移植への同意の有無を確認しなかった」として、去年12月、今回の裁判とは別に、クリニックなどに賠償を求める訴えを起こし、裁判が続いています。

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    22. 別のクリニックも課題

      今回の裁判で、受精卵の移植手術を行ったのとは別の奈良市のクリニックでは、移植の前に夫婦双方のサインが入った同意書をもらっているということですが、夫や妻であることの本人確認をどこまで厳密に行うのかは限界があるとしています。

      この不妊治療専門のクリニックでは、体外受精の治療に入る前に夫婦に来院を求めて施術の内容を直接、説明しているということです。

      日本産科婦人科学会の倫理規定では、「施設は施術ごとに夫婦の同意を取得し、同意文書を保管する」と明記していて、このクリニックでも、受精卵を凍結保存する時や保存期間を延長する場合、それに移植手術をする前には、夫婦双方のサインが入った同意書を提出するよう求めているということです。

      また、クリニックでは夫婦が最初に来院した際には保険証で名前などを確認していますが、2人が本当に夫や妻なのかどうかの確認には課題もあるとしています。

      クリニックの中山雅博院長は、「本人確認は厳格であるべきだとは思うが、あくまで性善説に基づいていて、全くの第三者が『伴侶です』という顔をしてきた場合、それを見抜くことはできないので、おのずと限界はある。マニュアルの抜け道がないか改めて見直すとともに、1にも2にも本人確認を進めていくしかないと思う」と話しています。

      同種裁判は大阪でも

      凍結保存された夫婦の受精卵を移植して生まれた子どもについて、法律的な親子関係を争う裁判は、奈良だけでなく、大阪の家庭裁判所でも起こされています。

      訴えを起こしているのは、東京都内に住む40代の会社員の男性で、訴状などによりますと、男性は平成22年に結婚したあと、都内のクリニックに妻との受精卵を凍結保存しました。

      この時にはすでに夫婦関係が悪化し別居していましたが、男性側によりますと、妻はクリニックに受精卵の移植手術を希望し、同意書の署名欄に無断で男性の名前を書いて提出したということで、去年1月に女の子が生まれたあと、2人は離婚したということです。

      男性は、受精卵の移植は同意書を偽造されて行われたのに子どもの養育費などを求められているのは納得できないとして、子どもとの法的な親子関係を認めないよう訴えています。

      これに対し元妻側は、「男性には受精卵の移植を受けると伝えていて、同意はあった。同意書は代筆して作成した」と反論しています。

      男性は、14日、移植手術の前に同意の有無を確認しなかったのは不当だなどとして、移植をしたクリニックなどに2000万円の賠償を求める訴えも起こしています。

      体外受精の実施件数

      不妊治療のために精子と卵子を体の外で人工的に受精させる体外受精を行う夫婦は、晩婚化などを背景に年々、増え続けています。

      国内での体外受精は、34年前の昭和58年に初めて出産した例が報告され、その後、晩婚化などを背景に年々、増加してきました。

      日本産科婦人科学会がまとめたおととしの実施件数は42万4151件と、統計を取り始めた昭和60年以来、初めて40万件を超え、これまでで最も多くなりました。

      また、体外受精で生まれた子どもの数は、前の年からおよそ3700人増えて5万1001人と過去最多になり、その年に生まれた子どものおよそ20人に1人が体外受精で生まれた計算となります。

      昭和60年からおととしまでに体外受精で生まれた子どもの数は、合わせて48万2000人余りに達しています。

      ルールは学会の倫理規定

      体外受精させた受精卵をどのように扱うかについて定めた法律は国内にはなく、日本産科婦人科学会は学会の倫理規定としてルールを定めています。

      倫理規定の中では、「施設は施術ごとに夫婦の同意を取得し、同意文書を保管する」と明記していて、医療機関に対し、凍結していた受精卵を子宮に戻す移植を行うごとに、夫婦双方の同意を得たうえで、同意文書を保管することを求めています。

      しかし、学会の倫理規定のため、違反した場合の罰則などは定められていません。

      また、生殖医療について審議する厚生労働省の審議会が平成15年にまとめた報告書でも、第三者から提供された精子や卵子、それに受精卵の移植については方針を示していますが、夫婦間の受精卵の移植についての考え方は盛り込まれていません。

      生命倫理の識者「法整備が必要だ」

      生命倫理政策研究会の※ぬで島次郎共同代表は、「国内ではこれまで、卵子や精子の提供、代理出産といった第三者が関係する生殖医療については、法整備にむけた国の協議が行われてきたが、今回、夫婦間の不妊治療でもトラブルが起きていることが明るみに出た」としたうえで、「国内には、600を超える不妊治療のクリニックがあり、世界一の生殖医療大国と言われているのに、強制力のない学会の自主規定しかない。利用者や医師にルールを守ってもらうためにはやはり、法整備が必要だ」と指摘しています。

      また、日本で法整備に向けた動きが進まない背景については、「日本は、家族の形についての考え方が保守的で、自然に子どもができない場合にどういった手段をどこまで認めるのかといった議論に無関心な傾向がある。子どもを生み育てることは、社会全体の問題なので、規制にむけた法整備を進めるとともに、社会的な議論も必要だ」と話しています。

      ※「ぬで」は木へんに勝

      学会の倫理委員長「新たなルールを作ることが必要」

      日本産科婦人科学会の苛原稔倫理委員長は、「受精卵を子宮に戻す場合、移植するごとに夫婦双方の同意をとるようこれまでも求めているが、徹底するよう学会員に改めて注意喚起をしている」としたうえで、「医師は基本的に患者さんがうそをついて診療に来ているとは思っていないので、こうしたトラブルを医師が防ぐのは難しい。生殖医療は、夫婦間だけではなく代理母など第三者が関係するケースもあり、トラブルが続くようであれば、法整備も含めて新たなルールを作ることが必要になってくると思う」と話しています。

      専門家「意義ある判決」

      家族法が専門の早稲田大学の棚村政行教授は、15日の判決について、「親のいない子どもをつくらないという民法の大きな原則を重視した判断で、結論自体は妥当なものだ」と評価しました。

      また、判決が「生殖補助医療を正当化するためには夫の同意が必要だ」と指摘したことについては、「医療機関が同意の有無を確認すべきだということと、夫婦でも無断でやってはならないということを明確にしたものだ」と述べ、裁判所があえて同意の必要性に言及したという見方を示しました。

      そして棚村教授は、今後はアメリカのように法的なルールを整備する必要があると指摘しています。

      棚村教授によりますとアメリカでは離婚や配偶者の死後に凍結した受精卵を使って体外受精を行う場合は事前に配偶者が書面で同意していなければならないという法律が作られ、多くの州で採用されているということです。

      棚村教授は、「日本でも子どもの福祉を考慮して生殖補助医療の規制のためのガイドラインや法的なルールを整備することが求められている」と指摘しています。

      親子関係めぐるトラブル

      生殖補助医療によって生まれた子どもとの親子関係を巡っては、法律上の規定がなく、これまでにさまざまな問題が明らかになっています。

      その1つが、いわゆる「死後生殖」です。

      平成13年、夫が病気で死亡したあとに、妻が、夫の生前、凍結保存していた精子を用いて人工授精し、子どもを出産しました。

      妻は、子どもについて、死亡した夫との親子関係を法律上認めることを求めて裁判を起こしましたが、最高裁は、「現在の法律がこのような形での出生を想定していないのは明らかで親子関係を認める余地はない」として訴えを退けました。

      そのうえで最高裁は、「立法によって解決すべき問題だ」として、法整備の必要性を指摘しました。

      また、子どもが産めない女性が、ほかの女性に代わりに産んでもらう「代理出産」をめぐる裁判も起きました。

      平成15年に、がん治療で子宮を摘出したタレントの向井亜紀さんが、夫との間にできた受精卵を使って、アメリカの女性に代理出産で双子の男の子を産んでもらったことを公表し、自身を法律上の母親と認めるよう国内で裁判を起こし、社会的な議論を呼びました。

      最高裁は判決で「今の民法の解釈では出産していない女性を母親と認めることはできない」として申し立てを退けましたが、「立法による速やかな対応が強く望まれる」と指摘しました。

      その後、向井さんは、特別養子縁組によって法律上の母親になりました。国内では法律の制定に向けて、平成15年に厚生労働省の審議会が報告書をまとめたほか、自民党の部会が法律案などをまとめましたが、国会には提案されず、法制化の見通しはたっていません。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171215/k10011260291000.html

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    23. 卵細胞の「凍結保存」は本当に可能な技術なのだろうか?

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    24. 受精卵無断移植でも「父子」…奈良家裁判決 男性は控訴方針
      2017年12月16日5時0分

       凍結保存していた受精卵を、別居中の妻が無断で用いて出産した長女(2)との間に法的な父子関係があるかどうかが争われた訴訟で、父親の請求を却下した15日の奈良家裁判決は、体外受精で法的な父子関係を認めるには「夫の同意が必要」との判断基準を示した。ただ、今回は夫婦の実態があったとして、父子関係を認めた。

       父親で、奈良県内に住む外国籍の男性(46)の代理人弁護士によると、受精卵の無断移植を巡る司法判断は初めて。男性側は控訴する方針。

       判決では、男性は2004年に日本人の女性(46)と結婚。10年に奈良市内のクリニックに10個の受精卵を凍結保存した。11年にはその一部を女性に移植し、長男を出産。その後、夫婦関係が悪化して2人は別居したが、女性は14年、男性に無断で残りの受精卵を移植し、15年に長女を授かった。男性は女性と離婚した昨年10月、提訴した。

       渡辺雅道裁判長は、親子関係を定めた民法の制定時には、体外受精による出産は想定されていなかったと指摘したうえで、法的な父子関係を認める条件を検討。移植時に夫の同意があることが必要、とした。

       一方、民法には婚姻中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす「嫡出推定」という規定がある。男性側は無断移植に加え、当時は別居中で規定には該当しないと主張していたが、渡辺裁判長は男性が別居後も女性宅を訪問していたことから、該当すると指摘。この場合、親子関係の不存在確認訴訟ではなく、「嫡出否認訴訟」を起こさなければならないとして請求を却下した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171216-118-OYTPT50122

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    25. 医科様「凍結保存受精卵」寓話を信じて下された「判決」で、インチキいかさままみれの「現実」がどんどん正当化されていくの図…

      おなか(子宮)のなかに入った「受精卵」の「精子」はどこかですりかわっているかもしれないのにな…

      まるで女性のおなかは手品の「ブラックボックス」のようである(笑)。

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    26. 凍結受精卵で出産、2審も「父子でない」認めず
      2018年4月26日14時34分

       凍結保存していた受精卵を別居中の妻が無断で用いて出産した長女(3)について、父親である奈良県内の外国籍の男性(46)が、法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、請求を退けた1審・奈良家裁判決を支持し、男性側の控訴を棄却した。

       昨年12月の1審判決では、男性は2004年に日本人女性(47)と結婚。不妊治療を受け、10年に奈良市内のクリニックで10個の受精卵を凍結保存した。その後、夫婦関係が悪化して別居したが、女性は男性の同意を得ずに受精卵を移植し、15年に長女を出産。夫婦は16年離婚した。

       1審判決は、結婚中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす民法の「嫡出推定」に該当するかどうかで争われるべきで、「親子関係の不存在確認訴訟」はその条件に合っていないとして請求を却下した。一方で、体外受精による出産は民法が想定していない事態と指摘。法的な父子関係を認めるには「夫の同意が必要」との判断基準を示した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180426-118-OYT1T50083

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    27. 凍結受精卵で出産、2審も「父子でない」認めず
      2018年4月26日18時58分

       凍結保存していた受精卵を別居中の妻が無断で用いて出産した長女(3)について、父親で奈良県内に住む40歳代の外国籍の男性が、法的な父子関係がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、請求を退けた1審・奈良家裁判決を支持し、男性の控訴を棄却した。

       昨年12月の1審判決は、体外受精による子との間に法的な父子関係を認めるには「受精卵使用時に夫の同意が必要」との判断基準を示したが、この日の判決で江口とし子裁判長は「判断は不要」と言及しなかった。

       そのうえで、今回の裁判は、結婚中に妻が妊娠した子は夫の子とみなす民法の「嫡出推定」に該当するかどうかで争うべきで、「親子関係の不存在確認訴訟」は不適法だと判断した。男性は上告する。

       判決によると、男性は2004年に日本人女性と結婚。10年に奈良市内の医院で受精卵を凍結保存した。その後、夫婦関係が悪化して別居したが、女性は男性の同意を得ずに受精卵を移植し、15年に長女を出産。夫婦は16年に離婚した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180426-118-OYT1T50083

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  14. 受精卵無断移植のニュース 確認徹底にも落とし穴が
    2017年1月11日 ヨミドクター 宋美玄のママライフ実況中継

     あけましておめでとうございます。元日に娘は5歳の誕生日を迎えました。誕生日には東京ディズニーシーに行きました。5歳になったら抱っこは卒業だよと言っていたのに、やっぱり弟が抱っこされているのを見ると、自分もしてほしくなるみたいです。息子が1歳になっても赤ちゃん返りが全然直らないので、そろそろ不安になってきました。来年はとうとう小学生になるのですが、それまでに落ち着いてくれますように。

     息子は相変わらず、よく食べよく眠ってニコニコしていますが、立ったりしゃべったりする気配はまだありません。ゆっくり成長を楽しむことにします。

     先週の報道です。

     別居中に受精卵無断移植…奈良、男性が元妻と病院提訴

     凍結保存していた夫婦の受精卵を別居中に無断移植され精神的苦痛を受けたとして、奈良県在住の外国籍の男性(45)が、離婚した妻(45)と奈良市内の婦人科クリニックに2000万円の損害賠償を求め、先月30日に奈良地裁に提訴したことがわかった。移植の結果、女児が誕生しており、男性は親子関係がないことの確認を求めて奈良家裁でも争っている。

      https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170105-OYTET50023/

    (2017年1月5日 読売新聞)

     凍結していた受精卵を、別居中の夫に無断で移植し、子供が出生したことについて、夫だった男性が親子関係と精神的苦痛についてそれぞれ提訴しているという報道です。民法は、婚姻中に懐胎した子供は夫の子であると推定していますが、パートナーシップのあり方や生殖医療の進歩などに民法が対応できていないことは以前から問題となっています。今回は、既に出生している子供の生物学的な父親が親子関係を否定したがっているという悲しい事態になっています。

    再発防止策 不妊治療カップルの利便性を損なう恐れも

     今回の報道を見ると、不妊治療施設がするべき確認を怠ったことが問題だとされています。確かに突き詰めると、移植のたびに確認をすれば防げた事態だと言えます。

     しかし、当該クリニックを批判して済む問題ではなく、生殖医療を受けるカップル全員に影響する事柄だと思います。現実の生殖医療の現場でそれを完全に徹底するとなると、それはそれで多くの人に不利益が生じることが予想されます。現在は事実婚でも体外受精や顕微受精が受けられますが、婚姻関係や事実婚の確認方法は施設によって差があるようです。戸籍や住民票を確認するとした場合、移植のたびに確認することはなかなか現実的ではありません。

     たとえ書類で確認しても、その後に婚姻や事実婚が解消されていたことを施設側が知らなかった、というケースは起こり得ます。妻や夫の同意書のサインも、来院して目の前で書いてもらわなくては代筆や 捏造ねつぞう の可能性もあります。

     また、夫だとして来院した男性が本人に相違ないかを確認するのが難しいケースもあるでしょう。自宅で夫が採取したという精子を妻が持参した場合、それが第三者のものではないことを確認する方法はありません。かといって、必ず夫が来院して、施設内で精子を採取するということを徹底した場合、ただでさえ仕事などで忙しい中、不妊治療を行っているカップルの利便性が著しく損なわれることになります。

     実際、こういった本人確認や同意の確認が緩い施設をわざわざ選ぶ患者も少なからずいるので、今回のようなケースをゼロにするために水も漏らさぬ確認体制を全国で徹底すると、患者さんたちには大層な不便をかけることになるのではないでしょうか。再発を防止しながら、利便性も保たれるシステムがあるといいのですが。

    生まれてきた子供の利益を最優先に

     こちらのブログでも何度か取り上げた通り、生殖医療の普及により家族関係の問題や生命倫理の問題が生じています。今回のケースについては、何よりも生まれてきた子供にとって最もよいことは何かという視点で司法判断がなされることを望みます。
    https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170111-OYTET50013/

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    1. 「凍結保存」受精卵のまやかしにまんまとひっかかってんじゃないよ…

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    2. 女は別のところでちゃっかり仕込みしてんだよ。

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  15. 無精子症の関係遺伝子特定
    原因解明に光、中部大
    2017/1/18 02:00

     不妊症の原因の一つである無精子症に関わっている遺伝子を、中部大(愛知県春日井市)と近畿大、九州大の研究グループがマウスを使った実験で特定し、米科学誌電子版に18日発表した。

     中部大の上田潤助教(生殖生物学)は「謎だった無精子症の原因解明の糸口をつかんだ。メカニズムの全体像を明らかにし、治療法確立につなげたい」と話している。

     研究グループによると、日本では5.5組に1組の割合で不妊の検査や治療の経験があり、その半分が男性側に原因があるとされている。
    https://this.kiji.is/194134468314187254

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  16. 上田潤助教(実験動物教育研究センター)らが男性不妊症(無精子症)の原因の一端を解明
    【2017年1月18日】

    上田潤助教らの研究グループが男性不妊症(無精子症)の関係遺伝子を特定

    上田潤助教(実験動物教育研究センター)と、近畿大学の山縣一夫准教授、九州大学の原田哲仁助教らとの研究グループが、マウスをモデルに精子幹細胞が分裂はするが分化に異常が生じて結果的に無精子症になるメカニズムを明らかにしました。
    しかも、科学的に大変興味深いことに、このメカニズムが酵母からヒトまで保存されている「ヒストン」と呼ばれるDNAに結合するタンパク質の精巣タイプによって制御されていることが分かりました。この精巣型のヒストンを失ったマウスは見かけ上全く正常に発育し健康でしたが、雄が無精子症となり、完全に不妊になることが明らかとなりました。
    さらに、このヒストンタンパク質とDNAの複合体の構造解析から、体細胞に存在する通常のヒストン-DNA複合体に比べて、その結合がやや弱いことが明らかとなり、この精巣だけで見られる特殊なヒストンの化学的性質が精子幹細胞から精子が形成されない原因であったと推測されます。

    現在、わが国では男性不妊症が大きな問題となりつつありますが、その多くが未だ原因不明です。国立人口問題社会保障研究所が2016年9月に発表したデータによると、2015年現在で日本においては、実に5.5組に1組が不妊の検査や治療を受けています。その半分は男性側が原因であり、多くは無精子症を含む乏精子症のケースです。

    今回マウスで発見した精子幹細胞の機能の分子メカニズムがそのままヒトに応用できるかについてはさらなる検討が必要ですが、精巣にのみ発現するヒトのH3T遺伝子欠損が男性不妊症としては極めて重篤な無精子症となることから、本研究がこういった症例に対して科学的な知見を少なからず与えていると考えています。今後は、この研究を発展させることで、H3T遺伝子やタンパク質の発現量を利用した男性不妊症の診断ツールの開発や男性不妊症の原因解明に繋がることが期待されます。

    本研究成果は、2017年1月18日午前2時に米国の学術誌「Cell Reports別サイトにリンクします」オンライン速報版に公開されました。
    http://www3.chubu.ac.jp/research/news/10949/

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    1. 【生殖学】男性不妊症(無精子症)の関係遺伝子を特定 メカニズムを明らかに/中部大など
      http://potato.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1484837989/
      http://www.2nn.jp/scienceplus/1484837989/

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    2. 無精子症関与のタンパク質を解明
      01月28日 09時48分 NHK名古屋放送局

      詳しい原因が解明されていない男性の無精子症について、中部大学などの研究チームがマウスを使った実験で、「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質が関わっていることをつきとめ、男性の不妊の診断や治療法の開発につながる成果として注目されています。
      これは愛知県にある中部大学が近畿大学と九州大学と共同で行った実験で明らかにしました。
      研究チームは遺伝子の構造に関わる「ヒストン」と呼ばれるたんぱく質に注目し、遺伝子操作をして特定のヒストンを体内でつくれなくした雄のマウスを育てました。
      すると成長しても精巣が大きくならず、無精子症となったということです。
      一方、雌のマウスはヒストンがつくれなくても正常に出産したことから、研究グループは特定のヒストンが雄の精子をつくる仕組みに何らかの形でかかわっていることを突き止めました。
      精子がなかったり正常に働かなかったりする無精子症は、まだ不明な点が多く、不妊の診断や治療法が確立していません。
      中部大学・実験動物教育研究センターの上田潤助教は「不妊は男性にも多くのケースで原因がある。
      今後、さらに研究を進め、妊娠を望むカップルの治療法の開発につなげたい」と話していました。
      この研究成果はアメリカの科学誌「CellReports」のオンライン版に掲載されています。
      http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170128/3116581.html

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  17. 不妊治療の助成年齢引き下げへ
    02月08日 19時47分 NHK首都圏ニュース

    埼玉県は少子化対策の一環として不妊治療にかかる費用への助成を拡大し、現在43歳未満の女性に行っている助成に加え、35歳未満の女性には初回の治療に限り、さらに最大で10万円を上乗せする方針を固めました。
    県によりますと対象年齢を引き下げて上乗せを行うのは、全国で初めてだということです。
    埼玉県は少子化に歯止めがかからない現状を改善しようと、新年度から不妊に悩む夫婦への支援を強化する方針を固めました。
    具体的にはまず、不妊検査にかかる2万円の費用を県が負担するということです。
    そして、不妊治療にかかる費用への助成を拡大し、現在43歳未満の女性に行っている助成に加え、35歳未満の女性には初回の治療に限り最大で10万円を上乗せするということです。
    県によりますと、助成の上乗せは13の都と県ですでに行われているということですが、対象年齢を引き下げるのは全国で初めてだということです。
    これについて専門家からは「不妊に悩む人に早いうちからの治療を促す意味で、効果的ではないか」と話しています。
    このほか埼玉県では、3人以上の子どもが生まれた家庭に最大で10万円分のクーポン券などを配布する事業も行う方針で、少子化対策を強化することにしています。

    埼玉県が新年度の予算案に不妊治療の公的助成の拡大を盛り込んだことについて埼玉医科大学の石原理教授は「日本では海外と比べて不妊治療を受けている人の平均年齢が高く、女性の年齢が上がるとともに治療が出産につながる割合が大きく下がる現実がある。不妊に悩む人は早いうちに治療することが必要だ。しかし、若いと収入が少なく、不妊治療に取りかかれないという声も聞いていたので今回の助成がこうした人への手助けになるのではないか」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170208/3741081.html

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    1. 「不妊治療」幻惑案件… れっきとした「生殖医療」詐欺だな。

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    2. 不妊治療の助成年齢引き下げへ

      埼玉県は少子化対策の一環として不妊治療にかかる費用への助成を拡大し、現在43歳未満の女性に行っている助成に加え、35歳未満の女性には初回の治療に限り、さらに最大で10万円を上乗せする方針を固めました。
      県によりますと対象年齢を引き下げて上乗せを行うのは、全国で初めてだということです。
      埼玉県は少子化に歯止めがかからない現状を改善しようと、新年度から不妊に悩む夫婦への支援を強化する方針を固めました。
      具体的にはまず、不妊検査にかかる2万円の費用を県が負担するということです。
      そして、不妊治療にかかる費用への助成を拡大し、現在43歳未満の女性に行っている助成に加え、35歳未満の女性には初回の治療に限り最大で10万円を上乗せするということです。
      県によりますと、助成の上乗せは13の都と県ですでに行われているということですが、対象年齢を引き下げるのは全国で初めてだということです。
      これについて専門家からは「不妊に悩む人に早いうちからの治療を促す意味で、効果的ではないか」と話しています。
      このほか埼玉県では、3人以上の子どもが生まれた家庭に最大で10万円分のクーポン券などを配布する事業も行う方針で、少子化対策を強化することにしています。

      埼玉県が新年度の予算案に不妊治療の公的助成の拡大を盛り込んだことについて埼玉医科大学の石原理教授は「日本では海外と比べて不妊治療を受けている人の平均年齢が高く、女性の年齢が上がるとともに治療が出産につながる割合が大きく下がる現実がある。不妊に悩む人は早いうちに治療することが必要だ。しかし、若いと収入が少なく、不妊治療に取りかかれないという声も聞いていたので今回の助成がこうした人への手助けになるのではないか」と話しています。
      02月08日 19時51分 NHKさいたま放送局
      http://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/1106048001.html

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  18. 男性不妊 精子検査…簡易型 スマホで観察
    2017年2月8日15時0分

     日本では夫婦6組に1組が不妊に悩んでいるが、その原因の半分に男性が関わっていることはあまり知られていない。そんな中、国産の精子簡易検査キット2製品が昨年発売された。不妊治療に対する男性の意識を高めると期待されている。(竹井陽平)

     WHO(世界保健機関)の1997年の調査によると、不妊の原因は女性単独が41%、男性単独が24%、男女両方が24%。つまり、不妊のほぼ半数の48%で男性が関与しているのだ。

     しかし、不妊に関して男性の当事者意識は低い。不妊検査は男女が同時に受けるのが理想的だが、横浜市立大学泌尿器科講師の湯村寧やすしさんが代表者を務める研究班が昨年、不妊治療に取り組むカップルの男女約300人に行った調査によると、女性の検査結果が分かるまで、男性が検査を受けなかったケースは約47%あった。

     湯村さんは「高齢のカップルの場合はこうした時間のロスが不妊治療の成果を左右しかねない。男女両方が主役との意識を持ってほしい」と話している。

     研究班は約7000人を対象に男性不妊の背景も調べた。原因は〈1〉精子をうまく作れない(82・4%)〈2〉精子をうまく運べない(3・9%)〈3〉性交渉がうまくできない(13・5%)――などだった。

     このうち〈1〉と〈2〉は、医療機関で顕微鏡を使って精子の数や動きを見る精液検査が治療のスタートになるが、医療機関に行くのは負担を感じるという人が多い。こうした需要を見て、昨年、国内2社が相次いで精子簡易検査キットを発売した。テンガ(東京都中野区)の「テンガメンズルーペ」、リクルートホールディングス(東京都千代田区)の「シーム」だ。

     ともに器具に精液をたらし、スマートフォンに取り付けたレンズで拡大して観察・撮影するという仕組み。テンガ社製は4回計測できるが、濃度と運動率は目視でカウント。一方、リクルート社製は計測は1回だが、濃度と運動率をアプリで自動計算できる。

     リクルート社によると、開発中に思わぬ発見があったという。販売前製品テストで、30歳代の男性社員の精液中に精子が見つからなかったのだ。専門の医療機関を受診すると、精子を運ぶ精管が先天的に欠損していることが判明。精巣から精子を採取する手術と顕微授精を行い、妻は妊娠。4月頃に赤ちゃんが生まれる予定という。

     テンガ社は、男性が自分の精子に関心を持ってもらうことを期待する。東京都新宿区内の男性会社員(25)は昨年5月、テンガ社製がツイッターで大きな話題になっていたため、軽い気持ちで使った。

     スマホの画面上で元気良く泳ぐ自分の分身たちの姿に感激した。まだ結婚を意識する相手はいないが、「結婚式の後とか、子作りを考えた時とか、定期的に自分の精子をチェックしていきたい」と語った。

     簡易キットは医療機関の検査に代わるものではない。異常が疑われる時などは、泌尿器科など専門の医療機関で正式な精液検査を受ける必要がある。NPO法人「男性不妊ドクターズ」はホームページに男性不妊診療を行ったり、連携したりしている医療機関のリストを掲載している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170208-118-OYTPT50179

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    1. ちゃんと濃厚なその営みをしているのかなあ…

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    2. >WHO(世界保健機関)の1997年…

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  19. 受精卵の着床前スクリーニング、臨床研究を開始
    2017年2月14日21時2分

     体外受精でできた受精卵の染色体の異常を検査し、正常なものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング」の臨床研究を開始したことを、日本産科婦人科学会が14日明らかにした。

     晩婚化などで不妊治療をしても妊娠できない例が増えており、染色体の異常が原因の一つと考えられている。研究では染色体の本数に異常がない受精卵を子宮に戻すことで妊娠の可能性を高めたり、流産を減らしたりできるかを検証する。

     対象は、体外受精を3回以上失敗、あるいは流産を2回以上経験した女性。まず予備研究として数施設で100人に実施、続いて数百人規模の本研究を行う。予備研究に参加する女性の登録は始まっており、数人が登録したという。実際に妊娠例が出るのは今年夏以降になる見通し。

     現在は重い遺伝病などの場合に限り、受精卵の特定の遺伝子などを調べることが認められているが、着床前スクリーニングは不妊に悩む女性を対象に受精卵のすべての染色体を調べる。海外では妊娠率が向上したとする報告もあるが、生まれる可能性がある受精卵が排除されるなど、倫理的な問題も指摘されている。

     研究に参加するには医療機関ごとに倫理委員会の承認が必要となる。研究で中心的な役割を果たす予定の慶応大学は、学内の倫理委で審査が続いている。

     国際不妊学会によると、着床前スクリーニングは昨年時点で米国、中国、ロシア、ドイツなど45の国や地域で行われている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170214-118-OYT1T50166

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    1. 受精卵検査6施設で臨床研究へ
      流産予防に有効か確かめる
      2017/2/14 22:21

       日本産科婦人科学会(日産婦)は14日、体外受精した受精卵に染色体の異常がないかを調べて子宮に戻す「着床前スクリーニング」と呼ばれる検査について、名古屋市立大など6施設で臨床研究を実施すると発表した。

       日産婦は、既に検査の対象となる女性の登録を開始しており、流産の予防に有効かどうかを確かめる。東京都内で開いた倫理委員会で承認した。

       6施設は名古屋市立大のほか東京女子医大、藤田保健衛生大(愛知県)、IVF大阪クリニック(大阪府)、セント・ルカ産婦人科(大分市)。1施設は施設名の公表に同意していないという。
      https://this.kiji.is/204173629551689732

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    2. 着床前スクリーニング 臨床研究に参加の女性 登録開始
      2月15日 4時03分

      体外受精の際に、受精卵のすべての染色体を調べ、異常がないものだけを選んで子宮に戻す着床前スクリーニングについて、日本産科婦人科学会は、流産を減らすなどの効果があるかどうかを調べる臨床研究を行うため、研究に参加する女性の登録を開始したと明らかにしました。

      この着床前スクリーニングは、体外受精の際に、アレイCGHという方法を使って受精卵のすべての染色体を解析し、染色体の数に異常がないものだけを選んで子宮に戻すものです。

      日本産科婦人科学会は14日夜に会見し、このスクリーニング法によって流産を減らしたり、出生率を上げたりすることができるかどうかを調べる臨床研究について、参加する女性の登録を開始したと発表しました。

      対象となるのは、35歳から42歳までの、流産を2回以上経験した女性90人と、体外受精を3回以上しても成功しなかった女性90人の合わせて180人で、スクリーニングを行ったグループと行わなかったグループの2つに分け、流産の確率や出生率に差が出るかなどを調べるということです。

      今回の着床前スクリーニングをめぐっては、染色体の数に異常があるとして子宮に戻されない受精卵の中に、ダウン症など出産の可能性がある受精卵も含まれていて、専門家からは、こうした技術が、今後広まることになれば、命の選別につながるという指摘もあがっています。

      学会の倫理委員会の苛原稔委員長は「着床前スクリーニングについては、諸外国で、流産を減らしたり、妊娠率が上がるといった報告が出始めていて、日本での有用性を判断しなければいけない時代に入った。倫理的な課題についても検討していきたい」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170215/k10010876971000.html

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  20. ゲノム編集で将来子どもも
    米学術機関、条件付き容認
    2017/2/15 01:01

     【ワシントン共同】生物のゲノム(全遺伝情報)を自由に改変できる「ゲノム編集」の技術を使って子どもをもうけることについて、米科学アカデミーは14日、将来技術的な課題が解決されれば、遺伝性の深刻な病気を防ぐ目的に限り、条件付きで容認できるとする報告書をまとめた。

     人の精子や卵子、受精卵の遺伝子にゲノム編集で改変を加える。子どもをもうけると、影響が子孫へと受け継がれるため否定的な意見も強い。遺伝子の間違った場所を改変するミスもまだ多く技術的課題が山積みだが、アカデミーは「技術の進歩は速い」として、世界で初めて実施に向けた道筋を示した。
    https://this.kiji.is/204266475298604539

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    1. ゲノム編集で出産、米で条件付き容認報告書
      2017年2月15日17時30分

       【ワシントン=三井誠】米科学アカデミーなどは14日、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」の技術を受精卵などに応用し、遺伝子を改変した子どもを作る治療を条件付きで容認する報告書を発表した。

       AP通信によると、報告書は米国の政策を決めるものではないが、今後の国際的な基準作りに向けた一歩になるとみられる。

       人為的な遺伝子改変が世代を超えて伝わることについて、安全性や倫理的な問題を懸念する声も強いが、報告書は「遺伝性の病気を持つ親にとって、現実的な選択肢になりうる」と容認した。

       その際の条件として「ほかの選択肢がない」「深刻な病気に関係する遺伝子の操作に限る」「将来世代への影響を継続監視する」ことなどを挙げた。

       人間の身体能力や知能の向上を目的とした応用は、将来世代への影響がない場合でも、許されるべきではないと指摘した。米国では現在、臨床研究を視野に入れた受精卵の遺伝子改変は認められていない。

          ◇

       日本では、政府の生命倫理専門調査会が昨年12月、「遺伝子を改変した受精卵は胎内には戻さない」などの条件を満たした場合のみ、基礎研究を容認する方針を了承した。遺伝子を操作した受精卵で子どもを作ることは認められていない。

       石井哲也・北海道大教授(生命倫理)の話「米国には受精卵を人の生命とみる保守層がおり、その改変に慎重な見方が強かったが、厳しい法規制などを前提とした容認への道筋を示したものだ。日本では、市民との対話などの取り組みから始めるべきだ」
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170215-118-OYT1T50078

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    2. ゲノム編集で出産 米で容認の報告書…「遺伝病の親」など条件付き
      2017年2月15日15時0分

       【ワシントン=三井誠】米科学アカデミーなどは14日、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」の技術を受精卵などに応用し、遺伝子を改変した子どもを作る治療を条件付きで容認する報告書を発表した。

       AP通信によると、報告書は米国の政策を決めるものではないが、今後の国際的な基準作りに向けた一歩になるとみられる。

       人為的な遺伝子改変が世代を超えて伝わることについて、安全性や倫理的な問題を懸念する声も強いが、報告書は「遺伝性の病気を持つ親にとって、現実的な選択肢になりうる」と容認した。

       その際の条件として「ほかの選択肢がない」「深刻な病気に関係する遺伝子の操作に限る」「将来世代への影響を継続監視する」ことなどを挙げた。

       人間の身体能力や知能の向上を目的とした応用は、将来世代への影響がない場合でも、許されるべきではないと指摘した。米国では現在、臨床研究を視野に入れた受精卵の遺伝子改変は認められていない。

           ◇

       日本では、政府の生命倫理専門調査会が昨年12月、「遺伝子を改変した受精卵は胎内には戻さない」などの条件を満たした場合のみ、基礎研究を容認する方針を了承した。遺伝子を操作した受精卵で子どもを作ることは認められていない。

       石井哲也・北海道大教授(生命倫理)の話「米国には受精卵を人の生命とみる保守層がおり、その改変に慎重な見方が強かったが、厳しい法規制などを前提とした容認への道筋を示したものだ。日本では、市民との対話などの取り組みから始めるべきだ」
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170215-118-OYTPT50283

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    3. ゲノム編集 将来はヒトの受精卵に応用も 米アカデミー
      2月15日 7時50分

      生物の遺伝情報を自在に書き換えられる、ゲノム編集という技術をヒトの受精卵に応用することについて、アメリカを代表する科学者で作るアカデミーは、倫理的な懸念があるものの、遺伝性の病気の治療につながる可能性があることから、将来的には、厳しい条件のもとで容認しうるとする報告書を公表しました。

      ゲノム編集は、5年前に従来よりもはるかに簡単で正確に遺伝情報を書き換えられる技術が開発されて以降、幅広い分野で研究が進む一方で、ヒトの受精卵など生殖細胞に応用すると、子どもが生まれた場合、遺伝子の改変の影響が世代を超えて受け継がれたり、改変で予期しない副作用が起こりうるなど、倫理的な問題や懸念が指摘され、アメリカを代表する科学者で作るアメリカ科学アカデミーが、2年近くにわたってどこまで認めるべきか、議論を重ねてきました。

      14日に公表された報告書では、ゲノム編集の生殖細胞への応用は倫理的な懸念はあるものの、技術の進歩は早く、遺伝性の病気の治療につながる可能性があるとしています。

      そのうえで、将来的には、ほかに治療の選択肢がなく、その病気に関わる遺伝子だけを操作すること、そして数世代にわたる追跡調査や透明性の確保など、厳しい条件の下で実施を容認しうるとしています。

      一方で、身体や知的な能力を伸ばす目的では使うべきではないとしています。

      ゲノム編集の生殖細胞への応用をめぐっては、おととし、アカデミーなどが主催した国際会議で、「現時点では無責任だ」とする声明をまとめましたが、今回の報告書は将来の容認に向けて、一歩踏み込みました。

      報告書をまとめたアルタ・チャロ委員長は「影響が次世代に引き継がれる技術の実用化には、さらに多くの研究が必要だ。社会と対話しながら進めることが欠かせない」と話しています。

      ゲノム編集 日本では?

      ゲノム編集の技術を使って、ヒトの受精卵の遺伝情報を操作する研究をめぐっては、去年4月に、国の生命倫理専門調査会が、遺伝情報を操作した受精卵を母体に戻すことは認めない見解を示しています。

      その一方で、基礎的な研究として受精卵の遺伝情報を書き換えること自体については、ヒトの遺伝子の働きを解明したり、難病の治療などに役立つ可能性があったりするため、認められる場合があるとする見解を示していて、現在も、国の生命倫理専門調査会が、認められる研究の条件などについて協議を続けています。

      生命倫理の専門家「高いハードルを社会に」

      今回の報告書について、生命倫理に詳しい北海道大学の石井哲也教授は「ゲノム編集の技術を、ヒトの受精卵に使えば、目や髪の色といった遺伝情報を自在に操作できる。さらに遺伝子を操作した影響は、世代を超えて受け継がれると考えられ、さまざまな倫理的な懸念が生じる。今回の報告書は、ヒトへの応用の可能性を示しつつも、法整備や市民との十分な対話、研究の透明性の確保といった高いハードルを社会に課すしている。日本では、ゲノム編集に関する法の規制がなく、市民と対話する機会も十分設けられていないので、今後そうした対応を急ぐ必要がある」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170215/k10010877041000.html

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    4. 科学村の、隣の人は何をする人ぞ、我関せず焉…

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  21. 科学風医科様手品で詐欺師ペテン師の巣窟に…

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  22. 優生保護法での手術は憲法違反 日弁連が意見書
    2月22日 18時11分

    平成8年まで施行された優生保護法の下で、障害などを理由に行われた不妊や中絶などの手術について、日弁連=日本弁護士連合会は、みずからの意思で出産や子育てを決めるという憲法で保障された権利を侵害していたと指摘したうえで、手術を受けた人たちが高齢になっていることから、国に対し謝罪や補償などを速やかに実施するよう求める意見書を出しました。

    優生保護法は、戦後の人口増加を抑制することなどを目的に制定された法律で、日弁連などによりますと、施行された昭和23年から平成8年までの間に、精神障害や知的障害、遺伝性の病気などを理由に、およそ1万6000人が本人の同意なしに不妊手術を受けたほか、本人などの同意を得た中絶手術なども5万人余りに行われたとされています。

    日弁連は22日、都内で記者会見を開き、優生保護法の下で行われたこれらの手術は憲法違反に当たるとして、国に意見書を出したことを明らかにしました。

    意見書では、子どもを産み育てるかどうかをみずからの意思で決める権利は「幸福追求権」として憲法で保障されていると指摘したうえで、障害などを理由に不妊や中絶の手術を働きかけたことは、個人の尊厳を踏みにじるもので憲法違反に当たると強く非難しています。
    そして、同様の手術を行ったスウェーデンやドイツでは謝罪や補償が行われたとしたうえで、手術を受けた人たちが高齢になっていることから、速やかに謝罪と補償をすることや手術に関する当時の資料を保存したうえで実態調査を行うことを求めています。

    厚労省 謝罪や補償しない方針

    厚生労働省は、優生保護法の下で不妊や中絶などの手術が行われたことについて、あくまで合法的に行われたとして、謝罪や補償をしないという方針を取っています。

    日本弁護士連合会から出された意見書について「優生保護法は、不良な子孫の出生を防止するという優生思想に基づく部分が障害者に対する差別となっていることなどにかんがみ、改められたと承知しており、厚生労働省としてもこうした趣旨を踏まえて対応している。いずれにせよ、人ひとりの命の重さは、障害があるか否かによって少しも変わるものではなく、すべての人々がお互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現していきたい」とコメントしています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170222/k10010886091000.html

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  23. 「B型肝炎訴訟給付金」詐欺制度(笑)。

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  24. ダウン症のチンパンジー確認 世界で2例目 京大
    2月26日 8時42分

    熊本県の研究施設で飼育されているチンパンジーにダウン症が確認されたと京都大学のグループが発表しました。グループによりますと、ダウン症のチンパンジーが確認されたのは世界で2例目だということです。

    ダウン症が確認されたのは、熊本県宇城市の京都大学の研究施設「熊本サンクチュアリ」で飼育されている24歳のメスのチンパンジー、「カナコ」です。

    京都大学野生動物研究センターの平田聡教授らのグループは、「カナコ」にヒトのダウン症とよく似た症状があったことから血液を採取して染色体を詳しく調べました。
    その結果、通常、2本のはずの染色体が一部、3本になっている「染色体トリソミー」と呼ばれる異常が見つかったということです。

    ヒトのダウン症は、この「染色体トリソミー」が原因で生じることがわかっていて、チンパンジーでも同じ染色体の異常が確認されたため、ダウン症と判断したということです。

    ダウン症のチンパンジーが確認されたのは、1969年にアメリカで報告されたのに次いで世界で2例目だということです。

    平田教授は「チンパンジーの行動を観察することなどを通して、ダウン症という病気の理解を深めていきたい」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170226/k10010890561000.html

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    1. 「染色体(遺伝子)異常」という創作捏造案件の疑惑疑念…

      なんでもない健常者はふつう検査にかけないからなあ…

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  25. News Up 見過ごされてきた“優生保護法”の実態
    3月2日 17時24分

    「優生保護法」という法律をご存じですか?

    「不良な子孫の出生を防ぐ」という目的で、障害者の子どもを産み育てる権利を奪っていた法律です。終戦直後の昭和23年に施行され、わずか20年ほど前の平成8年まで存在していました。

    この法律に基づいて遺伝性とされた疾患のほか、精神障害や知的障害がある人は、医師の診断と行政の審査を経て不妊手術を受けさせられました。その際、本人の同意は必要ないとされました。
    これによって不妊手術を受けさせられた人は、確認できただけでも1万6000人以上に上っています。

    最近、この法律が注目される出来事がありました。

    ことし2月22日、日弁連=日本弁護士連合会が、優生保護法で行われた不妊手術はみずからの意思で出産や子育てを決めるという憲法で保障された権利を侵害していたと指摘し、国に対して謝罪や補償などを求める初めての意見書を出したのです。

    「人権を無視した法律が本当にあったの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際に手術を受けさせられ、今も苦しみ続けている人がいます。「優生保護法」のもとで障害のある人やその家族はどのような状況に置かれていたのか。

    関係者の証言や新たに見つかった資料からその実態に迫ります。

    人生奪われた障害者の女性の叫び

    「自分の人生を奪った手術が本当に憎いです…。ずっと苦しみが続いています」
    こう証言するのは、宮城県に住む70歳の女性、飯塚さん(仮名)。

    飯塚さんは、16歳の時に、優生保護法に基づいて、軽度の知的障害を理由に何も説明されないまま不妊手術を受けさせられました。

    退院後、両親の会話を聞いて、初めて自分が手術を受けたこと知った飯塚さんは、その衝撃をこう振り返ります。
    「子どもを産むことができない体にされたと知って、そこから私の苦しみが始まりました。もとに戻ることができるなら戻してほしい」

    優生保護法の不妊手術では、本人の同意がなくても手術できましたが、一方で、家族などの同意が必要なケースもありました。

    飯塚さんの場合も、父親が娘の不妊手術に同意していたことが後にわかりました。

    父親が亡くなる直前に飯塚さんに残した1通の手紙には、手術に同意した当時の苦しい胸の内がつづられていました。
    手紙には「やむなく印鑑押させられたのです。優生保護法にしたがってやられたのです」(ママ)と。

    なぜ、父親は娘に何も知らせずに子どもを産めないようにする手術に同意したのか。

    取材を進めると、「優生保護法」のもとで障害者やその家族が置かれた社会的な状況が見えてきました。

    優生保護法を生んだ戦後の社会情勢

    「優生保護法」は戦後すぐの昭和23年に施行されました。

    戦前にも「国民優生法」という優生思想に基づく法律がありましたが、その思想をさらに強める形で「優生保護法」はスタートしました。

    終戦直後の日本は、戦地からの大量の引き揚げ者や出産ブームによる「人口爆発」が大きな社会問題になっていました。

    人口の“量”を抑えつつ、“質”を上げる必要性が国家的な課題として叫ばれる中で、「優生保護法」は超党派の議員立法で成立、施行されました。

    この法律には、刑法で禁止されていた「人工妊娠中絶」を認めて“量”を抑制すると同時に、優生学的に劣っているとされた障害者の出生を防止し、“質”を向上させるという明確な狙いが示されていました。

    優生学の歴史に詳しい東京大学大学院の市野川容孝教授は、当時は、医学的に十分な根拠がないまま親の障害や疾患が遺伝すると考えられていたとしたうえで、優生保護法には「過剰な人口問題と、それに由来する貧困をどうやって防ぐかということ、それと同時に、国民の“質”を高めるということ、この2つの目的がセットとなって入っていた」と指摘しています。

    では、手術はどのように行われたのでしょうか?

    優生保護法では、4条と12条で、本人の同意がなく不妊手術を行うことができると規定されました。

    まず、医師が診断し、遺伝性の疾患のほか、知的障害や精神障害などを理由に手術が必要だと判断した場合に、各都道府県の審査会に不妊手術の申請を行います。

    審査会のメンバーは医師や裁判官、民生委員などで、手術を行うことが適当かどうかを判断し、適当となれば病院で不妊手術が行われました。

    実は、昭和28年に、強制的な不妊手術をするうえで、当時の厚生省が各都道府県の知事に対して、次のような通知を出していました。
    「真にやむを得ない限度においては、身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される」

    つまり、手術をする際に、やむをえない事情があれば、欺罔、だますという手段を使ってもよいとされていたのです。

    こうした状況の中で法律が施行されていた半世紀で、実に1万6000人以上が強制的に不妊手術を受けさせられたことがわかっています。

    当時何が? 取材に応じた関係者は…

    今回、手術に関わった精神科医や産婦人科医から話を聞こうと探しましたが、なかなか見つからず、見つかったとしても多くを語ろうとしなかったり、すでに亡くなっていたりして難しい取材になりました。
    そうした中で、みずからが受け持っていた障害者に不妊手術が必要だと判断した経験のある1人の精神科医が取材に応じました。
    「今の人権意識でいえば、当然問題だが、当時は、優生保護法は全然問題にならなかったし、疑問の声も上がらなかった。昔の自分がしたことを合理化するような形になるが、当時は私も何の疑いも持たずに障害のある人が不妊手術の対象だと考えた」と打ち明けました。

    この精神科医は、のちに手術に疑問を感じ、声を上げましたが、周囲から賛同する意見は出なかったと振り返っています。

    手術記録の多くが破棄された可能性が…

    多くの関係者が口を閉ざす中、私たちは、自治体の記録から優生保護法の実態を調べようとすべての都道府県に取材しました。

    ところが、誰が手術を受けたのかを特定できる記録が一部でも庁舎の中に残っていた自治体は、47都道府県のうち、わずか5つしかないことがわかりました。

    多くの自治体はすでに資料を廃棄したと見られています。
    廃棄したこと自体は、特に法律や法令違反にあたるわけではありません。

    ただ、今後、国などが実態を調査しようと思っても困難なのではないかというのが私たちの実感です。

    見つかった新資料から見えたもの

    私たちは、自治体の庁舎内だけでなく、各地にある公文書館などにも広げて探し続けました。
    そして、神奈川県で新たな資料を見つけました。

    資料の中には、医師の診断書のほか、その障害者の家系図まで残されていました。

    疾患の詳しい状況や障害が遺伝しているかどうかなどが何代にもさかのぼって調べ上げられていたこともわかりました。

    資料の中には、両親や兄姉がどのような思いで手術に同意していたのかがわかる記述もありました。

    こうした記述を読み進めていくと、さまざまな理由で手術を希望していた家族もいた状況が見えてきました。

    「たとえ子どもができても自分のことすら何もできない状態では育児は不可能なので手術を行うよう決心」

    「両親が病弱で本人の将来を考えて手術を希望」

    「一般社会の人にも迷惑がかかることを心配。母親や兄弟全員が手術に賛成している」

    障害のある家族に対する複雑な心境を語る言葉や周囲の目を必要以上に気にする言葉が並んでいました。

    手術を希望するという家族の状況について、優生保護法の歴史に詳しい東京大学の市野川教授は「当時は、障害がある人たちが子どもを産んで育てられる環境が整っていなかったので、不妊手術が本人のためだと考えられていました。障害者は子どもを産んでも育てられないと思い込みが周囲の善意としてあって、この優生保護法を存続させた側面があります」と指摘します。

    不妊手術を受けさせられた飯塚さんは

    20代で結婚した飯塚さん。
    子どもが出来ないことなどが理由で離婚したといいます。

    さらに、手術の後遺症などによって、50年が経った今も心身の不調が続いています。

    飯塚さんは「障害者だから何をしてもいいという権利は誰にもないです。私たちが受けた強制的な不妊手術について誰かが言葉にして訴えていかないと、闇に葬られてしまいます」と話していました。

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    1. 求められる国の対応

      こうした飯塚さんたちの訴えを国はどう受け止め、対応していくのか。

      厚生労働省は、「優生保護法」のもとで不妊や中絶などの手術が行われたことについて、あくまで合法的に行われたとして謝罪や補償をしないという方針を取っています。

      日弁連から出された意見書については、「優生保護法は、不良な子孫の出生を防止するという優生思想に基づく部分が障害者に対する差別となっていることなどにかんがみ、改められたと承知しており、厚生労働省としてもこうした趣旨を踏まえて対応している。いずれにせよ、人ひとりの命の重さは、障害があるか否かによって少しも変わるものではなく、すべての人々がお互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現していきたい」とコメントしています。

      同じように強制的な不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは、調査を行い、謝罪や補償を行っています。

      確かに当時は合法でしたが、今の人権感覚で著しい人権侵害にあたるのならば謝罪や補償をすべきではないか、日本だけがそれをできない理由はないよう思えます。

      というのも、ハンセン病患者に対しては、当時は合法的に行われていた強制的な隔離政策について、国は誤りを認めているからです。

      さらに、国連の規約人権委員会や女性差別撤廃委員会も、日本政府に被害者の補償を行うよう勧告しています。

      まずは実態調査を行い、何ができるか、具体的な対応策を検討する必要があると思います。

      長年、人権問題を取材してきたルポライターの鎌田慧さんは「優生保護法の価値観はなかなか払拭(ふっしょく)されておらず、その歴史はずっとつながっている」と指摘し、法律の根底にあった差別意識は、去年7月に起きた
      神奈川県相模原市の障害者殺傷事件やヘイトスピーチなど、さまざまな形で社会に色濃く残っていると指摘しています。

      優生保護法が存在した当時の社会状況と今とは、人権意識も大きく変わったといえます。

      しかし、障害のある人に対して「かわいそうな境遇だ」と考えた時など、無意識に「自分とは違う」という“区別”をしていることはないでしょうか。

      そうした“区別”の意識は、行き過ぎてしまうと“差別”の意識につながることもあるのではないでしょうか。

      優生保護法の歴史はその怖さを示しているように感じます。

      そして、この優生保護法の歴史についても、「障害者をめぐるかつての法律であり、自分とは関係ない」などと区別して考えてしまうことはないでしょうか。

      私たちは、わずか20年ほど前までこの法律が存在していたという事実に無関心でいるのではなく、しっかりと向き合って考える必要があると、取材を通じて感じました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170302/k10010896061000.html

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    2. それを非難するのであれば、まったく優生学の残存物、現行の「家畜伝染病予防法」も非難すべきだろうに…

      それはスルーなのな。後出しじゃんけんで漁夫の利と我田引水をくわだてられるものに飛びついてるだけ。

      アコギな連中よ。

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  26. 弱者を助けるふりして食い物カモにし、また新手のうまいことをたくらむヒトビトの影…

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  27. 第三者提供卵子で初出産
    不妊女性、夫の精子と受精
    2017/3/22 13:39

     神戸市のNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」は22日、第三者の女性がボランティアで提供した卵子を使い、病気で自分の卵子がない不妊の女性が出産したと発表した。提供卵子と病気の女性の夫の精子を体外受精させ、移植した。国内では姉妹や友人が提供した卵子での出産例はあるが、見ず知らずの第三者が匿名で提供した卵子による出産が公表されたのは初めて。

     日本には卵子提供などの生殖補助医療に関する法制度がなく、海外に渡って卵子提供を受けるケースも多いとされる。親子関係の規定や子どもが出自を知る権利などに関するルール作りが進まないまま現実が先行する形になった。
    https://this.kiji.is/217131620595761153

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    1. NPOが卵子提供 初出産公表
      03月22日 15時50分 NHK首都圏 NEWS WEB

      国内のNPO法人が、妻の病気などが原因で不妊に悩む夫婦に第三者からの卵子の提供を仲介する取り組みで、ことし1月、初めて子どもが生まれたことを記者会見で明らかにしました。

      記者会見を行ったのは、病気などが原因で不妊になった女性とその家族、それに医師などで作るNPO法人「OD-NET」です。
      「OD-NET」は22日、4年前から始めた、不妊に悩む夫婦に第三者から無償で提供を受けた卵子を仲介する取り組みで、ことし1月、初めて子どもが生まれたことを明らかにしました。
      NPOによりますと、子どもが生まれたのは、妻が、若い時期に卵巣の機能が低下する早発閉経のため妊娠できない夫婦で、去年、提供された卵子と夫の精子による受精卵を妻の子宮に移植していました。
      生まれたのは女の子で、母子ともに健康だということです。
      国内には生殖補助医療に関する法律がなく、卵子の提供を受けるなど第三者が関わる治療で生まれた子どもと夫婦の親子関係は明確には定められていません。
      NPOの岸本佐智子理事長は「子どもが生まれたことが嬉しくて涙が出たが、その一方で日本では法律がなく、子どもの福祉が守られない可能性があることを危惧している。現実を見て法整備を急いでほしい」と訴えています。

      22日開かれた記者会見では、子どもが生まれた夫婦のコメントが読み上げられ、「妊娠、出産、育児を通して『生きる希望』ができたと感じています。子どもが欲しいと強く感じていながらも、病気のために恵まれず現在も苦しんでいる人が大勢います。そういう方々の希望になれば幸いです。ドナーに深く深く感謝しています」としています。
      また、卵子を提供したドナーの手紙も読み上げられました。
      この女性は「皆に望まれた命がこの世に生まれるお手伝いができたことを大変嬉しく思います。子どもの誕生を待ち望んでいる夫婦に、子どもと共に育つ喜びを感じてもらいたい。できるだけ多くの命が愛情を受けて健やかに育ってもらいたい。そのために自分にできることは何かと考えドナー登録を決めました。無事に出産されたお母様とお子様に心からの祝福とこれからの御多幸をお祈り申し上げます」と綴っています。
      http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170322/4512071.html

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    2. NPOの卵子提供仲介 初の子どもが誕生
      3月22日 16時12分

      国内のNPO法人が、妻の病気などが原因で不妊に悩む夫婦に第三者からの卵子の提供を仲介する取り組みで、ことし1月、初めて子どもが生まれたことを記者会見で明らかにしました。

      記者会見を行ったのは、病気などが原因で不妊になった女性とその家族、それに医師などで作るNPO法人「OD-NET」です。「OD-NET」は22日、4年前から始めた、不妊に悩む夫婦に第三者から無償で提供を受けた卵子を仲介する取り組みで、ことし1月、初めて子どもが生まれたことを明らかにしました。

      NPOによりますと、子どもが生まれたのは、妻が若い時期に卵巣の機能が低下する早発閉経のため妊娠できない夫婦で、去年、提供された卵子と夫の精子による受精卵を妻の子宮に移植していました。

      生まれたのは女の子で、母子ともに健康だということです。国内には生殖補助医療に関する法律がなく、卵子の提供を受けるなど第三者が関わる治療で生まれた子どもと夫婦の親子関係は明確には定められていません。

      NPOの岸本佐智子理事長は、「子どもが生まれたことが嬉しくて涙が出たが、その一方で日本では法律がなく、子どもの福祉が守られない可能性があることを危惧している。現実を見て法整備を急いでほしい」と訴えています。

      夫婦「ドナーに深く感謝」

      22日に開かれた記者会見では子どもが生まれた夫婦のコメントが読み上げられ、「妊娠、出産、育児を通して『生きる希望』ができたと感じています。子どもがほしいと強く感じていながらも、病気のために恵まれず現在も苦しんでいる人が大勢います。そういう方々の希望になれば幸いです。ドナーに深く深く感謝しています」としています。

      また、卵子を提供したドナーの手紙も読み上げられました。この女性は「皆に望まれた命がこの世に生まれるお手伝いができたことを大変嬉しく思います。子どもの誕生を待ち望んでいる夫婦に、子どもと共に育つ喜びを感じてもらいたい。できるだけ多くの命が愛情を受けて健やかに育ってもらいたい。そのために自分にできることは何かと考えドナー登録を決めました。無事に出産されたお母様とお子様に心からの祝福とこれからの御多幸をお祈り申し上げます」と綴っています。

      専門家「法整備に向け議論を」

      親子関係の法律に詳しい東洋大学の中村恵教授は「最近は体外受精の技術が発達し、第三者から提供を受けた卵子で妊娠するなど、出産した人と子どもとの間に遺伝上のつながりがないという法律をつくる際には想定していなかった事態が生じている。今は、法律の解釈だけで親子関係が決められているにすぎず、将来的には相続などをめぐり、子どもが不利益を背負わされる可能性もある」と指摘しています。

      そのうえで、「自然な妊娠で生まれた子どもと医療の技術で生まれた子どもも同じ子どもで、社会的な扱いに差があってはならない。生殖補助医療によってすでに多くの子どもが生まれているにもかかわらず、問題を放置しておくのはあってはならないことで法整備に向けた議論をすぐにでも行わなければならない」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170322/k10010920341000.html

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    3. みんなでよってたかって世の中を欺くようなことをやって、いったいぜんたい最終的に何がしたいんだ?

      ほんらいであれば、そういうのはこっそりやって、普通の日常に紛れ込むようにやって、ごくごく普通の幸せとして日々すごすようにやると思うのね。

      わざわざこれみよがしに「やってます、権利を認めよ」なんて大げさなアピールをしなきゃいけないほど、うさんくさいしろものなのかなあ、と…

      あやしいよね、「卵子提供」不妊治療「生殖医療」って。

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    4. 匿名の第三者から卵子提供受け出産…国内初
      2017年3月22日15時9分

       病気のため自分の卵子では妊娠できない女性が、国内では初めて匿名の第三者から卵子提供を受けて出産したと、仲介するNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)が22日、発表した。

       国内では限られた医療機関で、姉妹や友人などからの卵子提供しか行われていなかった。

       出産したのは、若くして月経がなくなる「早発閉経」の女性で、今年1月、健康な女児を産んだ。「妊娠、出産、育児をとおして『生きる希望』ができた。ドナー(提供者)に深く感謝しております」とコメントを寄せた。

       同団体は2013年、不妊治療クリニックの医師や患者団体などが設立。早発閉経の30歳代の女性など4人に、匿名の第三者の卵子を提供、それぞれの夫の精子と体外受精を行った。

       姉妹や友人など知り合いからの卵子の提供は、遺伝上と産みの2人の母ができるなど親子関係が複雑になる心配もある。匿名の第三者からの提供を仲介してもらえれば、卵子提供を受けやすくなる。

       同団体が仲介するのは、早発閉経などで卵子が作れない40歳未満の女性で、対象患者は30歳代では100人に1人程度いる。加齢による不妊の女性は対象外。

       提供者と夫婦は互いの情報を知らされないが、子どもが15歳になった時に本人が希望すれば提供者の氏名や連絡先が開示される。

       海外では生殖医療について法律などが整備されている国も多く、第三者からの卵子提供は不妊治療の一つとして普及している。

       ただ、親子関係以外にも、提供者の身体的負担という課題もある。厚生労働省の審議会は03年に、条件付きで卵子提供を認める報告書をまとめ、法整備を求めたが、実現していない。

       海外で卵子提供を受ける夫婦も多いが、治療費や渡航費、仲介業者への手数料、提供者への謝礼などで数百万円の費用がかかる。

       同団体の岸本佐智子理事長は「生まれてくる子どもたちの生活や福祉を守るために、法律の整備を早急にお願いしたい」と訴えた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170322-118-OYT1T50088

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    5. 匿名第三者の卵子で出産…国内初 早発閉経の女性
      2017年3月22日15時0分

       病気のため自分の卵子では妊娠できない女性が、国内では初めて匿名の第三者から卵子提供を受けて出産したと、仲介するNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)が22日、発表した。国内では限られた医療機関で、姉妹や友人などからの卵子提供しか行われていなかった。

      医師らのNPO 仲介

       出産したのは、若くして月経がなくなる「早発閉経」の女性で、今年1月、健康な女児を産んだ。「妊娠、出産、育児をとおして『生きる希望』ができた。ドナー(提供者)に深く感謝しております」とコメントを寄せた。

       同団体は2013年、不妊治療クリニックの医師や患者団体などが設立。早発閉経の30歳代の女性など4人に、匿名の第三者の卵子を提供、それぞれの夫の精子と体外受精を行った。

       姉妹や友人など知り合いからの卵子の提供は、遺伝上と産みの2人の母ができるなど親子関係が複雑になる心配もある。匿名の第三者からの提供を仲介してもらえれば、卵子提供を受けやすくなる。

       同団体が仲介するのは、早発閉経などで卵子が作れない40歳未満の女性で、対象患者は30歳代では100人に1人程度いる。加齢による不妊の女性は対象外。

       提供者と夫婦は互いの情報を知らされないが、子どもが15歳になった時に本人が希望すれば提供者の氏名や連絡先が開示される。

       海外では生殖医療について法律などが整備されている国も多く、第三者からの卵子提供は不妊治療の一つとして普及している。

       ただ、親子関係以外にも、提供者の身体的負担という課題もある。厚生労働省の審議会は03年に、条件付きで卵子提供を認める報告書をまとめ、法整備を求めたが、実現していない。

       海外で卵子提供を受ける夫婦も多いが、治療費や渡航費、仲介業者への手数料、提供者への謝礼などで数百万円の費用がかかる。

       同団体の岸本佐智子理事長は「生まれてくる子どもたちの生活や福祉を守るために、法律の整備を早急にお願いしたい」と訴えた。

      生殖医療の法整備急務

       匿名の第三者からの卵子提供による出産が国内でも実現したことは、卵子の問題で不妊に悩んでいる女性には朗報だ。しかし、公的なルールが整備されないまま、国内で卵子提供が広がっていく懸念もある。

       卵子提供は、採卵など提供者の身体的な負担は大きく、安易には行えない。また、実際に出産した女性と卵子を提供した女性の2人の母親が生じ、家族関係が複雑になる懸念もある。

       法律は卵子提供のような第三者が関わる生殖医療を想定しておらず、誰が母親になるのか明確な規定がない。夫と妻の受精卵を用いて第三者に代理出産を依頼したケースの最高裁判例を参考に、「産んだ女性が母親」と規定する民法の特例法案は、審議の俎上(そじょう)に上りながら、生殖医療への国会議員の関心や理解が乏しく、成立していない。誕生する子どもの法的立場はあやふやなままだ。

       仲介した民間団体は、子どもが出自を知る権利を確約しているが、極めて重要な個人情報の長期管理を民間に任せてしまうことも問題だ。生殖補助医療に関する法整備が急務だ。(医療部 竹井陽平)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170322-118-OYTPT50309

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  28. まがりなりにも「細胞」であるところの「卵細胞(卵子・受精卵)」が、まったく他人の子宮に受け入れられる(着床する)っていうのはどうなんだかなあ…

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    1. 「精子提供」はありえても、「卵子提供」ってやつは、かぎりなくダークグレーな詐欺の香りガス…

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  29. 2017.3.22 13:19
    【第三者卵子】
    “生殖ツアー”斡旋業者も…想定外の不妊治療に法整備急務


     妊娠や出産に“科学”が介在する生殖補助医療技術の進歩は著しい。国内では学会を中心にした自主規制の下、提供された精子や卵子を用いた体外受精が限定的に行われてきた。問題は、日本の法律が精子や卵子の提供を想定していないことだ。伝統的な「家族観」を揺さぶる事態にもなり、ルールの整備は喫緊の課題だ。

     厚生労働省の研究班が平成24年度に行った調査では、卵子提供により国内で誕生した子供の数は年間300~400人と推計される。いずれも姉妹や友人など身近な存在が卵子を提供したとみられる。近親間の卵子提供では、諏訪マタニティークリニック(長野県)が10年、妻の妹から卵子が提供され、夫の精子と体外受精させ、国内で初めて子供が誕生したことを公表している。

     日本人が海外に渡って、有償で第三者の卵子提供を受ける例も多数ある。野田聖子衆院議員は米国に渡り第三者の卵子提供を受け、受精卵を自らの子宮に戻し、23年に子供を産んだ。不妊カップルに“生殖ツアー”を斡(あっ)旋(せん)する業者も存在する。
    http://www.sankei.com/life/news/170322/lif1703220045-n1.html

     一方で、厚労省が生殖補助医療技術の専門委員会を設けたのは10年。患者や宗教関係者らを呼び、医療だけでなく、倫理や法制度まで幅広く検討された。12年に出た報告書では「生まれてくる子の福祉を優先する」「商業主義を排除する」などが盛り込まれた。

     専門委の報告に基づく制度整備の具体化のため、13年に厚労省の審議会で生殖補助医療部会が設けられ、15年の報告書で早急な法整備を求めた。

     ただ法制化はいまだ果たされていない。自民党のプロジェクトチームが昨年3月、卵子提供では子を産んだ女性を母とし、精子提供では提供者ではなく夫を父とする民法の特例法案をまとめたが、国会提出には至らなかった。(天野健作、道丸摩耶)
    http://www.sankei.com/life/news/170322/lif1703220045-n2.html

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    1. 【第三者卵子】「生殖ツアー」斡旋業者も…想定外の不妊治療に法整備急務
      http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1490158659/

      「不妊治療」のニュース
      http://www.2nn.jp/word/%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E6%B2%BB%E7%99%82

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  30. [スキャナー]生殖医療 法整備進まず 匿名者卵子で初の出産
    2017年3月23日5時0分

    親子関係は 子供はどう知る

     病気のため自分の卵子では妊娠できない女性が、国内で初めて匿名の第三者からの卵子提供で出産したと、仲介するNPO法人「卵子提供登録支援団体(OD―NET)」(神戸市)が22日発表した。ほかに2人が妊娠中という。生殖医療の技術の進歩に合わせた親子関係の明確化や子どもの「出自を知る権利」の確保など法整備が必要だ。(医療部 竹井陽平)

      249人が申し出

     同団体によると、20~30歳代など若くして月経がなくなる「早発閉経」の女性など4人を対象に、公募に申し出た匿名の第三者から卵子提供を受け、それぞれの夫の精子と体外受精し、女性の子宮に移植した。

     このうち、30歳代後半で同団体に登録した女性が2回目の移植で妊娠。今年1月、40歳代前半で健康な女児を出産した。

     出産した女性は「妊娠、出産、育児をとおして『生きる希望』ができた。子どもに恵まれず、現在も苦しんでいる人々の希望になれば幸いです」とコメントを寄せた。

     妊娠できない卵巣の病気には、早発閉経のほか、先天的に性染色体に異常がある「ターナー症候群」(女性1000~2000人に1人)などがある。

     こうした女性は従来、姉妹や友人などから卵子提供を受けるか、高い費用を払って海外で卵子提供を受けるしか、妊娠・出産する方法がなかった。

     姉妹や友人からの卵子提供は親子関係が複雑になる心配もあり、「国内で卵子提供を受けやすくしたい」と2013年、不妊治療クリニック有志でつくる「JISARTジスアート(日本生殖補助医療標準化機関)」と患者団体でOD―NETを設立した。

     夫婦自らが提供者を見つけるのではなく、匿名の第三者からの提供を仲介する形を取り、無償での提供者を募ったところ、249人から申し出があった。

     提供者は35歳以下で、すでに子どもがいることなどが条件で、約100万円かかる費用は夫婦が負担する。提供された卵子と夫の精子を体外受精させていったん凍結保存。感染症がないことを確認した上で妻に移植する。設立4年でようやく最初の子どもが生まれた。

     「皆に望まれた命がこの世に生まれるお手伝いをできたことを大変嬉うれしく思います」。今回、卵子を提供した30歳代の女性は、2枚の便箋に丁寧な字で思いをつづった。

      想定せず

     しかし、課題は山積している。現在の日本の法律は、夫婦以外の第三者がかかわる生殖医療を想定しておらず、卵子提供によって生じる「産みの母」「遺伝上の母」と、生まれた子どもの親子関係も法律的には明確にはなっていない。

     「法律がないと、どうしても後ろめたい思いが生じかねない。親子関係が悪化するのではとの思いで踏み切れない人も多いだろう」と同団体理事で産婦人科医の高橋克彦氏は話す。

     また、子どもが遺伝上の親の氏名や連絡先を知ることができる「出自を知る権利」も問題をはらむ。

     同団体は、子どもが10歳頃になるまでに少しずつ卵子提供で生まれたことを親が伝えるように指導し、15歳になった時点での出自を知る権利を確約している。

     しかし、個人情報を民間団体が長年にわたって管理し続けることの負担感は大きく、岸本佐智子理事長は「本来であればこうした情報管理は法整備の上、公的な機関で行うべきこと」と話す。

     生殖医療に詳しい白井千晶・静岡大学教授(社会学)は「患者の思いに応えようと、医師らが独自の基準を作り、先行的に行ったという印象だ。生まれた子どもや産んだ母親だけでなく、卵子を提供した遺伝上の母親などの関係者への長期的できめの細かい相談・支援体制が必要で、やはり法整備が急務だ」と指摘する。

     

    不妊に悩み海外へ 台湾への渡航増加

     国内では、一部の施設が卵子提供の実施を公表しているが、卵巣機能などの病気で妊娠できない女性を対象としているため、加齢による不妊に悩み、海外に渡る夫婦は少なくない。海外では病気に限らず、第三者からの卵子提供を認めている国が多いからだ。

     正確な数は不明だが、読売新聞が2012年に実施した調査では、11年までの5年間に少なくとも海外での卵子提供で130人が生まれたことが分かった。

     通常、民間の仲介業者に依頼し、海外のクリニックで卵子の提供を受け、夫の精子で体外受精して移植、国内の病院で出産する。

     近年、渡航先として以前の米国やタイなどに代わり、台湾に行く夫婦が増えている。台湾は生殖医療に関する法律が整備されており、日本からの距離が近く、外見も日本人と似ていることなどが主な理由だ。

     第三者が関わる生殖医療の広がりに対して、厚生労働省の審議会は03年、加齢による不妊は対象外とするなどの条件付きで卵子提供を認める報告書をまとめ、法整備を求めた。

     自民党のプロジェクトチームは、卵子や精子の提供、夫婦の受精卵を使って第三者の女性に産んでもらう代理出産などを、条件付きで認める生殖補助医療法案を作成。同時に「産んだ女性が母親」と規定する民法の特例法案も作ったが、党内に反対意見が根強く、国会に提出できていない。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170323-118-OYTPT50185

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  31. NEWSポストセブン
    卵子提供推奨の野田聖子、「出産は親のエゴ」の意見を一蹴 - 2017/4/1
    http://www.news-postseven.com/archives/20170401_506432.html

    卵子提供推奨の野田聖子、「出産は親のエゴ」の意見を一蹴
    2017.04.01 07:00

    「素晴らしいし、喜ばしいこと。年齢にかかわらず何らかの問題で不妊に悩む夫婦にとっての希望です。体外受精で踏みとどまっている人に、私は卵子提供を勧めたい。もっと早くやっておけばよかったなと今でも思います。匿名でもなんでもいいんです」

     東京・永田町の議員会館にある事務所の応接室。野田聖子議員(56才)は迷いなくこう言い切った。

     2010年にアメリカで卵子提供を受け、真輝くん(6才)を出産した彼女にとって、見過ごすことのできないニュースだったのだろう。

     3月22日、NPO法人「卵子提供登録支援団体(OD-NET)」が匿名の第三者の卵子提供で女性が妊娠・出産したと発表した。

    「OD-NET」が卵子提供者の募集を始めたのは2013年。匿名の卵子提供による出産は国内初の事例となる。

     日本では第三者の卵子提供は法的準備がない。2003年に厚生労働省の審議会は、匿名の第三者からの提供で無償の場合など限定的な条件で提供を認める報告書をまとめたが、国会提出には至らなかった。

     そのため、海外で卵子提供を受けようと年間1000人近い女性が渡航しており、日本で生まれる子供は年間300~400人にも上る。海外での卵子提供は医療費だけで100万~500万円。さらに渡航費、滞在費、ドナーへの謝礼などで、1000万円を超えるケースもある。

     同団体の代表・岸本佐智子さんが語る。

    「出産されたと聞いた時は涙があふれました。今回の意義は非常に大きい。国内で、しかも通常の体外受精と同じような費用や環境で授かることができるのは大きな進歩です。卵子がなく不妊に悩む女性に、卵子提供という“産み方”が選択肢にあってもいいと思います」

    「OD-NET」では35才未満で子供のいる女性という条件で、卵子提供者を募っている。提供者と被提供者に3回以上のカウンセリングを行い、倫理委員会の承認を受け、卵子提供者に感染症がないかなどの検査を行う。提供者の最後の血液検査に問題がなければ、ようやく移植に踏み切れるのだ。

     匿名の理由について、前出の岸本さんはこう語る。
    http://www.news-postseven.com/archives/20170401_506432.html

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    1. 「これまで国内では姉妹間など顔の見える人からの卵子提供しかありませんでした。しかし、近しい関係だからこそ“卵子提供を頼みにくい”“姉や妹の子供が生まれると思うと複雑な気持ちになる”と悩む声も多く聞こえました。匿名はそうした問題を乗り越えられる利点もあるんです。

       今回の発表で、匿名による無償のボランティアからの卵子提供が日本でも可能だと証明できました。血のつながりだけが大事だとは思いません。家族とは、共に人生を歩んでいく中で築かれていくものです」

       だが、新聞各紙は今回の発表に《見切り発車》《ルール進まず現実先行》と疑問を投げかけ、ネット上には匿名の卵子提供を嫌悪する書き込みが溢れた。

      《どこの誰かわからない人の卵子なんて気味悪い》

      《親が誰かも分からないなんて、子供が可哀想》

      《そこまでして産みたいか?自己満足にしか見えない》

       朗報か、それとも親のエゴか。しかし、野田議員はすべての批判を一蹴する。

      「大事なのは多様な産み方を認めること。どう生まれたかより、どう育ったかが大切でしょう。子供にとっての幸せは、育っていく過程で愛されること。子供への告知について、私は子供が小さい時から“2人ママがいるんだよ”って教えてきた。子供のことも考えずに産むのは親のエゴだっていう人もいるけど出産はすべて親のエゴでしょう。子供が自分の意志で生まれてくるわけじゃないんだから」

      ※女性セブン2017年4月13日号
      http://www.news-postseven.com/archives/20170401_506432.html?PAGE=2

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    2. 実質やっていることは、ただの「代理出産」…

      ま、表向き子供は産んだ人のもの。

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    3. 問題は、卵細胞が、もともとの母体でないところで、うまく着床するかどうかなんだが…

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  32. 受精卵ゲノム編集禁止 臨床研究 遺伝子治療指針改正へ 厚労省
    2017年4月7日15時0分

     「ゲノム編集」と呼ばれる新技術で異常がある受精卵の遺伝子を修復し、子どもを出産する臨床研究について、厚生労働省は、国の遺伝子治療の指針で禁止する方針を固めた。12日に専門委員会の初会合を開き、1年以内の改正を目指す。指針がまとまれば、遺伝情報を自由に書き換えるゲノム編集による受精卵の研究を対象にした初の国内規制になる。

     現行の厚労省の指針は、受精卵に別の遺伝子を導入するなどして改変することを禁止しているが、受精卵にたんぱく質などを投与して改変するゲノム編集については定めがなかった。

     ゲノム編集で受精卵の遺伝子を改変する研究について、政府の生命倫理専門調査会は昨年4月、基礎研究は容認する一方、出産に向けた臨床応用は安全性や倫理面での課題が多く、「容認できない」としており、この方針に沿って指針を見直すことにした。ただ、この指針には罰則がないため、厚労省から研究費を受けていない民間病院には禁止の効果が期待できないとの指摘もある。

     ゲノム編集で遺伝子を改変した子どもを作る治療をめぐっては、米科学アカデミーが今年2月、条件付きで容認する報告書を発表。中国ではすでに、病気の原因となる遺伝子を修復するなどの目的で、受精卵にゲノム編集を行う基礎研究の実施例が計3件報告されており、受精卵へのゲノム編集応用の是非が、国際的な議論となっている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170407-118-OYTPT50296

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    1. 受精卵「ゲノム編集」臨床研究禁止…厚労省方針
      2017年4月7日17時21分

       「ゲノム編集」と呼ばれる新技術で異常がある受精卵の遺伝子を修復し、子どもを出産する臨床研究について、厚生労働省は、国の遺伝子治療の指針で禁止する方針を固めた。

       12日に専門委員会の初会合を開き、1年以内の改正を目指す。指針がまとまれば、遺伝情報を自由に書き換えるゲノム編集による受精卵の研究を対象にした初の国内規制になる。

       現行の厚労省の指針は、受精卵に別の遺伝子を導入するなどして改変することを禁止しているが、受精卵にたんぱく質などを投与して改変するゲノム編集については定めがなかった。

       ゲノム編集で受精卵の遺伝子を改変する研究について、政府の生命倫理専門調査会は昨年4月、基礎研究は容認する一方、出産に向けた臨床応用は安全性や倫理面での課題が多く、「容認できない」としており、この方針に沿って指針を見直すことにした。ただ、この指針には罰則がないため、厚労省から研究費を受けていない民間病院には禁止の効果が期待できないとの指摘もある。

       ゲノム編集で遺伝子を改変した子どもを作る治療をめぐっては、米科学アカデミーが今年2月、条件付きで容認する報告書を発表。中国ではすでに、病気の原因となる遺伝子を修復するなどの目的で、受精卵にゲノム編集を行う基礎研究の実施例が計3件報告されており、受精卵へのゲノム編集応用の是非が、国際的な議論となっている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170407-118-OYT1T50090

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    2. ゲノム編集に審査組織…受精卵 6学会、臨床応用歯止め
      2017年4月9日5時0分

       遺伝子を効率よく改変できる新技術「ゲノム編集」で受精卵の遺伝子を改変する基礎研究について、日本遺伝子細胞治療学会など関連6学会が年内にも、合同で研究の妥当性を審査する新組織を作る。政府の調査会が基礎研究に限って容認したことに伴う国内初の動きで、内閣府がオブザーバー参加する。出産に向けた臨床応用に直結する研究への広がりに、歯止めをかけるのが狙いだ。

       ただし審査を裏付ける法律や国の指針がなく、6学会に未加入の研究者は対象外だ。関係者からは実効性を疑問視する声も上がる。

       新たな審査組織「合同ゲノム編集研究委員会」は6学会のほか、法学や倫理学の専門家ら計15人前後で構成。研究者から所属学会を通じて提出された計画について、実施の是非を個別に判断する。

       研究が加速しているゲノム編集での受精卵の改変は、不妊や難病の治療に役立つと期待される。その一方、親が理想とする赤ちゃん「デザイナーベビー」の誕生につながる恐れがある。

       このため政府の生命倫理専門調査会は昨年、改変した受精卵を子宮には戻さない基礎研究に限って認めた。指針のような判断基準を作るには時間がかかるとして、学会主導の個別審査で対応することにした。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170409-118-OYTPT50109

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    3. 学会という医科様ギルドが審査主体…

      「研究前スクリーニング」にかけて、ふるいおとしにかけられる者と、選別に残る者との違いは何か?(笑)。

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    4. 着々と暗黙の了解と阿吽の呼吸ですすむ医科様研究…

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    5. 医科様研究のお墨付き機関をなんぼこさえても、どこまでいっても医科様は医科様、まともなものになるわけじゃない。

      そこまでして世間をごまかし続けなきゃいけないのかと思うばかり。

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  33. 「ゲノム編集」… ほんとうに現実に応用可能な技術なのか、それとも単なるまやかし手品なのか…

    明らかになる前に、いろいろとさもさもな「規制」で縛って、それを確かめることをあやふやうやむやにする先回りな動き(笑)。

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  34. 受精卵ゲノム編集 足踏み…合同審査委設置見送り
    2017年4月18日15時0分

     遺伝子を効率よく改変できる新技術「ゲノム編集」の人間の受精卵への実施について、関連学会が予定していた合同審査委員会の設置を見送ったことがわかった。学会側が17日、「国の責任ある関与が見込めない」として、設置の見送りを内閣府に伝えた。国内のゲノム編集研究が遅れる可能性がある。

     設置が見送られたのは、人間の受精卵に対するゲノム編集研究の是非を事前審査する「合同ゲノム編集研究委員会」。日本人類遺伝学会や日本遺伝子細胞治療学会など6学会の会員と、法学や倫理学の専門家で構成される予定だった。

     政府の生命倫理専門調査会は昨年4月、ゲノム編集で改変した受精卵について、子宮には戻さない基礎研究に限って容認する方針を示した。関連学会は内閣府と協議しながら、こうした基礎研究の倫理面や安全性を審査する合同審査委の設置を目指していた。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170418-118-OYTPT50304

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    1. 責任主体のなすりつけあい…

      裏表を知悉した「ゲノム詐欺」案件だからなあ(笑)。

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  35. ゲノム編集特許 争い過熱 米発明者側控訴 日本企業に影響か
    2017年4月19日15時0分

     次世代の医薬品開発や農作物の品種改良で、中心的な技術になると期待される最新の「ゲノム編集技術」の特許取得を巡り、米特許商標庁に主張を棄却された発明者のグループが決定を不服として、今月12日付で連邦巡回区控訴裁判所に控訴したことがわかった。控訴が受理されれば、重要な市場となる米国の特許係争が、長期化するとみられている。

     控訴したのは、米カリフォルニア大バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授らの研究グループ。

     ダウドナ教授らはゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」を発明したが、同庁は今年2月、この技術が人や動物の細胞で使えることを最初に示した米ブロード研究所のフェン・チャン博士らに特許を認める決定を下した。ダウドナ教授らは「発明当初から、この技術が植物、動物、人を含むあらゆる対象に有効なことは自明」と主張している。

     クリスパー・キャス9は従来のゲノム編集技術と比べ、格段に効率よく、安い費用で遺伝子を改変できるため、農作物の品種改良や難病治療などの応用研究が日本を始め世界中で始まっている。企業などがこの技術を商業利用し、特定の国や地域で医薬品などを製造したり、販売したりする場合、多額の特許料の支払いが発生すると見込まれている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170419-118-OYTPT50285

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  36. 医科様秘術の囲い込み戦略(笑)。

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  37. 受精卵改変 出産禁止へ…ゲノム編集 国が新基本方針
    2017年4月28日5時0分

     政府は、人の受精卵に関する研究のあり方を定めた国の基本方針を抜本的に改定し、国主導の規制に乗り出す方針を固めた。遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」などの新技術に対応するためで、ゲノム編集による受精卵の改変は基礎研究に限って認め、子宮に戻して出産させることは禁じる方向で検討する。5月にも安倍首相が議長を務める「総合科学技術・イノベーション会議」の下に新組織を設置することを決め、議論を始める。

     受精卵を使った研究について、2004年にまとめられた現在の基本方針は「受精卵を損なう取り扱いは認めない」と定めているが、その後に研究が活発化したゲノム編集や、卵子や受精卵の核を別の健康な卵子や受精卵に移植する「核移植」と呼ばれる治療については、具体的な定めがなかった。

     ゲノム編集は、遺伝病の治療や不妊治療に役立つと期待される一方、親が望む理想的な赤ちゃん「デザイナーベビー」の誕生につながる懸念があるが、先行して規制ルールを定めた英国や中国では、日本に先んじて基礎研究が進んでいる。

     核移植についても、赤ちゃんが両親に加え、卵子を提供する別の女性の遺伝情報も受け継ぐことになるため、倫理面の問題が生じる。英国では15年に合法化され、米国のクリニックによるメキシコでの実施例もあるが、政府は慎重に検討する方針だ。

     基本方針改定は、海外に比べて遅れがちな研究の環境を整備する狙いがある。ただし、法規制は想定しておらず、民間病院が臨床応用を実施する余地は残る。

     厚生労働省はゲノム編集で異常がある受精卵の遺伝子を修復し、出産する臨床研究を国の指針で禁止する方向で検討を始めているが、日本人類遺伝学会などの関連学会が、不妊治療を含む研究全体の規制の検討を国に求めたため、指針の上位に位置付けられる基本方針を改定することにした。

     【ゲノム編集】 文章を編集するように細胞の遺伝情報を自在に書き換える技術。遺伝子の鎖を切るハサミの役割をする酵素と、切りたい位置にハサミを正確に導く分子を組み合わせ、狙った遺伝子を取り除いたり、別の遺伝子に置き換えたりできる。世界で筋ジストロフィーなどの難病治療や、腐りにくい農作物の開発に向けた研究が進む。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170428-118-OYTPT50126

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    1. って取り決めしておくと、ウソがいつまでもバレず、創作捏造研究で予算掠め取りがいつまでもやり続けられる創作捏造(創造)科学研究の「持続可能な社会」が出来上がるからな…

      ゲノム研究ギルドの天国到来だ。

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    2. 受精卵改変での出産禁止へ…ゲノム編集、国方針
      2017年4月28日6時0分

       政府は、人の受精卵に関する研究のあり方を定めた国の基本方針を抜本的に改定し、国主導の規制に乗り出す方針を固めた。

       遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」などの新技術に対応するためで、ゲノム編集による受精卵の改変は基礎研究に限って認め、子宮に戻して出産させることは禁じる方向で検討する。5月にも安倍首相が議長を務める「総合科学技術・イノベーション会議」の下に新組織を設置することを決め、議論を始める。

       受精卵を使った研究について、2004年にまとめられた現在の基本方針は「受精卵を損なう取り扱いは認めない」と定めているが、その後に研究が活発化したゲノム編集や、卵子や受精卵の核を別の健康な卵子や受精卵に移植する「核移植」と呼ばれる治療については、具体的な定めがなかった。

       ゲノム編集は、遺伝病の治療や不妊治療に役立つと期待される一方、親が望む理想的な赤ちゃん「デザイナーベビー」の誕生につながる懸念があるが、先行して規制ルールを定めた英国や中国では、日本に先んじて基礎研究が進んでいる。

       核移植についても、赤ちゃんが両親に加え、卵子を提供する別の女性の遺伝情報も受け継ぐことになるため、倫理面の問題が生じる。英国では15年に合法化され、米国のクリニックによるメキシコでの実施例もあるが、政府は慎重に検討する方針だ。

       基本方針改定は、海外に比べて遅れがちな研究の環境を整備する狙いがある。ただし、法規制は想定しておらず、民間病院が臨床応用を実施する余地は残る。

       厚生労働省はゲノム編集で異常がある受精卵の遺伝子を修復し、出産する臨床研究を国の指針で禁止する方向で検討を始めているが、日本人類遺伝学会などの関連学会が、不妊治療を含む研究全体の規制の検討を国に求めたため、指針の上位に位置付けられる基本方針を改定することにした。

       ◆ゲノム編集=文章を編集するように細胞の遺伝情報を自在に書き換える技術。遺伝子の鎖を切るハサミの役割をする酵素と、切りたい位置にハサミを正確に導く分子を組み合わせ、狙った遺伝子を取り除いたり、別の遺伝子に置き換えたりできる。世界で筋ジストロフィーなどの難病治療や、腐りにくい農作物の開発に向けた研究が進む。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170428-118-OYT1T50012

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  38. 受精卵改変 新方針検討 学会が参加
    2017年4月28日15時0分

     人の受精卵研究のあり方をめぐり、国の科学技術政策を指揮する「総合科学技術・イノベーション会議」(議長=安倍首相)の生命倫理専門調査会と日本人類遺伝学会などの関連学会は28日、都内で会合を開き、国の基本方針改定の検討に学会側が参加することで合意した。調査会の要請に学会側が応じた。新設する組織で、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術などを受精卵研究に使う際の規制のあり方を話し合う。

     この問題を巡っては、当初、関連学会が研究計画の妥当性を審査する合同委員会を設置するはずだったが、「国の責任ある関与が見込めない」と設置を見送っていた。この日の会合で学会側は「国との行き違いは解消された」とし、新たな審査体制づくりに協力することも了承した。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170428-118-OYTPT50280

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    1. 受精卵改変 学会 国と共同で審査 新方針検討にも参加
      2017年4月29日5時0分

       人の受精卵研究に関する国の基本方針を改定する検討組織に、日本人類遺伝学会などの関連学会が28日、参加を決めた。これを受け、「総合科学技術・イノベーション会議」(議長=安倍首相)の生命倫理専門調査会は同日、方針改定までの審査体制を、国と学会が共同で作る方針を固めた。

       この日、都内で開かれた専門調査会と関連学会の会合で、5月にも設置が決まる検討組織に、関連学会から専門家が参加することで合意。遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術などを受精卵研究に使う際の規制のあり方について協議する。専門調査会は、患者団体代表らにも参加を呼び掛ける考えだ。

       規制の方向性が出るまでには1年程度かかるとみられ、その間、研究者が計画する受精卵研究の是非を個別に審査する体制が必要となる。この日の会合では、国と学会共同のゲノム編集研究に対する審査体制を早急に作る方針も確認した。

       専門調査会の原山優子会長(東北大名誉教授)は「学会と協力しながらできるだけ早く審査体制を整え、世界中で競争が激しくなっているゲノム編集研究に日本が取り残されないようにしたい」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170429-118-OYTPT50047

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  39. [解説スペシャル]受精卵研究 国が規制へ…ゲノム編集 もろ刃の剣
    2017年4月29日5時0分

    難病治療に期待/「倫理」根強い懸念

     医療や農業分野を劇的に発展させる可能性を秘めた新技術「ゲノム編集」を巡り、国が人の受精卵研究での規制作りに動き出した。遺伝子を書き換えることで、難病の治療につながると期待される一方、「生命の萌芽ほうが」とされる受精卵の改変という倫理的な課題に直面するからだ。(編集委員 小林史、科学部 冬木晶)

      画期的な新技術

     ゲノム編集が登場する以前は、ウイルスなどを使って動植物に別の遺伝子を組み込む「遺伝子組み換え」の研究が主流だった。農作物の品種改良などに応用された後、1990年代には国内外で病気の原因となる遺伝子を人工的に改変する「遺伝子治療」が試みられた。だが狙い通りの効果を上げるほどの精度はなく、普及しなかった。

     これに対し、2012年に欧米で開発されたゲノム編集技術「クリスパー・キャス9ナイン」は、格段に効率良く遺伝子を書き換えることが可能だ。多少の基礎知識さえあれば学生でも扱えるほど簡単で、農作物や畜産、医療分野への展開など研究の裾野が広がっている。

     しかし、15年4月に中国の研究チームが世界で初めて、ゲノム編集での人の受精卵改変を発表すると、研究者から強い懸念が寄せられるようになった。

     一つは安全面への懸念だ。目的と違う遺伝子を改変してしまう可能性がゼロではなく、生まれてくる子に想定外の病気が発症する恐れがあるばかりか、子孫まで受け継がれてしまう。

     倫理面の問題も指摘された。身長や目の色、足の速さなど、親の望み通りの容姿や能力を持つよう受精卵の遺伝子を書き換えた「デザイナーベビー」の誕生も現実味を帯びる。

     石井哲也・北海道大教授(生命倫理)は「偏った価値観に基づき、特定の外見や能力を求める改変が(何世代も)繰り返されれば、人類の多様性が失われかねない」と訴える。

     

      研究加速

     懸念が寄せられる一方で、ゲノム編集を使った受精卵の改変研究の進展に期待する声も根強い。

     重度の遺伝病など、通常の細胞を遺伝子改変するだけでは十分な効果を見込めない疾患でも、受精卵の遺伝子を改変すれば、生まれてくる子が発症しない可能性が高まる。不妊症の原因究明にも期待がかかり、英国は昨年、不妊のメカニズム解明を目指す受精卵改変の基礎研究を承認した。

     米国は、受精卵を「人」とみなすキリスト教保守派の影響が強く、従来、受精卵改変に慎重姿勢を貫いてきた。だが、科学者らでつくる米科学アカデミーが今年2月、ゲノム編集を行った受精卵での出産を条件付きで容認する報告書を公表した。他に有効な治療法がなく、患者への影響を数世代にわたって追跡調査するなどの厳しい条件を課したうえ、加速化する技術を追認した。ただし、現状では米食品医薬品局(FDA)が研究計画を認可しないため、事実上、規制されている形だ。

     研究が進む英国や中国は、ゲノム編集を受精卵改変に使う研究を、法律や指針で規制している。規制によって可能な研究の範囲を明示し、研究環境を整備しているといえる。

     

      不妊治療大国

     これに対し、日本には現在、ゲノム編集による受精卵研究を規制する法律や指針がない。国の生命倫理専門調査会が昨年、「受精卵へのゲノム編集の臨床利用は容認できない」との見解を示しただけだ。

     だが、全国に600以上の不妊クリニックがある日本は、世界一の不妊治療大国で、治療に使われずに余った受精卵も大量に保管されているとみられる。

     いつでも受精卵研究を実施できる環境に、日本人類遺伝学会理事長の松原洋一・国立成育医療研究センター研究所長は「このままでは、受精卵を改変して出産が行われてもおかしくない」と不安視する。そうなった場合、ゲノム編集そのものへの批判が生じ、難病治療などを目指す研究にまでブレーキがかかる恐れがあるという。

     このため研究現場の危機感に呼応する形で、政府は今後、ゲノム編集の包括的な規制の議論を始めることにした。2004年に策定された受精卵研究の基本方針の改定を目指しており、ゲノム編集を使った受精卵の改変研究を、基礎研究に限って容認する一方、出産に至る臨床応用は禁止する方向で議論する。関連学会も検討に加わる。

     ただし、政府は基本方針を見直しても法律の整備までは考えていない。民間病院で臨床応用が実施される余地は残っており、こうした点への対応も必要になる。

     

      ◆クリスパー・キャス9= 文章を編集するかのように遺伝情報を書き換える「ゲノム編集」技術の一つ。遺伝子の鎖を切るハサミの役割を担う酵素と、切りたい位置に酵素を正確に導く分子を組み合わせ、ピンポイントで狙った遺伝子を取り除いたり、別の遺伝子に置き換えたりできる。

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    1. 応用の基準 検討する段階…米識者 技術急速進歩で

       ゲノム編集を行った受精卵での出産を容認する報告書をまとめた米科学アカデミーの検討委員会で、共同議長を務めた米マサチューセッツ工科大のリチャード・ハインズ教授(72)(細胞生物学)=写真=に報告書の狙いを聞いた。(ワシントン支局 三井誠)

               ◇

       2016年初めに検討を始めた時には、狙った場所以外で遺伝子が変化する問題など、技術的な課題があまりに多く、「(受精卵の遺伝子改変は)技術的に可能ではない」と考えていたが、技術は急速に進歩した。すぐ実現できるレベルではまだないが、応用する場合に必要な基準を検討しなければならない段階に達した。

       一律に禁止するのは正しい考えではない。遺伝病の影響を受けない子どもを持ちたいという家族の希望を、全面的に否定することはできない。技術が可能になれば、誰かがやろうとする。禁止し、監視の行き届かないところで悪用されるより、どのような規制のもとで扱っていくかを考えるべきだ。

       報告書は、健康な人の能力を増強する応用は許されるべきではないとした。得られる利益よりもリスクが大きいからだ。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170428-118-OYTPT50434

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  40. 世間をだまし続ける創作捏造科学研究を、国が保護育成する囲いこみ体制…

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  41. ゲノム編集 ヒト受精卵に使う研究認めるか考えるシンポジウム
    4月30日 15時30分

    生命の設計図にあたる遺伝情報を自在に書き換える「ゲノム編集」と呼ばれる技術を、ヒトの受精卵に使う研究を認めるべきかを考えるシンポジウムが開かれました。

    このシンポジウムは、世界中で急速に研究が進んでいる「ゲノム編集」の技術を使ってヒトの受精卵の遺伝情報を操作する研究を認めるべきか、広く考えてもらおうと、日本学術会議が開きました。

    シンポジウムでは国立成育医療研究センターの阿久津英憲部長がゲノム編集について、ヒトの遺伝病の治療や遺伝子の働きの解明につながる可能性がある画期的な技術である一方で、全身の細胞に影響を与え、次の世代にも受け継がれるため、倫理的な問題があると指摘しました。そのうえで国の指針がないなど、研究を十分に規制できないことが課題だと述べました。

    北海道大学の石井哲也教授は、中国ではゲノム編集によって子どもが遺伝病を発症するのを予防できないか、ヒトの受精卵を使った基礎的な研究が行われていると説明したうえで、誤って新たな遺伝子の変異が引き起こされ、生まれてきた子が想定外の病気にかかる可能性があるなど、医学的な課題があると指摘しました。

    ゲノム編集の技術を使ってヒトの受精卵の遺伝情報を操作する研究をめぐっては、去年4月に国の生命倫理専門調査会が、遺伝情報を操作した受精卵を母体に戻すことは認めないとする見解を示しています。

    その一方で、受精卵の遺伝情報を書き換えること自体は難病の治療などに役立つ可能性があるため、認められる場合があるとする見解も示していて、生命倫理専門調査会は認める研究の条件などを協議しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170430/k10010967111000.html

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    1. インチキ医科様研究で食い続けるための「持続可能性」を探る試み…

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  42. 卵子提供受け110人誕生…台湾で不妊治療 14~16年本社調査 日本人夫婦急増
    2017年5月7日5時0分

     不妊治療のため、台湾で卵子提供を受ける日本人女性が急増しており、2014~16年の3年間に少なくとも177人に上ることが読売新聞の調べでわかった。出産した女性は96人、生まれた子どもは110人いることも判明した。台湾では卵子提供の実施を法的に管理しているものの、生まれた子どもに「出自を知る権利」を認めていないなどの問題もある。

     台湾当局が認定した生殖医療機関77施設(1月3日現在)に、現地での対面や電話、電子メールなどでアンケート調査を行い、72施設から回答を得られた(回収率94%)。台湾当局も実態を把握しておらず、まとまった出産者数などが明らかになるのは初めて。

     過去3年間に日本人への卵子提供を実施したと答えたのは4施設。9施設は実施したことがあると回答したが、時期や人数などは答えなかった。59施設は実施していないと答えており、特定の医療機関に集中している実態が分かった。

     年別では、卵子提供を受けた日本人女性は14年は17人、15年は72人、16年は88人と急増している。3年間に生まれた子どもの合計は110人だった。日本語が話せる職員を雇い、東京や大阪で説明会を開く医療機関もあり、認知度が高まったことなどが背景にあるとみられる。

     台湾では07年に生殖医療に関する法律が制定され、加齢による不妊も対象に匿名第三者から卵子提供を受けられる。

     日本だけでなく、中国本土や米国、フィリピンなどからも不妊患者が訪れている。ただ、生まれた子どもに「出自を知る権利」を認めておらず、自分の「遺伝上の母親」を知ることはできない。

     日本では生殖医療に関する法律が未整備で、卵子提供はほとんど行われていない。世界の生殖医療の状況に詳しい埼玉医大産婦人科の石原理おさむ教授によると、近年、イタリアやスイスでも第三者の卵子提供を認める法改正が行われ、主要国で第三者の卵子や精子提供に関する生殖医療の法整備が進んでいないのは日本だけという。

    ◆卵子提供=病気や加齢などで自分の卵子では妊娠・出産できない女性が、他人の卵子をもらう不妊治療。提供された卵子と夫の精子で体外受精を行って、その受精卵を自分の子宮に移植する。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170507-118-OYTPT50070

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    1. [スキャナー]卵子提供 法制化の台湾…「出自知る権利」認めず
      2017年5月7日5時0分

       病気や加齢などで自分の卵子では子どもを産めない女性にとって、卵子提供は「最後の手段」。国内では法や制度が未整備でほとんど実施されておらず、海外渡航する夫婦は少なくない。近年、渡航が増えている台湾での卵子提供の実態や課題を追った。(台北で 医療部 竹井陽平)

      少ない費用/提供者に「補償金」

        ■日本で説明会

       「やっと生まれた大事な娘です」。4月末、九州地方の公園で会社員男性(43)はせがむ1歳の長女を肩車し、隣で妻(46)がその髪をなでた。10年以上の不妊治療の末、台湾人女性からの卵子提供で授かった。

       結婚した2004年当時から、妻は生理不順だった。「赤ちゃんを産めないかもしれない」と不安があった。

       体外受精には8回挑戦したが、1回しか妊娠せず、しかも8週で流産。失望と悲しみを繰り返した。

       卵子も十分に取れなくなった。そこで医師に教えられたのが、台湾での卵子提供だった。両親も交えた家族会議を開き、「可能性があるならやろう」と14年7月、台北市内の不妊治療専門施設「宏孕ホンジARTクリニック」を受診した。

       台湾では卵子提供者(ドナー)の詳細は知ることはできない。血液型のリストから、妻と同じ型の女性を選んだ。夫の精子で受精卵を作製。再渡航で子宮に移植したが流産、3回目の渡航でようやく成功した。

       2人は、娘に卵子提供を告げるつもりはない。妻は「自分の卵子でなくても、おなかを痛めて産んだ我が子。愛情に何の変わりもない」と話していた。

       同クリニックは、産婦人科医・張宏吉さん(50)が12年3月に開院した。日本人職員4人を雇い、東京、大阪などでの説明会を15年以来6回開催。14~16年に卵子提供を受けようと来院した患者302人中、日本人が253人を占めた。大型連休も毎日2組ほど日本人夫婦が来院した。

        ■見た目も近く

       女性は40歳前後から卵子の老化が急速に進み、妊娠しにくくなる。卵子提供を受ければ産めるが、自分と別に「遺伝上の母親」ができる。親子関係の複雑化や子どもへの告知、ドナーの負担など課題は多く、実施には法整備が欠かせない。

       日本では法律がなく、一部の医療機関で病気などで不妊の患者に姉妹や友人からの提供がわずかに行われてきた。卵子提供の間口を広げようと、民間団体の仲介で匿名第三者からの提供が行われ、初の出産が3月に報告されたばかりだ。

       台湾では07年に人工生殖法が制定され、加齢による不妊も対象に広く卵子提供を認めている。

       卵子提供を受けるために米国やタイなどに渡航する日本人夫婦は以前からいたが、米国の場合、仲介業者を通すと500万円前後が相場。タイは近年、外国人に対する生殖医療への規制を厳しくしている。

       そうした中、台湾が注目されるようになった。仲介業者を介さず、日本語が通じる医療機関に直接受診すれば、費用は200万円前後で済む。見た目が日本人と似ているのも利点だ。

       同法では卵子提供は無償としているが、身体的な負担も大きく、休業補償の意味も込めて上限9万9000元(約37万円)の「栄養費」を認めている。

       台湾の大卒初任給は平均で約2万7000元(約10万円)。金銭的な魅力は大きい。昨年6月に採卵した台北市内の大学院生の女性(22)は、栄養費を学費と日本への旅行代に充てた。人助けの気持ちもあり、「体への負担は違うけれど、誰かの役に立つという点では献血と同じ」と話す。

       不妊に悩む夫婦にとって、台湾で卵子提供を受けることは選択肢の一つにはなるが、課題は少なくない。

       当局は卵子提供の記録を管理しているが、提供者と依頼者夫婦は互いの詳しい情報は知らされない。夫婦が知ることができる提供者の情報は人種、皮膚の色、血液型のみ。「出自を知る権利」も認めておらず、生まれた子どもが将来、「遺伝上の母親」を知りたくてもたどれない。卵子提供で生まれる子どもが増えれば、問題になる恐れがある。

       また、受精卵の染色体の異常を調べる検査も台湾では可能だ。先天性の障害を排除する「命の選別」につながるとの倫理的理由から、日本国内では普及していない検査が、簡単に受けられてしまうことも問題だ。

      日本は議論停滞…法案 国会提出できぬまま

       国内では、2013年から自民党のプロジェクトチームが、第三者が関わる生殖医療についての検討を開始。卵子や精子の提供、夫婦の受精卵を使って第三者の女性に産んでもらう代理出産などを、条件付きで認める生殖補助医療法案を作成。同時に「産んだ女性が母親」と規定する民法の特例法案も作ったが、その後、議論は停滞し、国会に提出できていない。

       埼玉医大産婦人科の石原理おさむ教授によると、第三者が関わる生殖医療の法整備のある先進国では、妊娠しづらくなる37、38歳頃から卵子提供が選択肢となるが、日本では加齢による卵子提供は行われておらず、40歳以上でも不妊治療を続ける女性が多いのが特徴だ。「世界的に特異な状況にあるのは確か。卵子提供をどう考えるか、議論していくことは必要」と話す。

       不妊治療の高齢化には、晩婚化の影響も大きい。政府の「働き方改革実現会議」議員の白河桃子・相模女子大客員教授は「妊娠や出産を仕事のために遅らせなければならないと感じている女性は多い。希望する人が若いうちに子どもを持ちやすい社会にすることが大切だ」と指摘する。(編集委員 館林牧子)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170507-118-OYTPT50054

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    2. 台湾で不妊治療、卵子提供受け110人誕生
      2017年5月7日8時43分

       不妊治療のため、台湾で卵子提供を受ける日本人女性が急増しており、2014~16年の3年間に少なくとも177人に上ることが読売新聞の調べでわかった。

       出産した女性は96人、生まれた子どもは110人いることも判明した。台湾では卵子提供の実施を法的に管理しているものの、生まれた子どもに「出自を知る権利」を認めていないなどの問題もある。

       台湾当局が認定した生殖医療機関77施設(1月3日現在)に、現地での対面や電話、電子メールなどでアンケート調査を行い、72施設から回答を得られた(回収率94%)。台湾当局も実態を把握しておらず、まとまった出産者数などが明らかになるのは初めて。

       過去3年間に日本人への卵子提供を実施したと答えたのは4施設。9施設は実施したことがあると回答したが、時期や人数などは答えなかった。59施設は実施していないと答えており、特定の医療機関に集中している実態が分かった。

       年別では、卵子提供を受けた日本人女性は14年は17人、15年は72人、16年は88人と急増している。3年間に生まれた子どもの合計は110人だった。日本語が話せる職員を雇い、東京や大阪で説明会を開く医療機関もあり、認知度が高まったことなどが背景にあるとみられる。

       台湾では07年に生殖医療に関する法律が制定され、加齢による不妊も対象に匿名第三者から卵子提供を受けられる。提供者は各医療機関が集め、実施記録は当局に報告する。

       日本だけでなく、中国本土や米国、フィリピンなどからも不妊患者が訪れている。ただ、生まれた子どもに「出自を知る権利」を認めておらず、自分の「遺伝上の母親」を知ることはできない。

       日本では生殖医療に関する法律が未整備で、卵子提供はほとんど行われていない。世界の生殖医療の状況に詳しい埼玉医大産婦人科の石原理おさむ教授によると、近年、イタリアやスイスでも第三者の卵子提供を認める法改正が行われ、主要国で第三者の卵子や精子提供に関する生殖医療の法整備が進んでいないのは日本だけという。

       ◆卵子提供=病気や加齢などで自分の卵子では妊娠・出産できない女性が、他人の卵子をもらう不妊治療。提供された卵子と夫の精子で体外受精を行って、その受精卵を自分の子宮に移植する。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170506-118-OYT1T50112

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  43. ウソはいつか必ずどこかでばれる…

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  44. [論点]卵子の核移植 法規制必要…石井 哲也氏
    2017年5月16日5時0分

     女性の卵子から遺伝情報を含む「核」を取り出し、ほかの女性の卵子に移植する核移植という技術がある。重い遺伝病の予防を目的に、この技術の利用が2015年、世界で初めて英国で認められた。

     卵子には核にある遺伝子のほかに、核の周りの細胞質に含まれる「ミトコンドリア」の遺伝子がある。ミトコンドリアの遺伝子に変異があると、ミトコンドリア病と総称される脳や筋肉などの難病が生じ、母から子へ遺伝する。

     英国で認められた核移植は、ミトコンドリア遺伝子に変異がある女性の卵子や夫婦の受精卵から核を取り出し、正常なミトコンドリアを持つ女性の核を除いた卵子や受精卵に移すものだ。子は、わずかに残る母親のミトコンドリアと卵子提供者のミトコンドリアの遺伝子を受け継ぐ。健康リスクはゼロではない。

     遺伝病予防に限って英国で合法化された核移植だが、他国で無秩序に広く利用される懸念がある。

     16年には規制の緩いメキシコで、米国の研究者が母親に十分なリスク開示をしないまま核移植を実施し、男児が生まれた。この時は遺伝病予防のためだったが、ウクライナでは今年、不妊治療の核移植が行われたという。

     日本でも遠くない将来、核移植による不妊治療が始まる可能性がある。核移植の実施を検討していると宣伝している国内の不妊クリニックも実際にある。

     国内で不妊治療を受ける女性は30代半ば以上が多い。加齢により卵子は老化し、核にある染色体に異常が起き、妊娠しにくくなる。

     体外受精でできた受精卵の中から染色体の正常なものだけを選ぶ着床前スクリーニングという方法もあるが、国内では今年、臨床研究を始めた段階で有効性は未確定だ。「命の選別だ」という批判も根強い。

     一方、ミトコンドリアの機能不全などによる不妊の治療には、自分の遺伝情報を含む核を、他人の卵子に移植する核移植の技術を選ぶ女性もいるだろう。卵子が国内で入手困難なら、金銭での卵子提供に寛容な台湾などで調達もできる。

     だが、日本はそもそも一般的な卵子提供による不妊治療ですら社会的合意が得られていない。提供者の健康影響をどう評価するか、報酬をどうするか、提供者が匿名の場合、子の出自を知る権利が保障できないなどの課題が多いためで、極めて実施例が少ない。

     そのような状況の中で、たとえ遺伝病予防が目的でも、核移植を認められるだろうか。ましてや一般の不妊治療に、胎児に異常が起きる可能性のある技術を用いるのは容認しがたい。

     わが国の生殖医療は法規制がないまま現状を追認する状態が続いている。核移植については、受精卵での移植はクローン技術規制法で禁止されると解釈できるが、卵子での移植については明確な規制がない。

     生殖医療の社会的意義は認めるが、生まれる子の健康を損なう恐れがある実験的手法の規制について社会で熟議し、法律を制定すべきだ。

    いしい・てつや 北海道大学教授。京都大学iPS細胞研究所等を経て現職。専門は生殖と食に関する生命倫理。47歳。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170515-118-OYTPT50449

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  45. 「エンクロージャー 囲い込み政策」
    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC+%E5%9B%B2%E3%81%84%E8%BE%BC%E3%81%BF%E6%94%BF%E7%AD%96

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  46. 社説
    ゲノム編集技術 適正な活用にルール備えたい
    2017年5月22日6時3分

     遺伝子を効率良く改変するゲノム編集技術を、どこまで活用すべきか。政府によるルール作りと環境整備が大切だ。

     ゲノム編集技術で人の受精卵の遺伝子を操作する研究について、内閣府の生命倫理専門調査会が、ルールの在り方に関する検討を始めた。

     日本は、海外に比べて取り組みの遅れが指摘されている。

     技術の進展に即したルールの不備が大きな要因だ。研究者の多くが、人の受精卵を用いた研究を自粛している。政府として早急に対策を講じることが求められる。

     生命の根幹を操作できるゲノム編集技術は、各種の細胞に応用できる。中でも、調査会が検討対象とした受精卵の遺伝子操作は、最も注目される分野である。

     遺伝子変異による疾患は、成長した細胞の遺伝子を改変しても、根治につながりにくい。受精卵の段階で原因となる遺伝子を改変・除去できれば、発症しない。

     不妊治療でも、受精卵の遺伝子を操作して、着床しやすくする手法などが模索されている。実現すれば、不妊に悩むカップルにとって朗報となるだろう。

     世界的には、臨床への応用が現実味を帯びている。

     英国や中国などでは、基礎研究が国の指針などで認められ、受精卵での研究が実施されている。米国の専門家会議は2月に、ゲノム編集技術で受精卵の遺伝子を操作する治療を、条件付きで容認する報告書をまとめた。

     忘れてはならないのが、負の側面だ。遺伝子操作で子供の能力向上を目指す「デザイナーベビー」につながらないか。遺伝子改変が健康に悪影響をもたらし、次世代に拡大するリスクはないか。

     不妊治療施設などが危険な応用を試みる恐れがある、と警鐘を鳴らす生命倫理の専門家もいる。

     適正な研究は認めつつ、懸念に応えるルールとすべきだ。

     受精卵の扱いを巡っては、専門調査会が2004年に「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」をまとめ、慎重な対応を求めた。これに基づき、厚生労働省や文部科学省が関連指針を設けて、個別の研究の是非を審査している。

     生殖技術は、さらに先を行き、この指針は実態にそぐわなくなった。海外では、受精卵や卵子そのものを改変する「核移植」で、子供が誕生したとされる。

     技術の進展に対応できるよう、受精卵だけでなく、卵子・精子など生殖細胞の扱いについても、抜本的に見直す必要がある。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170521-118-OYT1T50141

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  47. この手のニュースを見ていつも思うのは、世の中を欺きだまし続けるのはいいかげんにしろよ、だな…

    いまや「科学研究者」とは、「詐欺師ペテン師」の代名詞だな。

    優秀かつ有能な若者が遠巻きに眺めて近寄らなくなるのも当然だな。

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  48. 受精卵改変 全面自粛へ…ゲノム編集 政府の規制策定まで
    2017年5月18日5時0分

     遺伝子を効率よく改変できる新技術「ゲノム編集」を人の受精卵に用いる研究について、政府は研究計画ごとに審査・承認する暫定的な体制作りを、見送ることを決めた。研究を規制する新たなルールができるまでは、基礎、臨床にかかわらず、全面的に関連研究の自粛を求める。政府は今後、受精卵に関する様々な技術の是非や使い方についてルールを検討するが、まずゲノム編集への対応を優先し、研究が停滞して国際的に後れを取るのを防ぐ。

     政府は当初、規制ルールができるまでの間は、日本人類遺伝学会など関連学会と共同で研究計画の妥当性を個別に審査する方針だった。だが、審査で認められた研究が、後にできる新ルールに適合しない事態が生じると、研究現場が混乱する恐れがある。このため、政府は方針を転換し、関連学会も了承した。

     政府は近く、総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍首相)の下に規制ルールの検討組織を新設する。来月にも議論を開始し、ゲノム編集についての基本方針案を年内にもまとめる。これに沿った具体的な規制指針も、文部科学省と厚生労働省が来年中に策定する予定。

     新組織では、ゲノム編集の議論に続き、卵子や受精卵の核を別の健康な卵子や受精卵に移植する「核移植」や、受精卵になる前の精子、卵子といった生殖細胞を用いた研究の是非も検討し、幅広い技術を包括する基本方針の策定を目指す。受精卵研究に関する現行の基本方針は2004年に定められ、こうした新技術に対応できていなかった。

     こうした議論には、関連する専門学会のほか、日本医師会や日本医学会にも参加を要請する。多くの受精卵を保管する不妊クリニックの医師らが独自判断で研究に踏み切る事態に、歯止めをかけたい考えだ。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170518-118-OYTPT50111

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    1. 狙った細胞に「ゲノム編集」 京大チーム 新たな手法開発
      2017年5月20日5時0分

       遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」技術について、特定の細胞だけを狙って行える新たな手法を開発したと、京都大iPS細胞研究所のチームが発表した。正常な細胞に影響を与えずに、難病の原因となる細胞の遺伝子変異だけを改変することが期待できるという。19日、論文が英科学誌電子版に掲載された。

       ゲノム編集は、遺伝子を切断する「はさみ」の役割を担う酵素などを使い、遺伝子を改変する技術だ。ただし様々な細胞が混ざっている場合、目的以外の遺伝子も改変してしまうことがあった。チームの斉藤博英教授らは細胞内の遺伝子の働きを調節する分子「マイクロRNA」を使い、細胞の種類に応じて「はさみ」の動きを調整できるようにした。

            ◇

       政府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会は、ヒトの受精卵研究のあり方を定めた政府の基本方針を見直すための検討組織を近く新設する。19日に都内で開いた会合で決めた。新組織は、ゲノム編集を受精卵に用いる研究ルールの基本方針案を年内に作り、文部科学省と厚生労働省に、具体的な規制指針の策定を促す。生命倫理や生物学、医学などの専門家が参加し、来月にも議論を始める。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170520-118-OYTPT50107

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    2. 狙った細胞をゲノム編集、京大チームが手法開発
      2017年5月20日9時18分

       遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」技術について、特定の細胞だけを狙って行える新たな手法を開発したと、京都大iPS細胞研究所のチームが発表した。

       正常な細胞に影響を与えずに、難病の原因となる細胞の遺伝子変異だけを改変することが期待できるという。19日、論文が英科学誌電子版に掲載された。

       ゲノム編集は、遺伝子を切断する「はさみ」の役割を担う酵素などを使い、遺伝子を改変する技術だ。ただし様々な細胞が混ざっている場合、目的以外の遺伝子も改してしまうことがあった。チームの斉藤博英教授らは細胞内の遺伝子の働きを調節する分子「マイクロRNA」を使い、細胞の種類に応じて「はさみ」の動きを調整できるようにした。

          ◇

       政府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会は、ヒトの受精卵研究のあり方を定めた政府の基本方針を見直すための検討組織を近く新設する。19日に都内で開いた会合で決めた。新組織は、ゲノム編集を受精卵に用いる研究ルールの基本方針案を年内に作り、文部科学省と厚生労働省に、具体的な規制指針の策定を促す。生命倫理や生物学、医学などの専門家が参加し、来月にも議論を始める。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170520-118-OYT1T50036

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  49. 受精卵検査は続ける 医師反論
    6/1(木) 19:40 掲載
    https://news.yahoo.co.jp/pickup/6241764

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    1. 受精卵検査、処分方針に反論 禁止に反し実施の医師が会見
      6/1(木) 19:14配信 神戸新聞NEXT

       体外受精させた受精卵の染色体異常を全て調べる「着床前スクリーニング」を、日本産科婦人科学会(日産婦)の禁止に反して実施している大谷レディスクリニック(神戸市中央区)の大谷徹郎院長が1日、厚生労働省で会見し、処分方針を示す日産婦に反論した。

       大谷医師は「流産の多くは染色体異常が原因。検査で流産しにくい受精卵を選び、子宮に戻してあげることは医学の良心だ。何があっても続ける」と訴えた。

       受精卵検査は「命の選別」との批判があり、日産婦は重い遺伝病などに限って認めていたが、今年2月、検証のための臨床研究開始を発表。大谷医師側は「実施を追認している状況」と指摘している。

       大谷医師は、検査は世界で有効性が確認され、国内法上も問題がないと強調。自身の処分と臨床研究が同時に行われるのは矛盾しているとし「検査は社会的に認められるのか、正しいのかと患者を不安にさせている」と、日産婦を批判した。

       代理人の遠藤直哉弁護士は、大谷医師の実績を基に、検査のガイドラインなどの早急な整備を国に要望した。(藤森恵一郎)
      https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170601-00000007-kobenext-hlth

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    2. 2017/5/31 06:30 神戸新聞
      禁止の受精卵検査実施 神戸の医師処分へ 日産婦

       体外受精させた受精卵の染色体異常を全て検査する「着床前スクリーニング」を、日本産科婦人科学会(日産婦)の禁止に反して実施している神戸市の大谷徹郎医師に対し、学会が処分を審議すると通告したことが30日、分かった。大谷医師側は受精卵検査の正当性を主張。学会が2月に検査の臨床研究開始を発表したため、「実施を追認している状況だ」と訴えている。

       大谷医師の代理人弁護士によると、学会は昨年3月にけん責処分を行い、検査を取りやめるとの誓約書を出すよう求めていたが、大谷医師は拒否。学会は今月17日付で、6月3日に理事会を開いてさらに重い処分を審議し、決定する予定だと同医師に通告した。

       受精卵検査は「命の選別」との批判があり、学会は重い遺伝病などに限って認めていたが、2014年、流産を減らすなどの医学的効果を検証するための臨床研究を容認した。

       着床前スクリーニングについて、大谷医師の代理人弁護士は30日、同医師主導によるガイドライン策定を求める申立書を厚生労働相宛てに送ることを明らかにし「着床前スクリーニングはほかのクリニックでも行われており、処分は見せしめだ。名誉を毀損(きそん)する処分が行われれば断固たる法的措置を取る」とコメントした。
      https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201705/0010239804.shtml

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  50. 社説
    第三者卵子出産 法的なルール作りを急げ
    2017年06月06日 10時38分

     病気で妊娠できない女性が、匿名の第三者から卵子の提供を受けて出産した。国内初とされる。

     日本では生殖補助医療に関する法制度がないまま、現実が先行している。医療の透明性と安全性を担保し、生まれた子の権利を守るためにも、法的ルールが必要だ。

     卵子提供を仲介した神戸市のNPO法人によると、ボランティアが無償で提供した卵子と夫の精子から受精卵を作り、早発閉経の40代の妻に移植した。今年1月に女児が生まれたという。

     NPO法人は、提供者の条件や生まれた子どもが出自を知る権利の保障など独自の「ルール」を定めている。無論、幅広い社会的な合意に基づくものではなく、法的拘束力はない。

     第三者からの卵子提供は、厚生労働省の審議会が2003年に条件付きで容認する見解を示し、国に法整備を求めた。だが、14年たった今も実現していない。

     このため、多くの女性が毎年、海外に渡って卵子提供を受け、出産しているという。

     生まれた子には遺伝上の母と産んだ母がいることになる。現行の民法が想定していない事態だ。

     「産んだ女性が母」という判例はあるが、親子関係にトラブルが生じる余地があると指摘されている。子どもの法的地位に不安定さが残ることも見逃せない。

     優先すべきは、こうした子どもの権利と福祉を守ることだ。

     自民党の部会が15年、卵子と精子の提供による出産後の親子関係について「産んだ女性を母」「夫を父」と規定する民法の特例法案をまとめた。国会提出を急ぐべきだ。併せて、生殖補助医療の法的ルール作りに党派を超えて取り組む必要がある。これ以上、法整備を先送りすべきではない。

     第三者が関与する生殖補助医療を望む不妊カップルは多い。だが、社会的な合意や立法措置に基づくルールが未整備なまま、無制限に広げるわけにはいかない。

     家族観や生命倫理にも関わる問題である。国民的な議論を深めていきたい。


    =2017/06/06付 西日本新聞朝刊=
    https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/333585/

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    1. >病気で妊娠できない女性が、匿名の第三者から卵子の提供を受けて出産した。国内初とされる

      真っ赤なウソだったら、どう落とし前つけてくれるの?(笑)。

      事実かどうかをちゃんと確認もしないで、どんどん話をつくっていったら駄目じゃないか…

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  51. “卵子の質を改善“ 新不妊治療で4人が出産成功
    6月22日 4時40分

    本人の細胞の一部を卵子に移植する新しい方法を使って、国内で初めて4人の女性が体外受精での出産に成功したと、大阪市にある不妊治療専門のクリニックなどで作るグループが発表しました。

    これは大阪市北区にある不妊治療専門の「HORACグランフロント大阪クリニック」などで作るグループが21日発表したものです。

    この方法は、加齢などで老化した卵子を体外受精させる際、本人の細胞から取り出した「ミトコンドリア」というごく小さな器官を移植することで卵子の質が改善し、妊娠しやすくなるとされるものです。

    グループは臨床研究で、この方法を使った受精卵を21人の女性の子宮に戻した結果、27歳から36歳までの4人の女性が、国内では初めて無事に出産したということです。

    HORACグランフロント大阪クリニックの森本義晴院長は「卵子の状態が悪く、出産を諦めかけていた女性が出産できたことで、この治療法が新たな希望になったことをうれしく思っています」とコメントしています。

    この技術をめぐっては、日本産科婦人科学会がおととし、「科学的な効果は十分に検証されておらず、初期の研究や実験段階の治療法だと考えられる」との見解を示したうえで、臨床研究の実施を承認していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170622/k10011026151000.html

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  52. 卵子 年下男性の精子で活性化
    7/8(土) 14:04 掲載
    https://news.yahoo.co.jp/pickup/6246206

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    1. 「子どもが欲しい女性は年下男性をパートナーにすべき」、研究
      7/8(土) 12:00配信 The Telegraph

      【記者:Laura Donnelly】
       子どもを持ちたいと希望する女性は、年下のパートナーを見つけるべき──。新たな研究がこう示唆している。

       不妊治療を受けるカップルを対象に、延べ約2万周期について調査したところ、年下のパートナーを持つ女性の方が、同い年もしくは年上のパートナーを持つ女性に比べてはるかに良い結果が出たという。

       専門家らは、同年代が相手の場合に妊娠しにくい女性の卵子が、年下の男性の精子によって「活性化」されるようだとみている。

       女性は年齢を重ねるにつれて妊娠しにくくなるというのは周知の事実だが、男性側の状況はそこまで明らかになっていない。

       このたびスイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれた欧州ヒト生殖学会(ESHRE)で発表された新たな研究結果によると、生児出生率に最大の影響を与えるのはやはり母体の年齢であるものの、女性側が若い場合、相手男性の年齢が大きな要因になっていることが判明したという。

       米ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)が主導したこの研究で、2000~14年に不妊治療を受けたカップルの生児出生率を調査したところ、顕著に低かったのが年上または同い年の男性をパートナーに持つ女性だったという。

       最大の恩恵を受けていたのは30歳未満のパートナーを持つ35~40歳の女性で、同い年のパートナーを持つ女性に比べて累積生児出生率(体外受精を1周期以上行った後に生児を出産する確率)が3割も高かった。

       女性が30歳未満で、パートナーの年齢が40~42歳の男性の場合、男性側が30~35歳だった場合に比べて無事出産に至った割合は46%も低くなった。

       この男性側の年齢の影響は女性側の年齢が上がるにつれて小さくなり、母体が40歳を超えると、男性の年齢による差は消滅した。

       この研究結果を受けて、不妊治療の専門機関、英%%IVI%%のジリアン・ロックウッド(Gillian Lockwood)博士は、「女性の年齢は決定的な要因ではあるが、今回の研究で示されたのは、年下の男性をパートナーにすることでこの問題がある程度解消されるということだ。高齢の卵子は年下の男性の精子によって幾分か活性化されるとみられる」と述べた。

       またシェフィールド大学(University of Sheffield)で男性学(男性不妊)を専門とするアレン・ペイシー(Allen Pacey)教授は、「父親が高齢の場合、自閉症や統合失調症の発生率が高まるというリスクが存在するのは把握している。精子ドナーに年齢制限があるのもそのためだ」とする一方で、「今回の研究ではそれ以上のことが示された、年下の男性をパートナーにする方が有利になるというのだから」と述べている。

      「若ければ若いほど良いという意味だとは思わないが、女性が年下の男性をパートナーに持つことに一定の意義があることが明示された」と、ペイシー教授は話している。【翻訳編集】AFPBB News
      https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170708-00010001-clc_teleg-int

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    2. わざわざ「研究」するまでもない自然の道理…

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  53. [解説スペシャル]がん治療と生殖医療 連携…抗がん剤前 卵子精子保存
    2017年7月14日5時0分

     若いがん患者が、抗がん剤などの治療のために子どもを持てなくなるケースを減らそうと、日本癌がん治療学会は13日、治療後に子どもを持つ可能性を残す方法を示した初の指針をまとめた。生殖医療を担う医師との連携の拡大が期待されるが、技術や費用など課題も多い。(医療部 加納昭彦 竹井陽平)

    「治療後も子ども」指針

      ■治療が最優先

     抗がん剤や放射線などのがん治療は卵巣や精巣にダメージを与え、生殖機能が損われる恐れがある。受精卵を凍結保存するなどの処置をとれば、子どもを持つ可能性を残せるが、医師から患者にそうした情報が十分に伝わっていない問題が指摘されていた。

     指針は、子宮・卵巣、乳房、小児など8種類のがんごとに、受精卵や卵子、精子の凍結保存や生殖機能を残す手術などの具体的な方法を示したのが特徴だ。

     例えば乳がんでは、手術後の抗がん剤治療はできるだけ早く開始すべきだが、最大で12週間遅らせ、卵子などの凍結保存ができるとした。

     指針作りの責任者を務めた青木大輔・慶応大教授(産婦人科)は都内で開かれた記者会見で「ただし、がんの種類や進行度によっては、子どもを持つことを将来、あきらめなくてはならないケースもある」と述べ、命に関わるがん治療が最優先であると強調した。

      ■男性や小児患者も

     卵子凍結という方法が知られるようになった女性患者に比べて、男性や小児への対応は遅れている。

     指針では、抗がん剤や放射線は精子を作る能力を大きく損なうため、がんの部位にかかわらず治療前の精子凍結保存を強く勧める。

     しかし、厚生労働省研究班の調査では、血液がんを担当する血液内科にいつ患者に精子凍結を説明するかをたずねると、「抗がん剤投与後」が16%に上った。

     調査担当の横浜市立大学市民総合医療センターの湯村寧やすし・生殖医療センター部長は「精子の採取や凍結保存は卵子に比べて比較的簡単で、抗がん剤の投与前に行うべきだと今後も情報発信していきたい」という。

     小児の場合、本人も保護者も将来のことまで考えが及ばない傾向がある。指針は、保護者だけでなく、本人にも年齢に応じた説明と合意の取得を求めた。

     ただ小児は技術面の課題も多い。初潮前の女児には研究段階ながら卵巣組織の凍結保存という手段があるものの、思春期前の男児にはまだ有効な手段がない。

      ■取り組み広がる

     全国共通の指標となる指針の策定で、生殖医療を担う医師と連携する医師が増える可能性がある。

     名古屋市の飲食店勤務の女性(33)は3月、左乳房にがんが見つかった。「頭が真っ白になった」。乳房を一部摘出する手術の後、執刀医に紹介された岐阜大(岐阜市)の「がん生殖医療相談」で、妊娠する能力の温存に関するカウンセリングを受けた。「子どもを持つ可能性を残せると思えば、がん治療もがんばれる」。婚約者がいる女性はそう思い、抗がん剤治療に入る前に排卵誘発剤を注射して卵子を採取。治療中に結婚した夫の精子との受精卵を凍結保存した。女性は「先生同士の連携で、受精卵の凍結保存にたどり着けた」と感謝する。

     この連携は「岐阜県がん・生殖医療ネットワーク」と呼ばれ、2013年に始まった。同大を中心にがん治療施設と生殖医療を担う37医療機関が参加。同大の古井辰郎准教授(産婦人科)によると、がん治療を担う医師は必ずしも生殖医療に詳しくないため、同大病院が窓口になり、がん治療で不妊になるリスクや受精卵の凍結保存などの方法を説明する。

     古井准教授は「何かを勧めることはしない。情報提供に徹し、その患者さんにとって最も良い選択をするための意思決定を支えるのが役割」と話す。この女性に対しては、自宅に近い名古屋市内の生殖医療を担う病院を紹介したという。

     岐阜で始まった取り組みは、静岡や京都などに広がっている。鈴木直・聖マリアンナ医大(川崎市)教授は「医師だけでは連携は完結しない。看護師や心理士、薬剤師などとの連携も必要だ」と指摘する。

    凍結保存 費用は高額

     子どもを持つ可能性を残す場合、卵子凍結などにかかる高額な費用の工面は若い世代には高いハードルだ。

     厚生労働省の研究班は今年、経済的支援があれば卵子凍結保存を望む女性がん患者は年間約2600人で、それにかかる費用が約9億円との推計結果をまとめた。研究班によると、精子凍結は約2万円、卵子・卵巣の凍結には20万~60万円がかかる。国の助成はない。2004年に不妊治療への国の助成制度が始まったが、対象は不妊の夫婦。がん治療前で子を持つ能力があれば対象外だ。

     そこで独自に助成する自治体や民間団体も登場した。滋賀県は16年度に凍結保存の助成を開始。男性2万円、女性10万円が上限で、これまでに男性2人、女性7人が助成を受けた。千葉県いすみ市も同年度に男女上限20万円の助成制度を設けたが、まだ支給例はない。

     NPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」(東京)は13年、白血病などに苦しむ未婚女性に卵子凍結と体外受精費用の一部を助成する基金を設立した。上限は30万円で、これまでに20人に支給。同法人は「寄付金が原資なので制度の継続性に限界がある。社会制度化して、多くの人が受けられるようになってくれれば」としている。

     不妊治療に詳しい吉村泰典・慶応大名誉教授(産婦人科)は「国が助成制度を設けるべきだ。子どもを持つ可能性を残すための金銭的な支援があれば、若い患者はもっと希望をもって治療に臨める」と話す。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170713-118-OYTPT50418

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    1. 「がん治療後 子授かる」指針 学会が初発表…卵子・精子凍結など明記
      2017年7月14日5時0分

       日本癌がん治療学会は13日、若くしてがんになっても、治療後に子どもを持つ可能性を残す方法を示した初の指針を発表した。抗がん剤などの影響で不妊になる恐れがあるためで、小児がんや消化器がんなど8種類のがんについて、卵子の凍結保存などの対応を具体的に盛り込んだ。

       40歳未満でがんと診断される人は、国内で年間約2万3000人とみられる。抗がん剤や放射線の治療の影響で将来、子どもを持てなくなる恐れがあるが、医師がそうした情報を患者に十分に伝えていない問題が指摘されていた。

       指針は、命に関わるがん治療が最優先と強調。その上で、8種類のがんについて、卵子や精子の凍結保存、生殖機能を残す手術などの対応をそれぞれまとめている。また、治療で不妊になる場合があると患者に伝えるとともに、子どもを持ちたい希望があればできるだけ早く生殖医療の専門家を紹介するとした。

       指針は7月下旬から書店などで販売し、医師らに活用を求める。責任者である青木大輔・慶応大学教授(産婦人科)は「この指針が、情報提供の重要性が広まるきっかけになってほしい」と述べた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170714-118-OYTPT50010

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  54. 人工的にヒトの受精卵作る研究 国が初審議
    8月1日 6時35分

    ヒトの卵子を人工的に受精させて解析する国内では初めての研究計画を大阪市の不妊治療のクリニックが国の専門委員会に申請しました。ヒトの受精卵を、研究のために作り出すことについては、倫理的な課題があるため、国が研究計画を審議することになっていて、7月31日、その審議が始まりました。

    大阪市の不妊治療のクリニックが申請した計画は、ヒトの卵子をさまざまな培養液の中で人工的に成熟させ、受精する率が高い卵子ができているか検証するもので、7月31日、厚生労働省と文部科学省の合同の専門委員会が審議を始めました。

    研究は5年間かけて、不妊治療中の複数の夫婦から同意を得た上で卵子を提供してもらい、受精させて行うということです。

    受精卵を使った研究はこれまで、不妊治療で使われなくなった受精卵では行われていますが、研究のために受精卵を作り出すことについては、倫理的な課題があることから、国の専門委員会で審議する指針が7年前にできていて、実際に審議が行われるのは今回が初めてです。

    専門委員会では指針に基づいて研究を認めるか検討することにしています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170801/k10011082621000.html

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  55. 科学研究者の衣をまとった手品師あるいは魔術師の華やかなイリュージョンショーだと思っておけば間違いがない(笑)。

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  56. ヒトの受精卵をゲノム編集 米などの研究グループ
    8月3日 5時51分

    生物の遺伝情報を自在に書き換えられる「ゲノム編集」の技術でヒトの受精卵の遺伝子を操作し、病気の原因となる遺伝子の修復に成功したと、アメリカなどの研究グループが発表しました。ゲノム編集をヒトの受精卵に応用する報告は中国以外では初めてで、倫理的な問題が指摘される中、ヒトの受精卵の改変がどういう条件なら認められるのか、改めて議論を呼びそうです。

    アメリカのオレゴン健康科学大学などのグループは、中国以外で初めて、ゲノム編集でヒトの受精卵の遺伝情報を書き換えたとする研究を2日付けのイギリスの科学雑誌ネイチャーに発表しました。

    研究グループは、突然死に至ることもある心臓の病気、「肥大型心筋症」を引き起こす特定の遺伝子の異常がある精子を正常な卵子に入れて受精させました。

    このとき、遺伝情報を書き換える特殊な物質を精子と同時に入れたところ、70%以上の受精卵で異常な遺伝子が修復されたということです。

    受精後、5日間、観察した結果、狙った場所以外での改変はなかったということで、研究グループの代表は、「遺伝性の病気がある人の家族や社会の負担を減らすことができる」と話しています。

    ゲノム編集の技術を使って受精卵の遺伝情報を書き換えると、遺伝性の病気の治療につながる一方、改変された遺伝情報が世代を超えて受け継がれるため、倫理的な問題があると指摘されています。

    研究は、ゲノム編集の倫理的な課題などについて、アメリカを代表する科学者でつくるアカデミーがまとめた勧告に従っているとしていますが、今回の成果は、ヒトの受精卵の改変がどういう条件なら認められるのか、改めて議論を呼びそうです。

    議論の流れ

    ゲノム編集は5年前に従来よりもはるかに簡単で正確に遺伝情報を書き換えられる「CRISPRーCas9」という技術が開発されて以降、幅広い分野で研究が進んでいます。

    この技術をヒトの受精卵などに応用すると、遺伝性の病気の治療につながると期待される一方、子どもが生まれた場合、遺伝子を改変した影響が世代を超えて受け継がれたり、改変で予期しない副作用が起こりうるなど、倫理的な問題があると指摘されています。

    おととしには中国の大学の研究チームがヒトの受精卵で遺伝子の改変を行ったと報告し、国際的な議論を呼ぶ中、アメリカを代表する科学者で作る「アメリカ科学アカデミー」で中国の研究者なども加わってヒトの遺伝子にどこまで応用すべきかについて議論が進められてきました。

    そして、アメリカ科学アカデミーはことし2月、2年近くにわたる科学的な意義や倫理的な問題など幅広い議論の結果をまとめた報告書を発表し、将来的には、ほかに治療の選択肢がなく、その病気に関わる遺伝子だけを操作すること、そして、数世代にわたる追跡調査や透明性の確保など、厳しい条件のもとで実施を容認しうるとしました。

    専門家「使い方は慎重に」

    今回の研究について、生命倫理に詳しい北海道大学の石井哲也教授は、「アメリカでは受精卵の遺伝子を調べ異常がないものだけを選んで子宮に戻す着床前診断が広く行われているうえ、第三者から健康な精子や卵子を提供してもらう体制も整っているので、今回の研究が実際の現場で必要とされる可能性は低く、研究の目的に疑問がある。また、今回の研究は、高い確率で遺伝子を改変できる事実を示しているが、ゲノム編集で目や髪の色といったことも自在に操作できるという倫理的に問題がある利用を助長するおそれもある。ゲノム編集は難病の治療に有効な技術になり得るからこそ使い方は慎重になる必要がある。ヒトの受精卵をゲノム編集する研究について、日本には法の規制がないので、国は早急に対応すべきだ」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170803/k10011085601000.html

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  57. 「法」による「囲い込み」をすることによって、れっきとしたインチキ医科様でしかないものが、あらまあ不思議、とても洗練されたマトモなものにエスタブリッシュな変貌を遂げるのであります。

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  58. 「ゲノム編集で遺伝病を治療する」の愚
    2017年08月05日 11:30
    中村 祐輔

    Nature誌に「Correction of a pathogenic gene mutation in human embryos」という論文がオンラインで公表された。受精卵に存在する遺伝性疾患の遺伝子異常部分を、ゲノム編集という手法を利用して正常遺伝子に置き換えることに成功したという話だ。私は、科学的に可能であったとしても、「受精卵や胎児の遺伝子に手を加えて治療する」という考えには反対である。今回の論文で、著者たちは、他のゲノムには影響を与えずに、病気に関連する遺伝子を正常に置き換えることが可能であると主張している。私は、どのような方法にせよ、外来遺伝子を導入する際には、リスクゼロにはならないと考えている。しかし、たとえ、彼らが正しく、リスクゼロであっても、このような方法で治療する必然性があるとは思えない。

    異常遺伝子を、ゲノム編集という方法で置き換えて正常にする以上、母親、あるいは、父親のゲノム中の遺伝子異常は明らかになっていなければならない。ここで必要なことが遺伝学の知識である。優性遺伝病であれば、子供が同じ病気に罹患する確率は50%である(あくまで理論的であって、遺伝性乳がん遺伝子を持っていても、乳がんに罹患する確率は70-80%であるので、母親が遺伝性乳がん遺伝子を持っていても、子供が乳がんを発症する確率は35-40%である)。劣性遺伝性疾患である場合、両親は正常であり、子供は4人に一人の確率で発症する。

    このゲノム編集が適応されるとすれば(繰り返して言うが、私は反対だ)、両親の遺伝子異常は明らかになっていなければならない。この場合、人工授精+初期胚の遺伝子解析によって、子供が病気を発症するかどうかを科学的に診断することができる。今や、一つの細胞のゲノム解析ができるような時代であり、1ヵ所の遺伝子異常を調べることなど、それほど難しくないのだ。子供が同じ病気に罹らないで欲しいという願いを叶えるためには、ゲノム編集などという技術を無理に用いて神の領域に立ち入る必要はない。

    この初期胚診断を利用して「受精卵を選別する」というだけで、大声で反対する人たちが必ずいる。しかし、どんな立場や状況であっても、生まれてきた人間を尊重し、差別しない社会にすることと、自分と同じような重篤な病気になって欲しくないという親の願いまで無理に押さえ込む事は別だと思う。

    もし、第1子が重篤な劣性遺伝性疾患を発症したとする。両親は必死でこの子供の世話をしているが、医学的には子供が成人になるまで生きる確率はゼロに近いとする。このような立場の両親が、健康な第2子を望むとする。私は親の情として当然だと思う。両親や家族の負担が大きい日本の社会ではなおさらだ。

    その場合、ゲノム編集などという技術を使わずとも、受精卵3-4個と初期胚の遺伝子診断で、その願いは叶えられる。受精卵3個が、同じ劣性遺伝性疾患に罹患する遺伝子を持っている確率は、(1/4)の3乗で64分の1、4個あれば256分の1となる。すなわち、少なくとも一つの受精卵が劣性遺伝性疾患を発症しない確率は、3個だと98.4%、4個だと99.6%となる。遺伝子など下手にいじくらなくとも、今の技術でも親の希望は叶えられるのだ。

    新しい技術が生み出されると、研究者は新しい技術を利用して今までできなかったことに挑戦しようとする。現実の医療でその技術が必要でなくとも、好奇心が追い求めるのだ。しかし、これらの技術の利用には、生命倫理学的な歯止めが絶対に必要だ。人間の欲望は尽きないので、いずれ、身長が高くなる遺伝子、鼻が高くなる遺伝子、知能指数が高くなる遺伝子と歯止めが利かなくなるかもしれない。

    ゲノムそのものを編集して、人間を改変していく事は非常に危険だし、宗教に熱心でない私でも、神の領域を侵していると感ずるのだ。日本でもゲノム編集研究用に人の受精卵利用を認めようとしているとのことだが、私は反対だ。世界との競争に遅れるというのが理由のようだが、知的好奇心も神の領域という一線を踏み越えるべきではないと思う。米国は公的資金でこのような研究をする事は禁じているが、私的な資金でやるのはかまわないという倫理の二重基準だ。日本は日本として、日本人の見識で結論を出して欲しいものだ。

    編集部より:この記事は、シカゴ大学医学部内科教授・外科教授、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のシカゴ便り」2017年8月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。
    http://yusukenakamura.hatenablog.com/entry/2017/08/05/062225

    http://agora-web.jp/archives/2027612.html

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    1. 実は、この論法、反対反対と唱えて、しっかりと相手の立場を支えてしまう、インチキなものをさもさもマトモなものにみえるように補強する論法でもある…

      まるで、ありもしない三角形がありありとみえるようにする「カニッツァの三角形」のような認識の錯視術…
      https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%BD%A2

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  59. がん患者の卵子凍結保存1200件余 初の全国調査
    9月9日 14時10分

    がん患者の若い女性が抗がん剤などの治療によって不妊になるのを防ぐため、卵子や受精卵を凍結して保存するケースがどのくらいあるのか東京大学の研究チームが調査したところ、おととしまでの5年間に全国の少なくとも120余りの医療機関で、合わせて1200件以上行われていたことがわかりました。

    卵子や受精卵の凍結保存は、がん患者の若い女性が、抗がん剤や放射線治療によって卵子がダメージを受けて不妊になるのを防ぐため、治療前に行うものですが、全国でどのくらい行われているのか実態はわかっていませんでした。

    東京大学の研究チームが、生殖補助医療を行う全国の600余りの医療機関を対象にアンケート調査を行い、およそ8割の施設から回答を得ました。

    その結果、おととしまでの5年間に少なくとも全国の126の医療機関で行われ、未婚の女性が行う卵子の凍結保存は580件、既婚の女性が行う受精卵の凍結保存は631件で、合わせて1211件行われていることが初めてわかりました。この中では、100人を超えるがん患者の卵子や受精卵を凍結保存している医療機関もありましたが、多くは2人から4人の卵子や受精卵を凍結保存していて、分散して保管している実態も明らかになりました。

    調査を行った東京大学の大須賀穣教授は「小児がんの場合などには10年以上の長期間保管するケースも考えられ、責任ある保管態勢が必要だ」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170909/k10011133191000.html

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  60. 体外受精、最多の42万件
    赤ちゃん20人に1人、学会調査
    2017/9/11 22:33

     日本で2015年に行われた体外受精は42万4151件で、赤ちゃんの約20人に1人に当たる5万1001人が生まれたとの調査結果を日本産科婦人科学会が11日までにまとめた。治療件数も出生数も過去最多を更新した。

     埼玉医大の石原理教授(産婦人科)は「より早い時期に不妊治療を受けられるよう、子育て支援や経済的援助などを充実していく必要がある」と話している。

     体外受精で生まれた赤ちゃんは、1983年に東北大で初めて誕生してから15年までに合計約48万2600人となった。調査によると、15年に体外受精をして出産に成功した女性の割合は11.7%だった。
    https://this.kiji.is/279966403199501813

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    1. ほんとうに「ソレ」でできて生まれた赤ちゃんなのかなあ…

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    2. 不妊治療の体外受精件数 過去最多42万件超
      9月11日 16時50分

      不妊治療のために精子と卵子を体の外で人工的に受精させる体外受精のおととしの国内の実施件数は42万件を超え、これまでで最も多くなったことが日本産科婦人科学会のまとめでわかりました。体外受精を行った女性のおよそ4割は40歳以上が占めていて、専門家は「若い年齢で子どもを産める環境作りを急ぐ必要がある」と指摘しています。

      日本産科婦人科学会では、不妊治療のために精子と卵子を体の外で人工的に受精させる体外受精について、全国の医療機関から報告されたおととしの実施件数をまとめました。

      その結果、体外受精は、顕微鏡を使って精子を卵子に注入する顕微授精も含めると、42万4100件余りと、前の年から3万件以上増え、これまでで最も多くなりました。

      この体外受精で生まれた子どもの数は、おととし生まれた子ども全体のおよそ20人に1人にあたる5万1000人余りで、前の年からおよそ3700人増えて過去最多となりました。
      一方で、体外受精の実施件数のうち出産に至った割合は11.7%と低い水準にとどまっています。

      体外受精を行った女性を年齢別でみると、40歳が最も多く3万8000件余りで、40歳以上が全体のおよそ4割を占めています。イギリスやフランスなど多くの国では、40歳以上で体外受精を行う人は全体の2割程度にとどまっていて多くは30歳代までに実施しています。

      「より早い時期に治療を」

      国内での体外受精は、34年前の昭和58年に初めて出産した例が報告され、その後、晩婚化などを背景に年々増加してきました。

      日本産科婦人科学会がおととしの件数をまとめると42万4151件と、統計を取り始めた昭和60年以来、初めて40万件を超え、これまでで最も多くなりました。また、体外受精で生まれた子どもの数は前の年からおよそ3700人増えて5万1001人と過去最多となり、その年に生まれた子どものおよそ20人に1人が体外受精で生まれた計算となります。

      昭和60年からおととしまでに体外受精で生まれた子どもの数は合わせて48万2000人余りに達しています。体外受精を行った女性を年齢別に見ますと、40歳が3万8000件余りと最も多く、40歳以上が全体のおよそ4割を占め、このうち50歳以上で実施したケースも470件余りありました。

      体外受精を行った女性のうち、出産にいたった割合を年齢別にみると、20歳代では20%前後ですが年齢とともに減少して、34歳で18.9%と20%を下回り、40歳になると9.1%と、10%を下回ります。

      また、体外受精で妊娠してもその後、流産した割合は年齢とともに上昇し、39歳で30%、41歳でおよそ40%となっています。

      一方、生殖医療の国際研究機関の報告によりますと、イギリスやフランスなど多くの国では、40歳以上で体外受精を行う人は全体の2割程度にとどまっていて多くは30歳代までに実施しています。

      埼玉医科大学の石原理教授は、「日本は、理想的な年齢より高い年齢で不妊治療を始めているために、結果としてなかなか子どもができず繰り返し治療を受けなければいけない状況になっている。さまざまな啓発活動をしてより早い時期に治療を開始できるようにする必要がある」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170911/k10011135191000.html

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    3. 赤ちゃん19人に1人、体外受精で誕生…15年
      2017年9月16日14時39分

       2015年に国内で行われた体外受精によって、過去最多の5万1001人が誕生したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。

       赤ちゃん全体の19人に1人が体外受精で生まれたことになる。治療件数も42万4151件となり、初めて40万件を超えた。

       国内の体外受精児は、1983年に東北大で初めて生まれて以来、累計で48万2627人になった。

       体外受精は卵子と精子を体外で受精させて子宮に戻す不妊治療。卵子に針を刺して精子を注入して受精卵を作る方法などが開発され、選択肢が増えた。

       特に、いったん受精卵を冷凍保存し、時機を見計らって母親の子宮に移して妊娠させる方法が多用されている。体外受精で生まれた子の約8割にあたる4万599人がこの方法だった。

       治療件数を年齢別でみると、40歳以上が18万4244件で全体の4割以上を占めた。ただ、出産に成功する確率は40歳で9・1%と1割を切っており、41歳6・5%、42歳4・5%と、年齢が上がるにつれ低下する実態も明らかになった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170916-118-OYT1T50079

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    4. 体外受精で誕生 19人に1人…産科婦人科学会 15年、最多5万1000人
      2017年9月16日15時0分

       2015年に国内で行われた体外受精によって、過去最多の5万1001人が誕生したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかった。赤ちゃん全体の19人に1人が体外受精で生まれたことになる。治療件数も42万4151件となり、初めて40万件を超えた。

       国内の体外受精児は、1983年に東北大で初めて生まれて以来、累計で48万2627人になった。

       体外受精は卵子と精子を体外で受精させて子宮に戻す不妊治療。卵子に針を刺して精子を注入して受精卵を作る方法などが開発され、選択肢が増えた。

       特に、いったん受精卵を冷凍保存し、時機を見計らって母親の子宮に移して妊娠させる方法が多用されている。体外受精で生まれた子の約8割にあたる4万599人がこの方法だった。

       治療件数を年齢別でみると、40歳以上が18万4244件で全体の4割以上を占めた。ただ、出産に成功する確率は40歳で9・1%と1割を切っており、41歳6・5%、42歳4・5%と、年齢が上がるにつれ低下する実態も明らかになった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170916-118-OYTPT50255

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  61. がん患者の卵子凍結 保存状況など一元管理へ
    9月20日 5時44分

    若い女性ががんの治療の過程で不妊になることを防ぐために、治療前に卵子を凍結保存するケースが増えていることを受けて、日本産科婦人科学会は全国の保存状況などを一元的に管理するシステムの導入を検討していることがわかりました。

    がん患者の若い女性が、抗がん剤や放射線治療によって卵巣などにダメージを受けて不妊になる事態を防ぐため、治療前に卵子を凍結保存するケースが増えていますが、全国のクリニックで行われ、実態がわからないことが課題となっていました。

    日本産科婦人科学会は、それぞれの医療機関ががん患者の卵子の保存状況を入力し、全国の状況を一元的に管理するシステムをつくる方向で検討していることがわかりました。システムでは、患者の年齢のほか、がんの種類や進行度、それに保存している卵子や受精卵の個数などを入力することを検討しているということです。小児がんの場合などでは、卵子を凍結保存してから妊娠するために使うまで10年以上保存するケースもあり、システムが整備されると、医療機関が急な事情で閉鎖された際にも別の医療機関に移管することなどが可能になるということです。日本産科婦人科学会は、さらに検討を重ねて、3年後の平成32年にも運用を始めたいとしています。

    日本産科婦人科学会の生殖・内分泌委員会の委員長で、東京大学の大須賀穣教授は、「卵子などの適切な保存とともに凍結保存の有効性を検証することにもつながる」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170920/k10011148461000.html

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  62. [医療ルネサンス]がん治療と妊娠<1>卵巣の一部を凍結保存
    2017年9月26日5時0分

    採取した卵巣などを凍結保存する液体窒素タンク(岐阜市の岐阜大学病院で)

     その言葉をクリニックの医師から聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。

     「子どもはあきらめてください。難しいと思います」

     名古屋市の会社員女性(35)が乳がんと診断されたのは2015年のクリスマスだった。リンパ節にも転移していた。その前月に受けた検査でがんの疑いは告げられており、心の整理はできているつもりだった。

     ただ将来、赤ちゃんを妊娠できなくなるとは思ってもいなかった。抗がん剤治療の影響で卵巣機能がダメージを受け、妊娠できなくなる可能性が高いという。帰り道に一人で立ち寄った喫茶店。行き交う恋人たちや家族連れの笑顔が窓越しに見えると、ポロポロと涙がこぼれてきた。

     「まだわからないよ。調べてみたら」。患者会で知り合った女性がん患者に助言を受けたのは、年が明けた16年1月。その患者は妊娠する可能性を残そうと、卵子を凍結保存していた。

     「まだ可能性があるかもしれない」。かすかな望みを感じた女性は医師の紹介で、岐阜大学病院(岐阜市)を訪ねた。周産期・生殖医療センター長の古井辰郎さんが、妊娠する能力の温存に関するカウンセリングを行っているからだ。

     女性は独身。ただ、将来は赤ちゃんがほしいという希望を聞いた古井さんは、三つの選択肢を示した。

     一つは卵巣の凍結保存。事前に腹腔鏡ふくくうきょうと呼ばれる内視鏡による手術で卵巣の一部を取り出し、がん治療の後に体内に戻す。多くの卵子を保存できる可能性がある。1~2週間と短期間で取り出せる。ただ、まだ研究段階で有効性などに未知な点が多い。同大など約30施設で行われている。

     もう一つは、卵子の凍結保存。人工的に排卵を誘発するため、半月から3か月かかる。保存できる卵子の数は限られるが、すでに医療として確立している。

     三つ目は、何もせずにがん治療に入ることだった。女性は妊娠できる可能性が最も高いと思った卵巣の凍結保存を選んだ。

     女性はまず、別の医療機関で手術を受けて乳房を全摘。同大病院で2月に卵巣の一部を取り出す手術を受け、院内のタンクで保存してもらった。保険は利かず、費用は約60万円かかった。

     その後、抗がん剤と放射線による治療を受けた。今は仕事にも復帰し、がんの再発を防ぐホルモン注射を毎月打っている。女性は「いつか妊娠できる可能性がある。その事実が、つらい治療に立ち向かう勇気をくれた」と振り返る。

     古井さんは「命に関わるがん治療が最優先なのは当然だが、治療に当たる医師は若い患者に、妊娠する可能性を残す方法があることをしっかりと説明するべきだ」と話している。

    (このシリーズは全6回)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170925-118-OYTPT50354

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    1. 「液体窒素タンク」の中で「細胞組織」は生きられるんだろうかねえ…

      まるでかの米国のナントカ延命財団みたいだねえ(笑)。
      https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E5%BB%B6%E5%91%BD%E8%B2%A1%E5%9B%A3

      もろ詐欺だろ。

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    2. [医療ルネサンス]がん治療と妊娠<2>精子保存 授かった宝
      2017年9月27日5時0分

       晴れた日曜日。京都府木津川市の南出みなみでゆづるさん(40)は、自宅の庭で長男の到いたるちゃん(6)、次男の護まもるちゃん(3)とじゃれあって遊んでいた。休みの日はキャッチボールをしたり、プロレスごっこをしたり。平凡だけど、かけがえのない日々にいつも思うことがある。「あの時、子どもを持てる可能性を残しておいて本当によかった」と。

       南出さんは大学生だった1999年5月、「慢性骨髄性白血病」と診断された。がん化した白血球が、骨髄や血液中で異常に増える病気だ。献血したところ、白血球などの数値に異常が見つかっていた。

       治療には、骨髄移植という方法がある。ドナー(提供者)から血液を作るもととなる造血幹細胞を含んだ骨髄液を注入するものだ。

       移植をするためには、白血球の型(HLA)が適合する必要がある。兄弟は4分の1の確率で一致するが、兄とはHLAが一致していなかった。骨髄バンクに登録したが、ドナーが見つかるかどうかはわからない。

       「死ぬのかもしれない」。入院した大学病院の病室で、そんな恐怖に襲われる日々を送っていた。

       「精子は保存しておいた方がええよ」。ある日、同じ病室に入院していた50歳代の男性が教えてくれた。

       骨髄移植では、前処置として大量の抗がん剤を投与し、全身に放射線を浴びる。体内にあるがん細胞を壊滅させるためだ。しかし、その際、生殖能力がダメージを受け、子どもを作れなくなる可能性がある。

       南出さんは当初、保存に消極的だった。生きるか死ぬかの瀬戸際で、先のことまで考える余裕がなかったからだ。22歳と若く、自分が将来、家族を持つイメージもなかった。ただ、両親の勧めもあり、精子を保存することにした。

       ドナーが見つかったと骨髄バンクから連絡があったのはその年の12月。「生きられるかもしれない」。安堵あんど感がこみ上げた。

       2000年5月に骨髄移植を受けることができ、その夏に退院した。翌年4月には大学に復学。その後、「患者さんの助けになろう」と、医療ソーシャルワーカーになった。

       09年に妻・理恵さん(41)と結婚。保存していた精子を使って体外受精し、子宝に恵まれた。「子どもの成長を見守れることが幸せ」と理恵さん。南出さんは言う。「ドナーに命をつないでもらい、精子を保存していたおかげで新たな命を授かることができた。そのことに感謝しながら生きていきたい」
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170926-118-OYTPT50276

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    3. 精子なんてだれのもんだかわかったもんじゃない…

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    4. 〔医療ルネサンス〕がん治療と妊娠〈3〉患者の選択に向き合う
      2017年9月28日5時0分

       「ホルモン療法をやめたいんです」。東京都の加藤彩子さん(47)は2011年夏、昭和大学病院(東京都)の乳腺外科医に思い詰めた表情で話した。

       その前年の夏、加藤さんは「炎症性乳がん」と診断された。乳がんのわずか約5%の珍しいタイプで悪性度が高く、進行も速い。

       抗がん剤でがんを小さくしたあと、乳房を部分的に切除する手術を受けた。

       こうした治療で命の危険を回避した後に始まったホルモン療法は、薬で女性ホルモンの働きを抑え、がんの再発を防ぐのが狙いだ。

       ただ、副作用として、ほてりやのぼせ、大量の汗などの症状が起きるほか、生理が止まる場合もある。薬でこれまでのホルモンバランスが乱れるためだ。

       加藤さんには当時、結婚を考えるパートナーがおり、赤ちゃんを産みたいと思っていた。生理が戻るかもしれないと思ったのが、ホルモン療法をやめたい理由だった。

       ただ、治療をやめれば、がんが再発するリスクは高まる。それでも赤ちゃんを望む背景を探ろうと、同科の看護師・渡辺知映ちえさんが加藤さんに詳しく話を聞いた。回数を重ねると、加藤さんの抱える事情が徐々にみえてきた。

       パートナーは長男で、その母親から跡取りを産んでほしいという重圧を加藤さんは受けていた。また本人も、子どもを産めることが結婚の条件だと思い込んでいたことが分かった。

       渡辺さんは、すぐに治療をやめるかどうかの判断はせず、「一緒に話し合い、問題点を整理する」という姿勢を貫いた。本人の問題は、その人しか解決できないと考えるからだ。

       そんな話し合いを続けた加藤さんの結論は、別れだった。赤ちゃんを産めなかったら一生自分を責めてしまう。彼にはもっといい人がいると考えた。ホルモン療法は続けることにした。

       加藤さんはその後、別の男性と知り合い、結婚。週末は釣りやゴルフなど夫の趣味にも挑戦し、2人の時間を満喫している。

       「内面を深く見つめ、赤ちゃんを産めなくても自分らしい生き方ができることに気付けた。渡辺さんのおかげ」と加藤さんは言う。

       渡辺さんは現在、同科で非常勤の看護師を続けながら、上智大学(東京都)看護学科の准教授として、がん患者の妊娠・出産の支援に関する研究をしている。「パートナーの有無など個人の事情や進行度、がんの部位によって、妊娠する能力の温存へのアプローチは異なる。医師と情報交換しつつ、患者と向き合い、それを一緒に考えるのが看護師の役割」と話す。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170927-118-OYTPT50366

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    5. [医療ルネサンス]がん治療と妊娠<4>子どもにも説明と同意
      2017年9月29日5時0分

       「大切なお話をします。しっかりと聞いてくださいね」

       2016年3月、京都府立医科大学病院(京都市)の診察室。小児科医の柳生茂希さんは、関西地方に住む当時中学1年のA子さん(14)に優しい口調で語りかけた。

       A子さんはこの1か月前、自宅近くの医療機関で悪性の軟部肉腫と診断された。数十万人に1人起きるというまれながんだ。会社員の母親(36)は、娘には病名を告げず、この医療機関から紹介された同病院を訪ねることにした。小児がんに詳しい医師から直接、A子さんに説明してもらいたいと思ったからだ。

       柳生さんはまず、A子さんに病名を告知した。さらに、抗がん剤治療の影響で将来、赤ちゃんを妊娠できなくなる可能性があること、それを防ぐために研究段階ながら卵巣の凍結保存という選択肢があることを、中学生のA子さんでもわかる言葉で説明した。

       A子さんのような小児がん患者の場合、妊娠する能力の温存には「インフォームド・アセント」が求められる。

       インフォームド・アセントは、保護者から治療の同意(インフォームド・コンセント)を得るだけでなく、当事者である子どもにも年齢に応じた説明をし、同意を得ることをいう。子どもでも、治療法の選択に必要な情報を医師から受ける権利があるという考えからだ。

       A子さんは生理も始まっていなかったが、柳生さんから説明を聞き、「妊娠する可能性を残したい」と卵巣の保存を決めた。

       A子さんはすぐに別の病院で、腹腔鏡ふくくうきょうと呼ばれる内視鏡による手術で卵巣を取り出し、凍結保存してもらった。保険はきかず費用は約50万円かかった。

       その後、同大学病院に入院し、抗がん剤治療を受けながら院内学級で勉強する生活に入った。約8か月後に退院し、中学3年になった今は元気に学校に通っている。A子さんは「将来の夢は看護師。赤ちゃんを産んで育てながら、病気で困っている人の助けになりたい」と目を輝かせる。母親は「卵巣を保存していなければ、私も娘もいずれ後悔したと思う。娘にも理解できるよう、説明してもらってよかった」と感謝する。

       日本癌がん治療学会が7月にまとめた指針では、思春期前の男児を除き、小児がん患者にも妊娠する能力を残す方法があることを明記。中学校の課程を終えていない16歳未満の患者でも、親からの同意だけでなく、年齢に応じた説明をし、本人の同意を得ることが望ましいとした。

       指針作りに携わった同大小児科教授の細井創はじめさんは「患者が子どもでも、医師と親の判断で治療法をすべて決めていいわけではないことを知ってほしい」と話している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170928-118-OYTPT50339

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    6. [医療ルネサンス]がん治療と妊娠<5>里親や養子縁組も選択肢
      2017年10月2日5時0分

       「ママー、抱っこして」

       静岡県熱海市の公務員・河村裕美さん(50)は、愛らしい笑顔で胸に飛び込んできた長女のB子ちゃん(2)をギュッと抱きしめた。ありふれた親子の風景だが、河村さんはB子ちゃんの実の親ではない。親が育てられない乳幼児を実子として育てる「特別養子縁組」を結んだ養親(ようしん)だ。「血のつながりはなくても、親子であることに変わりはありません」と語る。

       河村さんは1999年、子宮頸(けい)がんと診断された。結婚の1週間後。夫と「赤ちゃんがほしいね」と将来の夢を語り合っていた頃だった。すぐに子宮を摘出する手術を受けた。夫に離婚を切り出すと「2人で生きよう」と支えてくれた。

       「ゼロ歳の女の子がいる。養親になりませんか」。2015年夏、児童相談所から電話がかかってきた。がん治療が落ち着いた10年近く前、里親になりたいと児相に申請をしていたことを思い出した。

       その子の母親は病気で、育てられないため親権を放棄したいという。父親の所在は不明とのことだった。

       その翌週、夫とともに児童養護施設を訪ねた。生後4か月の女の子は、すやすやと眠っていた。河村さんは「顔がなぜか夫に似ている気がした。運命だと思った」と振り返る。同年11月から一緒に暮らし始め、その1年後、裁判所から特別養子縁組が認められた。

       慣れない子育てに苦戦しながらも、「かわいくて仕方がない」とほほ笑む河村さん。「ただ、安易な気持ちで養親になるべきではない」と表情を引き締める。

       特別養子縁組は、実親(じつおや)が育てられない子どもを、親の代わりに社会が守り育てるための仕組みで、子どもがいない人のための制度ではないと考えるからだ。

       河村さんが理事長を務める患者会「オレンジティ」は今年7月、がんで妊娠できなくなった人向けに、里親や特別養子縁組に関する情報を提供する冊子を作った。河村さんは「里親や養子縁組は、子どもの福祉のための制度であることを理解した上で、こうした選択肢があることを知ってほしい」と話している。

       独協医科大学越谷病院(埼玉県越谷市)リプロダクションセンター教授の杉本公平さんは、里親や特別養子縁組が、がんで妊娠できなくなった人の選択肢となることを目指す調査研究を続けている。

       杉本さんは「卵子の凍結保存など妊娠する能力を残す技術は、誰もが利用できるわけではない。患者の健康状態を考慮した上で、医師側からも、里親などの制度の情報を提供するべきだ」と指摘している。

       ◎里親と養子縁組の情報を提供する冊子の申し込みはオレンジティのメールアドレス(ot@o-tea.org)まで
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171001-118-OYTPT50195

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    7. 〔医療ルネサンス〕がん治療と妊娠〈6〉凍結保存経済的な負担
      2017年10月3日5時0分

      ◇Q&A

       聖マリアンナ医科大学産婦人科教授の鈴木直さんに聞きました。

       ――妊娠する能力の温存はなぜ必要なのですか。

       「40歳未満でがんと診断される人は、国内で年間約2万3000人いるとみられます。抗がん剤や放射線による治療の影響で、がんが治っても妊娠・出産が難しくなる場合があります。将来、赤ちゃんをもつ希望があれば、精子や卵子などを凍結保存します」

       ――誰でも残せますか。

       「必ずしもそうではありません。何よりも命に関わるがん治療が最優先です。進行度や部位によっては、赤ちゃんをあきらめなければならない場合もあります。温存すれば必ず妊娠・出産できるわけではないことにも注意が必要です」

       「がん治療医は、すべての若い患者に、治療によって生殖能力がダメージを受ける可能性があることを伝えるべきです。その上で希望があれば、温存する選択肢があることを伝えなければなりません。生殖医療を担う医師との連携も求められます」

       ――卵巣の凍結保存とはどういうものですか。

       「腹腔鏡(ふくくうきょう)と呼ばれる内視鏡による手術で卵巣を取り出して凍結保存し、がん治療の後に体内に戻すものです。すでに確立した技術である受精卵などの凍結保存と違って研究段階にあります。ただ、多くの卵子を保存できる可能性があります。海外では2004年にベルギーで最初の赤ちゃんが生まれ、これまでに80人以上の誕生が報告されています。日本ではまだ数人しか生まれていません」

       ――どれくらいの費用がかかりますか。

       「精子の凍結は約2万円、卵子・卵巣の凍結には20万~60万円がかかります。他に期間に応じて保存にも費用がかかります。滋賀県など一部の自治体が助成を始めていますが、国の助成はありません。不妊治療への国の助成制度は04年に始まりましたが、対象は不妊の夫婦です」

       ――かなりの負担です。

       「経済的な理由から温存をあきらめているケースもあると思われます。私が代表を務める厚生労働省研究班の調査によると、経済的な支援があれば、卵子などの凍結保存を希望する女性患者は年間約2600人で、費用は総額で約9億円と推計されました。患者が希望をもってがんと闘うためにも、国による助成が求められます」

       ――温存できない人に選択肢はないのですか。

       「虐待や貧困などの理由で実親(じつおや)と暮らせない乳幼児を実子として育てる『特別養子縁組』や、親元で暮らせない子どもを預かって育てる『里親』という制度があります。実親が養育できず、保護が必要な子どもは4万5000人にのぼります。がん治療で子どもを持てなくなった患者に、そうした子どもを押しつけるのではなく、子どもをもつ選択肢の一つとして考えられるようになるといいですね」(加納昭彦)

      (次は「受動喫煙」です)

       ◇聖マリアンナ医科大学産婦人科教授・鈴木直さん
      1990年慶応大学医学部卒。同大産婦人科助手などを経て2011年から現職。日本がん・生殖医療学会理事長。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171002-118-OYTPT50380

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  63. ゲノム編集、作業部会が報告書
    実施前に研究機関と国の審査を
    2017/11/21 21:03
    ©一般社団法人共同通信社

     国の生命倫理専門調査会の作業部会は21日、遺伝子を自在に改変できる「ゲノム編集」技術を、人の受精卵に使う基礎研究について、実施前に研究機関の倫理委員会と国による2段階の審査を受けるべきだとする報告書を大筋で取りまとめた。

     ゲノム編集を使って受精卵の遺伝子を改変すると、世代を超えて影響が及ぶ恐れがある。まずは生殖補助医療に関わる基礎研究の指針を作るのが望ましいとした。改変した受精卵を人の体内に戻して子を得る医療応用は「現時点では容認できない」とした。

     研究者が違反しないよう厳格な法規制を求める意見もあり、さらに親部会に当たる専門調査会で議論する。
    https://this.kiji.is/305675292163736673

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  64. [医療ルネサンス]着床前検査<1>受精卵の染色体調べる
    2017年12月5日5時0分

     「どうして私だけ……」

     熊本県に住む会社員A子さん(40)は、おなかの赤ちゃんの発育状態を調べる妊婦健診で医師から4度目の流産を告げられると、心の中でそうつぶやいた。妊娠がわかってから約3週間。心拍も確認されていた。医院のトイレに駆け込んで1人泣いた。2015年6月のことだった。

     A子さんは11年に34歳で結婚し、翌年に長女(5)を出産。14年から1年半の間に流産を繰り返した。原因を探ろうと、夫婦そろって血液検査を受けたが、問題は見つからない。ただ、流産した赤ちゃんの組織を調べると、染色体に異常があった。こうした異常は流産につながるという。

     体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す着床前スクリーニング(PGS)という技術があることを地元の医師から聞いたのはその頃。大谷レディスクリニック(神戸市)がこの技術を取り入れていることをインターネットで知り、15年7月、新幹線で3時間以上かけて訪ねた。

     「つらかったですね」。院長の大谷徹郎てつおさんから声をかけられた。「これが最後のチャンス」と、PGSにかけることにした。

     A子さんは同年9月、受精卵3個を凍結。PGSによる検査で、唯一、染色体に異常がなかったものを翌月、子宮に戻した。約10日後に妊娠を確認し、昨年7月に出産した。体重2460グラムの元気な女の子だった。A子さんは「流産を繰り返していた頃は体も心もボロボロだった。PGSがなければ赤ちゃんはあきらめていた」と話した。

     晩婚化で、不妊治療として体外受精を試みる人が増えている。15年は42万件以上行われ、赤ちゃん全体の19人に1人にあたる5万1001人が体外受精で生まれた。ただ、1回の体外受精で子どもが生まれる確率は35歳の18%に対し、40歳は9%と、年齢が上がると出産の可能性も低くなる。染色体の数の異常が増えることが要因とされる。

     PGSは、流産を防いだり、子宮に移植できた受精卵あたりの妊娠率を高めたりする可能性がある。しかし、「命の選別」につながる懸念があるとして、日本産科婦人科学会が会告(指針)で禁じている。指針に反する形で実施を公表しているのは同クリニックなど2施設に限られる。PGSを巡る現状を伝える。

    (このシリーズは全5回)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171204-118-OYTPT50374

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    1. [医療ルネサンス]着床前検査<2>年齢上がると効果疑問
      2017年12月6日5時0分

       「子宮に戻せる受精卵ではありませんでした」

       東京都のB子さん(44)は2016年7月、大谷レディスクリニック(神戸市)院長の大谷徹郎てつおさんから着床前スクリーニング(PGS)の結果を聞き、肩を落とした。残念な知らせは4回目だ。

       PGSは、体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す技術だ。

       40歳を過ぎ、卵巣の機能が低下していたB子さんは、採卵しても卵子は一つしか取れなかった。それを夫の精子と体外受精させた受精卵を凍結。PGSで検査したが、染色体に異常があった。これより前に行った3回のPGSでも、計5個の受精卵を調べたが、いずれも染色体に異常が見つかり、子宮に戻せなかった。

       B子さんは30歳で結婚。夫婦共に正社員として忙しく働いてきた。なかなか赤ちゃんに恵まれず、35歳で不妊治療を開始。体外受精によって妊娠したこともあったが、38歳と41歳の時に計3回流産した。スーパーで幸せそうな親子をみるとやるせない思いが募った。

       B子さんは、42歳になった15年から2年間、PGSを行っているとインターネットで知った同クリニックに夜行バスで通い続けたが、努力は実らなかった。

       B子さんは今も不妊治療を続けている。妊娠しやすい体にしようと、早寝早起きなど規則正しい生活を心がけている。ただ、妊娠できなかった場合、海外での卵子提供も視野に入れている。「もっと早くPGSをしていれば妊娠できたかもしれない。そう思うと、残念でなりません」と話した。

       PGSを巡っては、流産の率を減少させたり、子宮に移植できた受精卵あたりの妊娠率を向上させたりするという報告が近年、欧米で相次いでいる。

       「ただし、高齢女性への効果は疑問がある」と埼玉医科大学教授の石原理おさむさんは指摘する。女性は年齢が上がると、受精卵の中で染色体の異常が増えることから、B子さんのようにPGSで調べても、子宮に戻せる受精卵がない可能性が高いからだ。

       染色体に異常のある受精卵の割合は35歳で約40%だが、40歳では70%近くに増え、42歳では80%近くになるとの海外データもある。

       日本産科婦人科学会のまとめ(2015年)によると、体外受精による治療件数は40歳以上が全体の4割を占める。石原さんは「PGSは、正常な受精卵を作り出すのではなく、数ある受精卵からそれを選ぶ技術。異常のない受精卵が少ない高齢の女性への効果は流産率の減少にとどまるのではないか」と指摘している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171205-118-OYTPT50282

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    2. [医療ルネサンス]着床前検査<3>長女がダウン症 悩んだ末
      2017年12月7日5時0分

       「産みますか。それともあきらめますか……」

       川崎市の会社員C子さん(42)は2008年、究極の選択を迫られた。

       妊娠17週に産婦人科の病院で受けた羊水検査で、おなかの赤ちゃんにダウン症があると診断されたからだ。「赤ちゃんの顔が見える」と楽しみに受けた妊婦健診のエコー検査で、思いも寄らぬダウン症の疑いを指摘されたのがきっかけだった。

       C子さんには、07年に出産したダウン症の長女(10)がいる。出産直後は「障害のある子を育てられるか」と不安もあったが、愛くるしい寝顔を見ると、生まれてくれたことがうれしかった。障害のある長女が幸せな人生を送れること。それが夫婦の生きる目標になった。それだけに、次は、自分たち親亡き後、長女が困った時に助けてくれる子がほしいと思っていた。

       おなかを蹴るなど胎動はすでに感じていた。C子さんは悩んだ末、赤ちゃんはあきらめることにした。「ダウン症のある子2人を育てる自信をもてなかった」と振り返る。

       長女を産むまでに2度の流産もあった。ダウン症のある子を続けて宿した理由も含め探ろうと、夫婦で検査を受けると、一部の染色体同士がくっつく「ロバートソン転座」と呼ばれる異常が夫にあることが判明した。健康上の問題はないが、流産したり、ダウン症の子を妊娠したりする確率が高まる。

       2人目、3人目の子どもをどうすればいいのか。夫と思い悩んだ末にたどり着いたのが、体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す着床前スクリーニング(PGS)だった。流産につながる転座も併せて調べられるという。

       実施している神戸市の大谷レディスクリニックを11年7月に訪ねた。受精卵17個のうち5個は、染色体に異常はなかった。凍結した受精卵を子宮に順次戻し、13年に次女(4)、14年に三女(3)を出産した。

       小学校の特別支援学級に通っている長女は算数が好きで、ダンスにも挑戦するがんばり屋だ。

       あきらめた赤ちゃんの骨は今も、自宅の仏壇に置いてある。自分が死んだ時、お墓に一緒に入れるつもりだ。「私にできるしょく罪は、子ども3人を愛し育てること」とC子さん。

       ダウン症のある子の排除につながりかねないPGSには複雑な思いを抱く。「それでも、PGSは、流産を繰り返したり、体外受精が何度もうまくいかなかったりする人を助ける技術で中絶を伴わない利点もある。不妊治療に悩む人に限って、認められるべきではないでしょうか」
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171206-118-OYTPT50393

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    3. [医療ルネサンス]着床前検査<4>障害者の幸せ 議論不足
      2017年12月8日5時0分

       ダウン症への理解を広げようと、ダウン症のある人もない人も一緒に歩いたり、ダンスなどのパフォーマンスを披露したりするイベント「バディウォーク東京」が11月、東京都新宿区で開かれた。

       「一緒にみんなで歌って踊りましょう」。この日の司会者で、ダウン症のある東京都の峰尾紗季さきさん(26)が来場者に語りかけると、拍手が起こった。イベントを主催するNPO法人「アクセプションズ」(東京)によると、ダウン症のある人が司会を務めたのは6回目を迎えた今年が初めてだ。

       峰尾さんは、10歳から始めたヒップホップダンスが大好き。生まれつき弱いとされる筋肉をつけようというのが始めた理由だったが、2016年のリオパラリンピックの閉会式で披露するまでに技術を高めた。この日は司会のほか、得意のダンスで会場をわかせた。

       平日は大手ファミリーレストランで準社員として働く。時給は健常者と同じ水準。週末はダンスを楽しむ。「毎日、みんなと仲良く過ごせてうれしい」とほほえんだ。

       体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す着床前スクリーニング(PGS)を巡っては、命の選別につながるとの批判がある。染色体に異常のあるダウン症などの子が排除されることもありうるからだ。

       「よくぞここまで育ってくれた」。バディウォークの会場の隅で見守っていた父・佳秀よしひでさん(64)は目を細めた。PGSについて感想を尋ねると、「どう考えたらいいか難しい」とした上で、「私たちのように、普通に幸せに暮らしている家族もたくさんいることも知ってほしい」と話した。

       厚生労働省の研究班が昨年まとめたダウン症のある人への初の意識調査でも、9割以上が「毎日幸せ」と感じていることがわかっている。

       ただし、ダウン症のある人は、知的な発達の遅れや心臓などの病気を伴うこともあり、就労などでハンデを負っているのも事実だ。

       PGSについて、ダウン症の専門外来のある埼玉県立小児医療センター(さいたま市)の遺伝科部長を務める大橋博文さんは「技術の発展は止められない」としながらも、普及にあたっては慎重に進めることを求めている。就学や就労、親亡き後の暮らしなど、障害をもって生まれた人が幸せに生きられる社会にするための議論が足りないと考えているためだ。

       大橋さんは「そうした議論がないまま広がれば、『障害者は受精卵の段階で排除するべきだ』などの誤った風潮が広がる恐れがある」と指摘している。

      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171207-118-OYTPT50334

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    4. [医療ルネサンス]着床前検査<5>「命の選別」に様々な意見
      2017年12月12日5時0分

       体外受精による受精卵のすべての染色体を検査し、異常のないものだけを子宮に戻す着床前スクリーニング(PGS)を社会に認めてもらおうと、不妊治療を経験した女性らが9月、患者会を結成した。

       PGSは、流産を防いだり、子宮に移植できた受精卵あたりの妊娠率を高めたりすることが期待され、米英など40か国以上で認められている。一方、日本では命の選別につながる懸念があるとして、日本産科婦人科学会が会告(指針)で禁じている。

       約400人の患者会は、学会指針に反してPGSを続け、6月に3年間の会員資格停止処分を受けた、大谷レディスクリニック(神戸市)の大谷徹郎てつおさんの元患者たちが多くを占める。

       会結成の記者会見に集まった関係者の中には、熊本県に住む会社員A子さん(40)の姿もあった。4回の流産の後、PGSで染色体に異常のなかった受精卵を子宮に戻して赤ちゃんを授かった。A子さんは「私のように流産に苦しむ女性が減るよう、実施できる医療機関が全国に増えてほしい」と涙ながらに訴えた。

       近年、PGSの解禁を求める声が高まった背景には、新型出生前検査(NIPT)が2013年4月から臨床研究として行われていることも関係している。

       NIPTは、妊婦の血液で胎児に染色体の異常がないか、高い精度で調べる。実施する病院で作る共同研究組織によると、今年3月までに4万4645人が受けており、胎児に染色体の異常があると診断された94%は人工妊娠中絶を選んでいた。

       不妊治療専門のIVF大阪クリニック院長の福田愛作さんは「中絶が女性に与えるダメージは心身共に大きい。中絶の伴うNIPTを認める一方、それが伴わないPGSを認めないのは矛盾する」と指摘する。

       ただ、こうした生殖医療そのものへの批判もある。先天性の神経難病の患者らでつくる「神経筋疾患ネットワーク」代表の見形信子さん(48)は「命の質を選別することは誰にも許されない。NIPTもPGSも障害者の存在を否定するものだ。命の価値に変わりはない」と話す。

       同学会は2月、PGSの臨床研究を始めたと発表した。流産率が下がり、妊娠率を高めるかどうかを検証する。流産を2回以上するなどした100組の夫婦が対象で、来年度の早い時期にも、この研究を踏まえた本研究を始める。

       同学会の倫理委員長で、徳島大教授の苛原いらはら稔さんは「研究結果を基に、倫理的な妥当性も踏まえ、日本でも実施できるようにするかどうかを検討したい」と話している。(加納昭彦)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171211-118-OYTPT50244

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    5. やれるもんはすべてやってみればいい… やっちゃいけないとかいわないで。

      なかにはデキルデキル言って真っ赤なウソをつき続けてるネタも混じりこんでると思うけどね。

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  65. 着床前スクリーニング 臨床研究開始へ
    12月9日 18時51分医療

    体外受精させた受精卵の染色体を調べ、異常がないものを選んで子宮に戻す「着床前スクリーニング」について、日本産科婦人科学会は不妊治療の過程で流産を減らすなどの効果があるか調べる本格的な臨床研究を、早ければ今年度中に始めると発表しました。「着床前スクリーニング」は現在、学会が禁止しているほか、命の選別につながるとして倫理的な問題も指摘されていますが、学会では結果を踏まえて、方針を転換して実施を認めるか慎重に判断したいとしています。

    不妊治療で体外受精させた受精卵の中には、染色体の異常が起き、これが原因となって子宮に着床しなかったり、流産したりすることが知られていて、「着床前スクリーニング」は、受精卵の染色体を解析して異常がないものを選んで子宮に戻す技術です。

    日本産科婦人科学会はこれまで、国内では有効性が確認されていないとして認めてきませんでしたが、海外で効果があるとする報告が示されるなどしたため、国内でも実施できるよう方針の転換を求める声が学会の中からも上がり、ことし2月から、学会が、有効性を確かめる臨床研究を行う準備を始めていました。
    そして学会は9日、定例の会見の中で、「着床前スクリーニング」の本格的な臨床研究を、早ければ今年度中に開始すると発表しました。

    臨床研究では流産が2回以上起きたり、体外受精が複数回成功しなかったりした女性を対象に行い、流産が減って出生率が上がるか調べ、国内での実施を認めるか、協議することにしています。

    「着床前スクリーニング」をめぐっては、染色体の異常でおきるダウン症などの受精卵は子宮に戻されず、生まれないことになるなど、命の選別につながるとして倫理的な問題が指摘されています。

    学会の倫理委員会の苛原稔委員長は「まずは有効性を調べるが、倫理的な課題もあり、実施を認めるかは慎重に協議したい」と話していました。

    着床前スクリーニング 国内では実施認めず

    「着床前スクリーニング」は、不妊治療のために体外受精させた複数の受精卵から細胞の一部を取り出して染色体の数を調べ、異常のない受精卵を選んで子宮に戻す新しい技術です。欧米では不妊治療の一環として行われていますが、日本産科婦人科学会は、流産を減らすなどの効果が十分に示されていないなどとして国内での実施を認めてきませんでした。

    しかし、一部のクリニックで学会の規定を無視して「着床前スクリーニング」を実施していたことが明らかになり社会的な問題にもなりました。

    その一方で「着床前スクリーニング」によって流産が減り、出生率が上がったとする海外の研究成果が報告され始めたことから、学会でも実施を認めるよう方針の転換を求める声が上がり、3年前に効果を検証するための臨床研究を学会が実施することを決めました。そして、臨床研究を実施するための準備の試験をことし2月から行っていて、どれくらいの規模でどのような人を対象に行うか検討を進めています。

    「着床前スクリーニング」をめぐっては、染色体の異常でおきるダウン症などの受精卵は子宮に戻されず、生まれないことになるなど、命の選別につながるとして倫理的な問題があるとして反対する声があるほか、流産などを防ぐための染色体の異常を見つける過程で受精卵の性別がわかってしまうために、男女の産み分けに使われることを懸念する指摘もあります。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252861000.html

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    1. 着床前スクリーニング 臨床研究開始へ
      12月9日 18時51分医療

      体外受精させた受精卵の染色体を調べ、異常がないものを選んで子宮に戻す「着床前スクリーニング」について、日本産科婦人科学会は不妊治療の過程で流産を減らすなどの効果があるか調べる本格的な臨床研究を、早ければ今年度中に始めると発表しました。「着床前スクリーニング」は現在、学会が禁止しているほか、命の選別につながるとして倫理的な問題も指摘されていますが、学会では結果を踏まえて、方針を転換して実施を認めるか慎重に判断したいとしています。

      不妊治療で体外受精させた受精卵の中には、染色体の異常が起き、これが原因となって子宮に着床しなかったり、流産したりすることが知られていて、「着床前スクリーニング」は、受精卵の染色体を解析して異常がないものを選んで子宮に戻す技術です。

      日本産科婦人科学会はこれまで、国内では有効性が確認されていないとして認めてきませんでしたが、海外で効果があるとする報告が示されるなどしたため、国内でも実施できるよう方針の転換を求める声が学会の中からも上がり、ことし2月から、学会が、有効性を確かめる臨床研究を行う準備を始めていました。
      そして学会は9日、定例の会見の中で、「着床前スクリーニング」の本格的な臨床研究を、早ければ今年度中に開始すると発表しました。

      臨床研究では流産が2回以上起きたり、体外受精が複数回成功しなかったりした女性を対象に行い、流産が減って出生率が上がるか調べ、国内での実施を認めるか、協議することにしています。

      「着床前スクリーニング」をめぐっては、染色体の異常でおきるダウン症などの受精卵は子宮に戻されず、生まれないことになるなど、命の選別につながるとして倫理的な問題が指摘されています。

      学会の倫理委員会の苛原稔委員長は「まずは有効性を調べるが、倫理的な課題もあり、実施を認めるかは慎重に協議したい」と話していました。

      着床前スクリーニング 国内では実施認めず

      「着床前スクリーニング」は、不妊治療のために体外受精させた複数の受精卵から細胞の一部を取り出して染色体の数を調べ、異常のない受精卵を選んで子宮に戻す新しい技術です。欧米では不妊治療の一環として行われていますが、日本産科婦人科学会は、流産を減らすなどの効果が十分に示されていないなどとして国内での実施を認めてきませんでした。

      しかし、一部のクリニックで学会の規定を無視して「着床前スクリーニング」を実施していたことが明らかになり社会的な問題にもなりました。

      その一方で「着床前スクリーニング」によって流産が減り、出生率が上がったとする海外の研究成果が報告され始めたことから、学会でも実施を認めるよう方針の転換を求める声が上がり、3年前に効果を検証するための臨床研究を学会が実施することを決めました。そして、臨床研究を実施するための準備の試験をことし2月から行っていて、どれくらいの規模でどのような人を対象に行うか検討を進めています。

      「着床前スクリーニング」をめぐっては、染色体の異常でおきるダウン症などの受精卵は子宮に戻されず、生まれないことになるなど、命の選別につながるとして倫理的な問題があるとして反対する声があるほか、流産などを防ぐための染色体の異常を見つける過程で受精卵の性別がわかってしまうために、男女の産み分けに使われることを懸念する指摘もあります。

      不妊治療中の女性は

      不妊治療を続けている一部の患者からは「着床前スクリーニング」の実施を認めてほしいという声が上がっています。

      不妊治療をしている39歳の女性は4年前に結婚し、子どものいる家庭を思い描いていましたが、なかなか子どもができず、体外受精を行いましたが、これまで2度の流産を経験しました。流産した後、胎児の染色体を検査したところ、染色体の数に異常があり、医師からは「この異常が流産の原因ではないか」と告げられたといいます。

      女性は「2回とか3回流産する人ってそんなに多くはいないのに、なんでまた私なんだろうという気持ちでした」と話していました。

      女性は「着床前スクリーニング」で、正常な受精卵を選んで子宮に移植することで、これまでのような流産を防ぎ子どもをもつことができるのではないかと考えています。

      そして「子どもができたらいいねの1点で結婚してからずっと思い続けているの で、精神的にも着床前スクリーニングは実施してほしいと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252861000.html

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  66. 遺伝子改変した受精卵、胎内に戻すことは認めず
    2017年12月20日18時30分

     遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集を人の受精卵に使う研究について、政府の有識者会議は20日、基礎研究に限って認め、遺伝子改変した受精卵を胎内に戻すことは禁じる内容の報告書をまとめた。

     文部科学省や厚生労働省に、早急に指針を作成するよう求めた。

     今回の報告書は不妊治療など生殖補助医療での基礎研究が対象。研究で用いることができるのは、不妊治療で使われなかった受精卵「余剰胚」のみとしたほか、改変した受精卵を人や動物の胎内に戻すことは、子孫や母体への影響などが不明なため「いかなる目的の研究も認めない」と結論づけた。研究の実施は当面、各研究機関の倫理委員会による審査と国による確認を併せた2段階の手続きを経ることが適当とした。

     遺伝性の病気やがんなどの治療に役立つ研究については、今後、関連学会の意見も聞きながら同会議で検討する。

     報告書は、市民から意見公募した上で、政府の総合科学技術・イノベーション会議で正式決定する。

     受精卵の遺伝子を改変する研究は、親が望む資質を持つ「デザイナーベビー」の誕生につながるとの懸念がある一方、不妊や遺伝病の治療に役立つとの期待もある。中国や米国では研究が行われており、日本でもルール作りなど、研究環境の整備が求められている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171220-118-OYT1T50072

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    1. 受精卵改変 基礎研究に限定…有識者会議 国に指針作成求める
      2017年12月21日5時0分

       遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集を人の受精卵に使う研究について、政府の有識者会議は20日、基礎研究に限って認め、遺伝子改変した受精卵を胎内に戻すことは禁じる内容の報告書をまとめた。文部科学省や厚生労働省に、早急に指針を作成するよう求めた。

       今回の報告書は不妊治療など生殖補助医療での基礎研究が対象。研究で用いることができるのは、不妊治療で使われなかった受精卵「余剰胚」のみとしたほか、改変した受精卵を人や動物の胎内に戻すことは、子孫や母体への影響などが不明なため「いかなる目的の研究も認めない」と結論づけた。研究の実施は当面、各研究機関の倫理委員会による審査と国による確認を併せた2段階の手続きを経ることが適当とした。

       遺伝性の病気やがんなどの治療に役立つ研究については、今後、関連学会の意見も聞きながら同会議で検討する。

       報告書は、市民から意見公募した上で、政府の総合科学技術・イノベーション会議で正式決定する。

       受精卵の遺伝子を改変する研究は、親が望む資質を持つ「デザイナーベビー」の誕生につながるとの懸念がある一方、不妊や遺伝病の治療に役立つとの期待もある。中国や米国では研究が行われており、日本でもルール作りなど、研究環境の整備が求められている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171221-118-OYTPT50151

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  67. 男女産み分けも!?不妊治療 新しい検査
    〜あなたはどう考えますか?〜
    12月22日 21時20分

    「男の子がほしい」「次の赤ちゃんは女の子がいい」
    希望どおりの性別の赤ちゃんを妊娠、出産できる「産み分け」。実はこれ、技術的には「着床前スクリーニング」と呼ばれる新たな検査法を使うとできてしまうのです。国内では男女の産み分けのために使うことを学会が禁止していますが、妊娠率を上げるための不妊治療の一環として新たに導入するか検討する臨床研究が本格的に始まろうとしています。「着床前スクリーニング」とはどのようなものなのか。そしてその先にある問題は何か、取材しました。(科学文化部記者 池端玲佳)

    試験的にはじまった「着床前スクリーニング」

    36歳の女性のAさん。「着床前スクリーニング」を受けています。子どもが大好きで保育士の仕事をしていたAさんは26歳の時に同僚だった夫と結婚しました。Aさんは月経不順のため結婚直後から不妊治療をはじめました。

    「不妊治療をすればきっと子どもは授かるだろう」

    当初はそう思っていました。そして、体外受精を行いました。卵子を成熟させるための注射を打ち、その後、専用の器具を使って卵子を取り出します。その卵子を夫の精子と受精させて子宮に戻します。しかし何度も受精卵を戻しましたが、子宮に着床せず妊娠できませんでした。

    Aさん夫妻は卵子や精子に異常がないか、さまざまな検査も受けましたが、問題は発見されず、不妊の原因はわかりませんでした。Aさんの体外受精は15回にも及んでいました。不妊治療を続ける精神的な負担のほか、費用も500万円以上になり、貯金を取り崩すなど経済的にも大きな負担になっていました。

    そして、ことし、転院した4か所目のクリニックで、医師から「着床前スクリーニング」を受けてみないかと勧められました。受精卵は、染色体に異常があると子宮に着床しにくくなったり、いったん妊娠しても流産したりする確率が高くなることが知られています。このため、医師からは「この最新の検査で受精卵の染色体を調べれば、妊娠する確率が高くなるかもしれない」と言われ、検査を受けることを決めました。

    Aさんは通常の体外受精の手順に従ってクリニックで卵子を採取し、夫の精子で受精卵を8つ作りました。ここからが「着床前スクリーニング」の手順になります。受精卵を数日間培養して細胞分裂を始めた頃にそれぞれの受精卵から一部の細胞を取り出します。

    そして、取り出した細胞を検査機関に送って、染色体に異常が無いか、「次世代シークエンサー」と呼ばれる機器などで調べます。すると、健康なヒトには2本ずつ23セットの染色体がありますが、2本ではなく3本と数が多かったり1本だけであったりする異常が分析できます。結果は医師に知らされ、それを元に妊娠と出産に至る可能性が高い正常な受精卵を選んで子宮に戻すことになります。

    Aさん夫妻は、8つの受精卵から取り出した一部の細胞をすでに検査機関に送っていて、結果が戻ってくるのを待っています。「この検査で子どもができることにつながれば」と話し、希望を持っています。

    これからはじまる本格的な臨床研究

    「着床前スクリーニング」は、日本産科婦人科学会が小規模なパイロット試験として行っていますが、早ければ今年度中にも本格的な臨床研究として、規模を拡大して行うことになっています。体外受精を何度行っても妊娠しなかったり、流産を繰り返したりする夫婦を対象に実施し、流産を減らし、妊娠率が上がるのかを検証します。この臨床研究の結果をもとに「着床前スクリーニング」の実施を国内で解禁するか議論することにしているのです。

    反対意見も 「命の選別」

    「着床前スクリーニング」は、これまで、国内では原則、禁止されてきました。学会の中からも倫理的な問題があるという指摘があるからです。染色体の異常は、「ダウン症」のほか、出生直後に亡くなってしまうことが多い「13トリソミー」や「18トリソミー」などの病気が起きる原因として知られています。

    こうした染色体の異常がある受精卵は流産しやすいため、医師は、体外受精でできた複数の受精卵の中から染色体に異常がない受精卵を選び子宮に戻します。

    このため、ダウン症などになる受精卵は子宮に戻されず、生まれてこないことになります。こうした介入は「命の選別」であり、多くの人に、病気や障害のある子どもは生まれるべきではないという意識を植え付けることにつながってしまうのではないかという懸念があるのです。

    「男女の産み分け」「着床前スクリーニング」の大きな問題

    さらに、「着床前スクリーニング」ではすでに大きな問題が起きています。この検査をすれば「男女産み分け」ができてしまうのです。検査では、性別を決める性染色体の数もわかります。「X染色体」と「Y染色体」が1本ずつあれば男、「X染色体」が2本あれば女。どの受精卵を子宮に戻すか判断する時点で、すでにどれが「男」であり、どれが「女」であるかわかるのです。

    しかし、「男の子がほしい」、「女の子がほしい」というのはいわば親の利己的な願望です。学会は「男女の産み分け」を目的に受精卵の検査を行うことを学会の倫理規定で禁止していますが、法律上の罰則はありません。これまでに一部のクリニックが「着床前スクリーニング」で男女の産み分けを行っていたことが明らかになり、問題視される事例が起きています。

    「産み分け」の仲介業者も登場

    さらに、海外に目を向けると「着床前スクリーニング」を実施している国は多く、アメリカやイギリスの一部のクリニックでは、この方法を使って、親が希望する性別の赤ちゃんを出産することが行われています。

    こうした中で、国内にも仲介業者が複数でてきています。このうちの一つは、東京都内のマンションの一室にありました。チャイムを鳴らすと社長である女性が笑顔で出迎えてくれました。この会社では、依頼者をアメリカに渡航させて提携先のクリニックで体外受精を実施する際、「着床前スクリーニング」を行って、希望どおりの性別の受精卵を子宮に戻す男女の産み分けサービスを提供しています。

    会社によりますと、本格的にサービスを開始した3年前から、年間およそ100組の夫婦を仲介してきたということです。その目的は妊娠率を上げるためですが、検査を受ける夫婦のほとんどは、希望する赤ちゃんの性別を仲介業者を通してクリニックに伝え、検査した受精卵について染色体の異常の有無とともに性別の情報も開示してもらい、その中から子宮に戻す受精卵を夫婦が選んでいるということです。

    急速に進歩する生殖医療のはてに

    「子どもがほしい」

    その願いをかなえようと、急速に進歩してきた生殖医療の技術。かつては「試験管ベイビー」と揶揄(やゆ)された体外受精が国内で始まってから30年余りがたちました。今や日本人の20人に1人は体外受精で生まれ、日本は世界一の生殖医療大国と言われています。

    生殖医療をめぐっては、4年前に「新型出生前検査」という新しい検査が国内で始まりました。おなかの中の胎児にダウン症など3つの病気があるかを妊婦の血液検査で判定するものです。この検査は瞬く間に普及し、すでに実施件数は4万件を超えています。この検査の本来の目的は、事前に赤ちゃんの病気を知ることで、生まれてすぐに適切な治療や支援ができるようにすることです。しかし実際にはおなかの中の赤ちゃんが病気とわかった場合、9割以上の夫婦が人工妊娠中絶を選んでいます。

    その背景には病気や障害のある人たちが現在の社会の中で生きにくい状況が改善されていないため、親がそうした可能性のある子どもを避けたいと考える傾向があるためだと見られています。この「新型出生前検査」は宿った命を産むのか、それとも産まないのかを判断する手段として使われてしまっていて、こうした現実を社会として黙認しているのが実情です。

    そして今回の「着床前スクリーニング」。検査の目的は、流産を減らし、妊娠率を上げることで、子どもがなかなかできない人たちを手助けすることです。しかし世界的には男女の産み分けにも使われはじめています。そして、遺伝子の解析技術がさらに進めば、「身長が高い子がほしい」や「学習能力が高い子がほしい」といった親の欲望に合わせて、受精卵を選ぶことが可能になるかもしれません。

    生殖医療の技術はめまぐるしい進歩を遂げる中で、時として、本来とは違う目的で使われてしまっている面があります。「着床前スクリーニング」をどういう人にどこまで認めるのか。その線引きを、生殖医療に携わる医師や不妊治療を行う当事者だけでなく、私たちが社会全体で向き合って考え、具体的に決めなくてはいけない段階にすでにきています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_1222.html

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  68. 四半世紀前に凍結保存された受精卵で女児出産、米

    【マイアミAFP=時事】米テネシー州で11月、約四半世紀前に凍結保存された受精卵を使い、米国人女性が健康な女の子を出産した。病院関係者によると、出産に成功した受精卵の凍結保存期間としては世界最長記録となるとみられる。(写真は資料写真)

     テネシー州ノックスビルのナショナル・エンブリオ・ドネーション・センター(NEDC)は、この赤ちゃんが11月25日に生まれ、エマ・レン・ギブソンちゃんと名付けられたと明らかにした。

     受精卵は別のカップルのもので、1992年10月14日から凍結保存されていた。NEDCのマーケティング部長を務めるマーク・メリンジャー氏がAFPに語ったところによると、エマちゃんを出産した母親のティナ・ギブソンさんは1991年生まれで、使用された受精卵と母親のティナさんの年齢が1歳しか違わないという見方もできる。

     ティナさんは妊娠するまで受精卵が24年以上前に凍結されたものとは知らされていなかったという。

     NEDCは、米テネシー大学プレストン・メディカル図書館の研究員の話として、今回の事例は出産に成功した受精卵の凍結期間としては最長になるという。

     これまで最長とされてきたのは20年間凍結保存されていた受精卵で、2011年にニューヨークの女性が男の子を出産した。【翻訳編集AFPBBNews】
    〔AFP=時事〕(2017/12/22-11:16)
    https://www.jiji.com/jc/article?k=20171222036587a&g=afp

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    1. 子宮というブラックボックスを介在させた、いわゆる手品のようなもの…

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  69. 受精卵 いったい誰が作るのか
    12月26日 18時13分News Up

    「子どもがほしい」そう願って不妊治療のクリニックの門をくぐった夫婦。医師を信頼し「頑張りましょう」の言葉に励まされて体外受精へのチャレンジを決めたとします。
    では、採取した妻の卵子と、夫の精子。それを受精させて育てるのは誰かご存じでしょうか?ほとんどの場合、医師ではありません。夫婦は大切な命の源を誰に託しているのか。皆さんの目となって、現場を見てきました。(ネットワーク報道部記者 牧本真由美)

    壁の向こう側にいる“胚培養士”

    夫婦の卵子と精子が運ばれるのは「培養室」。ここで受精の作業が行われます。ウイルス対策を施した清潔な空間で、患者は入ることができない“壁の向こう側”の世界です。

    私がその部屋に入った時、受精卵への影響を減らすため明かりも抑え気味でした。実はここにいるのは医師ではありません。

    「胚培養士」と呼ばれる人たち。多くの場合、医師が関わるのは治療方法を決めて採卵するまで。受精卵を作り育てるのは「胚培養士」の腕にかかっているのです。

    作業は精緻を極めます。卵子は0・1ミリ。精子はその半分です。極細のガラス管を使いながらこの小さな小さな細胞を扱います。培養室は、静かで息をのむほどの張り詰めた空気でした。

    技術が左右受精卵の未来

    胚培養士の技術によって受精卵の育ち方に違いが出てくると言われています。卵子のどこに精子を注入させるのか、まずその場所選びが、受精卵が育つかどうかを左右します。

    また卵子をできるだけ傷つけないために、どのガラス管を使うのか、精子を卵子にどのくらいの角度やスピードで注入するかも重要です。

    そして機械で微細な振動を与えながら行う「ピエゾ」と呼ばれる顕微授精は刺激が少ないため、卵子が老化し膜が弱くなっていても有効です。しかしこれができる培養士はごくわずかと言われています。
    卵子と精子の行く末を握っている胚培養士、その技術に大きな差があるのです。

    患者は胚培養士を選べない

    胚培養士は農学部系の大学で動物の卵子や精子を扱っていた学生が、医療機関に就職してから訓練を受けてなるケースが多くなっています。「日本卵子学会」と「日本臨床エンブリオ学会」、2つの学会による認定試験がありますが、国家資格ではありません。

    取材で聞いた胚培養士の言葉があります。
    「人事交流でクリニックに来た胚培養士の技術がひどいため、卵子を触らせなかった」「やりながら学ぶしかないので、初めのころは失敗があった」

    患者は医師を選ぶことはできても、胚培養士を選ぶことはできません。胚培養士にとってはみずからが成長する過程での失敗だったとしても、夫婦にとっては、かけがえのない子どもになるかもしれない受精卵です。

    「受精卵を紛失した」「培養液を入れ忘れ受精卵が死んでしまった」
    そんなミスも聞いたことがあり、それを患者側に知らされていないケースも聞きました。壁の向こう側が、当事者から見えないことがまだ多いのです。

    なんちゃって胚培養士にならないで

    「クリニックによって胚培養士の技術や育て方に大きな差がある」。ベテランの胚培養士もその危機感を訴えています。

    学会などで技術指導を行っている神奈川県の山下湘南夢クリニックの中田久美子さん。胚培養士を目指す学生がいる桐蔭横浜大学での講演を聞きにいくと「技術を磨くための努力を怠る“なんちゃって胚培養士”になってはいけない」と語気を強めていました。そしてなぜ技術を磨くのか、その根本を説いていました。

    「1つ1つの受精卵の背景には、不妊に悩む夫婦がいる。そして私たちはその願いを託されている。夫婦から見えない作業だからこそ、その信頼を裏切ってはいけない。そのために技術は磨き続けなければならない」
    そして、卵子や精子を扱うプロとして責任を持たなければいけないと強調しました。

    「医師に対しても、“この方法が適してる”と提案していけるようになってほしい。そこまでやることが胚培養士としての役割です」

    倫理感がミスを防ぐ

    レベルの高い胚培養士を育てたり現場で働いている人のレベルアップを図ろうという動きもあります。

    岡山大学では、4年前、「生殖補助医療技術教育研究センター」を立ち上げました。学生や現役の胚培養士を対象に、ウサギの卵子を使った技術訓練などを行っています。

    それに加えて力を入れているのは、生命倫理のプログラム。技術の先に、子どもを授かれずに悩み、先が見えない不妊治療に願いを託している夫婦の存在を意識してもらおうというのです。

    講師を務める医師の中塚幹也さんの言葉が心に刺さりました。
    「知識と技術を磨くことはもちろんだがそれだけではだめ。倫理感があることで誰かがミスをしたり、もし不正をしようとしたりしたときに他の誰かが止められるし改善も促せる。結果として不妊治療全体の質を高めることができる」

    壁の向こうがわからない

    この記事を書くきっかけは、医療関係者との話の中で「受精卵が育たなくても、患者のせいにできてしまう」という言葉を聞いたからです。

    確かにそうなのです。培養室の中で起きていることを患者は知ることができません。どんな胚培養士がいて、どんな経験を積んでいて実績はどうなのか。そうした情報が患者の手が届く形になっていないことが多いのです。胚培養士の訓練には全国共通のマニュアルはありませんし、技術力や倫理感をどう養うかは医療機関に委ねられています。

    独自に試験を設け、技術が育つまでは現場に出さないなど厳しい指導をしている医療機関もあります。思いやりにあふれ、胚培養士も医師も一丸となって働く施設もたくさんありました。
    その一方で、ただ個人の自助努力に任されているだけで学ぶ機会が無い施設も少なくないのです。

    未来の生殖医療に向けて

    いま不妊に悩んでいる夫婦は5・5組に1組と報告されています。培養室の壁の向こう側を患者が知ることができるシステムと、胚培養士の技術と倫理感を担保する仕組み作りが不可欠です。

    患者の夫婦は医療機関に「卵子」と「精子」を預けていますが、気持ちの中では「命」を預けています。これからの生殖医療がそうした患者の思いに応える医療であってほしい、壁の向こう側を見た1人としてそう思っています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171226/k10011271571000.html

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  70. 不妊治療 事実婚の助成見送り
    1/18(木) 7:27 掲載
    https://news.yahoo.co.jp/pickup/6268809

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    1. <不妊治療>事実婚の助成見送り「父子関係の検討必要」
      1/18(木) 6:30配信 毎日新聞

       体外受精など不妊治療費用の助成制度を巡り、厚生労働省が、来年度から実施を検討していた事実婚カップルへの対象拡大の見送りを決めた。子どもを持ちたい人たちを幅広く支援するために検討を進めてきたが、「父親が確定できない恐れがある」などとの指摘に配慮した。

       事実婚カップルに対する不妊治療の公的助成は一部自治体が独自に実施しているが、国は認めていない。一方、公的年金では事実婚のパートナーにも遺族年金を支給。健康保険でも被扶養者になれるなど法律婚と同様に扱われている。

       他制度とのバランスを考慮し、同省は事実婚カップルへの不妊治療助成でも対象とする検討に入った。昨年4月の通常国会では当時の塩崎恭久厚労相が「多様化している家族の在り方を受け止めなければならない」と答弁。同年7月に厚労省が開いた会合でも産婦人科医や当事者支援団体のメンバーらの拡大を求める意見が相次いだ。これを受け、厚労省は助成金支給の要件見直しに着手した。

       しかし、事実婚で子どもの父親を確定するには男性の認知の手続きが必要。「誰が父親かあいまいになりかねない」との懸念が根強いことを踏まえ、同省は「生まれる子と父親との関係や子どもの権利などさらに検討が必要」と判断した。

       昨年、参院厚労委員会でこの問題を質問した社民党の福島瑞穂参院議員は「事実婚でも不妊治療を受けられているのに、助成の対象外にするのはおかしい」と指摘する。

       不妊治療に関する国の助成制度は2004年に始まった。健康保険が適用されない体外受精と顕微授精について、初回治療で最大30万円、2回目以降は同15万円が支給される。男性の手術にも同15万円の助成がある。15年度は16万368件あった。【藤沢美由紀】
      https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180118-00000004-mai-soci

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    2. 事実婚への助成、18年度見送り
      不妊治療、父子関係に課題
      2018/1/18 16:56
      ©一般社団法人共同通信社

       厚生労働省は18日、体外受精などの不妊治療にかかる費用への助成制度で、2018年度からの実施を検討していた事実婚カップルへの対象拡大を見送ることを決めた。

       事実婚の場合、父親を確定するためには男性の認知手続きが必要で、生まれてくる子どもの権利に影響することから、慎重な対応が必要と判断した。厚労省は早期拡大を目指し、課題解決に向けた検討を続ける。

       事実婚カップルは社会保障給付では、パートナーの死後に遺族年金が支給され、健康保険の扶養家族になれるなど、法律婚と同様に扱われている。一方、不妊治療は一部自治体による助成はあるが、国の仕組みはない。
      https://this.kiji.is/326631391723308129

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    3. そもそも、「不妊治療」ってどれだけ有効な「治療」技術なのかなあ… なんか怪しげなんだよね。ぶっちゃけ「詐欺」まがい療法なのではないかと…

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    4. 「不妊」は「漢方」で治せるんだぜ(笑)。

      「不妊症 漢方薬」
      https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E7%97%87+%E6%BC%A2%E6%96%B9%E8%96%AC

      玉石混交…

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  71. 子をもうけることは、個人的な営みなのか、社会的な制度の営みなのか…

    個の自由と社会的制約のせめぎあい。

    「家族」制度に怨念を抱くものの「反社会」的動機を感じなくもないが…

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  72. 丸岡いずみさんが代理出産で母に
    ロシアの病院で男児
    2018/1/23 11:18
    ©一般社団法人共同通信社

     フリーキャスターの丸岡いずみさん(46)と映画コメンテーターの有村昆さん(41)夫妻に、代理出産によって男児が誕生していたことが23日、分かった。2人がそれぞれのブログや女性誌で発表した。女性誌によると、男児は3日にロシアの病院で生まれた。

     日本テレビでキャスターを務めた丸岡さんは2012年、有村さんと結婚し、不妊治療を開始。丸岡さんは「代理母出産に関してはさまざまなご意見があると思いますが、今後も子供の成長を温かく見守っていただければ幸いです」とブログでコメントした。
    https://this.kiji.is/328358396297331809

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    1. 元日テレキャスターの丸岡さん、代理出産で母に
      2018年1月23日20時45分

       元日本テレビキャスターの丸岡いずみさん(46)が23日、ロシアの代理母によって第1子となる長男が生まれた、と同日発売の雑誌「婦人公論」や自らのブログで明らかにした。

       同誌などによると、丸岡さんは2012年、映画コメンテーターの有村昆さん(41)と結婚。不妊治療や2度の流産を経験し、代理出産を決意したという。凍結してあった受精卵を代理母の子宮に移植し、現地の今月3日に3400グラムの男の子が生まれた。

       丸岡さんは同誌上で「生まれてきてくれたわが子をどんなことがあっても守りたい」と喜びを語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180123-118-OYT1T50072

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    2. >凍結してあった受精卵を代理母の子宮に移植

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    3. 子供一人を得るためにいったいぜんたいナンボかかったんだろう…

      若いうちだったらそれこそタダ同然でナンボでもポコポコ産めたはずなのにな。

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  73. 首都圏 NEWS WEB
    順天堂浦安病院 卵子凍結開始へ
    02月02日 18時39分

    千葉県にある順天堂大学浦安病院は、女性が希望した場合、病気がない健康な女性でも将来の妊娠と出産のために卵子を凍結保存する事業を実施する方針を決めました。
    専門の医師でつくる学会では、健康な女性の卵子凍結は「基本的に推奨しない」としていますが、病院では「社会的なニーズがあるため大学病院としても責任を果たしたい」としています。

    卵子凍結は、主に未婚の女性が将来の妊娠と出産に備えて卵子を事前に取り出して凍結保存するもので、日本産科婦人科学会はがん患者が治療によって卵巣にダメージがでるおそれがある場合には推奨していますが、健康な女性が行うことは、学会の委員会が妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましいとして「基本的に推奨しない」としています。
    千葉県浦安市は今年度までの3年間、市内に住む女性が卵子の凍結保存を希望した場合、原則として理由にかかわらず卵子凍結を支援する事業を行い、順天堂大学浦安病院は実施病院として協力してきました。
    そして、病院がこの事業を利用した29人のデータを分析した結果、健康な女性が仕事の都合などで凍結したケースが14件、生殖機能が低下するおそれがある病気の患者が9件、交際相手が海外出張しているなど女性のパートナーの事情が6件だったということです。
    順天堂大学浦安病院は、学会が推奨していない健康な女性の卵子の凍結などは規模の小さな一部のクリニックで行われていて、卵子の保管態勢などが充実している大学病院も責任を果たしていくべきだとして浦安市の事業が終わる新年度以降、あらゆるケースの卵子凍結に対応する事業を実施する方針を決めました。
    学会によりますと、大学病院が単独でこうした事業を行うのは初めてだということです。
    順天堂大学医学部附属浦安病院の菊地盤医師は、「さまざまなニーズがあることがわかり、大学病院として長期的な管理システムを構築し幅広いニーズに応えていきたい」と話しています。

    健康な女性が、将来の妊娠出産に備えて若い時に卵子を凍結保存することについて、日本産科婦人科学会は「基本的に推奨しない」としています。
    学会では、がん患者が抗がん剤や放射線治療で卵巣にダメージを受けるおそれがある場合には、治療前に卵子を採取して凍結保存することを推奨していますが、健康な女性が将来の妊娠と出産のために卵子を凍結保存することについては、卵子の採取の際に、卵巣の出血や感染症を引き起こすリスクがあるなどとして、学会の委員会が「妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましい。その代替方法として用いるべき技術ではなく基本的に推奨しない」としています。
    http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180202/0007493.html

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    1. 「卵子凍結」と女性の生き方
      2月13日 20時45分

      女性が将来の妊娠と出産に備えて、卵子を事前に採取し保存する卵子凍結。「卵子の老化」が広く知られるようになり、仕事とプライベートを両立させたい独身女性たちの間でも関心が高まっています。
      千葉県にある順天堂大学浦安病院は、女性が希望した場合、原則として、理由にかかわらず卵子の凍結保存に応じる事業を来年度から単独で実施する方針を決めました。この決定の背景にはどのようなことがあるのでしょうか。(科学文化部記者 池端玲佳)

      終わる卵子凍結事業

      順天堂大学浦安病院は、千葉県浦安市と3年間の共同事業に取り組んできました。この事業は、浦安市に住む女性が希望した場合、原則として理由にかかわらず、順天堂大学浦安病院で卵子を凍結し、浦安市は助成金を出して支援するというものです。

      女性の卵子は、年齢とともに質が低下し、妊娠の可能性が低くなることが知られています。

      いわゆる「卵子の老化」です。晩婚化が進む中、子どもを産む時期まで若い時の卵子を保存したいというニーズがあるとして、浦安市が少子化対策の一環として始めました。

      一方、日本産科婦人科学会の委員会は、妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましく、健康な女性が卵子凍結することは「基本的に推奨しない」としていて、これまで、大学病院や自治体は特別な理由がある場合を除き、積極的に取り組むことはありませんでした。

      そのため、大学病院と自治体が協力して行うこの事業は、珍しい取り組みとして当初から話題になってきました。その事業も、これまでに29人の女性が利用し、来月の今年度末で終わることになりました。

      「パートナーの都合」で卵子凍結も

      順天堂大学浦安病院はこの事業を利用した女性のデータを分析しました。すると、これまで考えられていた以上に、さまざまな理由があることが見えてきました。

      卵子凍結をした29人の女性の中で、「健康な女性」が行ったケースは20件ありました。このうち、「女性の仕事の都合など」は14件。全体のおよそ半分で、順天堂大学浦安病院の医師は「仕事のキャリアを優先して妊娠・出産を遅らせるために行うケースがもっと多いのではないかと思っていたので、予想以上に少ない」と感じたということです。

      残り6件はどのような理由だったのか。それは、女性のパートナーの都合でした。女性自身は現時点での妊娠や出産を希望しているのですが、交際相手が海外出張している、夫が病気で長期の入院をしているなどの事情でした。

      医師たちにとっては、女性のパートナーの都合による凍結があるとは思ってもみない驚きだったということです。

      病気を理由にした凍結も

      さらに、新たなニーズがあることもわかってきました。病気の女性が、生殖機能の低下のおそれがあるとして卵子凍結したケースが9件あったということです。

      この事業を利用して卵子の凍結保存を行った33歳の女性です。女性は24歳の時に「ターナー症候群」という病気であることを知らされました。この病気は一般の女性よりも早く月経が終わり、子どもができなくなるおそれがあります。

      「卵子凍結」と女性の生き方
      2月13日 20時45分

      女性が将来の妊娠と出産に備えて、卵子を事前に採取し保存する卵子凍結。「卵子の老化」が広く知られるようになり、仕事とプライベートを両立させたい独身女性たちの間でも関心が高まっています。
      千葉県にある順天堂大学浦安病院は、女性が希望した場合、原則として、理由にかかわらず卵子の凍結保存に応じる事業を来年度から単独で実施する方針を決めました。この決定の背景にはどのようなことがあるのでしょうか。(科学文化部記者 池端玲佳)
      終わる卵子凍結事業
      順天堂大学浦安病院は、千葉県浦安市と3年間の共同事業に取り組んできました。この事業は、浦安市に住む女性が希望した場合、原則として理由にかかわらず、順天堂大学浦安病院で卵子を凍結し、浦安市は助成金を出して支援するというものです。

      女性の卵子は、年齢とともに質が低下し、妊娠の可能性が低くなることが知られています。

      いわゆる「卵子の老化」です。晩婚化が進む中、子どもを産む時期まで若い時の卵子を保存したいというニーズがあるとして、浦安市が少子化対策の一環として始めました。

      一方、日本産科婦人科学会の委員会は、妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましく、健康な女性が卵子凍結することは「基本的に推奨しない」としていて、これまで、大学病院や自治体は特別な理由がある場合を除き、積極的に取り組むことはありませんでした。

      そのため、大学病院と自治体が協力して行うこの事業は、珍しい取り組みとして当初から話題になってきました。その事業も、これまでに29人の女性が利用し、来月の今年度末で終わることになりました。

      「パートナーの都合」で卵子凍結も
      順天堂大学浦安病院はこの事業を利用した女性のデータを分析しました。すると、これまで考えられていた以上に、さまざまな理由があることが見えてきました。

      卵子凍結をした29人の女性の中で、「健康な女性」が行ったケースは20件ありました。このうち、「女性の仕事の都合など」は14件。全体のおよそ半分で、順天堂大学浦安病院の医師は「仕事のキャリアを優先して妊娠・出産を遅らせるために行うケースがもっと多いのではないかと思っていたので、予想以上に少ない」と感じたということです。

      残り6件はどのような理由だったのか。それは、女性のパートナーの都合でした。女性自身は現時点での妊娠や出産を希望しているのですが、交際相手が海外出張している、夫が病気で長期の入院をしているなどの事情でした。

      医師たちにとっては、女性のパートナーの都合による凍結があるとは思ってもみない驚きだったということです。

      病気を理由にした凍結も
      さらに、新たなニーズがあることもわかってきました。病気の女性が、生殖機能の低下のおそれがあるとして卵子凍結したケースが9件あったということです。

      この事業を利用して卵子の凍結保存を行った33歳の女性です。女性は24歳の時に「ターナー症候群」という病気であることを知らされました。この病気は一般の女性よりも早く月経が終わり、子どもができなくなるおそれがあります。

      女性は「いつ閉経して子どもが産めなくなってしまうのか、自分にも医師にもわからず、常に不安を抱えていました。今はパートナーがいませんが、今後、結婚したときのために卵子を保存しておくことで、子どもをつくれる可能性を残しておきたい」と考えていました。

      しかし、希望を受けて凍結保存を実施してくれる医療機関は決して多くありません。日本産科婦人科学会は、がん患者が抗がん剤などで卵巣にダメージを受けるおそれがある場合に限って、治療前に卵子を採取して凍結保存することを推奨しています。

      がん以外の、卵巣の機能が低下するおそれがある病気の患者が卵子を凍結保存することについては、「患者によって、凍結の必要性が異なる」として学会の見解は示しておらず、こうした患者に対応している病院は少ないのです。

      女性は、浦安市に住むようになってこの事業のことを知り、応募する決意をしました。そして、去年、市の補助を受けて卵子凍結を行いました。

      排卵誘発剤を投与して卵子を2つ採取。

      病院の液体窒素の中で凍らせて保存されています。

      女性はパートナーが見つかったら、閉経していたとしてもこの卵子を使って妊娠と出産をしたいと考えていて、「私のように病気のリスクに備えて保存する人もいるので、卵子の凍結保存を行ってくれる施設が増えてほしい」と訴えていました。

      単独で事業を行う大学病院

      さまざまなニーズがあることを改めて認識した順天堂大学浦安病院は、新年度以降も、単独で、この卵子凍結事業を行う方針を決めました。
      浦安市の補助はなくなるため全額自費で受けることになります。1回で70万円程度はかかるとみられています。それでもニーズはあるはずだといいます。

      というのも、学会が推奨していないケースは、大学病院や公的な病院は基本的に行わないため、小さな一部のクリニックでしか行われていないからです。 長期間にわたる卵子の保管などを考えて大学病院に卵子を預けたいという要望があると見ています。

      順天堂大学医学部附属浦安病院の菊地盤医師は、「卵子凍結のさまざまなニーズがあることがわかった。大学病院として長期的な管理システムを構築し、幅広いニーズに応えていきたい」と話しています。

      卵子凍結では、卵子の採取の際に、卵巣の出血や感染症を引き起こすリスクがあります。
      また、日本産科婦人科学会は「妊娠や出産は適切な年齢で行われることが望ましく、その代替方法として卵子凍結を用いるべきではない」ともしています。
      さらに、若い時に凍結した卵子を体外受精しても、必ずしも妊娠・出産できるわけではありません。

      適齢期に自然妊娠し、出産するほうが体への負担が少ないとわかりながら、仕事のキャリア形成やパートナーの事情、それに持病のリスクなど、さまざまな事情で卵子を凍結する女性たち。卵子凍結は簡単に選ぶべき選択肢ではありませんが、現代の女性の前向きな生き方を後押しするものであってほしいと感じました。

      https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0213.html

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  74. 卵子という、まがりなりにも卵細胞という細胞の一種を、生きたまま「凍結保存」なんて、本当にできるんじゃろかのお…

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  75. 体外受精 子宮内膜を検査…着床に最適な時期計る
    2018年2月14日15時0分

     今では国内で年間42万件行われる体外受精。近畿地方の女性Aさん(38)は受精卵を子宮に繰り返し移植したが、うまく着床しなかった。そこで2016年に着床に最適な時期を調べる検査を受けたところ、一般的な移植時期の「黄体ホルモン投与から5日目」より、1日遅いほうが可能性が高まるとの結果が出た。(竹井陽平)

      受精卵いつ戻す

     自然妊娠で受精卵は細胞分裂を行いながら、5日程度かけて卵管内を移動し、子宮内膜に着床する。体外受精は、ホルモン剤投与などでこれをまねる。

     まず卵胞ホルモンを子宮内膜が6ミリ以上の厚さになるまで投与する。次に内膜の最終調整を行う黄体ホルモンを5日間投与し、同じ日数をかけて培養した受精卵を子宮に移す。

     着床のタイミングは黄体ホルモン投与開始から5日目の女性が多いが、ずれてうまく着床しない人が少数いることが知られていた。

     この着床のタイミングを遺伝子の働きから計ろうと、スペインの検査機器メーカー「アイジェノミクス」は、「子宮内膜着床能(ERA)検査」を開発した。

     現在、この検査は、世界中で月間1000件以上行われている。日米の生殖医学会でも研究発表が相次いだ。国内ではすでに約50の不妊治療クリニックで検査を受け付けており、価格は15万円前後という。

      遺伝子を解析

     検査は、黄体ホルモンを投与して5日目の女性の子宮内膜のごく一部をクリニックが採取し、アイ社に送付。アイ社は、高速で遺伝子を読み取る次世代シーケンサーにかける。

     調べる遺伝子は236種類。粘液の分泌や炎症反応などの役割を持つ個々の遺伝子の働き具合を解析する。それによって、着床のタイミングが5日目でぴったりなのか、前後にずれているのかがわかるという。結果は約2週間で出る。

     アイ社による3万件の検査結果の集計によると、タイミングが「5日目でぴったり」は71%、5日目では「まだ早い」が25%、「もう遅い」が4%だった。

     また、アイ社によると、体外受精の手法の一つである凍結胚移植にERA検査での調整を加えると、着床率と継続妊娠率はそれぞれ6・4ポイント、10・5ポイント高まるという。

     ERA検査を受ける前、Aさんは子宮に受精卵を11回移植。1回は流産し、10回は着床・妊娠しなかった。検査で最適とされた6日目で移植し、妊娠に成功。昨年夏に女児が生まれた。「もっと早くやっていれば良かった。でも、娘が生まれて本当に幸せ」と話す。

     Aさんの体外受精に携わった医療法人「オーク会」(大阪市)の医師、田口早桐さぎりさんは「着床失敗は、受精卵に問題があるのか、子宮内膜なのか、両方なのかわからないことが多い。ただ、検査で着床に最適な時期がずれていることがわかれば、それを補正することで少しでも赤ちゃんが生まれる確率を高めることができる」と話す。

     兵庫医科大学教授(産科婦人科学)の柴原浩章さんは「受精卵に比べると子宮内膜の検査は倫理面の課題も少なく、今後も広がっていくと思う。何度も着床不全を繰り返す女性にとっては一つの有効な選択肢ではないか」と指摘する。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180214-118-OYTPT50190

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    1. 本来ならば、繁殖力あるなしで片付けてしまう問題なのだが…

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  76. 日本人男性に代理出産の子ども引き渡す判断
    2018/2/20 12:32
    ©一般社団法人共同通信社

     【バンコク共同】タイで日本人男性が代理出産で多数の子どもをもうけた問題で、バンコクの裁判所は20日、タイ政府保護下の子どもを引き渡すよう求めた男性の訴えを認めた。男性側弁護士が明らかにした。
    https://this.kiji.is/338523906073756769

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    1. 代理出産の子引き渡し容認、タイ
      保護下の13人、邦人男性に
      2018/2/20 12:59
      ©一般社団法人共同通信社

       【バンコク共同】タイで2014年、日本人男性が代理出産で多数の子どもをもうけていたことが明らかになった問題で、バンコクの裁判所は20日、タイ政府の保護下にある子ども13人を引き渡すよう求めた男性の訴えを認めた。男性側弁護士が明らかにした。

       代理出産ビジネスが盛んだったタイで14年、男性が産ませた乳幼児13人が保護された。男性は刑事責任を追及されておらず、今回の民事裁判の勝訴で子どもの親権を実質的に手に入れた。だが代理出産で多数の子どもをもうけるという例を見ない行為に対する倫理面の問題は残ったままだ。
      https://this.kiji.is/338530651261207649

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  77. ヒト受精卵“操作”不妊研究目的に限り容認
    2018年3月9日 20:06 日テレNEWS24

    遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術でヒトの受精卵を操作する研究について、国の専門家会議は、不妊治療に生かす目的に限って「基礎研究の指針を作るべき」との報告書をとりまとめた。

    国の生命倫理専門調査会がまとめた報告書では、研究に使う受精卵は、不妊治療の際に余った余剰胚に限るとし、ゲノム編集した受精卵をヒトや動物の子宮に移植したり、医療に応用することは、現時点では容認できないとしている。

    その上で、まずは不妊のメカニズムの解明に向けた基礎研究の指針を作り、その後、がんなどの難病や遺伝病治療を目的とする研究についても速やかに検討するとしている。

    報告書は、今月中にも安倍首相が座長を務める総合科学技術・イノベーション会議に報告され、文科省と厚労省が指針の策定を始める予定。
    http://www.news24.jp/articles/2018/03/09/07387670.html

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    1. 遺伝子操作するゲノム編集 生殖補助医療研究に限定の報告書案
      3月9日 13時15分

      国の生命倫理の専門家会議は、ゲノム編集という遺伝子を操作する最新の技術を使用する際のルールについて審議を行い、操作したヒトの受精卵は子宮に戻すことを認めないほか、基礎研究についても現時点では生殖補助医療に役立つ研究に限るとする報告書案をまとめました。

      「ゲノム編集」は細胞の中にある遺伝子を自在に書き換えることができる最新の技術で、受精卵に応用してヒトを変化させることができるため、一定のルールが必要だとして世界的な議論を呼んでいます。

      こうした中、国の生命倫理専門調査会は9日、ゲノム編集をヒトに応用する際のルールについて審議し、報告書の案をまとめました。

      それによりますと、ゲノム編集で遺伝子を操作したヒトの受精卵を子宮に戻す臨床応用は現時点では安全性や倫理面で課題が多いとして、認めないとしています。
      そして、ヒトの受精卵の遺伝子を操作する基礎的な研究については、生殖補助医療に役立つ研究に限って認め、難病やがんなどの病気を治すことを目的とした研究を認めるかについては、今後、検討するとしています。
      また、こうした内容を盛り込んだ国の指針を速やかに作り、研究が適正に行われているか審査する体制も必要だとしています。

      生命倫理専門調査会の原山優子会長は「ゲノム編集は、医学を大きく進歩させる可能性をもった技術だが、一方で倫理的な危うさもある。適切な利用が徹底されるよう体制を構築していきたい」と話しています。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180309/k10011357791000.html

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  78. [解説スペシャル]体外受精40年 世界初のルイーズさん 私は普通の子と同じ
    2018年5月22日5時0分

    今は2児の母 自信持って生きて

     世界で初の体外受精児として、1978年7月25日に英国で生まれたルイーズ・ブラウンさん(39)。「試験管ベビー誕生」のニュースは当時、世界中に大きな衝撃を与えた。体外受精技術確立40周年を前に来日。技術の進歩や、それによって生まれる子どもたちへの思いを聞いた。

     ――幼い時にも1度来日しています。

     「生後8か月足らずでした。空港にメディアが殺到して両親は大変だったそうです。今回は京都で着物の女性をたくさん見て楽しみました」

     ――体外受精で生まれたことをいつ知りましたか。

     「小学校入学前に両親が説明してくれました。学校で『試験管ベビー』などと言われて、私が混乱しないようにとの配慮からです。まだほとんど理解できませんでしたが、学校で妊娠と出産の仕組みを学んだり、気になることは両親に質問したりして、10年くらいかけ少しずつ理解しました」

     ――その事実をどう受け止めましたか。

     「両親は特別なことをしようと思ったわけではなく、子どもが欲しかっただけ。体外受精は決して異常なものではなく、生まれた子どもはこの通り、ごく普通。そのことを多くの人に知ってもらうには私が話すしかありません。体外受精技術を開発したパトリック・ステプトー博士とロバート・エドワーズ博士、そして両親もすでに亡くなり、最近は自ら積極的にメディアに出るようにしています」

     ――現在の暮らしは。

     「英国西部の都市ブリストルに住んでいます。私は物流会社の事務員、夫ウェズリーは警備員の共働き。長男キャメロンは11歳、次男エイデンは4歳です」

     ――お子さんを自然妊娠で産んだことも大きなニュースになりましたね。

     「『体外受精で生まれると不妊になりやすい』。そんな疑念を払拭ふっしょくしたい気持ちもありました」

     ――2010年にエドワーズ博士がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

     「とてもうれしかった。もっと早くても良かったと思います。エドワーズ博士は85歳で体は悪くなっていたし、ステプトー博士はもう亡くなっていましたから」

     ――体外受精技術の急速な進歩をどう思いますか。

     「40年前は体外受精の手法は一つしかありませんでしたが、今は多様な技術が生まれ、多くの人に利用されています。今回、日本の不妊治療クリニックを見学しましたが、コンピューター制御でより早く、体の負担が少ない治療が実現しており、素晴らしいことです」

     ――日本では40歳代になって不妊治療を受ける女性が多くなっています。

     「英国でも米国でも同じです。キャリアを求める女性たちは子どもを持つタイミングが遅れがち。個人的な経験ですが、加齢で体力も落ちるので次男の出産は本当に疲れました。両親はともに64歳で亡くなりましたが、もう少し早く出産していれば孫との時間も増えたはずです。もちろん、不妊治療に取り組む女性たちには、プラス思考で頑張ればきっと新しい家族ができると思うので、応援のメッセージを贈りたいです」

     ――生まれた子どもたちに言いたいことは。

     「自然に生まれた子と何も変わらない。恥ずかしがらず顔を上げて自信を持って生きていってほしい」

     ――今年の7月25日はどんな予定ですか。

     「私の誕生日というだけでなく、体外受精40年という世界的な記念日で、ロンドンで記念式典があります。その前後は取材が増え、甘えたい盛りの次男にさみしい思いをさせそうです」

    日本でも48万人 親子関係など新たな課題も

     ルイーズさん誕生のニュースは当初、不妊に悩む女性たちに歓迎された一方、「安全性が確立していない」「自然の摂理に背く」と猛烈な批判もあった。

     しかし、それから約40年。世界では700万人以上、日本でも2015年は5万1001人(日本産科婦人科学会調べ)、同年末までに累計48万人以上の子どもが体外受精で生まれた。その健康状態や生殖能力など長期の追跡調査も行われており、現時点で大きな問題は報告されていない。

     ルイーズさんを誕生させた体外受精技術は、母親の卵巣から採取した卵子と父親の精子をガラス容器内で混ぜ合わせて受精卵を作り、子宮に戻すというもの。卵管の詰まりが原因の不妊に使われた。

     しかし、不妊の原因が精子の場合もある。体外受精の実現はさらに、一つの良い精子を選び、針で卵子の中に送り込む顕微授精の開発にもつながった。また体外で作った受精卵を凍結し、利用時に解凍する技術も生まれ、妊娠時期をコントロールできるようになった。

     一方で、他の女性の卵子で妊娠・出産する「卵子提供」や、自分たちの受精卵を使って他の女性に妊娠・出産を依頼する「代理出産」も可能になり、親子関係の複雑化や子どもの出自を知る権利の保障など、新たな問題も生じている。

     体外受精の国際データを収集・分析する生殖補助医療監視国際委員会(ICMART)のメンバーで埼玉医科大の石原理おさむ教授(産婦人科)は「40年前にあった体外受精技術への恐怖や不信感は、ルイーズさんが声を上げ続けることでほぼなくなった。ただ、子どもを持てない夫婦には養子縁組という選択肢もあるが、こうした技術の進歩が、特に日本では、血縁のある親子関係へのこだわりを強めてしまった面もある。より多様な家族のあり方を考えてもよいのではないか」と話す。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180521-118-OYTPT50385

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