2023年2月28日

「CO2を排出しない原発は、地球温暖化対策上、重要なエネルギーだ」

「原発再稼働はもちろんのこと、将来的には新たな増設も進める必要がある」@読売社説

温室ガス削減 原発活用で高い目標に挑もう
2015年5月2日 読売新聞「社説」

 温室効果ガスの排出量を、2030年度までに13年度比で26%削減する――。

 政府が日本の新たな目標案をまとめた。

 安倍首相が6月の先進7か国首脳会議で表明する。

 原発の活用を前提とした30年時点の電源構成や、省エネルギー技術の普及予測を踏まえた目標だ。実現可能性を重視しつつ、可能な限り高い数値を設定した。

 鳩山元首相は09年、「20年に1990年比25%削減」を唐突に打ち出したが、政策的な裏付けが乏しく、批判を浴びた。

 温室効果ガスの削減には、社会全体の取り組みが欠かせない。過去の苦い経験を考えれば、今回の目標は妥当な内容と言えよう。

 新目標は、産業部門の二酸化炭素(CO2)削減率を6・5%とした。各業界の自主行動計画に沿った数値だ。生産活動に悪影響を与えないよう考慮したのは、適切な判断である。

 商業・サービスなどの業務部門と家庭部門は4割、運輸部門も3割減と、それぞれ高い目標を設定した。オフィスなどの排出削減が思うように進んでいないため、一層の省エネを促す狙いがある。

 建物の断熱対策、照明のLED化、次世代自動車の普及などを加速させるため、政府には効果的な施策が求められる。

 東日本大震災後、日本の温室ガス排出量は増え続けている。全原発が停止し、火力発電の比率が増えているためだ。

 地球温暖化対策上、CO2を排出しない原発は、重要なエネルギーである。安全性が確認された原発を再稼働させ、将来的には新増設も進める必要がある。

 温暖化対策の国際交渉は、今年が大きなヤマだ。年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、京都議定書に代わる新たな枠組みが決定される見通しだ。

 協議では、自国に有利な枠組みにしようと各国の利害が絡む。

 米国は25年までに05年比26~28%減、欧州連合は30年までに1990年比40%減とする目標を国連に提出している。

 日本の削減目標は、これらと比べても遜色がない。政府は、温暖化対策に取り組む積極姿勢を世界に示すことができるだろう。

 各国の削減目標も重要だが、忘れてはならないのは、世界全体の排出量をいかに減らすかという視点である。排出量が急増する中国など新興国・途上国での削減がカギとなる。省エネ技術による支援は、日本の有力な貢献策だ。
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150501-118-OYT1T50141
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150501-OYT1T50141.html



地球温暖化防止の新たな国民運動「Fun to Share」がスタート!
http://www.eco-online.org/2014/04/14/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E9%98%B2%E6%AD%A2%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E5%9B%BD%E6%B0%91%E9%81%8B%E5%8B%95-fun-to-share-%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88/

気候変動キャンペーン Fun to Share
http://funtoshare.env.go.jp/

機知害じみた政府霞が関大本営主導の「国民運動」ってのを少しずつ薄めにかかっているのかな…





(書きかけ)




読売社説「地球温暖化対策にはCO2を排出しない原子力発電の活用だ」
http://koibito2.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html


エネルギー計画 「原発活用」は現実的な戦略
2014年4月12日 読売新聞「社説」
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20140411-118-OYT1T50161

原発政策 「重要電源」支える工夫が要る
2014年8月28日 読売新聞「社説」
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20140827-118-OYT1T50147

温室ガス対策 世界全体での削減努力が要る
2014年11月5日 読売新聞「社説」
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20141104-118-OYT1T50126

エネルギー政策 安易な「原発ゼロ」は無責任だ
2014年12月8日 読売新聞「社説」
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20141207-118-OYT1T50107

将来の電源構成 原発の適切な活用が現実的
2015年2月23日 読売新聞「社説」
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150222-118-OYT1T50127


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「原子力ムラ」の重鎮が開いていた「原子力反省会」
松丸慶太
~NHK ETV特集取材班『原発メルトダウンへの道―原子力政策研究会100時間の証言―』
( 「波」 2013年12月号 新潮社)
http://www.shinchosha.co.jp/nami/backnumber/20131127/

>「全ての始まりは、我々、太平洋戦争を経験した世代が、資源問題からいかに解放されるかを真剣に考え始めたことからでした。ご存知のように、太平洋戦争は資源獲得の争いでした。そのため、戦争に突入するようなことを二度と繰り返してはならないと痛感したことが、我々の出発点だったのです。そこで最も注目されたのが原子力でした。」

>福島原発事故を経た現在でも、伊原氏の信念は決して揺らぐことはありません。100年かかろうが200年かかろうが、核燃料サイクルを実現させる。それが日本を繁栄させることになると確信しているのです。日本にとって良いことをするのだから、一旦始めたプロジェクトは絶対止めない。そういう「プロジェクト不滅の法則」というべき体質が、日本の原子力政策の根底には横たわっている。その現実が、多くの関係者の証言から伝わってきました。
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/334091.html



(2015年5月2日)

25 件のコメント:

  1. >世界の誤解を解くには、まず読売がみずからの報道を検証し、第五福竜丸事件の真相を明らかにすべきだ
    http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51937286.html

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  2. もんじゅ命令解除へ新理事長決意 児玉敏雄氏「一日も早く」
    (2015年5月2日午前7時20分 福井新聞)

     日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長が1日、就任あいさつのため福井県庁と同県敦賀市役所を訪れ、西川一誠知事、渕上隆信市長とそれぞれ懇談した。児玉氏は、運転再開準備の禁止命令を受けている高速増殖炉もんじゅについて「一日も早い命令解除に全力を挙げて取り組む」と決意を述べた。廃炉作業が進む新型転換炉ふげんの技術を、県内の商業用原発の廃炉に役立てたい意向も示した。

     児玉氏は元三菱重工業副社長で、原子力機構理事長としては2人目の民間出身。4月1日付で就任した。

     児玉氏は「もんじゅはエネルギー基本計画で役割が明確にされ、国際的にも期待されているので、肝に銘じてやっていきたい」と強調。ふげんの廃炉作業に関しては「レーザーを用いた切断技術などを、福井県で本格化する軽水炉の廃炉に適用できるよう取り組みを進める」と話した。

     西川知事は、もんじゅは放射性廃棄物の減容化・有害度低減など核燃料サイクルの技術開発の中心に位置付けられていると指摘した上で「(監督官庁の)文部科学省とよく連携し、命令解除や展望を早く開いてもらうことが大事」と述べた。

     児玉氏は懇談後の記者会見で、もんじゅの改革に関し「チームプレーをすべき職場だと思うので、各階層の縦ラインの管理をもっと強化した方がいい」と述べ、組織改善を進めていく考えを示した。

     もんじゅが巨額の国費を投じながら成果を上げていない状況について「民間では投資ばかりしてリターンがゼロというのは、あり得ない状況。手順を踏んで再稼働して研究成果を出すことを早急にやるべきだ」と強調した。

     敦賀市の渕上市長は、禁止命令の解除が見通せない状態について「(解除へ向け)力を入れ進めていただきたい」と要望。「敦賀は原子力が停止し、経済的に落ち込んでいる。何とか活性化していかなくてはいけない」とし「放射性廃棄物の減容化などの技術は大事。敦賀にも関連産業が根づいてくれたらと願っているので、ぜひとも頑張ってほしい」と求めた。
    http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowermonjuresume/70160.html

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    1. 【社会】もんじゅ運転再開準備禁止命令解除へ決意 児玉敏雄新理事長「一日も早く」
      http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1430635888/

      「もんじゅ」に関連するニュース
      http://www.2nn.jp/word/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

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    2. 偽りの「クリーンエネルギー」「未来のエネルギー」…

      「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力豊かな社会とまちづくり」
      http://koibito2.blogspot.jp/2015/03/blog-post.html

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  3. 日本と同じ型の米原発、変圧器火災で緊急停止
    2015年5月10日18時29分

     【ワシントン=中島達雄】米電力大手エンタジー社は9日、米ニューヨーク州にある同社のインディアン・ポイント原子力発電所3号機で変圧器の火災が発生し、原子炉を緊急停止したと発表した。

     同社によると、原子炉は安全に停止し、周辺住民らに影響はない。米原子力規制委員会(NRC)の緊急事態の4段階の分類のうち、最も低い「放射性物質の漏えいを伴わない異常」に該当するという。

     同原発はニューヨーク市中心部の北約55キロにある。3号機は、1976年から稼働した。電気出力は約100万キロ・ワットで、原子炉のタイプは北海道、関西、九州、四国の各電力などの原発と同じ加圧水型軽水炉。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150510-118-OYT1T50080

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  4. 原子力規制委「もんじゅの再発防止報告書に疑問」
    5月13日 12時46分

    大量の点検漏れなどで試験運転が事実上禁じられている高速増殖炉「もんじゅ」で、再発防止策が出されたあとも新たな点検の不備などが見つかったことについて、原子力規制委員会は「再発防止についての報告書の信頼性に疑問を抱かせるものだ」と指摘し、さらに改善を求めました。

    福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」は、大量の点検漏れなどが発覚し、原子力規制委員会から事実上、試験運転を禁じる命令を受けています。
    原子力機構は、去年12月に再発防止策などをまとめた報告書を提出し、これを受けて規制委員会は、ことし3月、取り組み状況を検査しましたが、安全上重要な配管の点検の際、外側を覆う保温材を取り外さないまま問題ないと判断するなどの新たな点検の不備が見つかっていました。
    これについて、規制委員会は13日の会合で、保安規定違反としたうえで、「大量の点検漏れを受けた再発防止の作業が不十分で、報告書の信頼性に疑問を抱かせるものだ」として、原子力機構にさらに改善を求めました。
    会合では、更田豊志委員が「原子力機構は極めて深刻に受け止めるべきで、どう考えているのか認識を示すべきだ」と述べるなど、原子力機構の対応をただす厳しい意見が相次ぎました。
    日本原子力研究開発機構は「指摘の内容を精査して正式にコメントしたいが、まずは重く受け止めきちんと対応していきたい」としています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150513/k10010077911000.html

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    1. 女川原発1・3号機でも400件余の不備見つかる
      5月13日 18時40分

      東北電力女川原子力発電所の2号機で、実際には存在しない機器を点検したとするなどの不備が4000件余り見つかった問題で、東北電力は、1号機と3号機でも合わせて400件余りの不備があったと発表しました。

      この問題は、女川原子力発電所の2号機で去年9月、原子力規制庁が定期的に行う保安検査で、実際には存在しない機器を点検したと記録したり、記録の訂正を誤った方法で修正したりする記録の不備が4000件余り見つかり、原子力規制委員会は安全確保の取り組みを定めた保安規定に違反しているとして再発防止を求めました。
      これを受けて、東北電力は、1号機と3号機についても調べた結果、同じような不備が合わせて474件見つかり、原子力規制庁に報告しました。
      東北電力は、記録の不備を受けて、点検の方法を周知する部門と点検を客観的にチェックする監査部門に、新たに責任者を配置するなどの再発防止策を来年度までに行うことにしています。
      東北電力の小笠原和徳原子力運営課長は「点検を行いながらミスに気付き、修正できなかったことを反省している。ただし、原発の再稼働とは直接関係する問題ではなく、審査にしっかりと対応して再稼働につなげたい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150513/k10010078441000.html

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  5. 社説
    核燃料サイクル 政府の責任で軌道に乗せよ
    2015年7月12日1時36分

     エネルギー資源に乏しい日本にとって、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」は、重要な事業である。

     着実に進展させる体制を構築せねばならない。

     事業の中核企業である「日本原燃」の今後の経営形態について、経済産業省の有識者会議が、作業部会を設けて検討を始める。

     焦点は、日本原燃の経営に政府がどこまで関与を深めるかだ。

     日本の原子力事業は、政府が立案した政策に基づき、電力会社が具体化に取り組む「国策民営」方式で進められてきた。

     日本原燃は、使用済み核燃料を再処理してウランやプルトニウムを取り出し、新たな核燃料に加工する事業を担う。電力各社が人材と資金面で、日本原燃を全面的に支えてきた。

     だが、現状は深刻である。青森県六ヶ所村で進む再処理工場の建設は最終段階にあるものの、予定より20年近く遅れている。

     原子力規制委員会の審査が完了すれば、ようやく操業開始が見えてくる。核燃料サイクルを軌道に乗せるうえで大切な時期だ。政府が責任を持って、資金や経営の課題に対処すべきだ。

     政府内では、日本原燃を認可法人とする案が浮上している。監督権限を強めることが、主な狙いだ。役員選任などの際に、経産省が関与できるようになる。

     一方で、認可法人化は、経営の柔軟性を奪いかねないとの指摘がある。青森県では、地元採用の減少など、雇用や地域経済への悪影響を懸念する声もある。

     有識者会議の作業部会では、認可法人化の是非について、踏み込んだ議論が求められる。

     規制委による原発の安全審査の長期化で、電力各社は苦境に陥っている。電力の小売りが来春から全面自由化されれば、競争が激化し、経営は一層厳しくなろう。影響は、電力各社に収益を依存する日本原燃にも及ぶ恐れがある。

     再処理工場の総事業費は、約11兆円と見積もられている。日本原燃は、工場を40年間稼働させ、資金を回収する方針だ。

     事業を手がける日本原燃の経営が行き詰まれば、核燃料サイクルの継続は難しくなる。各地の原発から出る使用済み核燃料の行き場がなくなり、原発の安定的な稼働に支障が生じる。

     持続可能な核燃料サイクルを確立するためには、電力各社が、電力の全面自由化後も、応分の負担を続けることが欠かせない。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150711-118-OYT1T50127

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    1. http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150711-OYT1T50127.html

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    2. 核燃サイクル 議論再開…半年ぶり有識者会議  国の関与の程度 焦点に
      2015年6月27日3時0分

       経済産業省は26日、原子力政策の方向性を議論する有識者会議を約半年ぶりに再開した。原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル事業」に、国がどこまで関与するかが当面の焦点だ。事業を担う民間会社「日本原燃」の経営形態などについて、新設した作業部会で7月から議論することを決めた。

       日本原燃は、電力会社からの出資や積立金で運営されている。来年4月の電力小売りの全面自由化で料金値下げ競争が激しくなると、電力会社の経営も厳しくなる可能性がある。電力会社からの資金が細くなり、原燃の経営が立ち行かなくなると、核燃料サイクルそのものが崩壊しかねない。

       国の関与を話し合うのは、こうした事態を避けるためだ。政府は今後、原発の依存度をできるだけ減らすが、重要な電源として活用する方針を示している。

       作業部会では、原燃を、国の権限が強く及ぶ「認可法人」にする案などについて話し合う。認可法人は、役員選任の際、所管大臣の認可が必要で、国の監督権限が強い。経営が危うくなった際、公的資金も投入しやすいとされる。一方、民間と異なり、設備投資のための資金をためておくのが難しくなることも論点に挙がりそうだ。

        ◆今後の原子力政策を巡る主なポイント

      ▽核燃料サイクル事業を担う「日本原燃」のあり方

      ▽原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定

      ▽廃炉が決まり国からの交付金がなくなる原発立地自治体への支援策
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150627-118-OYTPT50096

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    3. BSL4施設に関する有識者会議=長崎
      2015年7月5日5時0分

       長崎大が設置を目指している感染症研究の「高度安全実験(BSL4)施設」について、課題など話し合う有識者会議は4日、長崎市の同大で会合を開き、課題や問題点をまとめた。今後、報告書にして片峰茂学長に提出する。

       この日の会合では、安全対策などに対する国の関与のあり方や、テロを含めた事故などの補償対応、人為的なミスなどによる事故の安全確保などが今後の課題とし、住民に情報公開するなどの対応が必要とした。

       大学側は今後、報告を受けた上で、今月中にも住民説明会を開催する方針。また、ホームページに有識者会議の指摘に関する大学側の方針などを掲載することも検討している。

       議長の福崎博孝弁護士は「今後、新たな局面になった時に改めて話し合いたい」と語り、有識者会議での審議はいったん終了するという。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150704-119-OYTNT50211

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  6. >二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の活用は、温暖化対策上、極めて重要である。
    http://koibito2.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html?showComment=1437283787167#c8856567911466521415

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    1. 【社説】CO2削減目標 省エネを加速させる契機に
      2015年7月19日1時18分

       実現可能性を重視したとはいえ、目標の達成は決して容易ではない。

       官民挙げて、省エネルギーに取り組むことが求められる。

       政府が、温室効果ガスの排出削減目標を正式決定し、国連に提出した。2030年度までに13年度比で26%削減する。

       ベースになっているのが、30年時点の日本の電源構成だ。

       燃料を輸入に頼る火力発電を減らし、原発を引き続き利用する。太陽光、風力などの再生可能エネルギーの比率も増やす。こうしたエネルギー政策の下で、可能な限り高い削減率をはじき出した。

       二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の活用は、温暖化対策上、極めて重要である。再生エネについては、発電コストの軽減などが大きな課題となろう。

       排出量の増加が著しいのは、デパートやスーパー、オフィスビルなどの業務部門だ。目標では、4割の削減を目指している。省エネ型の照明やOA機器などの導入が欠かせない。

       年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)に向け、各国は削減目標の策定を進めている。米国や中国、欧州連合などは、既に国連に提出した。

       COP21で20年以降の温暖化対策の新たな枠組みが合意されれば、各国は、自らが示した目標の達成に取り組むことになる。

       新たな枠組みで大切なのは、先進国だけに排出削減義務を負わせた京都議定書の失敗を教訓に、全締約国に対象を広げることだ。米欧と比べても見劣りしない目標を掲げた日本は、公平・公正な枠組み作りを主導してもらいたい。

       各国に目標を順守させる仕組みも不可欠だ。目標を掲げるだけでは温暖化の進行を防げない。

       一方で、目標の達成を厳格に義務付ければ、米国の離脱で骨抜きになった京都議定書の二の舞いになりかねない。

       各国に対策の進捗しんちょく状況の定期報告を義務付ける。相互に検証し、目標の引き上げを促す。目標を後退させることを禁じる――。いかに世界全体の排出量を削減するかという観点で、実効性のある枠組みを作り上げねばならない。

       京都議定書で削減義務を負っていない中国は、世界の排出量の4分の1を占める最大排出国だ。中国の取り組みが、温暖化対策のカギを握っている。

       日本は米欧などと協調し、中国に対して積極的な排出削減を促していく必要がある。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150718-118-OYT1T50129
      http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150718-OYT1T50129.html

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  7. 菅官房長官「原発再稼働はエネルギー政策上重要」
    8月10日 12時53分

    菅官房長官は午前の記者会見で、鹿児島県の川内原子力発電所1号機が、11日に再稼働する見通しであることに関連して、安全性が確認された原発の再稼働を進めることは、国のエネルギー政策上、重要だという認識を示しました。

    鹿児島県の川内原子力発電所1号機は、再稼働に必要な原子力規制委員会による検査が最終段階にあり、九州電力は検査に問題がなければ、11日午前、原子炉を起動し再稼働させる計画です。
    これに関連して菅官房長官は、午前の記者会見で「第一義的に原発の稼働の責任は事業者にあると考えているが、政府も、安全性が確認された原発について再稼働を進めることは、エネルギー政策上、重要だと考えている」と述べました。そのうえで、菅官房長官は「去年、閣議決定されたエネルギー基本計画では、原子力規制委員会で安全性が確認された原発は再稼働を進めていくという判断をしている。万が一、事故が起きた場合、国が先頭に立って原子力災害への迅速な対応や被災者への支援を行っていく」と述べました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150810/k10010184681000.html

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  8. 抜本的な安全対策を示すよう原子力機構に指示へ
    8月3日 20時49分

    茨城県にある使用済み核燃料の再処理施設で、貯蔵している大量の高レベルの放射性廃液をガラスで固めて廃棄物にする作業が中断し、計画どおりに進んでいないことから、原子力規制委員会は事業者の日本原子力研究開発機構に、ことし11月末までに新たな施設の設置を含め抜本的な安全対策を示すよう指示することを決めました。

    茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の使用済み核燃料の再処理施設は、およそ400立方メートルの高レベルの放射性廃液を貯蔵していますが、原子力規制委員会は、液体のままだとリスクが高いとして、新しい規制基準に適合していると判断される前であっても5年間に限りガラスで固めて廃棄物にする作業を行うことを認めています。
    原子力機構は、施設内のすべての高レベルの放射性廃液をガラスで固めて廃棄物にするのにおよそ20年かかるとして、ことし1月、作業を再開しましたが、設備のトラブルで4月に中断し、来年1月に再開する計画を示しています。
    これについて規制委員会は、作業が計画どおりに進まず、今後、施設が老朽化してリスクが高まるおそれがあることから、新たな貯蔵や処理を行う施設の建設を含め、ことし11月末までに、およそ20年かかるとした工程を大幅に短縮し放射性廃液の貯蔵のリスクを早急に下げる計画を示すよう指示することを決めました。
    原子力機構は「指示の内容を早急に検討し、回答する」としています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160803/k10010620541000.html

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    1. 原子力エネルギー体系自体が、もうどうしようもなく、ゴミ処理をきっちりやろうとしたら成り立たないシステムなのではあるまいか…

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  9. 米 スリーマイル島原発 採算性悪化から閉鎖へ
    5月31日 8時44分

    38年前にアメリカ史上最悪の原発事故が起きたスリーマイル島原子力発電所で、事故を起こしたのとは別の原子炉の運転が、採算性の悪化から再来年に停止され、発電所自体が閉鎖される見通しになりました。

    アメリカ東部、ペンシルベニア州にあるスリーマイル島原発では、1979年に2号機で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きて、放射性物質が漏れ出すアメリカ史上最悪の原発事故があり、その後、2号機では廃炉に向けた作業が行われましたが、1号機では、運転が続けられていました。

    原発を運営する会社によりますと、1974年に運転を開始したスリーマイル島原発1号機は、2034年まで運転の免許が出されているものの、競合する天然ガスなどのエネルギー価格が低い状態が続き、政府からの支援も得られないため、採算性が悪化しており、このままでは運転を続けられないとして再来年、2019年9月末をめどに運転を停止し、廃炉にすることを明らかにしました。これにより、スリーマイル島原発は閉鎖される見通しです。

    アメリカは、およそ100基が稼働する世界最大の原発大国ですが、エネルギー価格の低下や、6年前の東京電力福島第一原発事故のあと、新たな安全強化策にコストがかかるようになったことで、採算性が悪化しているとして原発の廃炉や廃炉の決定が相次いでいます。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170531/k10011001021000.html

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    1. 米スリーマイル島原発、19年運転停止・閉鎖へ
      2017年5月31日10時43分

       【ニューヨーク=有光裕】1979年に米国で最悪となる原子力発電所事故が発生した米スリーマイル島原発が、2019年9月に運転を停止する見通しとなった。

       運営会社の米エクセロン・コーポレーションが30日発表した。シェールガスの生産増加などで火力発電のコストが低下する中、このまま発電事業を続けるのは難しいと判断した。

       同原発の2号機は、79年3月に起きた事故で核燃料が溶け落ち、放射性物質が外部に放出された。事故後も1号機は運転を継続し、34年まで運転する許可を得ていた。だが、採算が悪化しており、廃炉を決めた。今回の決定で、同原発自体が閉鎖されることになる。

       運営会社は、原発が運転中に二酸化炭素を出さず、地球温暖化対策に役立つとして、地元のペンシルベニア州に支援を求めていたが、電気代が上がることへの懸念は強く、実現しなかった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170531-118-OYT1T50035

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  10. 米原発 閉鎖相次ぐ…シェールガス台頭 25年までに5か所
    2017年6月1日5時0分

     【ニューヨーク=有光裕】米国で将来の稼働停止を前倒しする原子力発電所が相次いでいる。これまで原発は、火力などと比べ、安く電気を作れる優位性を持つとされてきた。しかし最近では、シェールガスの生産増により天然ガスを使った火力発電のコストが下がり、原発の魅力が下がっている。30日には、米スリーマイル島原発=写真、ロイター=が、2019年9月に運転を停止し、廃炉になる見通しが明らかになった。

     スリーマイル島原発では米国で最悪となる事故が1979年に発生している。同原発の運営会社は30日、地元のペンシルベニア州の財政支援が見込めず、34年まで計画した運転を断念するとの声明を発表した。

     米国は61原発で99基の原子炉(今年3月時点)が運転中だが、25年までに5原発で原子炉の閉鎖が予定されている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170601-118-OYTPT50059

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  11. [論点]再生エネ 難しい需給調整…矢川 元基氏
    2017年11月14日5時0分

     やがわ・げんき 東大名誉教授、東洋大名誉教授。日本学術会議連携会員、公益財団法人「原子力安全研究協会」会長。工学博士。75歳。

     2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、政府は太陽光や風力などの再生可能エネルギーの利用拡大を進めてきた。これにともない、問題点も明らかになってきた。

     12年に固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、電力会社には、太陽光や風力などで発電した電力の買い取りが義務付けられた。再生可能エネルギー事業への新規参入が相次ぎ、発電量は着実に増えている。

     電力は貯蔵が難しいため、安定的に供給するためには、需要と供給のバランスを保たなければならない。天気のいい日の昼間は太陽光発電量が増えるが、その日が大型連休やお正月で、電力需要が少なかったとする。

     電力会社はまず、火力発電所の出力を下げたり、余った電力で水力発電用のダムに水をくみ上げたりして、供給を減らす。この調整が追い付かなくなって需給バランスが崩れると、電力の供給が不安定になり、最悪の場合は停電に至る。

     決して架空の話ではない。日照時間が長く、遊休地が多い九州は、全国でも特に太陽光発電が盛んだ。種子島や壱岐などの離島では、供給が需要を上回る恐れから、九州電力が再生可能エネルギー事業者に対して出力を抑えるよう指示する日がある。九州本土でもいずれ、出力抑制が必要になると予想されている。

     科学者の団体である日本学術会議は今年9月、「我が国の原子力発電のあり方について」という提言をまとめ、「再生可能エネルギーを基幹的なエネルギーにしていくことが重要である」と主張した。

     再生可能エネルギーが増え過ぎた場合の課題の克服を目指して、電力貯蔵などの技術開発を進めることは大事だが、他の課題も残る。夜間や悪天候の日は太陽光発電はできないし、無風の日は風力発電はできない。太陽光や風力を基幹的なエネルギーとして扱うのには、困難がある。

     政府が15年にまとめた長期エネルギー需給見通しでは、30年度の総発電電力量のうち太陽光の比率は7%、風力は1・7%で、これら再生可能エネルギー全体で22~24%だ。原発は20~22%、石炭火力26%、液化天然ガス27%となっている。わが国のエネルギー安全保障を考えると、これがひとつの目安となるだろう。

     原発については、福島原発事故の教訓を踏まえて安全性に対する大改革が必要である。また、使用済み核燃料の最終処分地の選定などの課題も解決しなければならない。それらの成果を見届けたうえで、上手に使い続けることが重要だ。

     原発がなくなると人材も減り、放射線医療などにも支障が出るであろう。中国が今後、国内に200基、海外に200基の原発建設を計画していることも頭に入れておくべきである。

     温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」で日本は、温室効果ガスの排出量を50年までに80%削減することを目標に掲げている。温室効果ガスを出さない原子力を含め、多様なエネルギー源をバランスよく利用することが肝要ではないか。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20171113-118-OYTPT50309

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  12. 青森・東通原発の建設再開を要望
    地元村長、東電社長に
    2018/2/20 12:11
    ©一般社団法人共同通信社

    東京電力東通原発の建設工事再開を求める要望書を東電の小早川智明社長(右)に手渡す青森県東通村の越善靖夫村長(左)=20日午前、東京・内幸町の東電本社

     東京電力が福島第1原発事故後に建設を中断した東通原発(青森県東通村)を巡り、東通村の越善靖夫村長は20日、東電本社(東京都千代田区)で小早川智明社長と面会、建設工事の早期再開などを求める要望書を手渡した。越善村長は「中断は原子力との共生を掲げる村にとって存亡に関わる」と訴えた。

     要望書では工事の遅れによる地域経済への影響の緩和や、原子力災害対策の強化を求めている。

     面会後、越善村長は「東日本大震災前は2018年度から固定資産税が入ってくるはずだった。今の状況では村の財政計画が崩れてしまう」と述べた。

     東通原発は11年1月に着工した。
    https://this.kiji.is/338507775880594529

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  13. 日本原電 原発停止も2年ぶり黒字 原発維持費が要因
    5月24日 19時06分

    保有するすべての原発が停止している日本原子力発電は、電力の販売ができない中で、ことし3月期の決算で2年ぶりに最終的な黒字になりました。東京電力など電力大手から受け取る原発の維持費が要因です。

    発表によりますと、日本原電のことし3月期のグループ全体の決算は、売上高が1147億円で、最終的な損益は26億円の黒字と、2年ぶりに黒字となりました。

    日本原電は東日本大震災のあと、保有するすべての原発が停止中で電力を販売していませんが、東京電力などから原発維持費として受け取る基本料金が経営を支えていて、今回の黒字の主な要因にもなっています。

    このため、運転延長に向けて原子力規制委員会の審査を受けている東海第二原発が、ことし11月までに審査に合格するかどうかが大きな課題になっています。

    日本原子力発電の村松衛社長は会見で「東海第二原発の審査には、電力各社やメーカーからも支援をいただいているので、クリアするよう全力を挙げたい」と述べました。
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180524/k10011451201000.html

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  14. 社説
    40年超運転同意 既存原発を有効に活用したい
    2021/04/29 05:00

     原子力発電所の安全性を、稼働年数で一律に区切るのは不合理である。電力の安定供給のためには、既存の施設をできる限り有効に活用していくことが重要だ。

     福井県の杉本達治知事が、運転開始から40年を超える関西電力高浜原発1、2号機と、美浜原発3号機の再稼働に同意した。地元の高浜町、美浜町に続き、県議会が再稼働を支持したことを踏まえた妥当な判断だと言えよう。

     原発の運転期間について、日本には元々、制限がなかった。2011年の東京電力福島第一原発の事故後、改正原子炉等規制法で原則40年と定められ、原子力規制委員会が認可した場合は20年間、延長できる措置が盛り込まれた。

     今回の3基は、運転開始から44~46年が経過しているが、規制委が16年に延長を認可している。今回の知事の同意で、再稼働に必要な条件が初めてそろった。

     古い原発の再稼働を不安視する声もある。しかし、原発では部品交換や計画的な補修で機能が維持され、新規制基準に基づく安全対策も導入されている。関電はこうした取り組みを広く周知し、不安の解消に努めてもらいたい。

     関電は、準備が整った原発から再稼働に着手し、運転を開始する方針だという。ただ、3基ともテロ対策の強化を求められており、期限内に完了しないと再び運転を停止しなければならない。

     米国でも原発の運転認可期間は40年だが、上限とはされていない。全米に90基以上ある原発の大半が延長を認可され、60年運転が主流になりつつある。うち4基は80年運転を認められている。

     日本では震災後、9基の原発しか再稼働していない。多くはこの10年間停止したままで、施設の劣化は進んでいない。運転していない期間は、制限の40年から差し引くことが妥当ではないか。

     国内の原発は1990年代以前に建設されたものが多く、今後、次々と運転40年を迎える。延長措置で当座をしのぐだけでなく、本来は、新増設を検討することが安全性の観点からも望ましい。

     原発施設の耐用年数について、科学的な研究を進めていくことも必要だ。運転を継続することが技術や人材の維持にもつながる。

     政府は、2030年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を打ち出した。二酸化炭素を出さない原発の再稼働が進まなければ達成が難しいだろう。政府は曖昧な姿勢を改め、原発を積極活用する方針を明確にすべきだ。
    https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20210428-OYT1T50255/

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  15. 暖かい海に生息するウニの仲間、原発近い冬の若狭湾でも確認…温暖化進んだ50年後の姿かも
    2023/08/10 19:20

    岩場に姿を現したガンガゼ類(魚眼レンズで撮影)(7月23日)

     越前海岸や若狭湾に潜ると、見かける生物に少し違いがあることに気づく。長いトゲが特徴のウニの仲間「ガンガゼ類」もその一つ。亜熱帯から温帯にかけての比較的暖かい海に生息し、越前海岸ではあまり見かけないが、福井県高浜町沖の若狭湾では1年を通してよく目にする。

     冬でも南方の生物が見られるのか。2月、京都大舞鶴水産実験所(京都府舞鶴市)の調査に同行し、高浜町沖に潜った。水温は13度。深さ5メートルほどの岩石の隙間などに、長いトゲを動かしているのを見つけた。周囲には鮮やかな青い魚体のソラスズメダイも。いずれも南方からの潮流で流れてきたとみられる。

    冷たい海でも姿が見られた(魚眼レンズで撮影)(2月6日、いずれも高浜町沖で)

     約2キロ南には、関西電力高浜原子力発電所の放水口がある。2004年からこの海域を調査している同実験所所長の益田玲爾教授によると、原発の運転中は、他の場所に比べて水温が2度ほど高い。一方で、定期検査で全4基が停止した12年2月の直後には水温が下がり、ガンガゼ類などの姿も見られなくなった。

    潜った海の近くには高浜原発がある(高浜町で)

     3、4号機が再稼働すると、再び見かけるようになったという。益田教授は「この海域は水深が浅く、温まりやすく冷えやすい。原発の温排水の影響で、局所的に温暖化している可能性がある」と指摘する。

     7月。同じ場所に潜ってみた。水温は28度まで上がっていた。海底の岩場では、冬よりも多くのガンガゼ類を確認できた。高浜原発では7月28日に1号機が再稼働。9月には2号機も再稼働する予定だ。益田教授は「ここは温暖化が進んだ50年後の日本海の姿なのかも。今後も注意深く見守りたい」としている。(文と写真 斎藤孔成)
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20230809-OYT1T50108/

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  16. 「地球温暖化対策に原発を推進」という理屈となんだか矛盾する話だなあ…

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