2018年8月16日

読売社説「iPS細胞は、再生医療の切り札と言える技術だ」

( 【iPS細胞10年】「早く治してあげたい」「これからが本当の正念場だ」 の続き)

パーキンソン病 iPS治療は期待に応えるか
2018年8月1日 読売新聞「社説」

国内で約16万人とされるパーキンソン病患者の期待がかかる。京都大には、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)による新治療法の効果を確実に見極めてもらいたい。

様々な細胞に変化する能力を有するiPS細胞から脳の神経細胞を作り、パーキンソン病の患者の脳に移植するという。

京大の臨床試験(治験)計画を政府機関が承認したのを受けて、京大病院が患者選定に乗り出す。年内にも1例目を実施する。

最終的には、計7人の患者を治療し、その結果を基に、最短で2022年に保険適用の申請を目指す。治療法として確立されれば、パーキンソン病患者の選択肢は大きく広がるだろう。

パーキンソン病は、脳内の情報伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減少して発症する。徐々に身体が動かなくなる難病だ。

ドーパミンを補充する薬剤や、脳に電極を埋め込んで体を動きやすくする手術が、既に保険適用となっているが、根本的な治療法はない。日常生活が困難になり、介護が必要になるケースも多い。

新たな治療法が世界的に渇望されている。計画が結実すれば、日本で生まれたiPS細胞の有用性を内外に示すことになろう。

細胞を用いる治療として、欧米では1980年代以降、中絶した胎児の脳細胞の移植が試みられてきた。この段階の細胞には成長力があり、定着しやすいためだ。実際に、成果も報告された。

一方で、胎児を治療に利用することには倫理上の観点から異論が多く、一般的になっていない。

iPS細胞を使えば、症状改善に適した細胞の作製が容易になる。倫理的な問題が起きる心配も少ない。薬剤が効きにくい患者の治療にも有効だろう。

どのような状態の患者に対して、顕著に効果を発揮するのか。効果を見込めないケースはあるのか。治験を通して、慎重に評価することが求められる。

安全性の確保は大切だ。質の悪いiPS細胞が混じり込むと、がん化などの恐れがある。

京大は、放射線診断などで継続的に脳内の状態をチェックし、問題が生じれば、外科手術などで切除することも想定している。

iPS細胞は、心臓治療などでも臨床応用への取り組みが進む。今回、万が一のトラブルに適切に対処できなければ、他の研究も停滞しかねない。日本にとって、再生医療の切り札と言える技術だ。細心の注意を払いたい。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180731-OYT1T50192.html
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180731-118-OYT1T50192



(書きかけ)




(№345 2018年8月3日)

8 件のコメント:

  1. [平成時代 DNAの30年]第2部「操る」<6>iPS細胞作製にドラマ
    2018年8月2日15時0分

     「(成功したのは)何かの間違いだろうと思った。やけくそ実験だったから」

     iPS細胞(人工多能性幹細胞)を世界で初めて作製した京都大教授の山中伸弥は、初めて成功した実験について明かしている。

     2000年代の初め、体の細胞に外部から遺伝子を入れて、受精卵のような状態に戻す研究をしていた山中が当時、着目した遺伝子は24個。どの遺伝子で細胞が「初期化」するか、突き止める必要があった。

     指示された高橋和利(現・米グラッドストーン研究所研究員)は、遺伝子を一つずつマウス細胞に入れる24通りの実験に全て失敗した。

     複数の遺伝子を入れたら? だが24個の遺伝子の組み合わせは膨大だ。

     「面倒だから、24個全部まとめて入れてみよう」

     どちらが言い出したか、2人ともよく覚えていない。約2週間後、初期化した細胞ができたことを示す細胞の塊が出現した。今度は遺伝子を1個ずつ減らし、4個の遺伝子でiPS細胞ができることを突き止めた。06年8月、国際的な科学誌に論文を発表した。

     次に目指したのは、人のiPS細胞の作製だ。マウスでは、ネズミの細胞に感染するウイルスを遺伝子の「運び役」にしたが、人に感染するウイルスを日常の実験で使うことは避けたい。

     山中は人の皮膚の培養細胞に、マウス細胞にあるたんぱく質を作る遺伝子を加え、マウスのウイルスが感染できる細胞に変えた。これなら、人に感染するウイルスは1回使うだけだ。

     人のiPS細胞の作製に成功した山中らは、07年11月、再び論文を発表。iPS細胞と山中の名は、広く知られるようになった。(文中敬称略)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180802-118-OYTPT50224

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    1. [平成時代 DNAの30年]第2部「操る」<7>安全なiPS細胞で臨床に
      2018年8月16日15時0分

       京都大教授の山中伸弥らは、世界で初めてマウス細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功し、さらに人の細胞でも実現した。だが、大変なのは、その後だった。

       山中らの目標は、iPS細胞を、再生医療で日常的に使われるような実用技術として確立することだ。そのためにはiPS細胞を安心して移植できる安全な細胞にすることが大前提となる。通常の細胞をiPS細胞に変える遺伝子の運び役となるウイルスを含め、作製方法は一から見直すことが必要になった。

       山中の執念に応えたのは、弟子たちだった。

       iPS細胞の作製に使う4個の遺伝子のうち1個は、がんと関係が深い。京大iPS細胞研究所講師の中川誠人は、別の安全な遺伝子でiPS細胞の作製に成功した。

       運び役ウイルスの種類によっては、人に病気を起こす遺伝子が残る可能性がある。同研究所講師の沖田圭介は試行錯誤の末、「プラスミド」というDNAの輪を使う方法にたどり着いた。

       プラスミドに必要な遺伝子を組み込んで試薬と混ぜ、皮膚などの細胞に加えるとiPS細胞が出現した。しばらく培養するとプラスミドは消えた。同研究所からは成果が次々と生まれ、医療に使えるiPS細胞の完成に近づいていった。

       同研究所では現在、他人に移植しても拒絶反応が少ない特別な「型」の遺伝子を持つ人からiPS細胞を作り、備蓄する計画を進めている。研究所は今年4月、こうしたiPS細胞で日本人の32%をカバーできるようになったと発表した。

       治療法の開発などにもiPS細胞の応用は進む。難病の患者から作ったiPS細胞は、病因の解明や治療薬を開発する研究に欠かせない存在となりつつある。

       ◆iPS細胞=体の様々な組織の細胞に変化でき、ほぼ無限に増やせる細胞で、皮膚や血液などの普通の体の細胞に4~6個の遺伝子を組み込んで作る。「万能細胞」とも呼ばれる。発生初期の受精卵に近い状態になることから、iPS細胞ができる現象を初期化と呼ぶ。

           ◇

       (文中敬称略、第2部終わり。大阪科学医療部冬木晶、諏訪智史、今津博文が担当しました)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180816-118-OYTPT50176

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  2. iPS角膜再生、近く申請 大阪大、臨床研究学内審査 実用化に本格始動へ
    2018.8.13 06:34

     人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から角膜の細胞を作製し、けがや病気で角膜を損傷した患者に移植し再生する研究を進めている大阪大の西田幸二教授(眼科学)のチームが22日にも、臨床研究の実施を学内の審査委員会に申請することが11日、分かった。iPS細胞を巡っては、網膜で世界初の臨床研究が実施され、心臓病やパーキンソン病でも研究が進展中。新たに角膜でも実用化に向けた動きが本格始動することになる。

     角膜は厚さ0.5ミリ程度の透明な膜で、レンズの役割を持つ。けがや病気で傷めると、視力が落ちたり失明したりする。

     チームは、iPS細胞から角膜の細胞を作って患者に移植し、機能の改善を目指す。

     提供された角膜を移植する治療法は既にあるが、提供者の確保が必要な上、拒絶反応の心配がある。iPS細胞を利用すれば、こうした課題の解決につながるという。
    https://www.sankeibiz.jp/compliance/news/180813/cpc1808130634001-n1.htm

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    1. iPSで角膜治療 申請…阪大 今年度中に臨床研究
      2018年8月14日5時0分

       iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って目の角膜が傷ついた患者を治療する臨床研究を、大阪大の西田幸二教授(眼科学)らのチームが学内の審査委員会に申請したことがわかった。同委員会と国の承認を得た上で今年度中にも臨床研究を開始する予定で、角膜移植に代わる治療法として実現を目指す。

       角膜は、黒目を覆う組織で、病気やけがで傷つくと視力が低下し、角膜移植以外に有効な治療法がなくなる。一方で、アイバンクから提供される角膜は慢性的に不足している。

       臨床研究は、目のけがや病気で角膜を作る細胞が傷ついた患者が対象。角膜の表面を剥がした上で、iPS細胞から作製してシート状に加工した角膜の細胞を貼り付け、効果や安全性を検証する。iPS細胞は、京都大iPS細胞研究所が作製、備蓄しているものを使う。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180814-118-OYTPT50020

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  3. 発生生物学、幹細胞、臓器移植、再生医療…

    どこに創造(創作捏造)の根っこがあるのかな?(笑)。

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  4. ゲノム編集 遺伝子の一部に変異起こさせる操作 規制せず 原案
    2018年8月16日 4時43分

    ゲノム編集と呼ばれる最新の遺伝子操作技術について、国は専門家を集めて規制が必要か検討していますが、遺伝子の一部に変異を起こさせて新しい品種を作り出す操作については自然界で起きている突然変異と変わらないとして特別な規制はしない、という原案をまとめました。この技術については規制をすべきか国によっても判断が分かれ、日本の議論の行方が注目されます。

    ゲノム編集は遺伝子を操作する最新の技術で、DNAの中の狙った遺伝子に変異を起こさせることや目的の位置に別の遺伝子を組み込むことで動物や植物の品種改良を効率的にできるため世界的に応用が進んでいます。

    従来の遺伝子組み換え技術については、国は飼育や栽培の際に自然環境に無制限に出ないようルールを設けたり、野生の種と交配して生態系に悪い影響を及ぼさないよう規制したりしていますが、ゲノム編集についても同じような規制が必要か、国は専門家を集めて検討を行っています。

    そして、事務局の案として、目的の位置に別の遺伝子を組み込む操作については、従来の遺伝子組み換えと同じ規制をする一方で、狙った遺伝子に変異を起こさせる操作については自然界で起きている突然変異と変わらない、として法律による規制はしないという原案をまとめました。

    国内の消費者団体には厳しい規制をすべきだとする意見がある一方で、この技術の産業応用を目指す企業などからなる団体は厳しい規制は避けるべきだとするなど、意見が対立しています。

    さらに海外では、アメリカ政府が特別な規制をしない方針を示す一方で、EUでは司法裁判所がいずれの方法でも遺伝子組み換え技術と同じ規制を適用すべきとするなど判断が分かれています。

    日本ではさらに検討を行い、早ければ今月中にも規制が必要か方針をまとめることにしています。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180816/k10011578461000.html

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    1. ゲノム編集「難治性の病気などから臨床応用を」
      2018年7月23日23時0分

       遺伝子を効率よく改変する技術「ゲノム編集」について、医療分野の研究を進める東京大の濡木理ぬれきおさむ教授と、生命倫理が専門の北海道大の石井哲也教授が23日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、実用化に向けた課題などを議論した。

       ゲノム編集は、がんなどの治療や品種改良などへの応用が期待されている。濡木教授は、研究が加速する米国や中国と比べ、「日本は政府や企業のバックアップが少ない」と指摘。石井教授は「すばらしい技術だが、使い方が大切。まずは難治性の病気などから臨床応用すべきだ」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20180723-118-OYT1T50080

      https://koibito2.blogspot.com/2018/02/11-2018214-2031-httpswww3.html?showComment=1532355448287#c7568764235902119371

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  5. いまやノーベル賞ってやつは、創作捏造作品にお墨付きを与えるブランドに成り下がってしまったんだな…

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